岐阜県エコ・SDGs補助金 主要制度比較
室谷さん、うちの会社が岐阜県にあるんですけど、環境対応やSDGsに絡む補助金ってどのくらいあるんですか?種類が多すぎて正直困ってます(笑)
そうですよね(笑)。岐阜県のエコ・SDGs関係の補助金は、国の制度と県独自の制度を合わせると400件以上あります。ただ、「省エネ設備を入れたい」「太陽光を乗せたい」「SDGsの取り組みを経営に組み込みたい」で使うべき制度がガラッと変わるんですよ。
そうなんですよ。まず「何をしたいか」を決めると一気に絞れます。今日は岐阜県の事業者向けに実際に使えるものをガッツリ解説しますね。特に岐阜県独自の2本柱がめちゃくちゃ手厚いので、そこから入るのがベストです。
岐阜県って製造業も農業も盛んで、アウトドアのイメージもあるじゃないですか。そういう地域性は補助金にも出てるんですか?
出てます出てます!飛騨高山の観光業、岐阜・大垣エリアの製造業、中山間地域の農林業、それぞれに合ったエコ系の制度が揃ってる。特に水力発電のポテンシャルが高い地域なので、再エネ関連は国の制度との組み合わせが面白いですよ。
岐阜県の脱炭素関連補助金で押さえるべきは2つです。「省エネ設備導入事業」と「太陽光発電設備等導入事業」、この2本柱です。どちらも岐阜県中小企業等脱炭素化促進事業費補助金として令和8年度も予算が確保されていて、2026年4月から受付が始まってます。
省エネ設備導入事業は補助上限1,000万円・補助率3分の1で、工場や店舗に省エネ効果の高い設備を入れるための補助です。コンプレッサー、空調、冷凍冷蔵設備、LED照明、ボイラー等が対象になります。ただし要件が一つあって、令和5年度〜令和8年度に実施した省エネルギー診断の結果に基づいて設備を選ぶことが必須なんです。
そうなんですよ。逆に言うと、診断さえ受けておけば申請の道が開ける。省エネ診断は経済産業省系の無料・低コストのサービスが使えるので、今すぐ診断を予約しておくことを強くすすめますよ。令和8年度の募集期間は令和8年4月27日から6月5日と比較的短いので要注意です。
太陽光発電設備導入事業は補助単価5万円/kW、上限50kW(最大250万円)です。事業所の屋根に自家消費目的の太陽光パネルとパワーコンディショナーを設置する中小企業等が対象。蓄電池を同時に設置する場合は産業用(20kWh超)なら6万3千円/kWh、家庭用(20kWh以下)なら5万1千円/kWhが追加で出ます。
それが条件があって、発電量の50%以上を自家消費することが必須です。FIT(固定価格買取)目的の太陽光は対象外になります。自家消費するためのモニターも設置して、実際のデータを記録する必要があります。令和8年度は予算が約1億円で、5月8日時点でまだ9,800万円以上の残額があるのでまだ間に合いますよ。
使えます!オンサイトPPA型もリース型も対象です。初期費用ゼロで太陽光を導入したい事業者にとっては使いやすい設計になってます。
| 制度名 | 補助率/補助単価 | 補助上限 | 主な条件 |
|---|
| 省エネ設備導入事業 | 補助率1/3 | 1,000万円 | 省エネ診断受診が必須 |
| 太陽光発電設備導入事業 | 5万円/kW | 250万円(太陽光のみ) | 自家消費50%以上 |
| 太陽光+産業用蓄電池 | 6万3千円/kWh | 太陽光+126万円 | 同時設置が条件 |
| 太陽光+家庭用蓄電池 | 5万1千円/kWh | 太陽光+102万円 | 同時設置が条件 |
岐阜県の補助金は「交付決定前に工事契約を締結した場合は原則として対象外」となります。必ず県の交付決定を受けてから工事の契約・着工をしてください。先に動いてしまうと補助金が受けられなくなります。
設備投資以外で、SDGsの取り組み自体を評価してくれる制度ってありますか?
あります!「ぎふSDGs推進パートナー登録制度」というのが岐阜県にあって、SDGsに取り組む事業者を県が認定・PRしてくれる制度です。シルバーパートナーとゴールドパートナーの2ランクがあります。
直接の補助金は原則出ないんですが、登録するとメリットがたくさんあります。県のホームページでPRしてもらえる、岐阜県発注事業のプロポーザルで加点、建設工事入札参加の主観点数加点、県の中小企業資金融資制度「企業活力支援資金」が使えるようになる、などです。求人でも「ゴールドパートナーです」と表示できるので採用にも効いてきます。
あ、それはいいですね。採用難の時代にSDGs認定って武器になりますよね。
そうなんです。また「ぎふSDGs推進パートナー」に登録することで、岐阜県が実施するSDGs推進補助金の要件を満たしやすくなる場合もあります。令和7年度は上限50万円・補助率1/2のSDGs推進補助金(SDGs推進事業)がありました。次年度の公募も注目しておいてください。
岐阜県総合政策課のLogoformから申請できます。登録有効期間は3年間で更新もできます。次の募集は県のホームページで確認してください(
公式ページで随時更新されます)。
岐阜って製造業も多いじゃないですか。工場向けの大型補助金はどうですか?
製造プロセスの省CO2設備更新全般が対象です。高効率空調、変圧器、コンプレッサー、ボイラー、工業炉、電気炉、インバーター等々。CO2排出量が基準年比で年間15%以上削減できる計画が必要ですが、岐阜の製造業なら十分射程内ですよ。
SHIFT事業は2段階になってます。まず「CO2削減計画策定支援」で計画書を作るステップから入るんです。
令和4・5年度のCO2削減計画策定支援は
上限200万円・補助率4分の3で、認定外部支援機関に診断してもらってCO2削減計画を作ります。これが「設備更新支援への道」を開く鍵になってます。
そうです!ただし、SHIFT事業は審査が厳しくて「省エネ診断実施済みか」「削減計画の根拠が明確か」「採択後の運用改善まで含めた計画か」が評価ポイントです。岐阜県内で製造業向けの認定外部支援機関(省エネ専門家)を早めに確保しておくのが正解。GビズIDプライムも申請前に取得しておいてください。
jGrants(国の補助金申請システム)を使うのに必要な法人・個人事業主向けのIDです。取得に2〜3週間かかることがあるので、補助金申請を考え始めたら最優先でGビズIDを取得しておくのが鉄則ですよ。
- 省エネ診断を先に受ける: 診断なしの申請は審査で弱くなる
- 削減率15%以上の根拠を明確に: CO2排出量の基準年データを揃える
- 認定外部支援機関と早めに連携: 支援機関の空き状況を確認する
建設業や工務店向けのエコ系補助金はどんなのがありますか?
ZEHって最近よく聞くんですけど、どういう建物ですか?
ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)は、高断熱化+高効率設備+再生可能エネルギーを組み合わせて、年間の一次エネルギー消費量をゼロ以下にする住宅のことです。2050年カーボンニュートラルの柱の一つで、新築・リフォーム問わず補助対象になります。
岐阜県は寒暖差が激しいですよね。断熱は特に重要そう。
そうなんです!飛騨地方なんか冬は本州でも指折りの厳寒地なので、断熱改修の投資対効果がめちゃくちゃ高い。環境省の
断熱リフォーム支援事業は既存住宅に高性能断熱材・窓・ガラスを入れる工事が対象で、光熱費削減だけでなくヒートショック予防にも効きます。また
住宅エコリフォーム推進事業も既存住宅をZEHレベルまで省エネ改修する工事に最大51万円が出ます。
ZEH化支援事業は「ZEHビルダー/プランナー登録」が事前に必要です。登録なしで施主から受注しても対象外になってしまうので、登録が先。断熱リフォームは登録不要でリフォーム事業者が代理申請できます。岐阜の工務店で「ZEH対応してます」というのが差別化の武器になってきてますよ。
なるほど、先に登録しておくんですね。あと、令和8年度もちゃんと続いてるんですか?
ちょっと変わったところで、SDGsの金融系の補助ってありますか?
あります!国(金融庁・環境省)の
SDGsファイナンス支援事業補助金というのがあって、グリーンボンド、ソーシャルボンド、サステナビリティボンド等のSDGs債を発行・調達する際の外部評価費用を補助してくれる制度です。
グリーンボンドって企業が発行する債券ですよね?上場企業向けのイメージが…
実は中堅・中小企業でも発行事例が増えてますよ。特にグリーンローン(銀行からの借入)の形で資金調達する場合に外部評価費用の補助が出るのが
グリーンボンド/グリーンローン補助金(ID:131)です。
上限200万円・補助率2/10ですが、個人投資家向け発行の場合は7/10まで上がります。
ありますよ(笑)。
ブルーボンド/ブルーローン補助金は水産・海洋環境への取り組みに特化したSDGs債で
上限500万円・補助率7/10です。岐阜は海なし県ですが、長良川等の水環境保全に取り組む事業者には関係する制度かもしれません。
そうなんです(笑)。この制度は「環境・社会課題を解決しながら資金調達したい」という経営判断と合う会社向けです。まずは顧問税理士や取引銀行のSDGsデスクに相談してみるのがスタートですね。
岐阜県エコSDGs補助金 申請フロー
ここまで色々教えてもらいましたけど、全部まとめると何件くらいになるんですか?
国と岐阜県独自を合わせると430件以上あります。今日紹介した制度だけでも10件以上ありますよね。主なものを比較表にまとめてみます。
| 補助金名 | 補助上限 | 補助率 | 対象 |
|---|
| 省エネ設備導入(岐阜県) | 1,000万円 | 1/3 | 中小企業(工場・店舗) |
| 太陽光発電設備導入(岐阜県) | 250万円 | 5万円/kW | 中小企業(事業所) |
| SHIFT事業・設備更新(国) | 5億円 | 1/3 | 法人全般(工場) |
| SHIFT事業・計画策定(国) | 200万円 | 3/4 | 中小企業等 |
| ZEH化支援事業(国) | 要確認 | 要確認 | 住宅事業者 |
| 断熱リフォーム支援(国) | 要確認 | 要確認 | リフォーム事業者 |
| 住宅エコリフォーム推進事業(国) | 約51万円 | 要確認 | 建設事業者 |
| グリーンボンド発行支援(国) | 200万円 | 2/10〜7/10 | 法人全般 |
| ブルーボンド発行支援(国) | 500万円 | 7/10 | 法人全般 |
表を見るとSHIFT事業の5億円がダントツですね。
規模感が違いますよね。ただ審査も厳しいので、まず「岐阜県の省エネ設備導入(上限1,000万円)」で省エネ診断を受けて省エネ投資の実績を積んで、次にSHIFT事業へ、という段階的な戦略が現実的です。いきなりSHIFT事業に飛び込むより、成功率が上がりますよ。
なるほど、ステップを踏む戦略ですね。申請の流れはどうなってますか?
1省エネルギー診断を受ける(経済産業省系の省エネ診断サービスを活用)
2GビズIDプライムを取得(jGrants申請に必須・発行まで2〜3週間)
3補助金の公募期間を確認(岐阜県の場合は令和8年4月〜6月が多い)
4補助申請書と事業計画書を作成・提出(工事契約前が絶対条件)
7補助金の振込(令和9年2月28日までに設置完了が岐阜県補助金の条件)
GビズIDは
gBizID公式サイトから申請できます。スマホのマイナンバーカード認証で即日取得できるプライムアカウントが推奨です。補助金申請を検討し始めたその日に取得手続きを始めるくらいの感覚でいてください。
申請で「やっちゃった」という失敗パターンを教えてもらえますか?
一番多いのが「工事を先に契約してしまった」ケースです。岐阜県の補助金は「交付決定前の契約は原則対象外」ですが、急いで工事を発注してしまって補助金が受けられなかったという事業者が毎年います。
もう一つは「省エネ診断を受けていなかった」パターン。岐阜県の省エネ設備導入補助金は診断受診が必須要件です。「いい設備を見つけたからすぐ申請しよう」とやると、診断受診歴がないので申請できないという事態になります。診断受診から動いてください。
岐阜の場合、大垣市・山県市・美濃加茂市では事業者向けの市独自補助金もあるので、県の補助金と市の補助金の併用可否を必ず確認してください。原則として県と市の補助金は併用できないことが多いので、どちらを選ぶかで補助額が変わってきます。あとは飛騨・高山エリアは県の補助申請窓口から距離があるので、早めに電話・メールで相談しておくと安心ですよ。
市と県で選択しないといけないのは大事な情報ですね。
そうなんです。国と県は多くの場合で重複できませんが、確認は必須。こういう「どれと組み合わせられるか」という横断的な視点は補助金申請の専門家に相談するのが一番確実です。岐阜県の商工会議所や中小企業支援センターでも相談を受け付けてますよ。
- 省エネルギー診断を受ける: 岐阜県の省エネ設備導入補助金の絶対条件
- GビズIDを先に取る: 国の補助金jGrants申請に必須。2〜3週間かかる
- 工事契約は交付決定後: 先に動くと対象外になる岐阜の鉄則
- 県と市の補助金の併用可否: 大垣市・山県市・美濃加茂市の独自制度と県の制度は原則選択
- 自家消費50%以上を確保: 太陽光補助金の条件。FIT目的は対象外
今日の話を踏まえて、岐阜の事業者がまず何から手をつければいいか、一言でまとめてもらえますか?
設備投資を考えているなら「①省エネルギー診断の予約→②GビズIDの取得→③岐阜県省エネ設備導入補助金への申請」というルートが最優先ですね。診断は無料か低コストで受けられて、その結果が複数の補助金申請の土台になります。SDGsブランディングが目的なら「ぎふSDGs推進パートナー登録」も並行してやっておくと経営的な価値が出てきます。
大きい設備投資ほど、早め早めに動いた方がいいんですよね。
そうです!補助金は予算が先着や抽選で決まるものが多いので、「検討する」より「動く」が正解。特に省エネ診断待ちの時間が長いケースもあるので、今すぐ診断の予約だけ入れておくだけでも全然違いますよ。岐阜県のエコ・SDGs補助金は制度が充実してるので、うまく使い倒してほしいですね!