愛知県 設備投資・IT導入補助金 主要7制度 比較チャート
室谷さん、うちの会社も設備が古くなってきて、そろそろIT化も進めたいんですけど、愛知県だとどんな補助金が使えるか全然わからなくて。
ほんとに種類が多いですよね。国の制度だけで常時20〜30本、愛知県独自のものまで含めると100本以上あります。製造業の集積地だから、県も国もかなり手厚く支援してるんですよ。
えっ、そんなにあるんですか!どこから手をつければいいんでしょう?
まず「国の制度」と「愛知県・市町村の制度」に分けて考えると把握しやすいですよ。国の制度は金額が大きい分、申請もしっかり準備が必要で。愛知県の独自制度は上限は低めでも採択率が比較的高いという特徴があります。
そうそう。IT導入なら「デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)」から入るのが一番わかりやすいですし、設備投資なら「ものづくり補助金」が定番です。さらに大規模な投資を考えてるなら「大規模成長投資補助金」もあります。
まず国の制度から教えてください。特に使われている補助金ってどれですか?
設備投資・IT導入でよく出てくるのは、大きく分けて6本です。それぞれ対象もターゲットも違うので、順番に見ていきましょう。
まず「ものづくり補助金」ですね。上限4,000万円、補助率1/2〜2/3と、中小企業の設備投資補助金としては最大級の規模感です。製造業だけじゃなく、サービス業や小売業も使えます。
4,000万円って大きいですね!どんな設備が対象になるんですか?
工作機械、ロボット、自動化設備、それから新しいITシステムの開発も対象です。革新的な取り組みの設備投資が対象で、「既存設備の単純更新」はNGなんですよ。事業計画書でいかに革新性を示せるかが採択の鍵です。
直近21次締切では40〜50%くらいです。半分ぐらいは通るんですけど、甘くない。事業計画書の完成度が問われます。申請はjGrantsという電子申請システム経由で、GビズIDの取得が必須なので、思い立ったらまずGビズIDを申請しておく、というのが鉄則ですね。詳しくは
ものづくり補助金の詳細ページも参考にどうぞ。
IT系なら「IT導入補助金」ですか?最近名前が変わったって聞いたんですが。
そうなんです、2026年度から「デジタル化・AI導入補助金」に名称が変わりました。補助額は枠によって違って、通常枠は30〜450万円、補助率1/2。インボイス枠は最大350万円で補助率3/4まで上がります。
そうなんです。会計ソフト、在庫管理、CRM、予約システムなどのITツール導入費用が対象で、クラウドサービスの初期費用や月額利用料も含まれます。IT導入支援事業者と一緒に申請する仕組みなので、「どのベンダーを選ぶか」が最初のポイントになります。
ベンダーが決まってないと申請できないってことですか?
そうです。IT導入支援事業者として登録されている事業者を通じて申請するので、まずそこを選んでください。愛知県内にも多数の登録事業者がいます。GビズIDは絶対事前取得ですよ。
製造ラインの自動化やロボット導入なら「省力化投資補助金」も注目です。カタログ注文型と一般型の2種類あって、カタログ型は上限1,500万円、補助率1/2です。
あらかじめ登録された製品カタログの中から選んで申請するタイプですね。事業計画書の作成が比較的シンプルなので、初めての申請者にも入りやすいです。人手不足の解消や省人化投資に特化していて、愛知県の製造業にはかなり刺さる制度だと思います。
あと「大規模投資」ってキーワードもよく聞くんですけど。
それは「大規模成長投資補助金」のことですね。上限50億円、補助率1/3以下という、中小・中堅企業向けでは国内最大級の補助金です(笑)。
50億円!さすがにそこまでの規模じゃないんですが……(笑)
これは工場の新設や大規模ラインの再構築、DX化投資を大規模に行う中堅企業向けですね。中小企業でも活用できますが、投資額が相当大きい案件が対象になります。愛知の自動車サプライヤーとか、設備投資に何億円もかける企業は検討の価値があります。詳しくは
大規模成長投資補助金の詳細ページで確認できます。
「助成金」の方はどうですか?補助金との違いって何ですか?
助成金は一般的に、要件を満たせば採択率が高くなる傾向があります。業務改善助成金は厚生労働省の制度で、最低賃金を引き上げた上で生産性向上の設備投資をすると、その費用の3/4〜4/5が助成されます。上限600万円、補助率最大4/5は破格ですよ。
4/5ってほとんど全額じゃないですか!条件はあるんですか?
事業場内の最低賃金を30円以上引き上げることが必須条件です。「どうせ賃上げするなら助成金も取りに行こう」という発想ができる会社には最適ですね。IT系の設備も対象になります。詳しくは
業務改善助成金の詳細ページもどうぞ。
設備だけじゃなくて、IT活用の人材育成にも補助金って使えるんですか?
使えます!人材開発支援助成金が典型例で、IT人材の育成研修を実施した場合、経費の75%が助成されることもあります。高度デジタル人材訓練の中小企業枠は特に手厚くて。ツール入れても使いこなせないと意味ないですから、こういう制度も併用するといいですね。
なるほど、設備投資と人材育成をセットで考えるといいわけですね。
設備投資・IT導入補助金 申請から入金まで 5ステップ
愛知県や各市独自の補助金ってどんなものがあるんですか?
これがまた充実してるんですよ。愛知県は製造業の県なので、研究開発から設備投資、DX化まで独自の補助制度が揃ってます。
2026年度から愛知県が新設したのが「中小企業デジタル化・DX促進補助金」です。上限200万円、中小企業は1/2、小規模企業者は2/3の補助率。コンサルティングからデジタルツール導入、既存システム改修まで全部使えます。
えっ、それいいですね!申請はどうすればいいですか?
「あいち産業DX推進コンソーシアム」への加入が必須条件です。コンソーシアムに入っている県内事業者だけが申請できます。2026年3月6日に公募が始まって、5月12日が締切だったので今年度は終わってますが、来年度も継続されるかどうか注目ですね。公式ページは「
https://dx-hojo.aibsc.jp/」です。
そうです。加入は無料(会費あり)なので、来年度以降に備えてコンソーシアム加入だけ先にやっておく、という作戦もありです。
「新あいち創造研究開発補助金」は上限1億円という大型で、研究開発や実証実験を行う愛知県内企業が対象です。補助率は企業規模によって違って、中小企業は最大2/3、大企業は1/3です。
1億円って、県の補助金としては相当大きいですよね。
AIやカーボンニュートラルに特化した「デジタル(AI)・カーボンニュートラル枠」も設けられていて、最先端技術の研究開発に積極的な支援姿勢がわかります。ただし2026年度の公募期間は3月25日から4月7日と約2週間と短かったので、来年度は早めにチェックが必要ですね。詳しくは
新あいち創造研究開発補助金の詳細ページもどうぞ。
名古屋市は「中小企業デジタル活用支援補助金」をやってます。市内中小企業向けで、ソフトウェア導入費・機械設備・電子機器まで幅広いデジタル化投資が対象で、補助率1/2です。
市の補助金って上限額が低いイメージがあるんですが。
そうですね、市の制度は国の制度と比べると上限は小さめですが、採択率が比較的高い傾向があります。国の補助金が通らなかったときのバックアップ的な活用もできますよ。
市町村レベルで面白いのが小牧市の「中小企業デジタル化支援補助金」です。上限100万円、補助率1/2で、限度額に達するまで複数回申請できるのが特徴的です。
そうなんです。ただし他の補助金との併用不可なので、時期をずらして単独活用する必要があります。申請前に「確認書」をこまき新産業振興センターに取りに行く独自の手順があります。詳しくは
小牧市デジタル化支援補助金の詳細ページを確認してください。
春日井市の「工場新増設事業助成金」が強力です。建物の評価額の最大10〜12%が助成されて、上限は2億円。工場面積500平方メートル以上、投資額1億円以上(中小は5,000万円以上)という要件があります。
そうなんです。名古屋市に隣接した好立地で、工場立地の総合支援として用地取得や新規雇用への関連助成金も用意されています。製造業の新工場検討なら春日井市は有力候補ですよ。詳しくは
春日井市工場新増設助成金のページをどうぞ。
岡崎市は工場等建設奨励金が超強力で、上限10億円という規模感です。高度先端産業立地奨励金も合わせると、大規模工場建設の支援体制がかなり整ってます。
知財周りで言うと、中部経済産業局の「中小企業等知的財産支援地域連携促進事業費補助金」があります。産業支援機関が申請主体になって、愛知・岐阜・三重・石川・富山の5県の中小企業への知財サポートを強化する制度ですね。
そうです。商工会議所や産業振興センターが申請して、それを通じて地域の中小企業が知財サポートを受ける形になります。特許出願や知財戦略の相談をしたい場合は、地元の商工会議所に問い合わせてみてください。詳しくは
知財支援補助金の詳細ページで。
| 制度名 | 対象 | 補助上限 | 補助率 | 主な用途 |
|---|
| ものづくり補助金 | 中小企業全般 | 4,000万円 | 1/2〜2/3 | 設備投資・IT開発 |
| デジタル化・AI導入補助金 | 中小・小規模 | 450万円 | 1/2〜3/4 | ITツール導入 |
| 中小企業省力化投資補助金 | 中小・小規模 | 1,500万円 | 1/2 | ロボット・自動化 |
| 大規模成長投資補助金 | 中堅・中小 | 50億円 | 1/3 | 大規模設備投資 |
| 業務改善助成金 | 中小・小規模 | 600万円 | 3/4〜4/5 | IT導入+賃上げ |
| 愛知県DX促進補助金 | 愛知県内中小 | 200万円 | 1/2〜2/3 | DX・システム改修 |
| 新あいち創造開発補助金 | 愛知県内全般 | 1億円 | 1/3〜2/3 | 研究開発・実証 |
| 名古屋市デジタル活用支援 | 名古屋市内 | 非公表 | 1/2 | デジタルツール |
| 小牧市デジタル化支援 | 小牧市内 | 100万円 | 1/2 | IT化投資 |
| 春日井市工場新増設助成金 | 春日井市内製造業 | 2億円 | 10〜12% | 工場建設 |
| 岡崎市立地奨励金 | 岡崎市内 | 10億円 | 固定資産連動 | 工場建設 |
| 人材開発支援助成金 | 全業種 | 非上限 | 60〜75% | IT人材育成 |
そうなんです。「今すぐ使えるもの」と「将来の大型投資に備えるもの」で分けて考えると選びやすくなります。まず手をつけやすいのはデジタル化・AI導入補助金ですね。GビズIDさえあれば比較的シンプルに申請できます。
補助金申請で特に気をつけることってどんなことですか?
補助金の大原則は「採択(交付決定)を受けてから設備を発注・契約すること」。採択前に発注してしまうと、その設備は補助対象外になります。補助金狙いで設備を検討している場合は、必ず「採択決定の連絡後」に業者と契約してください。
一番やってしまうミスが「採択前の発注」ですね。上の警告ボックスに書いた通りです。補助金を使う前提で動いているのに、早まって機器を発注してしまって全額自己負担になったケースを何件か見てきました。
GビズIDは申請の必須ツールで、取得に数週間かかります。「申請したいと思ったときに取り始めても間に合わない」というのがよくあるパターンなので、補助金を検討し始めたら同時にGビズID申請を始めてください。
3要件を満たしているか、採択実績から採算が合うか検討する
4事業計画書を作成(複数の補助金候補が絞れたら専門家にも相談)
GビズIDって他の補助金でも共通で使えるんですか?
そうです!一度取れば、ものづくり補助金でもIT導入補助金でも使い回せます。全部jGrantsで申請するので。逆に言えば、GビズIDを持っていれば複数の補助金に同時応募も可能です(ただし同一設備への重複補助はNGです)。
なるほど、まずGビズIDですね。あと「後払い」ってよく聞くんですが、これも注意が必要ですか?
補助金は全部後払いです。一旦自己資金で全額支払って、事業完了後に申請して振り込んでもらう流れです。ものづくり補助金なら採択から入金まで1年以上かかることもザラなので、それだけの資金繰り余力が必要です。
ここを甘く見る会社が多いんですよ。「補助金が来たら払える」という考え方は危険で、補助金分も含めて先に払える財務体力が前提になります。資金調達と組み合わせるケースも多いですね。
- 公益財団法人あいち産業振興機構 — 愛知県DX促進補助金の事務局、DX相談窓口
- 名古屋商工会議所(Pit-Nagoya)— IT活用の無料相談、IT支援企業のマッチング
- 中部経済産業局 — ものづくり補助金・各種制度の相談窓口
- 愛知県デジタル技術活用相談窓口 — DX導入の無料専門家相談
相談窓口があるのは心強いですね。費用もかかるんですか?
ここに挙げた窓口は全部無料です。補助金申請の専門家(中小企業診断士や行政書士)に有料で依頼する選択肢もありますが、まず無料相談で方向性を確認するのがおすすめですね。
最後に、室谷さんが愛知の経営者に一番伝えたいことって何ですか?
愛知は補助金的にはかなり恵まれた県なんですよ。国の制度を使えるのはどこも同じですけど、愛知県独自のDX補助金や各市町村の立地支援まで含めると、組み合わせ次第で相当な支援を受けられます。
例えば、まず業務改善助成金でIT化しながら賃上げして、その後ものづくり補助金で大型設備投資する、みたいな時間差での活用です。同一設備への重複はNGですが、別々の設備・ソフトなら複数本同時に申請することも可能ですから。
そうです。補助金は「申請したら必ずもらえるもの」ではなく「戦略的に使って経営を強化するもの」です。愛知には製造業の先輩企業がたくさんいて、補助金活用の知見も豊富ですから、商工会議所や支援機関に相談しながら進めるのが近道ですよ。愛知県全体の補助金・助成金を確認したい場合は
愛知県の補助金一覧をご覧ください。設備投資・IT導入以外の目的別補助金は
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