北海道の中小企業が新製品開発に使える補助金、知ってますか?

佐藤

佐藤

編集長

北海道で新製品を開発したいっていう中小企業さんに使える補助金があるって聞いたんですけど、具体的にどんな制度なんですか?
室谷

室谷

代表取締役

「市場対応型製品開発支援事業【一般】」ですね。公益財団法人北海道中小企業総合支援センター(HSC)が実施している制度で、北海道内の中小企業が新分野・新市場への進出のために行う製品・サービス開発に、最大300万円を補助してもらえます。補助率は対象経費の1/2以内。
佐藤

佐藤

編集長

えっ、300万円!かなり大きいですね(笑)。どういう会社が使えるんですか?
室谷

室谷

代表取締役

道内の中小企業者等が対象です。業種の縛りはほぼないんですが、「中小企業者」の定義は業種によって違います。たとえば製造業・建設業・運輸業は資本金3億円以下または従業員300人以下、サービス業や小売業は資本金5000万円以下または従業員50〜100人以下という感じです。
佐藤

佐藤

編集長

なるほど。で、「市場対応型」って名前についてますよね。これ、どういう意味なんですか?
室谷

室谷

代表取締役

「新分野・新市場への進出等」がテーマっていうことです。①今の業種とは別の小分類業種に進出する「新分野進出」、②道外・海外市場の開拓やシェア拡大をする「新市場進出」、③新商品や新サービスの開発・提供という「新事業展開」、この3つのどれかに当てはまる取り組みが対象になります。
佐藤

佐藤

編集長

ほんとに?じゃあ今の事業をちょっと広げる感じでも使えるってことですか?
室谷

室谷

代表取締役

そうです。既存製品の機能・性能・デザイン・包装などの改良も「製品開発」として対象になります。ただし、製品開発を自ら主導する能力がなくて、ほぼ全部を外注してしまうようなケースはNGです。あくまで自社が主体的に取り組む必要があります。

事業タイプ比較 — 「一般」と他のメニューの違い

佐藤

佐藤

編集長

この事業には「一般」以外のメニューもあるみたいなんですが、どう違うんですか?
室谷

室谷

代表取締役

同じ「市場対応型製品開発支援事業」という大きなくくりで、3種類あります。

事業タイプ比較図
事業タイプ比較図
事業タイプ補助上限額対象
【一般】300万円全業種の中小企業
【特定産業分野】500万円自動車・電子部品等の加工組立型工業、食関連・環境・エネルギー・IT産業
【共同研究開発】500万円大学等と連携するグループ(中小企業が1/2以上)
佐藤

佐藤

編集長

「特定産業分野」だと500万円に上がるんですね!どっちで申請すればいいか迷いそう(笑)。
室谷

室谷

代表取締役

自分の業種が特定産業分野に当てはまるなら、上限500万円の方を狙う価値が十分あります。食品加工・IT・自動車部品など北海道の主力産業はだいたい対象に入ります。一方、どの産業分野にも当てはまらない場合は【一般】で申請するという形ですね。
佐藤

佐藤

編集長

3種類を同時に申請することはできますか?
室谷

室谷

代表取締役

残念ながら、これらのメニュー間の事業メニューの重複申請はできません。また、他の事業メニュー(マーケティング支援事業やコンサルタント招へいなど)との重複利用もできないので注意が必要です。

補助金の金額・補助率を徹底解説

佐藤

佐藤

編集長

300万円が上限って言いましたが、全部使える枠が300万円ということですか?
室谷

室谷

代表取締役

ちょっとだけ複雑な仕組みがあって、補助上限300万円のうち、市場調査・展示会出展に関する経費は200万円までというキャップがあります。製品開発だけに使えるお金が事実上100万円確保されているとも言えますし、市場調査+展示会費用だけでも最大200万円まで出るとも言えます。
経費カテゴリー補助上限
全体(製品開発+市場調査等)300万円
うち市場調査・展示会出展200万円
補助率(全経費共通)1/2以内(千円未満切り捨て)
佐藤

佐藤

編集長

なるほど。実際にどのくらい補助されるかって、申請額によって変わりますよね?
室谷

室谷

代表取締役

そうですね。たとえば製品開発経費が200万円、市場調査費が100万円の合計300万円の事業を行う場合、補助率1/2なので補助金額は最大150万円になります。上限300万円の補助金を満額もらいたいなら、対象経費が600万円以上の事業規模が必要です。

対象経費の詳細 — 何に使えるの?

佐藤

佐藤

編集長

補助対象になる経費って、具体的にどんなものがありますか?
室谷

室谷

代表取締役

種類が多いんですが、製品開発関連と市場進出関連の2グループに分かれます。
経費の種類詳細
原材料・副材料費試作用に限る
治具・工具費試作用に限る
外注加工費試作用に限る
技術導入費外部専門家・技術者への経費、大学等との共同研究費
デザイン開発費製品デザイン・パッケージ開発
プログラム開発費ソフトウェア・システム新規開発(IT企業は人件費含む)
試験・検査依頼費第三者機関への試験委託
特許実施費特許使用料(補助対象経費の1/3以内)
先行技術等調査費特許・実用新案・意匠の調査費
市場調査委託費外部委託の市場調査
道外展示会出展費出展料・展示工事費・交通費・輸送費・パンフレット印刷等
人件費新規雇用したSE・プログラマー等に限る
佐藤

佐藤

編集長

道外展示会って、海外も含まれますか?
室谷

室谷

代表取締役

含まれます!「道外(海外を含む)」が対象です。ただし展示会の形態として、主催者が公益法人など非営利団体であること、自社で開発した製品等の展示面積が全体の2分の1以上あることなど、いくつかの条件があります。
佐藤

佐藤

編集長

へえ!ビッグサイトの展示会とか海外のフードショーとかも使えるんですね。ちなみに対象外の経費は何ですか?
室谷

室谷

代表取締役

対象外になる主なものは、建物・建設費用、構成員間の内部取引にかかる費用、地方独立行政法人北海道立総合研究機構への手数料などです。あと、受託して行う製品開発(受注仕事での開発)は補助対象外ですので注意してください。

対象者の詳細 — 私は申請できる?

佐藤

佐藤

編集長

対象者についてもう少し詳しく教えてもらえますか?道内の中小企業者って書いてましたが、要件が複雑な感じがして…。
室谷

室谷

代表取締役

大きく2パターンあります。
佐藤

佐藤

編集長

2パターン!どんな分け方ですか?
室谷

室谷

代表取締役

まず「道内の中小企業者等」として、①中小企業信用保険法に定める中小企業者、または②中小企業団体の組織に関する法律の中小企業団体、このどちらかで、道内に主たる事務所または事業所があることが条件です。それとは別に「道外に本社がある道内事業所」というパターンもあって、この場合は5つの追加条件をすべて満たす必要があります。

道外本社・道内事業所の場合の5条件

  • 道内に事業所を有しており、支店登記がなされていること
  • 道内事業所名義で申請する場合、支配人登記・取締役会の決定・委任状の交付等、申請についての当該中小企業者等の意思が明らかになっていること
  • 道内事業所で事業を円滑に進めるための体制が取られていること
  • 道内事業所で独自の経理処理がなされているか、経理の状況を把握しているかまたはこれらを行うことが十分可能であること
  • 交付された資金の使途が道内事業所の事業に係るものであること
佐藤

佐藤

編集長

ほんとに?外から来た企業でも使えるんですね。ただ条件が多いな(笑)。
室谷

室谷

代表取締役

道内に根を張って経営しているかどうかを確認するための条件です。腰かけではなく道内経済に貢献する企業を支援するという趣旨ですね。

申請不可のケース

  • 同じ事業メニュー間の重複申請(一般・特定産業分野・共同研究開発の中からは1つだけ)
  • 他の競争力強化促進事業メニューとの重複利用
  • 受託した製品開発(受注仕事として行う開発)
  • 製品開発等の全部または大部分を外注・委託している場合

申請の流れ — 実際に何をどう準備すればいい?

佐藤

佐藤

編集長

では実際に申請するには何をすればいいんですか?流れを教えてもらえますか?
室谷

室谷

代表取締役

大まかな流れはこんな感じです。

申請フロー図
申請フロー図
2事業計画書を作成 製品・サービスの開発計画、市場性・成長性、競合状況、実現可能性、財務計画などを具体的に記載します。審査はこの事業計画書が最重要になります。
3必要書類を揃える 事業計画書のほかに、登記事項証明書、直近2期分の決算書、申請様式の各シートなどが必要です。事業メニューごとに必要書類が異なる点に注意。
4申請フォームから電子申請 所定様式と添付書類を申請フォームに添付して提出します。申請完了後、必ず事務局(jyoseishien@hsc.or.jp)へメールで連絡が必要です。
5書類確認・ヒアリング(5〜6月) 提出書類の内容確認と、必要に応じて電話等によるヒアリングが行われます。
6審査委員会(7月予定) 有識者で構成する審査委員会で審査。市場対応型製品開発支援事業は書面審査またはオンラインミーティングによるプレゼン審査が行われます。
7採否決定・補助金交付決定通知 全応募者に採否結果が通知されます。採択された場合は補助金交付決定を経て事業を開始します。
8事業実施(〜2027年3月15日) 補助金交付決定後に事業を実施。事業完了後30日以内または2027年3月18日のいずれか早い日までに完了報告書を提出します。
佐藤

佐藤

編集長

郵送でも申請できますか?
室谷

室谷

代表取締役

申請フォームでの提出が困難な場合に限り、紙媒体の郵送でも可能です。ただし事前に事務局へ連絡が必要で、締切は2026年6月19日消印有効です。なお、本部・支部への持参提出は受け付けていませんのでご注意を。

審査のポイント — 採択されるためのコツ

佐藤

佐藤

編集長

審査ってどんな基準で見られるんですか?採択率とかわかりますか?
室谷

室谷

代表取締役

採択率の公開データは残念ながら手元にないんですが、審査基準として8つの項目が明記されています。

8つの審査基準

  • 事業計画の明確度: 何をどうやって達成するかが具体的か
  • 市場性・成長性: 対象市場に需要があり、将来性があるか
  • 競合性: 競合他社や代替製品と比べた優位性があるか
  • 実現性: 技術的・人材的に本当に実現できるか
  • 財務力: 補助事業を遂行するための財務基盤があるか
  • 新規性・独自性: 既存製品と差別化された新しさがあるか
  • 社会性・支援の必要性: 北海道の経済や地域に貢献するか
  • 重要な課題への取組: 脱炭素・DX等の社会変化への対応か
佐藤

佐藤

編集長

8項目もあるんですね!どれが特に大事なんでしょう?
室谷

室谷

代表取締役

正直「事業計画の明確度」と「市場性・成長性」が最重要だと私は見ています。「売れる市場があって、それに向けた具体的な計画がある」というストーリーが一番響きます。「作りたいから作る」ではなく「この市場のこのニーズに応えるために開発する」という視点で書くことが大切です。
佐藤

佐藤

編集長

なるほど!具体的に書くことが大事なんですね。他に気をつけることは?
室谷

室谷

代表取締役

プレゼン審査があることも念頭に置いてください。書面だけでなく、オンラインミーティングで事業計画を説明する機会があります。質問に明確に答えられるよう準備しておくことが重要です。

採択率を上げるための3つのポイント

  • 市場調査データを必ず添付する: 「ニーズがある」を主張するなら、アンケートや業界レポートなど客観的データで裏付けること
  • 北海道への貢献を明記する: この補助金は北海道経済の構造転換が目的。道内の雇用創出・企業成長への貢献を具体的に書くと評価される
  • 実現性を高める自社の強みを書く: 特許・技術力・過去の開発実績・専門人材など、「なぜ自社が成功できるか」を裏付ける材料を示す

よくある質問

佐藤

佐藤

編集長

申請するにあたってよくある質問をいくつか教えてもらえますか?
室谷

室谷

代表取締役

では代表的なQAをまとめますね。
佐藤

佐藤

編集長

「製品」という名前がついていますが、サービス業でも申請できますか?
室谷

室谷

代表取締役

できます。「製品・サービスの開発」が対象と明記されていますし、対象経費にもプログラム開発費(IT企業の人件費含む)が含まれています。飲食サービス・ITサービス・コンサルティングサービスなど、サービス業でも新しいサービスの開発を行う場合は対象になります。
佐藤

佐藤

編集長

jGrants(Jグランツ)からは申請できないって書いてあったんですが、どこから申請すればいいんですか?
室谷

室谷

代表取締役

HSCの申請フォームからの電子申請が原則です。Jグランツには掲載されているものの、実際の申請受付はHSCの独自フォームを使います。申請フォームはこちらから提出してください。
佐藤

佐藤

編集長

補助金をもらったあとに何か義務はありますか?
室谷

室谷

代表取締役

事業終了後の義務がいくつかあります。事業記録・帳簿類を5年間保存、補助対象となった機器・試作品等の使用・処分に制約あり、成果の発表(HSCや北海道が公表を求める場合に協力)、アンケート調査への協力などです。北海道の会計監査が入る場合もあります。
佐藤

佐藤

編集長

採択後に事業計画を変更したい場合はどうすればいいですか?
室谷

室谷

代表取締役

採択後の事業計画変更は原則として無条件にはできません。内容を変更したい場合はHSCの承認が必要です。申請前に計画をしっかり固めておくことが大切です。

基本情報まとめ

項目内容
制度名市場対応型製品開発支援事業【一般】
実施機関公益財団法人北海道中小企業総合支援センター(HSC)
補助上限額300万円(うち市場調査等200万円)
補助率対象経費の1/2以内(千円未満切り捨て)
対象地域北海道
募集期間2026年5月7日(木)〜2026年6月19日(金)17時必着
申請方法電子申請(フォームに添付して提出) / 郵送(要事前連絡)
事業完了期限2027年3月15日
審査時期2026年7月予定
問い合わせTEL 011-232-2403 / Mail jyoseishien@hsc.or.jp
公式サイトhttps://www.hsc.or.jp/news/2026jourei_1st/

申請を急ぐべき理由

募集期間は2026年5月7日から2026年6月19日まで。約6週間という短い期間です。事業計画書の作成、財務書類の準備、市場調査データの収集など、準備には時間がかかります。今すぐ動き始めないと締切に間に合わない可能性があります。

他の補助金・類似制度との比較

佐藤

佐藤

編集長

この補助金と似た制度って他にもありますか?どう違うんでしょう?
室谷

室谷

代表取締役

主な比較対象をまとめると…
制度補助上限対象特徴
市場対応型製品開発【一般】(本制度)300万円北海道内の中小企業製品開発+市場調査をセットで支援
市場対応型製品開発【特定産業分野】500万円加工組立型・IT・食・環境産業対象産業が限定される分、上限が大きい
コンサルタント等招へい支援事業100万円北海道内の中小企業製品開発ではなく外部専門家招へい費用を支援
マーケティング支援事業200万円北海道内の中小企業市場調査・展示会出展費のみ(製品開発なし)
ものづくり補助金750〜1000万円(一般型)全国の中小企業設備投資・試作品開発が中心、競争が激しい
佐藤

佐藤

編集長

ものづくり補助金と比べると、北海道の制度の方が上限は低いけど競争率が少なそうですね?
室谷

室谷

代表取締役

そうとも言えます。ものづくり補助金は全国から応募があって競争率が高い一方、北海道の制度は道内限定なので申請者数が絞られます。またものづくり補助金と市場対応型製品開発支援事業の重複申請の可否については個別に確認が必要です。担当窓口に相談してみてください。
佐藤

佐藤

編集長

なるほど。同じ事業者が複数の補助金を重ねて使えるかどうかは、それぞれに確認が必要なんですね。
室谷

室谷

代表取締役

まさにそうです。また、北海道の制度の中でも「マーケティング支援事業」や「コンサルタント等招へい支援事業」と市場対応型製品開発支援事業(一般)は重複利用不可ですが、全く別の補助金との組み合わせは個別に確認してください。

問い合わせ・申請先

申請・問い合わせ先

佐藤

佐藤

編集長

電話でも相談できるんですね。
室谷

室谷

代表取締役

はい。申請前に事前相談することを強くお勧めします。「自社の事業は対象になりますか?」「この経費は補助対象になりますか?」といった質問に丁寧に答えてもらえますし、審査で評価されやすい事業計画の書き方についてもヒントをもらえることがあります。
佐藤

佐藤

編集長

それは心強い!最後にまとめをお願いしていいですか?
室谷

室谷

代表取締役

北海道の中小企業で新製品・新サービスの開発を考えているなら、この制度は絶対にチェックすべき補助金です。補助上限300万円・補助率1/2で、製品開発費から道外展示会費まで対象経費の種類が豊富です。2026年6月19日が申請締切なので、今すぐ公式ページで詳細を確認して、HSCに相談してみてください!

北海道の補助金をもっと探す

佐藤

佐藤

編集長

北海道内の中小企業向けの補助金は他にもたくさんあるんですよね?どこで探せばいいんですか?
室谷

室谷

代表取締役

地域別の制度一覧から探すのが便利です。北海道の補助金・助成金一覧札幌市の補助金・助成金一覧をご確認ください。同じ「中小企業競争力強化促進事業」には他の支援メニューもあるので、製品開発だけでなくマーケティングや人材育成も含めてトータルで活用を検討してみてください。市場対応型製品開発支援事業【特定産業分野】(最大500万円)コンサルタント等招へい支援事業(最大100万円)マーケティング支援事業(最大200万円)地域課題解決型起業支援事業中小企業等知的財産支援地域連携促進事業費補助金もあわせてご覧ください。