アルミや銅の「都市鉱山」からCO2を削減する補助金が来た!

佐藤

佐藤

編集長

室谷さん、今回の補助金ってタイトルが「金属破砕・選別設備導入事業(バリューチェーン)」ってあるんですけど、これどんな事業に使えるんですか?
室谷

室谷

代表取締役

ざっくり言うと、使用済みの製品からアルミや銅などの金属を高度に破砕・選別するための設備を導入する事業者に補助金が出る制度です! いわゆる「都市鉱山のリサイクル」を加速させるための環境省の補助金ですね。
佐藤

佐藤

編集長

都市鉱山! なるほど、捨てられたスマホや家電の中にある金属を回収するやつですよね。
室谷

室谷

代表取締役

そうそう。廃製品の中には鉄、アルミ、銅、レアメタルなんかが眠っていて、それを効率よく分離・回収できれば、新たに鉱山から掘り出すよりもCO2排出量をかなり減らせるんです。この補助金はそのプロセス全体の脱炭素化を後押しするのが目的です。
佐藤

佐藤

編集長

えっ、補助上限が72億9700万円!? これ相当大きい案件ですよね。
室谷

室谷

代表取締役

そうなんです! 令和7年度(補正予算)の予算と令和8年度の予算を合算した補助総枠なので、個社単位の補助額は事業規模次第になります。でも製造ラインをまるごと刷新するような大型投資にも対応できるスケールですね。

補助率と補助額の詳細

補助率一覧 - 中小企業1/2・大企業1/3
補助率一覧 - 中小企業1/2・大企業1/3
項目内容
補助率(中小企業)補助対象経費の1/2(50%)
補助率(大企業等)補助対象経費の1/3(33%)
補助上限額約72億9700万円(令和7年度補正+令和8年度分の総枠)
補助下限額記載なし(要相談)
リース活用可(一定条件あり)
佐藤

佐藤

編集長

中小企業が1/2で大企業が1/3なんですね。リースで設備を入れる場合はどうなるんですか?
室谷

室谷

代表取締役

リースの場合は、リース先事業者が中小企業なら補助率1/2が適用されます。ただし条件が細かくて、リース期間が法定耐用年数の70%以上(10年以上は60%以上)であること、補助金交付額相当分をリース料に反映させる特約を締結すること、などのルールがあります。
佐藤

佐藤

編集長

なかなかシビアですね! あと「中小企業」の定義って何で判断するんですか?
室谷

室谷

代表取締役

中小企業基本法第2条第1項に規定する中小企業者かどうかで判断します。業種によって従業員数や資本金の基準が違いますが、製造業なら従業員300人以下または資本金3億円以下が目安ですよ。

補助率のポイント まとめ

  • 中小企業: 補助対象経費 × 1/2(50%)
  • 大企業等: 補助対象経費 × 1/3(33%)
  • リース活用時: リース先の企業規模で補助率が決定
  • 補助金の支払いは原則として精算払い(事業完了後に請求)

どんな設備が対象になるのか

佐藤

佐藤

編集長

具体的にどんな設備を入れれば補助対象になるんですか?
室谷

室谷

代表取締役

大きく分けると3種類あります。まず「金属高度破砕・選別設備」で、これはアルミや銅などを素材ごとに分離するための先進的な破砕・選別装置です。次に「金属スクラップ溶解炉・焙焼設備」、そして前処理や搬送など処理ラインに必要な周辺設備一式ですね。
佐藤

佐藤

編集長

「高度破砕・選別」って通常の破砕と何が違うんですか?
室谷

室谷

代表取締役

ここが面白いんですよ! X線を用いた含有元素に応じた合金選別とか、複数センサーを組み合わせた高効率選別など、先進技術を活用して従来よりも回収される素材の量または質を向上させる技術が対象です。要は「ただ壊すだけ」じゃなくて「賢く分けられる」設備が求められているんですね。
佐藤

佐藤

編集長

なるほど! AI活用とかも含まれそうですね。
室谷

室谷

代表取締役

そういう方向性は合致します。設備の電動機はトップランナー規格(IE3: 国際規格)以上を使用することが条件になっていますよ。あと重要なのが、設備は必ず新品であること! 中古品や既存機器の改造は対象外です。

補助対象外の代表例

  • 中古品・新古品・一度でも稼働した設備
  • 既存機器の改造・主要部品交換による性能変更
  • 土地・建屋・基礎工事(杭基礎・底盤等)
  • 既存施設の撤去・移設・廃棄費用
  • 本補助金への応募・申請に係る経費
  • 予備品
補助対象経費の区分内容
設備・機器本体金属高度破砕・選別設備、溶解炉・焙焼設備
運搬・据付・試運転補助対象設備の搬送・設置・試験調整費
直接・間接工事費設備設置に必要な配管・配線等
設計費実施設計に係る費用
電源供給設備対象設備に電源を供給する設備
佐藤

佐藤

編集長

設計費まで含まれるんですね。これは大きいですよ!
室谷

室谷

代表取締役

そうなんです。工事費や試運転費も補助対象になるので、設備投資全体をかなりカバーしてくれます。ただ補助金が出るのは交付決定日以降に発注・着工した分だけなので、採択前に先走ってはいけません!

申請資格と対象要件

佐藤

佐藤

編集長

誰でも応募できるんですか?
室谷

室谷

代表取締役

応募できるのは(ア)民間企業、(イ)一般社団法人・財団法人・公益社団法人・公益財団法人、(ウ)環境大臣の承認を得て財団が適当と認める者、の3種類です。外資系企業でも日本国内の事業所に設備を設置する事業なら申請可能ですよ。
佐藤

佐藤

編集長

中小企業だけじゃなくて大企業も申請できるんですね!
室谷

室谷

代表取締役

そうです。補助率が違うだけで、大企業も申請できます。それと新会社を設立して代表事業者にする場合は、交付申請時までに設立を完了させる必要があります。

補助対象事業の要件 2つ

  • 要件1 都市鉱山のリサイクル促進のため、リサイクル工程におけるアルミ・銅等の金属高度破砕・選別を行い、素材ごとにリサイクルの高度化を図るための設備を導入する事業であること

  • 要件2 導入設備による事業プロセス全体のCO2削減効果と、製造された代替素材等の国内導入量を把握し、事業完了後に事業報告書を定められた期日までに提出できること

佐藤

佐藤

編集長

CO2削減効果の計算も求められるんですか! 難しそう…
室谷

室谷

代表取締役

これが意外と大事なんですよ。申請書にはCO2削減量の算出過程を含む根拠を明示する必要があります。専用のエクセルシート(CO2削減効果計算書)が財団のホームページからダウンロードできるので、それを使って計算します。審査でも費用対効果(CO2 1トン削減するための費用)が重視されるポイントなので、しっかり準備してほしいですね。

申請の流れ

申請の流れ - 6ステップ
申請の流れ - 6ステップ
佐藤

佐藤

編集長

締切が2026年6月5日12時! もうすぐじゃないですか!
室谷

室谷

代表取締役

公募期間は2026年5月1日から6月5日の12時までで、約5週間しかありません。GビズIDの取得から始めると実質3〜4週間しかないので、今すぐ動き出してほしいですね。

審査のポイントと採択攻略法

佐藤

佐藤

編集長

審査はどんな基準で判断されるんですか?
室谷

室谷

代表取締役

主な審査項目は4つです。まず「事業の実施計画の確実性・合理性」、次に「循環型社会構築への貢献」、「CO2削減効果」、「リサイクル増加量」、そして「事業の先進性」ですね。
佐藤

佐藤

編集長

全部大事そう…。特に力を入れるべきポイントはどこですか?
室谷

室谷

代表取締役

やはりCO2削減効果と費用対効果のアピールが最重要です。「この設備を導入することで年間何トンのCO2を削減できて、それにかかる費用は1トンあたり○万円だ」という定量的な説明が求められます。「なんとなく環境に良さそう」では採択されません!

採択を狙うための4つの攻略ポイント

  • ポイント1 CO2削減量の定量的根拠 年間削減量をライフサイクルフロー図込みで算出。設備導入前後での電力消費量・CO2排出量の比較データが必須

  • ポイント2 設備の先進性を強調 単なる破砕・選別設備ではなく、X線選別やAIセンサー活用など「従来技術を超える」点を明確に記述

  • ポイント3 リサイクル増加量の見込み 素材別(アルミ、銅、レアメタル等)の回収量増加を具体的な数値で示す

  • ポイント4 加点項目を活用 温室効果ガス排出削減の目標設定・デコ活宣言の登録、エコ・ファースト認定、「資源循環の促進のための再資源化事業等の高度化に関する法律」に基づく認定計画を持っていると加点される

佐藤

佐藤

編集長

デコ活って何ですか?
室谷

室谷

代表取締役

環境省が推進する「デコ活(脱炭素につながる新しい豊かな暮らしを創る国民運動)」の応援団・宣言制度です。企業がデコ活宣言を登録しておくと審査で加点されますよ。登録は無料なので、申請前に済ませておきましょう。
佐藤

佐藤

編集長

採択後に廃掃法の許可が取れなかったらどうなるんですか?
室谷

室谷

代表取締役

申請時に取得予定で申請することも可能ですが、許可取得までに必要な手続きの工程表を提出する必要があります。補助事業の完了は許可取得が前提になるので、許可申請に時間がかかることを見越して早めに行政手続きを進めておくことが大事です。

補助対象経費と資金計画

佐藤

佐藤

編集長

実際に申請するとき、資金計画はどう考えればいいですか?
室谷

室谷

代表取締役

補助金の支払いは原則として精算払いなので、一旦全額を自己資金や金融機関の融資で賄う必要があります。補助金が入るのは事業完了・実績報告の後です。大型設備投資になるケースが多いので、キャッシュフローの計算をしっかりやっておかないと資金繰りで詰まります!
佐藤

佐藤

編集長

えっ、先に全額出して後で補助金が戻ってくるんですね。知らなかった…
室谷

室谷

代表取締役

これが意外と見落とされやすいポイントなんです。申請書には資金調達計画書も必要で、金融機関との調整状況(融資確定・調整中・未協議)を記載します。融資が確定している場合は確認書類の写しを添付することで、審査の際の信頼性が上がります。
資金調達先ポイント
金融機関融資調整状況(確定・調整中)の証明書類を添付すると審査の信頼性UP
自己資金補助対象外経費(建屋・土地等)は全額自己資金が必要
補助金精算払いのため、資金調達計画に補助金額は含めずに計算すること
佐藤

佐藤

編集長

資金回収年数の計算も必要なんですね。
室谷

室谷

代表取締役

そうです。自己負担額を「年間の利益増加額+ランニングコスト削減額」で割って、何年で回収できるかを算出します。省エネ効果や素材の付加価値向上による収益増を定量的に示すことが重要です。

採択後の義務と注意事項

佐藤

佐藤

編集長

採択されたら終わりじゃないんですよね?
室谷

室谷

代表取締役

そこが大事なポイントで! 採択後も様々な義務があります。事業完了後3年間、毎年度末から30日以内に年次のCO2削減効果報告書を環境大臣に提出しなければなりません。
佐藤

佐藤

編集長

3年間も報告書が必要なんですか!
室谷

室谷

代表取締役

それだけ環境省が効果の実証にこだわっているということですね。もし計画した削減目標を達成できないと判明した場合は、財団への報告が義務づけられ、最悪の場合は補助金の返還を求められることもあります。だからCO2削減の試算は現実的な数字で申請してほしいんです。

採択後の主な義務(見落とし注意!)

  • 事業完了後3年間、毎年度のCO2削減効果報告書を提出
  • 取得した設備を法定耐用年数期間中に処分する場合は財団の承認が必要
  • 設備に「補助事業で取得した旨の表示」を行う
  • 環境省からの設備視察・アンケート調査に協力する
  • CO2削減目標未達成の場合は理由を付記して報告(補助金返還の可能性あり)
佐藤

佐藤

編集長

返還リスクまであるんですね。申請内容はしっかり現実的に書かないといけないですね。
室谷

室谷

代表取締役

そうです。不正が発覚した場合は年10.95%の利率で加算金を乗せた全額返還と、刑事罰の適用もあり得ますので、くれぐれも書類の虚偽記載は厳禁です。

基本情報まとめ

項目内容
制度名金属破砕・選別設備導入事業(バリューチェーン)
正式名称二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(プラスチック資源・金属資源等のバリューチェーン脱炭素化のための高度化設備導入等促進事業)
公募期間2026年5月1日(金)〜2026年6月5日(金)12時00分
補助率中小企業 1/2、大企業等 1/3
補助上限約72億9700万円(総枠)
対象地域全国(日本国内の事業所)
申請方法jGrantsによる電子申請(GビズIDプライム必須)
実施機関公益財団法人廃棄物・3R研究財団(環境省の補助金を受けて執行)
事業期間原則 交付決定日〜2027年2月末(最大2カ年度で2028年2月末まで)
公式URL参照URL(環境省PDF)
jGrants掲載jGrantsで検索・申請

類似補助金との比較

佐藤

佐藤

編集長

同じシリーズの補助金が他にもあるって聞いたんですが?
室谷

室谷

代表取締役

そうなんですよ! 今回の「金属破砕・選別設備導入事業」は全部で5本あるシリーズの⑤番目なんです。内容によっては他の補助金の方が合う可能性もあります。
補助金対象設備補助上限
①省CO2型プラスチック高度リサイクル設備導入事業プラスチックのリサイクル設備約72億9700万円
③太陽光パネルリサイクル設備導入事業太陽光パネルのリサイクル設備約72億9700万円
④リチウム蓄電池リサイクル設備導入事業リチウムイオン電池のリサイクル設備約72億9700万円
②化石資源代替プラスチック省CO2型製造設備導入事業再生可能資源由来素材の製造設備約72億9700万円
⑤金属破砕・選別設備導入事業(本補助金)アルミ・銅等金属の破砕・選別設備約72億9700万円
佐藤

佐藤

編集長

全部同じ補助上限なんですね! 自社の事業に一番近いものを選ぶイメージですか?
室谷

室谷

代表取締役

そうです。設備の種類と目的に合った補助金を選んでください。また前回の令和7年度(補正予算)第1次公募として⑤金属破砕・選別設備導入事業(第1次公募・令和7年度)も実施されていましたね。今回は第2次公募 + 令和8年度第1次公募という位置づけです。

他補助金との組み合わせ活用

同一設備について国の他の補助金(負担金・給付金を含む)との重複受給は禁止されています。ただし、本補助金の対象外部分(建屋・土地・外構等)については別途、省エネ系や設備投資系の補助金を検討できます。また、固定価格買取制度(FIT)による売電は行わないことが条件のひとつです。

問い合わせ先

申請先・問い合わせ先

公益財団法人廃棄物・3R研究財団

〒130-0026 東京都墨田区両国3-25-5 JEI両国ビル8階

担当: 金井・久松・福田・岩瀬

TEL: 03-5638-7162

FAX: 03-5638-7165

E-mail: r.koudoka-1@jwrf.or.jp

メール問い合わせの件名は「プラスチック資源・金属資源等のバリューチェーン脱炭素化のための高度化設備導入等促進事業 補助金に関する問い合わせ」にしてください。

佐藤

佐藤

編集長

かなり細かい申請書類が必要そうですが、困ったらここに聞けばいいんですね!
室谷

室谷

代表取締役

はい。財団は電子メールでの問い合わせを推奨しています。質問内容を整理してメールで問い合わせるのが確実です。公募要領に審査基準の詳細が決まり次第HPで公開されると記載されているので、応募前に最新情報を必ずチェックしてください。
佐藤

佐藤

編集長

最後に、この補助金にチャレンジする事業者へのアドバイスをひとこと!
室谷

室谷

代表取締役

CO2削減効果の計算をしっかり準備して、GビズIDの取得を今すぐ始めてほしいですね。脱炭素関連の国の補助金はこれからも続きます。今回採択されなくても次の公募に備えてノウハウを積んでおく価値は十分あります! まずは公募要領PDFを読んで、自社の設備投資計画に当てはまるか確認してみてください。

よくある質問

佐藤

佐藤

編集長

では最後によくある質問をまとめてもらえますか?
室谷

室谷

代表取締役

いくつかよく聞かれる質問に答えますね。
佐藤

佐藤

編集長

中古の破砕設備を購入して、そこに新しい選別機を追加するパターンは対象になりますか?
室谷

室谷

代表取締役

なりません! 既存機器の改造や新古品・中古品は補助対象外です。設備は全て新品でなければなりません
佐藤

佐藤

編集長

複数の事業所で同時に申請することはできますか?
室谷

室谷

代表取締役

できます。ただし事業所単位で個別に申請書を提出する必要があります。同一法人でも事業所が違えば別々の申請になります。
佐藤

佐藤

編集長

GビズIDはまだ持っていないのですが、今から申請すれば締切に間に合いますか?
室谷

室谷

代表取締役

取得に2〜3週間かかるので、今(2026年5月)から申請すればギリギリ間に合う可能性があります。ただし余裕がないので、今日中にgBizIDのサイトから手続きを開始してください。

室谷

室谷

代表取締役

金属リサイクル事業者の方で、都道府県別の補助金・助成金情報を調べたい場合は、東京都の補助金一覧大阪府の補助金一覧愛知県の補助金一覧もあわせてご確認ください。