東京都 雇用・職場改善 主要補助金・助成金 比較
室谷さん、最近「従業員がなかなか定着しない」って悩んでいる東京の中小企業経営者が多いと聞くんですが、雇用や職場改善に使える補助金って、実はけっこうあるんですか?
そうなんですよ、かなりあります!東京都は雇用対策にとても力を入れていて、国の補助金と組み合わせると相当な選択肢になりますよ。
大きく分けると3つの軸があります。「若手の採用・定着」「障害者雇用の促進」「働き方改革・テレワーク」ですね。それぞれ目的に特化した助成金が用意されています。
東京しごと財団という東京都の公益財団法人が、都内中小企業向けに独自の助成金をいくつも運営しています。国の制度に上乗せして活用できるケースもあるので、東京の事業者は実は恵まれた環境にあります。
全国の中小企業向けの補助金と、東京都独自の補助金で、使い分けはどうすればいいですか?
基本的には「まず都の制度、次に国の制度」で探すのがおすすめです。都の制度は東京に特化しているので、東京の最低賃金や労働市場の特性に合わせた内容になっています。
では、東京都独自の補助金から教えてください。どこから手をつければいいですか?
まず若手人材の採用・定着に悩んでいる企業には「ES向上若手人材確保・定着事業助成金」が強力です。
これは住宅・食事・健康の3分野で福利厚生を整備すると最大300万円の助成が受けられる制度です。東京しごと財団が実施していて、最大3年間継続して支援を受けられます。
300万円は大きいですね!何をやれば対象になるんですか?
たとえば社宅制度(住宅借上)を導入したら上限200万円、食事補助を始めたら上限50万円、健康増進サービス(フィットネスジム補助等)を導入したら上限50万円という感じです。2つ以上の取り組みを組み合わせることが条件です。
障害者雇用の話も聞きましたが、東京都独自の制度はありますか?
はい。初めて障害者を雇用する都内中小企業には最大120万円の奨励金が出ます。「障害者雇用スタート支援奨励金」という制度です。
そうです。障害者雇用促進法で法定雇用率が順次引き上げられているので、いずれは対応が必要になります。最初の一歩を踏み出す企業を応援する制度ですね。
2026年度時点で民間企業は2.5%が法定雇用率です。従業員40人以上の企業は最低1人の障害者雇用が義務になっています。これに対応しながら奨励金をもらえる、という流れです。(
障害者雇用スタート支援奨励金の詳細で申請要件を確認してみてください。)
すでに障害者を雇用している企業向けの制度もあるんですか?
あります!国の「特定求職者雇用開発助成金(特開金)」の支援期間が終わった後も、東京都が独自に最大198万円の賃金助成を継続してくれる制度です。
国の制度が終わった後に東京都が引き継いでくれるんですか。手厚いですね。
そうなんです。国→都と継続して支援を受けられるので、実質的に助成期間がかなり長くなります。障害者雇用を継続している中小企業には、ぜひ活用してほしい制度ですね。(
東京都中小企業障害者雇用支援助成金の詳細はこちら。)
東京都のテレワーク助成金は2026年度から大きくリニューアルしました。「テレワークトータルサポート助成金」として、導入から定着まで3段階のコースで最大250万円まで助成します。
「トータルサポート」というくらいだからかなり幅広いんですね。
必須の「テレワーク環境整備コース」(上限250万円、補助率2/3)に加えて、育児介護との両立に使える「加算コース」(定額20万円)、職場環境改善にも使える「職場環境改善コース」(上限50万円)をオプションで組み合わせられます。
補助率2/3って高いですね!パソコンやシステム導入費用が対象なんですか?
そうです。クラウドシステムの導入費、セキュリティ対策、コミュニケーションツールの費用が対象です。在宅勤務規程の整備費用も含まれます。申請は東京しごと財団のウェブサイトからで、令和8年5月29日から受付開始とのことです。(
テレワークトータルサポート助成金の詳細で最新情報をご確認ください。)
規模感が全然違います。医療・福祉分野の事業者は補助率10/10(全額補助)で最大5,000万円の補助が受けられます。
ICT導入や生産性向上のための設備投資が全額補助です。人手不足が深刻な医療・福祉分野を重点的に支援する東京都の施策ですね。介護事業所や病院、クリニックの方はぜひ確認してほしい制度です。(
生産性向上・職場環境整備等支援事業の詳細はこちら。)
こういった雇用支援って、一般の中小企業以外でも使えるものがありますか?
難病やがんの従業員を抱える企業向けに、「東京都難病・がん患者就業支援奨励金」があります。治療と仕事の両立に積極的に取り組む企業に最大90万円が支給されます。
これは知りませんでした。がん治療中の方が働き続けられる制度ですよね。
そうです。入院・通院のための休暇制度を整備したり、短時間勤務や時差出勤を導入したりする企業が対象です。貴重な人材の離職を防ぎながら、企業のCSR活動にもなる制度です。(
難病・がん患者就業支援奨励金の詳細で要件を確認できます。)
東京都 雇用補助金 申請ステップ
東京都の制度はわかりました。次は厚生労働省などの全国共通の補助金についても教えてください。
国の制度は規模が大きい分、要件が複雑なものも多いです。でも都の制度と重複して使えるケースもあるので、積極的に検討してほしいですね。
「働き方改革推進支援助成金」というのをよく聞きますが、どんな制度ですか?
厚生労働省の制度で、労働時間の削減や有給休暇取得促進のための設備投資・制度導入を支援します。個別企業向けの「団体推進コース以外」は最大1,270万円、補助率3/4とかなり手厚いです。
補助率3/4で1,270万円ですか。何に使えるんですか?
労働時間削減のためのITシステム導入、業務効率化ツール、勤怠管理システムなどが対象です。「業種別課題対応コース」「労働時間短縮・年休促進支援コース」「勤務間インターバル導入コース」の3コースから選べます。(
働き方改革推進支援助成金(個別企業向け)の詳細はこちらです。)
佐藤: 業界団体向けのコースもあるんですか?
はい、「団体推進コース」は業界団体や事業主団体が傘下の中小企業向けに働き方改革を推進する取り組みに最大1,000万円が出ます。商工会議所や同業組合経由で申請するイメージです。(
働き方改革推進支援助成金(団体推進コース)の詳細で確認できます。)
障害者雇用の「定着」を支援する制度はありますか?雇うだけじゃなくて、長く働いてもらうための制度が知りたいです。
「職場内障害者サポーター事業」があります。社員が養成講座を受講して「職場内障害者サポーター」になると、企業に最大24万円の奨励金が支給されます。
社員側がトレーニングを受けるんですね。それはおもしろい仕組みですね。
障害者を雇用するだけでなく、職場で一緒に働く同僚が適切に接し、サポートできる体制を整えることで定着率が上がります。単に数字(法定雇用率)をクリアするだけでなく、職場環境の質を高める取り組みです。(
職場内障害者サポーター事業の詳細はこちら。)
育休・育業(育児休業)に関する補助金もありますか?
東京しごと財団の「働くパパママ育業応援奨励金」があります。令和6年度版で父母が協力して育業を取得する企業に定額100万円が支給されます。
そうです。女性従業員が子の2歳の誕生日前日までに父親と協力して合計6ヶ月以上の育業を取得した場合に支給されます。子育てしながら働き続けられる職場づくりを応援する制度ですね。(
育業応援奨励金の詳細はこちら。)
佐藤: 「年収の壁」の問題って聞いたことあるんですが、それに関係する補助金もありますか?
あります!「年収の壁対策支援奨励金」は、配偶者の収入要件がある家族手当を見直した企業に最大10万円が交付される制度です。103万円や130万円の壁で就業調整している従業員が多い企業には特に関係してきます。(
「年収の壁」対策支援奨励金の詳細で確認できます。)
| 補助金・助成金名 | 最大金額 | 補助率・形式 | 主な対象 | 運営元 |
|---|
| ES向上若手人材確保・定着事業助成金 | 300万円 | 1/2 | 都内中小企業(若手採用・定着) | 東京しごと財団 |
| 障害者雇用スタート支援奨励金 | 120万円 | 定額 | 初めて障害者を雇用する都内中小企業 | 東京都産業労働局 |
| 障害者雇用支援助成金 | 198万円 | 定額 | 特開金満了後も継続雇用する中小企業 | 東京都産業労働局 |
| 職場内障害者サポーター事業 | 24万円 | 定額 | 社員をサポーター養成する都内企業 | 東京しごと財団 |
| テレワークトータルサポート助成金 | 250万円 | 2/3〜 | 都内中小企業(テレワーク導入) | 東京しごと財団 |
| 生産性向上・職場環境整備等支援事業 | 5,000万円 | 10/10 | 都内医療・福祉事業者 | 東京都保健医療局 |
| 難病・がん患者就業支援奨励金 | 90万円 | 定額 | 治療と仕事の両立に取り組む都内企業 | 東京都産業労働局 |
| 働くパパママ育業応援奨励金 | 100万円 | 定額 | 都内中小企業(育業促進) | 東京しごと財団 |
| 「年収の壁」対策支援奨励金 | 10万円 | 定額 | 家族手当を見直した都内中小企業 | 東京しごと財団 |
| 働き方改革推進支援助成金(個別) | 1,270万円 | 3/4 | 全国の中小企業(労働時間短縮等) | 厚生労働省 |
| 働き方改革推進支援助成金(団体) | 1,000万円 | 定額 | 全国の事業主団体 | 厚生労働省 |
補助金・助成金は原則として「後払い」です。採択が決まっても、先に自社で費用を立て替えて、後から補助金が振り込まれます。資金繰りに余裕を持った計画が必要です。特にテレワーク助成金やES向上助成金のように、年間数百万円規模になる場合は要注意です。
2候補の補助金を3つ以上リストアップする(都の制度と国の制度を両方チェック)
3GビズIDを事前に取得する(電子申請に必須。取得まで約2週間かかる)
4申請書類を準備する(就業規則、賃金台帳、見積書など)
5採択後に経費を支出する(採択前の支出は原則対象外)
- 都の制度と国の制度は「併給可能」なケースが多い。複数を重ねて活用できる場合もある
- 東京しごと財団の無料相談窓口を活用すると、自社に合う助成金を専門家に絞り込んでもらえる
- 年度をまたぐ計画が多いため、前年度から準備を始めると申請に余裕が生まれる
- 規模の大きい助成金ほど採択競争があるので、早めのエントリーが有効
国の補助金・助成金の電子申請システムに使う公的な認証IDです。取得に2週間程度かかるので、補助金に挑戦したいなら今すぐ申請しておくことをおすすめします。料金は無料です。
無料なら早めに取っておいた方がいいですね!東京しごと財団には相談窓口があるんですか?
はい、東京しごと財団の「雇用環境整備事業」の窓口に電話やメールで相談できます。どの助成金が自社に合うか、申請要件を満たしているかなど、無料でアドバイスをもらえます。東京の中小企業経営者はぜひ使ってほしい窓口です。
それはありがたい。補助金って書類が多くて大変なイメージがあるんですが、専門家に相談できるなら心強いですね(笑)
東京は中小企業向けの支援インフラが充実しているので、上手に使えば採用力・定着力をかなり高められます。一歩踏み出す価値は十分ありますよ!
今日はいろいろ教えてもらいました!結局、東京の事業者が最初に見るべき補助金はどれですか?
課題によって変わりますが、若手採用なら「ES向上若手人材確保・定着事業助成金」、働き方改革全般なら「働き方改革推進支援助成金」、障害者雇用を始めるなら「障害者雇用スタート支援奨励金」が取り組みやすいです。
まず東京しごと財団に相談して、自社に合う制度を見つけるのが近道ということですね。
その通りです。東京都は年々、雇用支援の制度を充実させています。使わない手はないですよ!(東京都内で利用できる補助金・助成金の全体像は
東京都の補助金一覧ページでも確認できます。雇用以外の補助金も含めて探したい場合は
雇用・職場改善の目的別ページもあわせてご覧ください。)