室谷さん、今日は福井県の「次世代自動車普及促進事業補助金」を教えてください。車を買うともらえるやつですよね?
そのとおりです。福井県内で電気自動車、プラグインハイブリッド自動車、燃料電池自動車を「自家用」として導入する県民や法人等に対して、購入経費の一部を補助する制度です。狙いは福井県内の運輸部門における温室効果ガス排出量の削減ですね。
環境のための制度か。でも車って事業者にとっては大きな買い物ですから、助かる人は多そうですね!
そうなんです。しかもこの制度、国の補助金への上乗せなんですよ。国の「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金」をもらったうえで、さらに福井県からももらえる設計になっています。
えっ、二重取りできるんですか! それは知らなかったです。
ただし順番が大事で、国の交付決定が先です。そこは後で詳しく話しますね。
なるほど、順番があるんですね。まずは制度の全体像を教えてください!
そもそも、なんで福井県が車の購入にお金を出すんですか?
目的は福井県内の運輸部門における温室効果ガス排出量の削減です。車から出る二酸化炭素を減らしたい。だからEV、PHV、FCVという次世代自動車の普及を後押ししているわけです。
実施機関は福井県で、担当はエネルギー環境部エネルギー課新エネルギーグループです。根拠になっているのは福井県補助金等交付規則、エネルギー環境部エネルギー課所管補助金等交付要綱、そして次世代自動車普及促進事業補助金交付要領です。
さっきの「国の交付決定が先」というのは、具体的にどういうことですか?
応募資格に「経済産業省補助金の交付決定を受けていること」と入っています。国の「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金」の交付決定がないと、福井県には申請できません。
ダメです。国の手続きが遅れると、県への申請自体ができなくなります。なお基準日は年度で変わり、公式の令和8年度募集では「令和8年4月1日以降に交付決定を受けていること」と案内されています。応募資格の欄には令和7年4月1日以降という記載もありますから、自分の年度の要領で必ず確認してください。
公式ページを見ると、メニューが2つあるって書いてあります。どう違うんですか?
ひとつが全世代対象の次世代自動車補助金、もうひとつが若年層向けのEV補助金です。全世代のほうは個人も個人事業者も法人も使えます。若者向けは福井県内に住所を有する個人が対象です。
車両の売買契約の締結時点で18歳以上29歳以下。しかも福井県内に住所を有していることが条件です。さらに令和6年4月1日以降に車両の売買契約を締結していることも要件に入っています。
ただし、両方の補助メニューを重複して申請することはできません。どちらか片方だけです。
福井県 次世代自動車補助金の3つの特徴国補助金への上乗せ
国のクリーンエネルギー自動車導入促進補助金の交付決定が前提。国と県の両方から受け取れる
定額補助で上限50万円
購入価格の割合ではなく決まった金額。FCVは50万円、EVとPHVは10万円
自家用限定
自動車検査証の区分が自家用であることが条件。事業用・営業用は対象外
ここが一番気になるところです。いくらもらえるんですか?
まず全体の上限は50万円です。補助率は定額補助、つまり購入価格の何割という計算ではなく、決まった金額がもらえるタイプです。
はい、大きく違います。ここは表で見たほうが早いですね。
| メニュー | 車種 | 補助額 | 嶺南地域 |
|---|
| 全世代対象 | 電気自動車(EV) | 定額10万円 | 定額20万円 |
| 全世代対象 | プラグインハイブリッド自動車(PHV) | 定額10万円 | 定額20万円 |
| 全世代対象 | 燃料電池自動車(FCV) | 定額50万円 | 定額60万円 |
| 若者向けEV | 電気自動車(普通EV) | 定額40万円 | 定額50万円 |
| 若者向けEV | 電気自動車(軽EV) | 定額25万円 | 定額35万円 |
おお、こう見るとFCVの50万円が飛び抜けてますね!
そうなんです。燃料電池自動車は定額50万円、EVとPHVは定額10万円。水素を活用するFCVの普及を特に重視している設計です。
表に「嶺南地域」って書いてありますけど、これ何ですか?
嶺南地域で導入する場合、さらに10万円が上乗せされます。たとえばEVなら定額20万円、PHVも定額20万円、FCVなら定額60万円になります。
同じ車でも、住んでいる場所で金額が変わるんですね!
そういう設計です。嶺南地域の方は最初から上乗せ後の金額で考えていいですよ。
普通EVで定額40万円、軽EVで定額25万円。嶺南地域なら普通EVが定額50万円、軽EVが定額35万円になります。
ただし若者向けはEVだけです。PHVとFCVは対象外と明記されています。それと全世代メニューとの重複申請はできません。
じゃあ若い人はどっちを選ぶか、よく考えないといけないですね。
補助対象車両は、経済産業省補助金の対象車両のうち、電気自動車、プラグインハイブリッド自動車、燃料電池自動車の区分に該当する車両です。若者向けメニューなら電気自動車だけになります。
超小型モビリティ、ミニカー、側車付二輪自動車・原動機付自転車は補助対象外とされています。ここは見落としやすいので注意してください。
まず全世代のメニューだと、福井県内に住所を有する個人、個人事業者、法人です。それから、この人たちとリース契約を結んだリース事業者も申請できます。
リースの場合はリース事業者が代表して申請するんですか?
公式ページによると、リースにおいてはリース事業者及び契約者のどちらでも申請が可能です。
従業員数の制約はありません。業種も、漁業、建設業、製造業、運輸業・郵便業、卸売業・小売業、宿泊業・飲食サービス業、医療・福祉、教育・学習支援業など、かなり細かく幅広く列挙されていて、分類不能の産業も含まれています。
ほぼ業種を選ばない感じですね。法人でもOKですか?
法人も申請対象です。ただし国、独立行政法人、地方公共団体等は除かれます。
さっきから「自家用」って強調されますけど、そんなに大事ですか?
とても大事です。補助対象は自家用として導入する車両に限られます。自動車検査証の「自家用・事業用の別」が自家用であることが要件です。事業用・営業用の車両は対象外になります。
事業用として使用する車両は対象外と明記されています。社用車でも自家用登録で使う場合は要件を満たしますが、用途の区分は慎重に確認してください。
そうです。自動車検査証に記載された「使用の本拠の位置」および「所有者の住所」が福井県内にあること。所有権留保付ローンやリースの場合は「使用の本拠の位置」が県内であることが必要です。申請者本人も福井県内に住所、事務所または事業所を有していることが条件です。
全ての県税に未納がないこと、県の「災害時等における支援登録制度」に登録して災害時に協力すること、暴力団員等に該当しないこと。企業が申請する場合は、税務署が発行する納税証明書、つまり地方消費税の納税証明書の提出が必要です。
そこは支援登録制度の中身になるので、要領や同意書で確認してください。
あなたは申請できる?福井県内に住所または事業所があり、自家用のEV・PHV・FCVを導入する?
申請できる人とできない人- 県内に事務所または事業所
- 商業登記簿の全部事項証明書
- 地方消費税の納税証明書
- 契約者とどちらでも申請可
- リース契約書の写し
- 貸与料金の積算明細書
補助の対象になる経費を教えてください。車体だけですか?
対象になるのはEV、PHV、FCVそれぞれの本体の購入費用、そして購入に係る諸費用のうち補助対象として認められたもの、たとえば登録費や納車費などです。
諸費用も見てもらえる場合があるんですね! じゃあ逆に、これは対象外というものは?
対象になる経費とならない経費- EVの本体購入費用
- PHVの本体購入費用
- FCVの本体購入費用
- 登録費や納車費など補助対象として認められた諸費用
×デメリット
- 事業用・営業用として使用する車両
- 国の補助金交付決定前に購入した車両
- 中古車の購入費
- ナビやコーティングなど付属品の費用
- 購入後の改造やカスタマイズ費用
中古車、つまり新車以外の購入費は対象外です。あとは事業用・営業用として使用する車両、国の補助金交付決定前に購入した車両、ナビやコーティングといった付属品・オプション品の費用、購入後に追加した改造やカスタマイズ費用も対象外です。
それと見落としやすいのが、消費税のうち補助対象外とされた分や、申請要件によっては対象外になるものがあること。そして補助金交付後3年または4年以内に処分した車両は、返還対象になる場合があります。ここは後で詳しく話します。
まず国の補助金に申請して交付決定をもらう。これが大前提です。そのうえで福井県へ申請します。流れを図にしておきますね。
補助金申請の流れ- 1
国の補助金に申請
クリーンエネルギー自動車導入促進補助金の交付決定を受ける
- 2
要件をセルフチェック
住所・県税の未納・災害時等の支援登録を確認
- 3
書類をそろえる
交付申請書兼実績報告書や納税証明書など
- 4
福井県へ提出
電子申請が原則。郵送なら追跡できる方法で
- 5
- 6
交付決定と受領
交付請求書を提出して補助金を受け取る
交付申請書兼実績報告書、交付請求書、国補助金の交付決定通知書の写し、車両の注文書や領収書の写し、自動車検査証記録事項の写し、本人確認書類、商業登記簿の全部事項証明書、リース契約書、貸与料金の積算明細書、県税の滞納状況の確認に関する同意書または納税証明書、税務署発行の地方消費税の納税証明書、災害時等における支援登録制度同意書、債権債務者登録申請書などです。
多い!(笑) 個人と法人、リースで出す書類が違うんですよね?
違います。法人は商業登記簿、個人は免許証や住民票、印鑑登録証明書、マイナンバーカードのいずれか。リース事業者はリース契約書と貸与料金の積算明細書。災害時等における支援登録制度同意書は法人が申請する場合に必要です。
必要書類一式を、電子申請、郵送、持ち込みのいずれかで提出します。公式ページでは原則、オンラインでの申請がお願いされています。郵送の場合は特定記録郵便など、追跡できる方法での送付が推奨されています。
〒910-8580 福井県福井市大手3丁目17番1号、福井県庁エネルギー環境部エネルギー課新エネルギーグループです。
あります。まず交付申請書の交付申請額には、国補助金の交付決定金額ではなく福井県補助金の金額を書きます。交付請求書の「発行責任者および担当者」の欄には、ディーラー等の氏名ではなく申請者本人の氏名を書きます。
あと注文書は最新のものを送ること。注文書の合計金額と領収金額が一致しない場合は、必ず理由を書きます。たとえば差額が振込手数料分とか、下取り車のリサイクル預託金分とか、そういう書き方です。あとは債権債務者登録申請書の口座名義人を、通帳に登録されている氏名どおりに書くことですね。
税務署が発行する地方消費税の納税証明書が必要で、提出漏れが非常に多いと公式ページに書かれています。「納税証明書(その3)未納の税額がないことの証明」を取得すればよいと案内されています。
せっかくなら確実にもらいたいです。コツはありますか?
何より早さです。予算の上限に達した時点で受付が終了します。年度内であっても途中で締め切られる可能性があるので、購入タイミングと申請スケジュールを早めに動かしてください。
国の手続きが先というのも、時間がかかりそうですね。
そうなんです。国の交付決定が遅れると県に申請できないので、国側のスケジュールを先に確認して、余裕を持って動くこと。あとは事前に窓口へ相談して、書類の不備を潰しておくのが効きます。
公式ページによると、特別な場合を除き、県における標準審査期間は2か月程度です。県へ申請後、2か月を経過しても交付決定通知が届かない場合は、県へその旨を連絡してください、と案内されています。
そのぶん、余裕を持った資金計画を立てておくのが安心です。
FCVは50万円ももらえるなら、FCV一択ですかね?
補助額だけを見れば大きいですが、車両価格が高いという話もありますから、総合的な費用対効果で比べたほうがいいですよ。EVとPHVは10万円、FCVは50万円。嶺南地域ならそれぞれ10万円ずつ増えます。自分の使い方と予算を並べて考えてください。
なるほど! 補助額だけで飛びつかないほうがいいと。
募集期間は2026年4月16日から2027年3月31日まで。公式ページでは令和8年4月17日から令和9年3月31日必着と案内されています。開始日が1日ずれているので、申請時は必ず公募要領で最新の期間を確認してください。
1年間あるように見えて、予算がなくなれば終わりなんですよね。
そのとおり。だから実質は先着順に近い感覚で動いたほうが安全です。
令和8年度のスケジュール2026年4月16日
募集開始
公式ページでは令和8年4月17日と案内
2027年3月31日
募集締切
必着。予算上限に達すると早期終了
申請から2か月程度
標準審査期間
2か月を過ぎても通知が来ない場合は県へ連絡
車両には一定期間、3年または4年の処分制限期間があります。期間内に売却や廃棄などを行う場合は、事前の承認と補助金の返還が必要になる場合があります。
国の補助金をもらっていない年は申請できないんですか?
できません。国補助金の交付決定を受けていることが申請要件です。まず国の制度を確認して、そちらを進めてください。
先に国、と。順番を間違えると全部パーになりそうですね。
使えます。福井県内に住所、事務所または事業所を有すること、国補助金の交付決定があること、県税の未納がないこと、災害時等における支援登録制度に登録することがポイントです。ただし対象は自家用の車両。営業用は対象外という線引きだけ注意してください。
この制度は国のクリーンエネルギー自動車導入促進補助金との併用を前提にした上乗せ補助です。一方で、全世代メニューと若者向けメニューの重複申請はできません。福井県内の市町村が独自のEV・PHV購入補助を実施している場合もありますから、そうした制度との関係は各制度の規定を個別に確認してください。
重複申請がダメなのはメニュー同士だけ、と覚えておきます!
はい。福井県内でEV・PHV・FCVを自家用として導入すると、国補助金への上乗せで定額補助が受けられます。上限は50万円、補助率は定額。FCVは50万円、EVとPHVは10万円、嶺南地域はさらに10万円上乗せ。若者向けのEVメニューも別にあります。
国の交付決定が先、予算上限で先着終了、処分制限3〜4年。この3つを覚えておきます!
その3つは本当に大事です。あとは書類の不備。納税証明書の提出漏れが多いので、そこだけは気をつけてくださいね。
ありがとうございました! 福井で車を買う予定の方は、早めに動きましょう。