島根県 研究開発補助金 比較表
室谷さん、うちの会社が新しい素材技術の開発を考えているんですけど、島根県で研究開発に使える補助金ってどのくらいあるんですか?
意外と充実してますよ!島根県は県独自の制度がいくつかあって、国の大型制度と組み合わせると資金調達の選択肢はかなり広がります。
当然です(笑)。国の制度は全国どこの中小企業でも応募できるので、島根県の企業も当然対象です。ただし要件が厳しくて、大学や公設試験研究機関との連携が求められるものが多いですね。
じゃあ県独自のものと国のものを両方把握しておく必要があるんですね。
そうです。全体的に見ると、島根県で研究開発補助金を活用する企業のパターンは「まず県独自の制度で試作開発費を補填して、実績ができたら国の大型制度に挑戦する」という流れが多いですよ。
しまねオープンイノベーション推進事業助成金
島根県独自の制度で一番大きい補助金ってどれですか?
「しまねオープンイノベーション推進事業助成金」がダントツで大きいですよ。補助額の上限が、チャレンジ枠で100万円、事業化枠で500万円、高度研究開発枠だと最大1,000万円になります。
1,000万円!それはすごいですね。誰でも使えるんですか?
対象は県内に事業所を持つ中小企業の製造業者です。ポイントは「オープンイノベーション」という名前の通り、国内の大学や研究機関、企業と連携することが前提なんですよ。自社だけの研究ではなく、外部と組んで新技術・新製品を開発する取り組みが対象です。
チャレンジ枠は2分の1以内。事業化枠と高度研究開発枠は、詳細はしまね産業振興財団のホームページで公開されています。審査では「製品・技術力」「市場性」「事業推進体制」が評価されるので、技術力だけでなくビジネスとしての将来性も訴求する計画書が大事ですね。
2つ加点になるポイントがあって、ひとつは島根県の次世代産業振興プロジェクト(グリーン・次世代モビリティ・ヘルスケアの3分野)に関連する取り組みであること、もうひとつはパートナーシップ構築宣言の登録企業であること。この2つを事前に整えておくと採択確率が上がります(笑)。
申し込みや詳細は公益財団法人しまね産業振興財団が窓口です。島根県産業振興課(電話: 0852-22-6019)でも相談できます。
しまねオープンイノベーション推進事業助成金 ポイント
- 高度研究開発枠: 補助上限1,000万円
- 事業化枠: 補助上限500万円
- チャレンジ枠: 補助上限100万円(補助率1/2以内)
- 対象: 県内製造業中小企業・大学等と連携
- 加点要因: 次世代産業3分野への関与 / パートナーシップ構築宣言
産業廃棄物3R技術開発事業費補助金
研究開発系で島根県独自の制度はほかにもありますか?
あります。「産業廃棄物3R技術開発事業費補助金」です。これはちょっと特殊で、産業廃棄物の削減・再利用に関する技術開発に特化した補助金なんですよ。
そうなんです。ただ、「廃棄物を原料として利用した製品の研究開発」も対象なので、リサイクル素材を使った新製品開発などにも使えます。補助率は研究開発枠で対象経費の3分の2以内、補助額は100万円以上500万円まで。FS(可能性試験研究)枠は200万円以内で補助率も3分の2です。
そうなんですよ。3分の2補助ってかなり珍しいんですよね。対象者は県内に事業所を持つ事業者なので、製造業以外の事業者も対象になります。2026年度の申込期限は令和8年6月10日です。問い合わせは島根県産業振興課(出雲・隠岐地域: 電話 0852-22-6221)または西部県民センター石見地域振興部商工振興課(石見地域: 電話 0855-29-5649)へ。
松江市 新製品・新技術開発支援事業補助金
県だけじゃなくて市町村レベルの補助金もあるんですか?
松江市が独自の制度を持ってます。「新製品・新技術開発支援事業補助金」で、3つの段階に分かれています。トライアル事業で上限20万円、開発スタートアップ事業で上限100万円、実用化製品化事業で上限200万円。どの段階も補助率は2分の1です。
そうなんです。最初は小さく始めて、段階的に大きい開発につなげる仕組みです。松江市内の企業が対象で、問い合わせはものづくり産業支援センター(テクノアークしまね内)へ。令和8年度版の実施要領も公開されているので、松江市の企業はまずここから始めるのがいいと思いますよ。
島根県独自制度
- オープンイノベーション推進: 最大1,000万円
- 3R技術開発: 最大500万円
島根県 研究開発補助金 申請フロー
成長型中小企業等研究開発支援事業(Go-Tech事業)
中小企業庁の「成長型中小企業等研究開発支援事業」、通称Go-Tech事業がいちばん有名ですね。令和8年度は3月27日に公募が始まっています。中小企業者等が大学・公設試等と連携して行う研究開発を最大3年間支援します。
通常枠で単年度あたり4,500万円以下、3年間合計で最大9,750万円。大型研究開発枠だと3年間で最大3億円まで。補助率は中小企業者等が3分の2です。でも島根大学や島根県産業技術センターとの連携体制を組む必要があるので、事前のコーディネートが必要なんですよ。
まずはしまね産業振興財団の新事業支援課(電話: 0852-60-5112)に相談するのが近道です。産学連携のコーディネーターが対応してくれます。それか島根大学の産学連携センターに直接コンタクトするのもありですよ。
NEDOの研究開発支援プログラム
NEDOって名前はよく聞くんですが、島根の企業でも使えますか?
使えます!NEDOは国立研究開発法人で、いくつか常時募集系のプログラムを持っています。たとえば
NEDOフロンティア育成事業は、将来の産業・社会課題解決につながる革新的な研究開発を委託事業として支援するものです。
NEDOエネルギー・環境新技術先導研究プログラムがあります。エネルギー・環境分野における革新的技術の創出を目的にした研究開発助成です。大学・研究機関・企業が連携して応募するもので、島根大学の材料エネルギー学部が絡む研究テーマだと相性がいいですよ。
島根大学の材料エネルギー学部ってそういうのに強いんですか?
強いです!しかもしまね産業振興財団のサイトを見ると、島根大学材料エネルギー学部と県内企業の共同研究・事業化提案を随時募集しているんですよ。ここに乗っかってGo-TechやNEDO系に応募するのが王道ルートです。
産学連携推進事業費補助金(産学融合拠点創出事業)
産学連携で使える補助金としてほかに何かありますか?
産学連携推進事業費補助金 F/S調査支援型があります。地域ブロックの大学と企業が連携してフィージビリティ・スタディ(F/S)調査を実施するための補助金で、経済産業省が実施します。要件としては複数大学・企業によるコンソーシアムの構築が前提です。
確かに1社だけで動くのは大変なんですよ(笑)。しまね産業振興財団がコーディネートしてくれる場合もあるので、まず相談するのが先ですね。
創出エリア支援型というタイプもあって、こちらは地域のネットワーク形成をより重視した形になってます。
| 補助金名 | 実施主体 | 上限額 | 補助率 | 主な要件 |
|---|
| しまねオープンイノベーション推進事業助成金 | 島根県・しまね産業振興財団 | 1,000万円 | 1/2以内 | 県内製造業中小企業・大学等と連携 |
| 産業廃棄物3R技術開発事業費補助金 | 島根県 | 500万円 | 2/3以内 | 県内事業所・廃棄物関連技術 |
| 松江市新製品・新技術開発支援事業補助金 | 松江市 | 200万円 | 1/2以内 | 松江市内事業者 |
| 成長型中小企業等研究開発支援事業(Go-Tech) | 中小企業庁 | 9,750万円/3年 | 2/3以内 | 大学・公設試等と連携 |
| NEDOフロンティア育成事業 | NEDO | 非公表 | 委託 | 大学・研究機関・企業連携 |
| NEDOエネルギー・環境技術先導研究 | NEDO | 非公表 | 委託 | エネルギー・環境分野 |
| 産学連携推進事業費補助金(F/S型) | 経済産業省 | 非公表 | 非公表 | コンソーシアム必須 |
| 産学連携推進事業費補助金(創出エリア型) | 経済産業省 | 非公表 | 非公表 | コンソーシアム必須 |
まずは「しまね産業振興財団に相談する」ことです。ここに行くと、自社のテーマに合った補助金の選定から、産学連携のマッチング、応募書類のアドバイスまでしてもらえます。島根県の研究開発補助金は、相談なしでいきなり申請するより、コーディネーターの支援を受けた方が断然採択率が上がるんですよ。
jGrants(経済産業省のオンライン申請システム)を使う国の制度はGビズIDが必要です。取得に2〜3週間かかることがあるので、申請を思い立ったら最初にGビズIDの取得手続きを始めておきましょう。取得しておくだけで損はないですし、他の補助金申請でも使えます。
しまね産業振興財団に相談(新事業支援課 0852-60-5112)
自社テーマに合う補助金を絞り込む(県独自 or 国制度)
GビズIDを取得(jGrants経由の申請に必須)
事業計画書を作成(技術力・市場性・連携体制を明示)
研究開発補助金の多くは「後払い方式」です。補助対象経費を一度自己資金で支払ってから、実績報告を経て補助金が交付される仕組みになっています。特に大型のGo-Tech事業では数千万円規模の先行支出が発生することもあるため、資金繰り計画を事前に立てておくことが重要です。
研究開発補助金って採択されるとどんな効果があるんですか?
資金面だけじゃなくて、「採択された」という実績が次の資金調達に使えるんですよ。Go-Techに採択されると認知度が上がって、次のNEDO系や民間からの資金調達がスムーズになるケースがある。それと島根大学との共同研究実績は、産学連携型の大型補助金を狙うときの強力な武器になります。
なるほど、補助金採択が次のステップへの橋渡しになるわけですね!
そうです。島根は人口は少ないですけど、島根大学という技術系の大学があって、県と財団が中小企業の研究開発をサポートする体制はしっかり整ってますよ。ぜひ積極的に活用してほしいですね。