佐藤

佐藤

編集長

室谷さん、愛知県と言えばトヨタをはじめ製造業のイメージが強いですが、情報通信業の企業も多いんですよね。そうした企業が使える補助金にはどんなものがあるんでしょうか?
室谷

室谷

代表取締役

そうですね。実は愛知県には情報通信業に関連する国の補助金がいくつもあり、特に総務省や環境省が所管するものが充実しています。今回は、2025年現在も公募中または近期に公募予定のものを中心にご紹介します。

データセンターの脱炭素化・レジリエンス強化

佐藤

佐藤

編集長

まず、データセンター関連の補助金から教えてください。
室谷

室谷

代表取締役

環境省が実施しているのが地域共生を目指したデータセンター脱炭素化設備導入支援事業です。これは令和7年度補正予算によるもので、データセンターの脱炭素化設備導入を支援する大型補助金です。補助上限額に実質的な制限がなく、大規模な設備投資にも対応可能。ただし申請期間が約3週間と短いので、迅速な準備が必要です。締切は2025年12月15日ですが、早めの準備を推奨します。
佐藤

佐藤

編集長

他にもデータセンター関連はありますか?
室谷

室谷

代表取締役

はい。同じ環境省の事業で、令和6年度(補正予算)及び令和7年度データセンターのゼロエミッション化・レジリエンス強化促進事業が二次公募中です。こちらは2050年カーボンニュートラルを目指し、既存データセンターへの再エネ・省CO2設備導入や、再生可能エネルギーを活用した新設データセンターへの支援が3類型あります。補助率は公募要領を参照となっていますので、詳細は確認が必要です。締切は2025年7月29日。一次公募の同名称の事業も2025年5月30日締切で行われていましたが、二次公募が現在受け付け中です。

放送コンテンツによる地域情報発信

佐藤

佐藤

編集長

愛知県の魅力を海外に発信するような補助金はありますか?
室谷

室谷

代表取締役

あります。総務省の放送コンテンツによる地域情報発信力強化事業です。最大4,000万円、補助率1/2以下で、地域の自然・文化・地場産品をテーマにした放送コンテンツを海外向けに制作・放送する事業が対象。地方公共団体等と連携した放送事業者や映像制作事業者が申請できます。締切は2024年6月14日と過ぎていますが、同様の事業が毎年実施される可能性があります。参考までに、執行団体を対象とした令和5年度補正予算及び令和6年度当初予算の同事業では最大約2億4,750万円の定額補助がありました。
佐藤

佐藤

編集長

かなり大型ですね。

通信インフラの耐災害性強化

佐藤

佐藤

編集長

続いて、通信インフラの強靭化に関する補助金を教えてください。
室谷

室谷

代表取締役

総務省の事業でいくつかあります。まず、ケーブルテレビネットワークの耐災害性強化事業は令和6年度補正及び令和7年度当初予算で公募中。ケーブルテレビの光ファイバー化や伝送路の複線化を支援し、災害時にも情報伝達が途切れない基盤を構築します。実施主体は市町村等に限られますが、情報通信業の事業者も協力して提案できます。締切は2025年7月18日。
佐藤

佐藤

編集長

辺地の共聴施設に関する補助金もあるそうですね。
室谷

室谷

代表取締役

おっしゃる通り、辺地共聴施設の高度化支援事業が2025年4月公募で締切7月18日。山間部などでテレビ放送を受信する共聴施設を光ファイバー等の代替技術で高度化・維持するものです。市町村や電気通信事業者が申請できます。また、同様の事業が令和7年度当初予算でも別枠で2025年3月28日締切で公募されていました(終了)。
佐藤

佐藤

編集長

地上基幹放送の耐災害性強化支援もあると聞きました。
室谷

室谷

代表取締役

はい。地上基幹放送ネットワーク整備等事業は令和6年度補正予算で、予備送信所設備や緊急地震速報設備等の整備費用を補助。補助率は1/2または1/3です。締切は2025年1月20日で終了していますが、同様の事業が継続的に行われています。また、地上基幹放送等に関する耐災害性強化支援事業は令和6年度公募で、停電対策設備等に対して最大約5,372万円、補助率は申請者種別に応じて1/2~2/3。締切は2025年3月31日です。
佐藤

佐藤

編集長

民放ラジオの難聴解消支援もありますね。
室谷

室谷

代表取締役

民放ラジオ難聴解消支援事業は最大約2億4,700万円、補助率2/3または1/2で中継局整備を支援します。ラジオは災害時の重要な情報伝達手段ですから、こうしたインフラ整備は欠かせません。2025年3月31日締切です。

海外展開を支援する補助金

佐藤

佐藤

編集長

情報通信業の技術で海外展開したい場合に使える補助金はありますか?
室谷

室谷

代表取締役

経済産業省が実施する一連の海外展開支援補助金があります。例えば、現地社会課題対応型インフラ・システム海外展開支援事業費補助金(FS実施)は、日本企業がインフラ・システムの海外展開に向けたFS調査費用を補助。補助率は1/2(中小企業2/3)。締切は2023年6月2日で終了していますが、同様の事業が複数実施されてきました。
佐藤

佐藤

編集長

エネルギーインフラや質の高いインフラのFS調査もありますね。
室谷

室谷

代表取締役

その通りです。質の高いエネルギーインフラの海外展開に向けた事業実施可能性調査事業費補助金(FS)質の高いインフラの海外展開に向けた事業実施可能性調査事業費補助金(FS)もそれぞれ2023年6月2日締切。また、調査事業の執行団体を公募する大型補助金もあり、令和4年度補正の同事業は上限約3億336万円、令和5年度エネルギーインフラ版は上限4億円、質の高いインフラ版は上限3.5億円で、それぞれ定額補助。こちらは2023年3月8日締切で終了していますが、過去の事例として参考になります。

その他の情報通信関連補助金

佐藤

佐藤

編集長

他に情報通信業に関係する補助金はありますか?
室谷

室谷

代表取締役

無線システム普及支援事業費等補助金は、新4K8K衛星放送の電波漏洩対策工事を支援。最大2,500万円で、2022年2月10日締切。また、高度無線環境整備推進事業は離島・条件不利地域のブロードバンド整備を支援し、補助率最大4/5、上限約2億110万円(令和5年度補正、締切2024年1月15日)。
佐藤

佐藤

編集長

これらの補助金は愛知県の情報通信業の企業でも申請できるのでしょうか?
室谷

室谷

代表取締役

基本的に全国対象の制度が多く、愛知県内の事業者も応募できます。ただし、実施主体が市町村に限定されるものもあるので、自社が直接申請できるかどうかは各制度の公募要領で確認が必要です。

申請のポイント

佐藤

佐藤

編集長

補助金申請で気をつける点はありますか?
室谷

室谷

代表取締役

どの補助金も公募期間が限られています。特にデータセンター関連は申請期間が短いので、事前に事業計画を練っておくことが重要です。また、補助率や上限額だけでなく、対象となる経費の範囲をしっかり確認しましょう。例えば、FS調査補助金では調査にかかる人件費や旅費、外部委託費などが対象になります。
佐藤

佐藤

編集長

採択率を上げるポイントはありますか?
室谷

室谷

代表取締役

事業の社会課題解決性や具体的な成果目標を明確に示すこと、自社の技術の優位性を定量的に説明すること、そして申請書類を丁寧に作成することが大切です。もし専門的なアドバイスが必要なら、経済産業省や総務省の中小企業向け相談窓口を活用するのも一つの方法ですが、具体的な窓口名はここでは省略します。
佐藤

佐藤

編集長

ありがとうございます。最後に、愛知県の情報通信業の企業が特に注目すべき補助金を教えてください。
室谷

室谷

代表取締役

2025年現在で公募中のものとしては、データセンター脱炭素化の2事業(1889・2135)とケーブルテレビ耐災害性強化事業(1954)、辺地共聴施設高度化(1953)が挙げられます。これらは期限が迫っていますので、早めのアクションをおすすめします。
佐藤

佐藤

編集長

本日は詳しくありがとうございました!