東京都DX補助金・助成金 比較一覧
最近、東京都内の中小企業の経営者から「うちもDXをやらないとまずいかな」という相談が増えてますよね。室谷さん、実際のところどうですか。
増えてますね。特に2026年に入ってから、AI活用への関心が一気に高まって。で、みんなが気にするのがやっぱりお金のことで。「補助金でDX費用を賄えないか」という話になるんです。
東京都、補助金の種類が多くてどれを選べばいいかわからないって声をよく聞きます。
そうなんですよ。大きく分けると、「全国の中小企業が使える国の補助金」と「東京都内の事業者しか使えない都独自の補助金」の2種類があって、これを組み合わせるのが基本戦略です。
同一経費への二重受給はNGですけど、別々の取り組みに別々の補助金を使うのはOKです。たとえば、社内のITシステム整備に国の補助金を使いながら、同時に従業員のDX研修に東京都の助成金を使う、というのは全然できます。
なるほど!組み合わせ前提で考えた方がいいんですね。
そうです。東京都は特に補助の種類が充実してて、アドバイザー派遣から設備導入まで一貫してサポートする体制ができているので、まず相談から始めるのがおすすめですよ。
令和8年度から東京都が新しい事業を始めたって聞いたんですが。
そうなんです!「DX推進トータルサポート事業」が令和8年度から新設されて、これが結構すごい内容で。アドバイザー派遣から助成金まで、DXに関する支援を全部セットで提供するっていう構成になってます。
まず、専門のアドバイザーが現地に来て、会社の課題を整理してくれるんですよ。で、DX戦略を作るところからサポートして、それに基づいてデジタルツールや機器を導入する費用の一部を助成する、という流れです。アドバイスだけで終わらないのがいい点で。
4コースあって、まず「DXステップアップコース」が20社募集。経営理念からDX戦略を立てるところを支援する入門コースですね。次に「DXアドバンスコース」が10社、これはすでにDX認定を取得してる企業向けで、ビジネスモデルを変革するレベルの支援です。
そうです。「AI活用コース」が10社で、AI活用計画の策定から社内のリテラシー向上、先進的なAI導入まで支援します。最後に「生産性向上コース」が6月と10月の2回募集予定で、これはもっと広い会社向けのコースです。
これが手厚くて。DX推進コース(ステップアップ・アドバンス)が助成上限3,000万円、助成率は最大4分の3です。大幅な賃上げを達成した場合は上限5,000万円に上がります。AI活用コースは2,000万円(賃上げ達成で3,000万円)、生産性向上コースは1,500万円です。
中小企業にとっては本当に大きい金額です。ただ、アドバイザー派遣を受けた後に助成金申請になるので、まずは4月6日から5月8日の募集期間にアドバイザーコースに応募することが第一歩ですね。
DX推進トータルサポート事業の概要(令和8年度新設)
- 運営: (公財)東京都中小企業振興公社
- 対象: 東京都内に主たる事業所をおく中小企業者等
- アドバイザー募集期間: 令和8年4月6日〜5月8日(DXステップアップ・アドバンス・AI活用コース)
- 生産性向上コース: 6月と10月に2回募集予定
- 助成上限: DX推進コース最大3,000万円(賃上げ達成で5,000万円)
- 助成率: 最大4分の3(小規模事業者は5分の4)
- 問い合わせ: 産業労働局商工部経営支援課 03-5320-4791
そうですね。アドバイザーコースの採択から助成金申請まで一定のリードタイムがあるので、関心のある経営者は早めに相談窓口に連絡しておくのがいいと思います。
あります!これも東京都独自の制度で「5Gによる製造工場のDX・GX推進事業」というんですが、なんと上限が2億円、助成率は5分の4以内という破格の条件なんです。
笑えますよね(笑)。ローカル5Gという次世代通信環境を製造工場に導入して、DXとGX(脱炭素)を同時に進めるという取り組みに対して、こんな大型の支援があって。都内のものづくり中小企業向けですね。
5G基地局の設置から設備の改修まで含めると、数千万円単位になることも多いんですよ。だから2億円という上限もわかる話で。採択されれば実質2割の自己負担でかなりの先端設備が入れられます。
ただ、採択件数が限られているので競争は激しいです。成果の横展開を前提とした事業設計が求められるので、「業界全体のDX推進のモデルになれる取り組みか」という観点で申請内容を作ることが採択への鍵です。詳しくは
5Gによる製造工場のDX・GX推進事業の詳細ページもご参照ください。
国の補助金だとやっぱりIT導入補助金が有名ですけど、2026年から名前が変わったんですよね?
そうなんです。「デジタル化・AI導入補助金2026」に名称変更されました。AIを活用したITツールの導入を後押しする方向にシフトしてきてます。東京都の企業も全国の企業と同じ条件で使えます。
会計ソフト、在庫管理システム、CRM(顧客管理)、ERPなど幅広いです。重要なのは「IT導入支援事業者」というパートナー経由で申請する仕組みになっていること。自社単独では申請できないので、まず登録済みの支援事業者を探すところから始まります。
そうですね、公式サイトで検索できますが、支援事業者によって対応できるITツールが違うので、「入れたいツール」→「それを扱っている支援事業者を探す」という順番で動くのがスムーズです。補助率は3分の2、上限はツールの種類によって変わりますが、一般的なシステム導入なら150万円程度が目安です。
これが意外と高くて、申請要件を満たしていれば採択される率は比較的高いです。ただ、不正申請の問題があったことで審査が厳しくなった部分もあるので、IT導入支援事業者を慎重に選ぶことが大事です。
そのとおりです。公式サイトでIT導入支援事業者を検索して、まず相談してみてください。
システムを入れるだけじゃなくて、使いこなせる人材を育てないといけないですよね。
まさにそこが重要で。東京しごと財団の「スキルアップ支援事業」に、DXリスキリング専用の助成メニューがあるんですよ。令和8年度版は令和8年3月から令和9年2月まで申請受付中です。
DXに関する専門的な知識・技能の習得を目的とした研修なら、民間の教育機関の講座でも対象になります。補助率が4分の3と高くて、1人1研修あたり上限75,000円。年間の上限は社あたり100万円です。
できます。100万円の枠内で、たとえば15人が75,000円×4分の3の研修を受ける…みたいな計算ができます。社内のデジタルリテラシーを底上げするのに使いやすい制度ですね。詳細は
令和8年度スキルアップ支援事業のページをご覧ください。
そう、それが注意点で。研修の日程が決まったら、1か月前には申請手続きを始めないといけない。先に「使う」と決めてから動くのではなく、計画的に申請スケジュールを組む必要があります。
DX補助金 申請の流れ(東京都中小企業向け)
全国で使える国の補助金って、東京都の企業でも普通に使えるんですよね?
そうです。むしろ東京の企業って優秀な人材も集まりやすいし、申請書のクオリティが高い傾向があるので、国の補助金でも採択実績は多いですよ。主要なものを整理しておきます。
中小企業省力化投資補助金は、人手不足解消を目的とした設備投資に使えます。「カタログ注文型」と「一般型」の2種類があって、カタログ型は登録済みの製品から選ぶだけなので申請が比較的簡単です。2026年5月15日まで第6回の応募受付が行われてます。
DXに直結するというより、自動化・省力化の文脈ですね。
そうですね。ロボット、IoT機器、自動倉庫システムなど、デジタル技術を使った省力化設備が対象です。人手不足に悩んでいてDX化を考えている製造業や物流業には相性がいい補助金です。
貿易手続きをデジタル化する補助金もあるんですよね。
あります。「貿易プラットフォーム活用による貿易手続デジタル化推進事業費補助金」というもので、令和7年度分が三次公募中です。貿易プラットフォームと自社システムの連携構築に対して、中小企業は3分の2の補助率、上限2,000万円です。詳細は
貿易DX補助金のページをご覧ください。
| 補助金名 | 対象 | 上限額 | 補助率 | 特徴 |
|---|
| デジタル化・AI導入補助金2026 | 全国中小企業 | 150万円〜 | 2/3 | ITツール導入 |
| 中小企業省力化投資補助金(カタログ型) | 全国中小企業 | 1,000万円 | 1/2 | 汎用省力化設備 |
| 中小企業省力化投資補助金(一般型) | 全国中小企業 | 1,500万円 | 1/2 | カスタム設備 |
| 貿易手続デジタル化補助金 | 全国(貿易企業) | 2,000万円 | 大企業1/2・中小2/3 | 貿易PF連携 |
| 地域デジタル基盤活用推進事業 | 全国(地公体等) | 上限なし | 1/2 | 無線インフラ整備 |
けっこう色々あるんですね。どれから検討すればいいんですか?
まず「今どんな課題を解決したいか」を明確にすることです。「業務を効率化したい」ならデジタル化・AI導入補助金、「設備を入れて人手不足を解消したい」なら省力化投資補助金、「東京都内でDXを本格的に進めたい」ならDX推進トータルサポート事業、という切り分けですね。
実際に申請するときに、何か準備しておくことってありますか?
一番大事なのがGビズIDの事前取得です。国の補助金はjGrantsというシステムで申請するんですが、このシステムへのログインにGビズIDが必須なんです。
書類を送って審査があるので、最大2週間くらいかかります。公募期間が始まってから慌てて取り始めると間に合わないことがあるので、「DX補助金を使いたい」と思った時点でまず申請しておくべきですね。
GビズIDの事前取得(最大2週間かかるため最優先)
認定経営革新等支援機関や商工会議所に事業計画の相談
そうなんです。補助金は後払いが基本で、まず自分でお金を使って、証拠書類を出して、それが確認されてから振り込まれる仕組みです。だから申請が採択されたからといって「もう大丈夫」じゃなくて、その後の経費管理や書類保管も計画に組み込まないといけない。
これも要注意ポイントで。補助金は後払いなので、導入する設備費用は一旦自社でキャッシュを用意しないといけない。融資と組み合わせるのが現実的なケースも多いですね。東京都内なら東京都中小企業振興公社の低利融資と組み合わせることも検討できます。
- GビズIDは公募開始前に必ず取得しておく(最大2週間かかる)
- 補助金は後払い制: 採択後も自己資金で先に経費を支出する
- 実績報告の期限を守らないと補助金が取り消される場合がある
- 複数の補助金への同一経費の重複申請は不正となる
- IT導入支援事業者など「指定パートナー経由」が必須の補助金がある
加点要素って何かありますか?採択率を上げるためのコツというか。
いくつかあります。一つは「パートナーシップ構築宣言」の登録。取引先との適正な価格交渉を行う企業として宣言するもので、これが加点になる補助金が増えてます。あとは「SECURITY ACTION」の自己宣言(情報セキュリティ対策の実施宣言)も、デジタル化・AI導入補助金では求められてます。
「DX認定」もそうです。経産省のDX認定を取ると、一部の補助金で加点になったり、より上位のコース(アドバンスコース等)に申請できるようになったりします。
まず、令和8年度に新設された「DX推進トータルサポート事業」は積極的に活用を検討すべきですね。アドバイザーが来てくれてDX戦略まで一緒に作ってくれるのは、「何から始めたらいいかわからない」という経営者にとって本当にありがたい仕組みなので。
そうです。製造業の方は「5Gによる製造工場のDX・GX推進事業」(最大2億円)も視野に入れてほしいですし、とにかく「まずGビズIDを取る」「まず相談窓口に連絡する」という最初の一歩を早めに踏み出すことが大事です。DX補助金は公募期間が短いものも多いので、準備期間をしっかり取っておくことが採択の可否を分けます。
東京都内の補助金情報は東京都中小企業振興公社がまとめてくれてますよね。
そうです。都内企業向けの情報は
東京都の補助金・助成金一覧にも掲載されています。補助金は毎年度更新されるので、令和8年度の新規公募情報をこまめにチェックしておくことをおすすめします。