室谷さん、山形県でまちづくりや地域振興に取り組もうとしているんですけど、どんな補助金が使えるか全然わからなくて。
あー、そうですよね。山形県のまちづくり系って、国の補助金から県独自のものまでけっこうバラエティがあるんですよ。大きく3種類に分かれます。
まず「国の補助金」で全国共通のもの、次に「山形県独自の補助金」、そして「市町村レベルの補助金」ですね。まちづくりの場合、国の制度と県の制度を組み合わせるのが一番効率いいんです。
全部同時には無理なんですけど、時期をずらして使ったり、対象事業を分けたりすれば複数活用できるケースはあります。ここが補助金申請の面白いところで(笑)。
| カテゴリ | 主な対象者 | 補助上限の目安 |
|---|
| 国の地域振興補助金 | 民間事業者・NPO・自治体 | 数百万〜数億円 |
| 山形県独自補助金 | 商工会・商店街・団体 | 数十万〜数百万円 |
| 市町村補助金 | 地域団体・個人事業主 | 数万〜数十万円 |
幅が広いですね。どこから手をつければいいんですか?
まず「自分が何をしたいのか」を決めることですね。商店街の活性化なのか、移住者を呼び込みたいのか、若者育成なのか。目的によって使える補助金が変わってくるので。
山形県のまちづくり補助金カテゴリ比較図
じゃあ、まず事業者や団体が使えるまちづくり系の補助金から教えてもらえますか?
山形県独自のものから言うと、「山形県中心市街地・商店街活性化支援事業費補助金」がかなり使い勝手いいですよ。令和8年度も継続してますし。
これ、実は4つのメニューがあるんです。①活性化計画づくり支援(上限30万円)、②計画実行支援として共同施設の更新(上限100万円)、③中心市街地の交流拠点整備(上限100万円)、④まちづくり人材育成チャレンジ支援(上限20万円)。
基本は2分の1です。市町村経由の間接補助が多いので、まず地元の市町村の商工担当窓口に相談するのが最初のステップですね。問い合わせ先は山形県の商業振興・経営支援課(電話 023-630-3370)です。
商店街とか中心市街地を持ってるNPOや組合でも使えますか?
使えます!商店街振興組合、事業協同組合、商工会、商工会議所はもちろん、一般社団法人、NPO、LLPなども対象に入ってます。わりと間口が広いんですよ。
山形県中心市街地・商店街活性化支援事業費補助金(令和8年度)の概要
- 対象: 商店街振興組合・NPO・一般社団法人・商工会・商工会議所など
- 補助率: 1/2(市町村経由の間接補助)
- 主な上限額: 計画づくり30万円 / 施設更新100万円 / 拠点整備100万円 / 人材育成20万円
- 問い合わせ: 山形県産業労働部 商業振興・経営支援課(023-630-3370)
- 公式: 山形県公式ページ
小規模事業者持続化補助金「ビジネスコミュニティ型」
個別の商店というより、グループで動く小規模事業者向けには何かありますか?
全国制度ですが「小規模事業者持続化補助金ビジネスコミュニティ型」が使いやすいですよ。山形県内の商工会・商工会議所地区でも利用できます。
ビジネスコミュニティ型って、普通の持続化補助金と何が違うんですか?
若手経営者や女性経営者が5者以上のグループを作って、販路開拓、防災、事業承継などに取り組む活動を支援するもので、上限50万円です。個人で申請するより、地域のコミュニティとして動いているグループ向けですね。
そうなんです。山形県内なら山形市や鶴岡市、酒田市などに商工会議所がありますし、農村部の小規模事業者は商工会地区分を使えます。
詳細はこちらで確認できますよ。
地域の人事部支援事業
まちづくりって人材育成もセットで考えないといけないですよね。
そこですよ!経済産業省の「中小企業支援事業補助金(地域の人事部支援事業)」というのがあって、山形県でも活用されてます。複数の地域企業をまとめて、行政・金融機関・大学と連携して「地域の人事部」を作る取り組みを支援するものです。
個々の中小企業が単独で人材採用するのは難しい。でも地域全体でコミュニティを作れば、域内でキャリアステップが生まれて定着率が上がる、という発想です。補助上限は1,300万円で、補助率は2/3〜1/3。
補助事業者公募の詳細はこちらで確認を。
山形県ってわりと中小企業の連携が重要そうですよね。
山形県は県内総生産に占める中小企業の比率が全国でも高い地域なんです。だからこういう「地域全体で人材を囲む」発想がハマりやすいんですよね(笑)。
山形県まちづくり補助金申請フロー図
山形県って月山とか出羽三山とかあるじゃないですか。観光×まちづくりみたいな補助金はないですか?
ありますよ!環境省の「国立公園利用拠点滞在環境等上質化事業」は山形県内の国立公園エリアにも使えます。補助上限がざっくり9億9,800万円と、かなり大規模な補助金です。
国立公園の廃屋撤去、インバウンド対応のWi-Fi整備・多言語サイン設置、景観改善、既存施設の観光資源化などが対象です。補助率は1/2か2/3。自治体や民間事業者も申請できます。
詳細はこちら。
月山の麓の集落とか、蔵王のあたりって外国人観光客が増えてますよね?
そうなんです。インバウンド需要に対応するための整備補助なので、山形県の観光地にはかなりフィットする補助金ですね。ただ公募時期があって、年によって変わるので最新情報は環境省のサイトで確認してください。
国立公園等多言語解説等整備事業という別枠もあって、案内板や展示物を多言語化する事業が対象。補助率は2/3で、蔵王や出羽三山エリアのビジターセンターなどに活用できる可能性があります。
ユニバーサルツーリズム促進事業
観光と言えば、障害がある方や高齢者が旅行しやすい環境整備も「まちづくり」の一環ですよね。
まさに。国交省・観光庁系の「観光地・観光産業におけるユニバーサルツーリズム促進事業」がそれです。宿泊施設のバリアフリー改修、交通機関のUDデザイン対応、観光施設の情報バリアフリー化などが対象。
詳細はこちら。
温泉地が多い山形県には使い道がありそうですね(笑)。
そうなんですよ!銀山温泉とか、赤倉温泉みたいな歴史ある温泉地でのバリアフリー整備に活用できます。宿泊施設と地域全体で取り組む「まちづくり」として位置づけられるのもポイントです。
まちづくりって、結局「人が来ない」「若者がいない」問題と戦うことでもありますよね。
そうそう。山形県の移住支援金は、実はまちづくりの観点から見ても重要なんです。東京23区から山形県へ移住して一定要件を満たすと、世帯移住で100万円、単身移住で60万円が受け取れます。
さらに18歳未満の子どもがいる場合は、一人当たり最大100万円の加算もあります(市町村による)。つまり子ども2人なら最大300万円になる可能性も。山形県への定住者を増やすための強力な制度です。
まちづくり団体がこれを活用してUIターン人材を呼び込む、みたいな使い方もできますか?
できます!「地域おこし協力隊」と組み合わせるのも王道のパターンですね。協力隊として来て、その後定住して地域活動の核になる、というケースが山形県内でも出てきてます。
移住先の市町村です。要件を満たしているか確認してから、各市町村の担当窓口に問い合わせてください。山形県の「やまがた暮らし」ポータルサイトに詳細が載ってます。
- 世帯移住: 100万円(子ども加算あり)
- 単身移住: 60万円
- 要件: 東京23区から山形県に転入、対象求人への就業等
- 申請先: 移住先の市町村窓口
- 情報: 山形県移住支援事業公式ページ
AKATSUKIプロジェクト(若手人材発掘育成)
若い人を育てる、という観点の補助金も気になります。
総務省の「AKATSUKIプロジェクト」は地方の若手IT人材・起業家人材を発掘・育成する補助金で、山形県内の事業者も補助事業者として申請できます。補助上限は3,000万円で、補助率は2/3〜10/10です。
地域の若者をITや起業家として育てる、という感じですか?
そうです。産業界や学界のプロジェクトマネージャーを配置して、伴走型で育成する仕組みです。まちづくり人材育成と組み合わせると面白い取り組みができます。
詳細はこちら。
最近、脱炭素とまちづくりを組み合わせた支援も増えてますよね。
環境省系の補助金が山形県でも使えるものがいくつかあります。「デコ活」(脱炭素につながる新しい豊かな暮らしを創る国民運動)推進事業は、企業・団体・自治体が連携して脱炭素行動を広める取り組みを支援するものです。
東北6県全域が対象エリアに入っていて、山形県内の企業・NPOでも活用できます。「地域における地球温暖化防止活動促進事業」も補助率1/2で、地域の温暖化防止センターが活用している制度。
詳細はこちら。
グリーンスローモビリティって聞いたことあるんですが、あれもまちづくりに使えますか?
使えます!「グリーンスローモビリティ導入促進事業」は時速20km未満の電動小型車両(GSM)を地域の移動サービスとして導入する補助金です。補助率1/2で、過疎地域の移動手段不足と脱炭素化を同時に解決できる取り組みとして注目されてます。
まさに。中山間地域の集落で高齢者の移動手段を確保しながら、観光客向けの周遊サービスにもなる。まちづくりと脱炭素の両方に効くアプローチです。
詳細はこちら。
| 補助金名 | 所管 | 補助上限 | 補助率 | 対象 |
|---|
| 山形県中心市街地・商店街活性化支援 | 山形県 | 100万円 | 1/2 | 商工会・NPO・商店街組合等 |
| 小規模事業者持続化補助金ビジネスコミュニティ型 | 国(中小企業庁) | 50万円 | 定額 | 5者以上の小規模事業者グループ |
| 地域の人事部支援事業 | 国(中小企業庁) | 1,300万円 | 1/3〜2/3 | 地域企業群の連携体 |
| 国立公園利用拠点滞在環境等上質化事業 | 国(環境省) | 最大約10億円 | 1/2〜2/3 | 自治体・民間事業者 |
| AKATSUKIプロジェクト | 国(総務省) | 3,000万円 | 2/3〜10/10 | 若手育成プログラム事業者 |
| 山形県移住支援金 | 山形県 | 100万円(世帯)+子ども加算 | 定額 | 東京23区から移住の個人 |
| 地球温暖化防止活動促進事業 | 国(環境省) | 約1,000万円 | 1/2 | 地域温暖化防止センター等 |
| グリーンスローモビリティ導入促進事業 | 国(環境省) | 1台最大300万円 | 1/2 | 地域移動サービス事業者 |
こうして並べると、国の補助金の方が上限額が大きいですね。
そうなんですよ。ただ国の補助金は競争率が高かったり、事務局公募型で山形県内の事業者が直接は取りにくいものもある。山形県独自の補助金は上限は小さくても採択率が高めで、地域密着のプロジェクトに向いてます。
そうです。じゃあここで申請の実務的なポイントも整理しておきましょうか。
まず「何をしたいか」を具体化する。商店街活性化なのか、移住促進なのか、観光整備なのか、補助金によって対象事業が全然違います。
山形県内の相談窓口に連絡する。山形県産業労働部(商業振興・経営支援課)か、最寄りの商工会議所・商工会に相談すると、適切な補助金を紹介してもらえます。
国の補助金は公募時期に注意する。国の補助金は公募開始から締め切りまでの期間が短いことが多く、常に新着情報をチェックする必要があります。
申請書類を早めに準備する。事業計画書や収支計画書、法人格の証明書類などが必要な場合が多いです。プロジェクトが決まったら並行して書類準備を始めましょう。
複数の補助金を組み合わせる可能性を考える。同じ事業に二重に補助金を受けることは原則できませんが、事業フェーズや対象経費を分けて複数活用できる場合があります。
- 補助金はすべての経費をカバーするわけではありません。人件費が対象外のもの、建物本体の工事費が対象外のものなど、制度によって異なります
- 申請前に「対象経費・対象外経費」を必ず確認してください
- 補助金は原則として後払いです。先に自己資金で支出し、領収書等を提出して後から補助金を受け取る流れになります。資金繰りに注意しましょう
そうなんです。これが意外と盲点で、補助金をもらうつもりで資金が足りなくなるケースがある。小規模なまちづくり団体や商店街組合は特に注意してほしいポイントですね。
銀行に相談して一時的に融資を受けながら、補助金を待つ、みたいな流れも必要ですか?
そういう場合もありますよ。山形県内の地方銀行や信用金庫も補助金申請のサポートをしてるところが増えてきてるので、金融機関に相談するのも一つの手です。
山形県でまちづくり・地域振興に使える補助金、けっこう多いんですね。
そうなんです。国の補助金を山形県内で使う、県独自の補助金を使う、市町村レベルの補助金を使う、という3層で探すと漏れが減りますよ。まず自分の地域の商工会か商工会議所に相談してみるのが一番の近道かな。
補助金の専門家とか、中小企業診断士とかに相談するのも有効ですか?
有効です!特に国の大型補助金は採択率が厳しいものもあるので、申請書の書き方のコツを知ってる専門家のサポートを借りる価値は十分あります。
ありがとうございました。山形県のまちづくり補助金、ちゃんと調べてみます!
山形県は移住支援も手厚くて、外から人を呼び込む仕組みと地域を育てる補助金が両輪で動いてます。うまく組み合わせて、いいまちづくりにつなげてもらえると嬉しいですね。