愛知県の建設業補助金 主要制度一覧
室谷さん、愛知県って建設業者向けの補助金がかなり多いって聞いたんですが、実際どうなんですか?
多いですよ! 愛知はリニア工事・名古屋駅周辺の再開発・トヨタ関連の工場新増設と、案件が重なってるでしょう。需要が旺盛なのに人手不足と2024年問題が重なってるから、国も県も「建設業者を支援しないと社会インフラが回らない」ってなってるんです。
たしかに。ニュースで「リニア工区が動いてる」って見ましたし、名古屋駅周辺もビルが増えてますよね。
そうそう。あの状況の中で補助金を活用できるかどうかで、経営体力がかなり変わってくる。大きく分けると、国が出してる全国制度と、愛知県・市区町村が独自に設けてる制度の2層構造になってます。
金額が大きいのは圧倒的に全国制度なんですが、愛知独自の制度の方が競争倍率が低かったりするので、両方チェックするのがベストです。ざっくり分けると次の表みたいな感じです。
| カテゴリ | 主な制度 | 対象 |
|---|
| 省エネ建築・ZEB化 | ZEB実証事業・省CO2改修支援 | 建設・工事業者 |
| 建設機械のGX化 | 建設機械電動化促進事業 | 工事業者 |
| DX・BIM推進 | 建設業DX推進支援(愛知県) | 土木業者 |
| 工場・拠点新設 | 春日井市・岡崎市の企業立地支援 | 建設業者・施主 |
| 人材確保・定着 | ES向上若手人材確保助成金 | 建設業の雇用主 |
| 脱炭素設備更新 | SHIFT事業・Scope3連携事業 | 工場・事業場 |
| カーボンニュートラル | 知立市CN補助金 | 愛知県内事業者 |
この中でどれが自社に当てはまるか、を確認してから申請計画を立てると効率がいいです。
一番注目してほしいのが愛知県建設業DX推進支援事業費補助金です。2026年度から本格公募になりました。
愛知県が発注した一般土木工事の受注実績がある建設業者を対象に、デジタル化ツールの導入費用を補助してくれる制度です。国の「中小企業デジタル化・AI導入支援事業費補助金」と組み合わせて使う上乗せ補助で、補助率は自己負担額の1/2、上限50万円です。
上乗せ補助か。じゃあ国の補助金をまず取って、その上で愛知県の補助も取れるってことですね?
そうです。三次元測量データ処理ソフト、出来形管理システム、工事写真管理システム、勤怠管理システムなどが対象で、2026年6月18日から2027年1月29日まで申請受付中ですよ。
これは急いで動いた方がいいですね。問い合わせ先はどこになりますか?
わかりました。次に市区町村の独自制度はどうですか?
愛知県内だと市ごとに制度が充実してるので、拠点がある市の制度は絶対に調べてほしいです。
工場新設・増設を考えてるなら春日井市の工場新増設事業助成金が圧倒的に手厚い。建物の固定資産評価額の10%(市外からの本社移転を伴う場合は12%)を助成してくれて、上限なんと2億円です。
500平方メートル以上の建物、投資額1億円以上(中小企業は5,000万円以上)が条件ですが、それをクリアできるなら絶対に使うべき制度です。春日井市は名古屋市の隣で交通インフラも整ってるから、物流・製造系の工場建設で引き合いが多い地域でもある。
春日井市の工場新増設事業助成金の詳細はこちらで確認できます。
はい、
岡崎市工場等(倉庫等)建設奨励金も要注目です。建物の事業所税資産割相当額と固定資産税相当額を交付する形で、最大10億円まで対応します。他の奨励金との組み合わせも可能で、「企業再投資促進奨励金」や「高度先端産業立地奨励金」と合計10億円まで使えます。
詳細はこちら。
大規模案件向けですが、工場や倉庫の建設を手がける施工会社側からしても、オーナーにこういう制度を紹介できると受注競争で有利になりますよね。施主が補助金を使えるなら、投資意欲が上がる。
なるほど、施工会社が補助金情報を持ってると、そういう提案力にもなるんですね。
まさに。知立市は
カーボンニュートラル推進事業者支援補助金があって、①省エネ診断費用(上限10万円・補助率1/2)から②省エネ設備の導入(上限50万円・補助率1/3)まで段階的に使えます。建設系の事業所が省エネ設備を入れるときに使える。
省エネ診断補助の詳細と
再エネ設備導入補助の詳細で確認を。
| 制度名 | 補助上限 | 補助率 | 対象地域 |
|---|
| 建設業DX推進支援事業費補助金 | 50万円 | 1/2 | 愛知県(土木発注実績者限定) |
| 春日井市工場新増設事業助成金 | 2億円 | 固定資産評価額の10〜12% | 春日井市 |
| 岡崎市工場等建設奨励金 | 10億円 | 税相当額交付 | 岡崎市 |
| 知立市CN補助金①省エネ診断 | 10万円 | 1/2 | 知立市 |
| 知立市CN補助金③再エネ設備 | 50万円 | 1/3 | 知立市 |
愛知県の建設業者向け補助金申請の流れ
全国制度の方も教えてください。どこから手をつければいいですか?
建設業者にとって今一番使えるのがZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)関連の補助金群です。環境省と国土交通省が複数の制度を並行して公募してる。
ZEBって最近よく聞きますけど、建設業者側が申請するんですか?
基本的には施主(ビルオーナー)側が申請するんですが、施工する建設業者にとっては「ZEB対応の設計・施工ができます」という実績が次の受注につながる。愛知の名古屋駅・栄エリアで改修需要が続いてるから、今のうちに実績を積んでおく価値がかなりある。
そういうことか。具体的にどんな制度があるんですか?
そう、数百〜数千坪のオフィスビルや商業施設の全面改修が対象になります。愛知の場合、名古屋市内の大型ビル改修でまさにこの規模感の案件がある。
ZEBって設計段階から関わらないといけないですよね。
そうです。だから
非住宅建築物の省CO2改修調査支援事業という「ZEB化するかどうかの調査段階」から補助する制度もある。補助率1/2、上限100万円。まず調査費を補助してもらって、その後に改修工事に進む流れを作れる。
段階的に使えるんですね。調査→設計→改修と全部サポートしてもらえる。
そういうことです。施主に対して「まず調査費100万円の半分は補助金で出ます、次にZEB改修すれば数千万〜数億円の補助が取れます」って提案できれば、話が進みやすい(笑)
建設機械の電動化促進事業は補助率2/3、上限なし(予算の範囲内)という設計で、ミニショベルや油圧ショベルなどのGX建設機械が対象です。愛知は建設機械の稼働台数が多いので、電動建機を何台か持てると競争上の強みになる。
販売店等による代行申請が原則なので、機械を購入する際に販売店に「GX建設機械の補助金はどうなってますか」と確認するのが最初のステップです。国土交通省がGX建設機械と認定した機種に限られるので、カタログでの確認も必要。
SHIFT事業(省CO2型設備更新支援C)が使えます。中小企業向けで補助率1/2、上限5,000万円。工場や事業場の設備更新でCO2を30%以上削減できる計画があれば申請できる。建設会社の本社や工場の省エネ化に使えます。
サプライチェーン全体での取り組みって制度もありましたよね?
下請けの立場でそういう提案ができるんですね。それは意外でした。
人材確保系はどうですか。愛知って自動車産業と競争があるって聞きましたけど。
深刻ですよ。製造ラインと建設現場って、ほぼ同じ労働市場で競合するんです。トヨタ系の工場が時給を上げると、建設現場の職人も引っ張られていく。
だから若手定着が本当に大事で、
ES向上による若手人材確保・定着事業助成金が使えます。1年目・2年目・3年目と継続申請できて、最大300万円(年間100万円×3年)の助成。補助率1/2なので、社員満足度向上施策に200万円投じれば100万円戻ってくる。
採用や定着は1年で解決する問題じゃないですからね。継続支援があるのは現実的で助かる制度です。
3年目申請用もあるので、既に使ってる事業者は継続申請を忘れずに。
洋上風力も見かけたんですが、愛知の建設業には関係ありますか?
洋上風力発電人材育成事業費補助金は、将来的に洋上風力市場に参入したい企業向けですね。愛知から近い三河湾・伊勢湾での洋上風力計画も議論されてるので、今のうちに人材育成の投資をしておく会社は増えてます。上限5.69億円(令和8年度分)と規模が大きいのは、組合・団体が共同で申請するパターンが多いから。
これだけ種類があると、何から始めればいいか迷いますね。
自社の状況に合わせて優先順位をつけるのが大事です。
- 設備投資・工場建設案件がある施主を抱えている → 春日井市・岡崎市の企業立地系助成金を施主に紹介。受注獲得の切り口に
- 愛知県土木発注実績がある土木系 → 建設業DX推進支援補助金(2026年度公募中)を最優先で申請
- ZEB・省エネ建築に対応したい → 省CO2改修調査支援(100万円)から始め、改修設計の実績を積む
- 建設機械を買い替える予定がある → GX建設機械の販売店に電動化補助の活用可否を事前確認
- 若手採用・定着に課題がある → ES向上助成金(最大300万円・3年継続)を今年度中に申請
なるほど、自分の状況に合ったところから入る感じですね。
一番もったいないのは「補助金はハードルが高い」と思って何も調べないパターンです。特に愛知の建設業は今が一番需要があるタイミングだから、補助金で体力を付けておかないと、需要が落ち着いたときに辛くなる。
そういうことです。あいち産業振興機構(AIBSC)の相談窓口では、複数の補助金を組み合わせた活用プランを無料で相談できる。まずそこに電話してみるだけで、見落としてた制度が出てくることも多い(笑)
- GビズID: 多くの補助金で必要。取得に2〜3週間かかるので、申請を考えたら今すぐ手続きを
- 後払い原則: ほとんどの補助金は「先に支払い→後で補助金が振り込まれる」。一時的な資金繰りに注意
- 申請期限: 補助金によっては先着順で締め切りになるものも(愛知県DX補助金は予算内で先着順)
- 複数制度の組み合わせ: 原則、補助対象経費が重複しなければ組み合わせ可能。専門家に確認を
GビズIDは本当に先に取得しておかないとダメですよね。
そうです。補助金を申請しようと思った日に「GビズIDない」ってなると、申請期限に間に合わない。建設業者さんにはGビズIDを持っておくことと、あいち産業振興機構に顔を売っておくことの2つを最低限やってほしいです。
2あいち産業振興機構など支援機関に相談し、自社に適した制度を特定
3採択率を上げる計画書を作成(SHIFT事業などは専門家の支援が有効)
5採択通知を受け取ってから事業を実施(採択前着手は補助対象外になる)
ステップ5が大事ですよね。採択前に着手しちゃうとアウトって聞いたことあります。
これは本当に大事です! 「採択されるだろう」と思って先に工事を始めてしまうと、全額自己負担になる。必ず採択通知を確認してから動くこと。2024年問題で工期が読みにくくなってる中で、補助金のスケジュールと工程管理を合わせるのが一番の腕の見せ所かもしれない(笑)
室谷さんがよく言う「加点項目」ってどういうことですか?
多くの補助金は審査点数方式で、特定の条件を満たしてると加点されます。たとえば「賃上げ計画がある」「女性活躍推進法の認定を受けている」「地域の雇用に貢献している」などが加点要件になることが多い。愛知の建設業はリニア工事で地元雇用への貢献が説明しやすいから、加点を取りやすい状況でもあります。
そういう視点で計画書を書くと採択率が上がるんですね。
そう。申請書の書き方で採択率が20〜30%変わることもあるので、初めてなら中小企業診断士や補助金専門のコンサルに相談することをすすめます。費用対効果は十分あります。
最後に、今日話してくれた内容を踏まえて「これだけはやれ」ってことを教えてもらえますか。
まず、GビズIDを今日中に申請する。次に、あいち産業振興機構に電話して、自社に合った制度を聞いてみる。最後に、愛知県建設業DX推進支援補助金の公募要領をダウンロードして、自社が要件を満たすか確認する。これだけで、かなりの補助金チャンスが見えてきます。
シンプルだけど具体的ですね。補助金情報をもっと詳しく見たい方は、このページの一覧テーブルをぜひ活用してください!
愛知の建設業者さんはまだまだ補助金の活用が進んでいない印象があります。ライバルより先に動けば、それだけ有利になる。今年度は特に補助金の予算が厚い。ぜひ積極的に使ってほしいですね。