室谷さん、うちの会社そろそろITシステムを導入したくて。でも費用がかなりかかるじゃないですか。神奈川って補助金とか使えるんですか?
めちゃくちゃ使えますよ!(笑)神奈川は実は補助金の選択肢がかなり豊富で、国の制度と県独自の制度を組み合わせると、かなり費用負担を下げられます。
大きく分けると3つですね。国が全国向けに出してる制度、神奈川県が独自でやってる制度、そして横浜市や川崎市みたいな市区町村レベルの制度。それぞれ対象や補助率が違うので、自社の状況に合わせて選べるのが強みです。
なるほど。でも種類が多すぎてどこから手をつければいいか...
まずは「うちは何をしたいか」から逆算するのがコツです。ITシステムを入れたいのか、機械・設備を買いたいのか、それとも業務全体を効率化したいのか。目的によってベストな補助金が変わりますから。
| 目的 | おすすめ補助金 | 補助上限 |
|---|
| ITツール・ソフトウェア導入 | デジタル化・AI導入補助金2026 | 150万円〜 |
| 生産設備・機械の導入 | ものづくり補助金(22次) | 1,000万円 |
| 人手不足解消・省力化 | 中小企業生産性向上促進補助金(神奈川) | 500万円 |
| 事業転換・新分野進出 | 事業再構築補助金 | 5億円 |
| 賃上げ+設備投資同時 | 業務改善助成金(厚生労働省) | 600万円 |
| 小規模事業者のDX | 小規模事業者デジタル化支援補助金(神奈川) | 50万円 |
| 大規模成長投資 | 省力化等大規模成長投資補助金 | 50億円 |
50億円!?そんな大きい補助金もあるんですか(笑)
それは中堅企業向けなのでちょっと特殊ですけど、規模感の違う制度がたくさん揃ってるっていうことですね。どれを使うかで、設備投資コストがかなり変わってきます。
神奈川県設備投資・IT導入 補助金フロー図
一番よく聞くのって「IT導入補助金」じゃないですか?あれって令和8年度はどうなってるんですか?
令和7年度補正予算から名前が変わりましたね。「デジタル化・AI導入補助金2026」が正式名称です。中身は従来のIT導入補助金を引き継ぎつつ、AIツールへの対応を強化した感じです。
へー、AI対応になったんだ。補助率とか変わりましたか?
通常枠では補助率1/2以上、インボイス対応のソフトなら3/4〜4/5の補助率になります。上限は通常枠で150万円、複数社連携なら3,200万円まで行けます。中小企業が会計ソフト・受発注システム・勤怠管理ツールを入れる場合はこれが一番使いやすいですね。
そうなんですよ、それが重要なポイントで。GビズIDの取得に2〜3週間かかることがあるので、補助金を申請する前に必ず先にGビズIDを取っておく必要があります。これを知らなくて申請に間に合わなかった事業者さん、結構いるんですよね。
それは知らなかった...事前準備が大事なんですね。
申請はIT導入支援事業者(ITベンダー)と一緒に行う仕組みです。自社だけでは申請できないので、対応ベンダーを選ぶところから準備が始まります。公式ポータル(it-shien.smrj.go.jp)で登録済みベンダーを検索できますよ。
- 正式名称: 中小企業デジタル化・AI導入支援事業「デジタル化・AI導入補助金2026」
- 対象: AIを含むITツール(ソフトウェア、クラウドサービス等)の導入
- 補助率: 通常枠1/2以上、インボイス枠3/4〜4/5
- 上限額: 通常枠最大150万円、複数社連携枠最大3,200万円
- 申請方法: IT導入支援事業者経由で申請(単独申請不可)
- 事前準備: GビズIDの取得(2〜3週間かかるため早めに)
じゃあ対応ベンダーをまず探すのが最初のステップなんですね。
そうです。ベンダーによって得意なシステムが違うので、「自分がやりたいこと」を明確にしてからベンダーを選ぶのがポイントです。
ものづくり補助金はどうですか?これもよく聞きますよね。
ものづくり補助金こと「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」は、設備投資と革新的なサービス開発の両方に使える幅広い補助金です。
ものづくり補助金(22次締切)のページで最新情報を確認できますが、補助上限は1,000万円、補助率は1/2または2/3です。
小規模事業者だと2/3になります。1,000万円の設備を入れるなら最大667万円が補助されるわけで、実質333万円で導入できる計算ですね。神奈川県は製造業・サービス業の中小企業が多いので、使える会社は相当あるはずです。
「革新的な取組」であることが条件です。生産プロセスの改善に使う機械装置、革新的サービス開発のためのシステム導入、試作品を作るための設備など。単純な設備更新だと難しいですが、「○○の効率を△%上げる」「新しいサービスを実現する」といった計画があれば通りやすいです。
直近だとざっくり40〜50%ってところですね。しっかり事業計画を書いた事業者が通る感じです。認定経営革新等支援機関(通称「認定支援機関」)と一緒に申請書を作ると質が上がって採択率も上がります。神奈川には商工会議所や金融機関など認定支援機関がたくさんあるので、相談しやすいですよ。
採択後も加点項目を狙うのがポイントです。「賃上げ計画」や「SECURITY ACTION宣言」があると審査で加点されるので、事前に準備しておくと有利です。
さっき言ってた50億円の補助金、あれはどんな会社が使えるんですか?
省力化等大規模成長投資補助金(第5次公募)ですね。これは中堅・中小企業やスタートアップが対象で、省力化・自動化のための大規模な設備投資を支援するものです。補助上限50億円、補助率1/3以下ですが、条件として「賃上げ」がセットになっています。
そうです。「設備投資して生産性を上げた分、社員の給料も上げてください」という設計です。神奈川の製造業や物流業で大型の自動化ラインを入れるようなケースに向いてますね。第5次公募から事務局が野村総合研究所に変更されているので、最新情報は公式サイトで確認が必要です。
これは規模が大きすぎて中小企業にはちょっと...って感じもしますね(笑)
そうですね(笑)。数億円規模の投資を考えてる会社向けです。一方でその下のサイズは「ものづくり補助金」が担ってて、うまく棲み分けができてますよ。
意外と知られていないんですが、
業務改善助成金(令和7年度)は賃上げと設備投資をセットにした助成金なんです。事業場内の最低賃金を30円以上引き上げた上で、生産性向上に資する設備投資をすると、最大600万円、補助率3/4〜4/5で助成されます。
そうなんです。「設備を入れて効率化して、浮いた分を賃上げに回す」という流れにぴったりです。IT導入も対象経費になるので、中小企業が最低賃金引上げのタイミングで使うと非常にお得な制度です。
事業再構築補助金(第12回)は交付申請段階のものが残っています。新市場進出・事業転換・新分野展開などを考えている会社が対象で、補助上限5億円とかなり大型です。IT化で事業構造を根本から変えたいという場合に、この制度を使いながら設備投資もセットでできますよ。
なるほど、事業転換とITを組み合わせるパターンもあるんですね。
そうです。「ECサイトを立ち上げて販路を変える」「工場のIoT化でBtoC展開する」みたいなケースで事業再構築補助金を活用している会社を、私は何社も見てきました。
神奈川県補助金 金額比較表
令和8年度は大きく2本立てですね。一つは「中小企業生産性向上促進事業費補助金」、もう一つは「小規模事業者デジタル化支援推進事業費補助金」です。
従業員規模で使い分けます。商業・サービス業で5人以下、製造業等で20人以下の「小規模事業者」は「デジタル化支援推進事業費補助金」が使いやすいです。それより大きい中小企業なら「生産性向上促進事業費補助金」ですね。
事前に商工会・商工会議所等での相談が必須なんですが、しっかり計画を立てて申請すれば通りやすい制度です。あと予算に達し次第終了なので早め早めに動くのがポイントです。
グループ化支援枠は、複数の企業がグループで取り組む場合に使えます。商店街やサプライチェーンで連携してシステムを入れたい場合に適してますね。令和8年5月1日から8月31日まで公募しています。神奈川産業振興センターが相談窓口になっているので、早めに相談に行くことをおすすめします。
- 神奈川県の補助金は「同一事業内容で他の補助金の交付を受ける場合は受給不可」のケースあり
- 同じ設備投資で国の補助金と県の補助金を二重取りはできないので注意
- 複数の補助金を検討する場合は認定支援機関や商工会議所に事前相談を
- 問合せ: 神奈川産業振興センター(生産性向上補助金事務局: 045-315-3755)
国と県の制度を二重取りはできないんですね、それは知らなかった。
そこは要注意です。ただし「国の制度でIT導入」「県の制度で機械設備」みたいに、対象を分けて使い分けることは可能なケースもあります。こういう細かい部分は商工会議所の専門家に相談するのが一番確実です。
あります!横浜市と川崎市は特に充実していて、国や県の制度に上乗せする形で使えるものがあります。横須賀市には「ものづくり技術開発促進事業補助金」があって、ITや先端技術導入に特化した支援もあります。
ただし市区町村の制度は毎年変わることが多いので、実際に申請する前に各市のウェブサイトか産業振興課に確認するのが必須です。厚木市の「ロボット関連産業等(IT、IoT、AI)促進事業補助金」は上限70万円で使いやすいと評判ですよ。
エリアによってこんなに違うんですね。神奈川にいるだけで有利って感じがします(笑)
正直、神奈川は企業集積が多いので支援制度も充実してるんですよ。横浜市の製造業支援は特に力を入れていますし、大手製造業のサプライヤーが多い地域柄、設備投資補助金の需要が高いんです。
| 補助金名 | 補助上限 | 補助率 | 対象 | 公募期間の目安 |
|---|
| デジタル化・AI導入補助金2026 | 150万円(通常枠) | 1/2〜4/5 | 中小企業・小規模事業者 | 通年(枠ごとに異なる) |
| ものづくり補助金(22次) | 1,000万円 | 1/2〜2/3 | 中小企業 | 随時公募 |
| 省力化等大規模成長投資補助金 | 50億円 | 1/3以下 | 中堅・中小企業 | 令和7年度補正(5次) |
| 事業再構築補助金 | 5億円 | 公募要領参照 | 中小企業 | 第12回(交付申請中) |
| 業務改善助成金 | 600万円 | 3/4〜4/5 | 中小企業(賃上げ必須) | 通年 |
| 神奈川県生産性向上促進補助金 | 500万円〜4,000万円 | 1/2〜2/3 | 神奈川県内中小企業 | 令和8年5月〜8月 |
| 神奈川県小規模DX補助金 | 50万円 | 2/3 | 神奈川県内小規模事業者 | 令和8年4月〜9月 |
補助金は「上限が大きい=自分向き」じゃないんですよ。自社の規模・投資金額・目的に合った制度を選ぶのが大事で。1,000万円の設備投資なら「ものづくり補助金」、50万円のクラウドシステムなら「神奈川県小規模DX補助金」って感じで使い分けるイメージです。
実務経験から言うと、3つ大事なことがあります。まず「事前相談を絶対に抜かさない」こと。特に県の補助金は事前相談が必須条件になってるものが多いですし、支援機関のコメントや確認書が申請書類に必要なケースも多いです。
申請書の方向性がかなり変わります。「この表現じゃ通りにくい」「この数字が弱い」みたいなフィードバックをもらえるので、一人で書くより格段に精度が上がります。あと、担当者と顔を合わせることで、疑問点をその場でつぶせます。
「GビズIDを今すぐ取る」です(笑)。これ本当に大事で、多くの補助金がjGrantsやGビズID連携で申請するんですが、取得に2〜3週間かかります。公募が始まってから「今すぐ取ろう!」ってやると間に合わないことが多いです。
「数字で語る事業計画を作る」です。「○○%の生産性向上」「△人分の作業を自動化」「年間□万円のコスト削減」みたいに定量的に書くと採択されやすいです。「業務を効率化します」だけじゃなく、どのくらい効率化するかまで書けると強いです。
1GビズIDを取得する(補助金申請前に必須。2〜3週間かかる)
3補助金の公募要領をダウンロードして読む(特に対象経費と採択基準)
4事業計画を定量的に記述する(生産性向上率・コスト削減額など数字で示す)
5申請書類を揃えて電子申請(jGrantsまたは専用サイト)
6採択後は交付決定前に設備購入しない(採択前の先行着手は原則NG)
これを知らずにやってしまう事業者さんが毎年いるんですよね。「採択されたから早く設備を買おう!」ってなる気持ちはわかるんですが、交付決定が下りるまで待たないと補助金が出ません。例外的に「事前着手届」を出せる制度もありますが、基本的には決定を待つのが鉄則です。
大事なことですね。最後に、これから設備投資を考えてる方へメッセージをお願いします!
神奈川は補助金の選択肢が全国でもトップクラスに多い地域です。国・県・市区町村の制度を賢く組み合わせれば、大型の設備投資でも自己負担を大幅に減らせます。一番大切なのは「早く動く」こと。予算に達し次第終了になる補助金も多いので、「そのうちやろう」じゃなくて、今すぐGビズIDを取って、商工会議所に相談しに行ってください!
ありがとうございました!神奈川の事業者さん、ぜひ活用してみてください。