佐藤

佐藤

編集長

愛知県で学術研究や専門サービス業を営んでいる企業が使える補助金って、どんなものがありますか?
室谷

室谷

代表取締役

実は、愛知県に限らず全国の事業者が対象の補助金の中に、研究開発や専門サービス業にぴったりの大型制度がたくさんあります。特に、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の委託事業は金額も大きく、国が全額負担してくれるケースも多いんです。本日は、今まさに募集中のものを中心に、学術研究・専門サービス業が狙える制度を整理してみましょう。

先端技術開発を後押しするNEDOの大型委託事業

佐藤

佐藤

編集長

研究開発系の補助金で、愛知の大学や研究機関が使えるものはありますか?
室谷

室谷

代表取締役

あります。NEDOが公募している「先導研究プログラム/フロンティア育成事業」は、将来の産業課題を解決する独創的な技術シーズの研究開発を支援する委託事業です。まだ技術の成熟度が低い段階の研究に対し、資金と機会を提供します。フロンティア育成事業は、大学や企業の研究室が社会実装への橋渡し役を担う絶好の機会ですね。締切は2026年2月27日です。

また、産学連携を重視するなら「産学融合拠点創出事業」も見逃せません。これは大学を起点としたオープンイノベーションを推進する制度で、定額補助(10/10)で上限1,500万円が交付されます。産学融合拠点創出事業は、事業執行団体を公募する形ですが、間接的にも愛知の研究機関がかかわる余地があります。締切は2024年2月16日でしたが、今後の公募にも注視したいですね。
佐藤

佐藤

編集長

AIや半導体関連の補助金も気になります。
室谷

室谷

代表取締役

今、NEDOではポスト5G時代を見据えた大型研究開発が複数走っています。たとえばポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業/製造業データ等のAI-Ready化に関する研究開発(GENIAC)は、製造業データをAIが学習しやすい形に整備する研究開発で、専門サービス業のノウハウが活きる分野です。同様にデータの秘匿性を考慮した効率的なAI学習手法の開発はプライバシー技術とAIの両立を目指す先端研究、先端半導体製造技術の開発は半導体プロセスの微細化や新材料開発を委託で行うプロジェクトです。いずれも締切は2026年1月〜2月に集中しているので、早めの情報収集が大切です。

さらに、生成AI基盤モデル開発のあり方調査およびGENIAC-PRIZE運営調査や、ディープテック・スタートアップエコシステム構築検討事業といった調査・コンサルティング系の委託事業もあり、シンクタンクや専門サービス企業にはまさに直球の公募ですね。NEDOの委託事業は補助率という概念ではなく全額国費負担のケースが多いため、実質的な負担が少ないのも魅力です。

専門サービス業が狙える海外展開・調査支援補助金

佐藤

佐藤

編集長

コンサルや設計事務所が海外案件を獲得するための補助金は?
室谷

室谷

代表取締役

経済産業省の「日中経済交流等事業費補助金」がまさにそれです。日中間の経済交流を促進する調査事業やセミナー、マッチング事業を支援し、上限500万円、補助率1/2で利用できます。中国市場への展開を考える愛知の専門サービス事業者には強い追い風です。日中経済交流等事業費補助金の締切は2024年7月26日でしたが、同様の枠組みが継続される可能性もあるので、経済産業省の動向をチェックしましょう。

また、グローバルサウス諸国へのインフラ海外展開を支援する大型補助金も注目です。グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金では、FS(事業実施可能性調査)に上限1億円、小規模実証事業に上限5億円、補助率は大企業1/2、中小企業2/3と非常に手厚くなっています。愛知の建設コンサルタントやエンジニアリング会社が、ASEANやインド、中東、アフリカなどへの進出を検討する際に活用できます。締切は2024年5月10日でしたが、同種の公募は毎年出ています。
佐藤

佐藤

編集長

もう少し専門的な現地調査の補助金もあるんですか?
室谷

室谷

代表取締役

NEDOの「国際実証における現地制度調査及び事業化評価時のビジネスモデル等の分析調査」は、海外展開を見据えた技術実証の事業化可能性を評価するための現地制度調査やビジネスモデル分析を委託するものです。国際実証制度調査は、国際的な調査・分析能力を有する学術研究機関やコンサルティング企業にぴったりです。締切は2026年2月26日とまだ余裕があります。

エネルギー・環境分野の大型プロジェクト

佐藤

佐藤

編集長

脱炭素やエネルギー分野の補助金は?
室谷

室谷

代表取締役

資源国の脱炭素化を技術面から支援する資源国脱炭素化・エネルギー転換技術等支援事業費補助金は、上限14億円と破格の規模です。水素・アンモニア・バイオ燃料等の先端技術を海外に展開する調査・実証事業を補助率定額、2/3、1/2で支援します。愛知の研究機関やエンジニアリング企業が持つ技術を海外で試す大きなチャンスです。締切は2024年6月20日でしたが、こうした大型予算は定期的に出てきます。

原子力関連では、原子力産業基盤強化事業補助金が上限9億円、補助率1/2で、原子力機器・サービスの安全性向上や認証取得を支援します。専門サービス業でも、原子力関連のコンサルティングやエンジニアリングで参入できます。公募は令和6年度も行われ、二次公募原子力産業基盤強化事業補助金(二次公募)の締切は2024年7月1日でした。

さらに、カーボンリサイクルに特化した産業間連携によるカーボンリサイクル技術実装推進事業や、深地層研究施設の理解促進を図る深地層研究施設活用事業費補助金(上限1.6億円、10/10補助)も、専門知識を活かせる分野です。
佐藤

佐藤

編集長

他にも、モビリティ関連で愛知の自動車産業に関係する補助金は?
室谷

室谷

代表取締役

愛知といえば自動車ですが、まさに無人自動運転開発・実証支援補助金は上限10億円と大型です。自動運転移動サービス用車両開発やトラック開発を支援し、中小企業は補助率2/3、大企業1/3です。学術研究機関が技術開発で参画するケースも想定されます。締切は2024年7月3日でした。

申請のポイントと相談窓口

佐藤

佐藤

編集長

たくさんありますね。申請にあたって気をつけることは?
室谷

室谷

代表取締役

まず、公募要領の熟読と締切管理が鉄則です。特にNEDOの事業は、委託先としての提案内容が厳しく審査されます。また、補助金によっては「大企業」「中小企業」の区分けで補助率が変わるケースがあるので、自社の規模を正確に把握しておきましょう。
佐藤

佐藤

編集長

愛知で相談できる窓口はありますか?
室谷

室谷

代表取締役

愛知県内では、公益財団法人あいち産業振興機構が中小企業向けの補助金相談やセミナーを実施しています。掲載中の補助金はすべて国やNEDOの制度ですが、そうした公募情報をいち早くキャッチするためにも、機構のメルマガ等を活用することをお勧めします。また、各補助金の事務局に直接問い合わせることで、より具体的なアドバイスが得られます。今回ご紹介した制度の多くは公募期間が限られているので、常に最新情報をウォッチすることが大切です。
佐藤

佐藤

編集長

わかりました。まずは研究分野の強みを棚卸しして、どの補助金に合致するか検討してみます。ありがとうございました。
室谷

室谷

代表取締役

はい、愛知の学術研究・専門サービス業には大きな可能性があります。ぜひ積極的に活用してください。