今日は北海道の中小企業向けに、外部の専門家を呼ぶ費用を補助してくれる制度を教えていただきたいんですが、そもそもどういう補助金なんですか?
これは「コンサルタント等招へい支援事業」といって、公益財団法人北海道中小企業総合支援センターが北海道の条例に基づいて運営している補助金です。新分野・新市場への進出を目指す道内中小企業者が、外部のコンサルタントや専門技術者、熟練技能者を招いて指導を受けるときの費用の半額を補助してくれる制度ですね。
ざっくり言うと、専門家を呼ぶ費用を半分出してくれるってことですか?
そうです(笑)。補助限度額はざっくり100万円、補助率は1/2以内です。コンサルタント料だけでなく、専門家の滞在費や往復の交通費も対象経費に含まれるので、道外から高度な専門家を招へいする場合でも使いやすい設計になっています。
出ます。ただし滞在費には上限があって、北海道の旅費条例に基づく宿泊費基準額(1日1万5千円)と宿泊手当(1夜2400円)を合算した額と実費のどちらか低い方が対象になります。コンサルタント料も1日あたり20万円が上限です。
2026年度コンサルタント等招へい支援事業 補助スキーム図
なるほど。この制度、もともとどんな法律に基づいているんですか?
北海道の独自条例ですね。「北海道経済構造の転換を図るための企業立地の促進及び中小企業の競争力の強化に関する条例」、2007年12月21日に制定された条例第68号に基づいています。道内の中小企業が新分野・新市場に進出するための経費を補助する、「中小企業競争力強化促進事業」の一メニューがこのコンサルタント招へい支援事業です。
全部で8つのメニューがあります。マーケティング支援(最大200万円)、産業人材育成・派遣(最大50万円)、産業人材育成・招へい(最大50万円)、テレワーク導入(最大60万円)、市場対応型製品開発・一般(最大300万円)、特定産業分野(最大500万円)、共同研究開発(最大500万円)といったラインナップです。ただし、メニュー間の併用はできないので注意が必要ですよ。
補助額のことをもっと詳しく聞かせてください。実際にどのくらい受け取れるんでしょう?
コンサルタント等招へい支援事業に限って言えば、補助限度額は100万円、補助率は対象経費の2分の1以内です。たとえば専門家の招へい費用が合計150万円かかったとすれば、75万円が補助される計算になります。ただし実際の補助額は1,000円未満切り捨てになります。
| 項目 | 内容 |
|---|
| 補助限度額 | 100万円 |
| 補助率 | 対象経費の1/2以内 |
| 端数処理 | 1,000円未満切り捨て |
| コンサルタント料上限 | 日額20万円以内 |
| 滞在費上限 | 宿泊費基準額1日1万5千円+宿泊手当1夜2,400円 |
えっ、コンサルタント料が1日20万円でも全額対象になるんですか?
コンサルタント料は日額20万円以内のものが対象になります。つまり高額すぎる報酬には上限がかかります。ただ1日20万円というのは相当な専門家でも対応できる水準ですから、多くのケースではカバーできると思います。
そうです。コンサルタント招へい事業は書面審査だけなのでハードルが低めで、中小企業が申請しやすい設計になっています。ちなみに同じ中小企業競争力強化促進事業の中でも、市場対応型製品開発支援事業については書面審査に加えてオンラインミーティングによるプレゼン審査もあるので、それに比べれば申請のしやすさは段違いです(笑)。
補助額はわかりました。次に誰が申請できるのかを教えてください。北海道の会社なら誰でも申請できるんですか?
基本的には「道内の中小企業者等」が対象です。具体的には2つの定義のどちらかに当てはまれば申請できます。一つ目は中小企業信用保険法第2条第1項に規定する中小企業者で、業種ごとに資本金と従業員数の基準があります。
| 業種 | 資本金上限 | 従業員上限 |
|---|
| 製造業・建設業・運輸業・その他 | 3億円以下 | 300人以下 |
| 卸売業 | 1億円以下 | 100人以下 |
| 小売業 | 5,000万円以下 | 50人以下 |
| ゴム製品製造業 | 3億円以下 | 900人以下 |
| ソフトウェア業・情報処理サービス業 | 3億円以下 | 300人以下 |
| 旅館業 | 5,000万円以下 | 200人以下 |
| サービス業 | 5,000万円以下 | 100人以下 |
中小企業団体の組織に関する法律第3条第1項に規定する中小企業団体です。事業協同組合、協同組合連合会、企業組合、協業組合、商工組合などが対象になります。
道外に本社がある場合でも、道内に事業所があれば申請できる可能性があります。ただし、いくつか条件があって、支店登記がなされていること、道内事業所で独自の経理処理がなされていること、補助の成果を引き続き道内事業所で利用すること、などの要件をすべて満たす必要があります。
中小企業信用保険法の「中小企業者」の定義には個人事業主も含まれているケースがあります。ただし、事業内容や業種によって判断が変わるので、事前に北海道中小企業総合支援センターに確認することをおすすめします。申請前の事前相談は推奨されていますし、担当者が丁寧に対応してくれますよ。
わかりました。対象者の話はここまでにして、次は対象経費のことを詳しく聞かせてください。
コンサルタント等招へい支援事業 対象経費・対象外経費の整理図
実際にどんな費用が補助されるんですか?コンサルタント料以外にも使えるんでしたっけ?
コンサルタント等招へい支援事業の対象経費は3種類です。コンサルタント料、滞在費、往復の交通費の3つです。
オンラインのコンサルティングはどうですか?対面じゃないとダメですか?
マジですか、と思いますよね(笑)。実はオンラインによるコンサルティングも対象になっています。その場合は交通費や滞在費は発生しませんが、コンサルタント料は対象になります。リモートワーク全盛の時代に対応した制度ですね。
それは使いやすいですね。対象外になる経費はありますか?
いくつかあります。機械設備等の調整や操作方法の習得、経営管理能力の向上に係るコンサルティングは対象外です。あくまで技術開発や生産管理、マーケティング、脱炭素・デジタル化に向けた取組の技術的なコンサルティングが対象なので、「いいマネジメント本を読んで経営の勉強をしたい」というような費用は対象になりません。
では招へいするコンサルタントにはどんな人が対象になるんですか?
「専門技術者」と「熟練技能者」という2種類の定義があります。専門技術者とは生産・販売・役務提供の技術に関して優れた知識・見識・知見を持つ人で、その指導で技術やデザイン開発能力の習得が達せられると認められる人。熟練技能者とは生産・販売・役務提供の技術に関して高度な技能を持つ人で、加工精度の向上やコスト低減等が期待できる人です。
ざっくり言うと、「その道の専門家」なら招へいできるってことですね。
そうですね。ただし対象事業にも条件があって、招へいにより習得する技術や能力が、申請者が行っている産業技術開発等に役立つ試験・研究・分析・検査・評価等に関するもの、加工精度の向上や生産コストの低減に資するもの、産業技術開発等の実現可能性調査・テーマ設定・開発プロセスの計画策定に資するもの等とされています。
そうなんです。ただマーケティングも明示的に対象に含まれていますから、新分野進出の市場調査的なコンサルティングも対象になります。「新市場へ進出するために、消費者行動に詳しい専門家を招いて製品の見せ方を改善してもらいたい」という使い方も適法です。
では実際に申請するときはどうすればいいんですか?手続きが複雑そうで…。
精算払いなんですね!先にお金が出るわけじゃないと。
そこ大事です!補助金は基本的に「先払い→事業実施→清算」ではなく、「事業実施→完了報告→補助金受取」という流れです。つまり一時的に自社でお金を立て替える必要があります。資金繰りには注意してください。
それは知らなかった!コンサルタントを呼ぶ前に、資金を用意しておく必要があるわけですね。
そうです。コンサルタント料が高額になる場合は特に注意が必要です。最大で100万円の2倍、つまり200万円程度の支出を自社で一時的に用意できるかどうか確認しておきましょう。次のセクションで審査のポイントも詳しく話しますね。
書面審査だけとはいえ、審査基準はどんなものなんですか?採択されるためのコツを教えてください!
- 事業計画の明確度: 招へいするコンサルタントが何を指導し、自社の技術がどう向上するか明確に記述する
- 市場性・成長性: コンサルタントを招いた結果、新市場でのビジネスが成長する可能性を示す
- 競合性: 同業他社と比べたときに自社の製品・サービスに優位性があるか
- 実現性: 計画した期間内に事業を完了できる体制があるか
- 財務力: 補助金支払い前に経費を立て替えられる財務状況か
- 新規性・独自性: 招へいにより習得する技術が自社にとって新規なものか
- 社会性・支援の必要性: 地域経済や産業振興に貢献するか
- 重要な課題への取組: 脱炭素化・デジタル化など時代の重要課題に対応しているか
技術の向上だけじゃなく、市場への影響も見られるんですね。
そうなんです。「コンサルタントを招へいして技術を習得します」だけでは弱いんです。「その結果、○○の新市場で売上をどう伸ばすか」という事業ストーリーまで書けていると審査員の印象が全然変わります。
- コンサルタントが誰か不明瞭: 「専門家」とだけ書いて具体的な知見・実績が見えない
- 技術習得で終わっている: 「技術を学ぶ」だけで「それを使って何をするか」が書かれていない
- 新市場への進出が不明確: 現在の事業と変わらない内容になっている
- 経営管理能力向上が目的になっている: これは対象外なので計画書に含めない
- 申請書類の不備: 提出資料チェックシートを確認せずに必要書類を漏らしてしまう
マジですか、ってくらい重要です(笑)。事務局のスタッフが「この内容だと審査的に弱いですよ」とか「こういう追記があると良いですよ」とか教えてくれることが多いです。無料で使える相談窓口をフル活用しない手はありません。
- ストーリーをつなぐ: 「現状の課題→コンサルタント招へいで解決→新市場での事業拡大」という流れを一本の線で書く
- 具体的な数字で書く: 「生産効率を20%改善したい」「新たに10社の道外顧客を獲得したい」など目標を数値化する
- コンサルタントの実績を記載: 招へいする専門家がどんな実績を持つかを具体的に示すと信頼性が増す
なるほど。申請書類を書くのって、けっこう戦略が必要なんですね。
そうです。対象経費の話もあったので、次は基本情報をまとめましょう。
ここまでいろいろ聞いてきましたけど、基本情報を一覧でまとめてもらえますか?
| 項目 | 内容 |
|---|
| 制度名 | 2026年度「中小企業競争力強化促進事業」(コンサルタント等招へい支援事業) |
| 補助限度額 | 100万円 |
| 補助率 | 1/2以内 |
| 対象地域 | 北海道 |
| 対象者 | 道内の中小企業者等 |
| 募集開始 | 2026年5月7日(木) |
| 募集締切 | 2026年6月19日(金)17時必着 |
| 補助事業期間 | 2026年4月1日〜2027年3月15日 |
| 申請方法 | 電子申請(申請フォーム)または郵送 |
| 実施機関 | 公益財団法人北海道中小企業総合支援センター |
| 問合せ電話 | 011-232-2403 |
| 公式サイト | https://www.hsc.or.jp/consul/expert_invite/ |
2026年5月7日に募集が始まって、6月19日が締切なんですね。もう公募中じゃないですか!
そうなんです!2026年5月7日(木)から受付開始で、締切は2026年6月19日(金)の17時必着です。つまり今すぐ動き始めれば十分間に合います。まず事前相談の予約を入れて、申請書類のダウンロードから着手しましょう。
Jグランツから申請できないっていうのは注意が必要ですね。
これ、かなり重要です。jGrants のポータルページに掲載はされているんですが、申請はJグランツ経由ではできません。必ず北海道中小企業総合支援センターの申請フォームから提出してください。間違えると受け付けてもらえません。
同じ中小企業競争力強化促進事業の他のメニューと比べたとき、どれを選べばいいんですか?
目的に応じて選ぶものが変わります。整理してみましょう。
えっ、コンサルタント招へいって補助額は100万円ですが、製品開発支援は300万円まで出るんですね!
金額だけ見ると製品開発支援の方が魅力的に見えますよね。ただし製品開発はプレゼン審査もあって、製品開発に直接取り組む体制が必要です。一方、コンサルタント招へいは書面審査のみで、技術課題を抱えた中小企業が外部専門家をすぐに活用したい場合に向いています。
技術的な課題があって、社内だけでは解決できない、そういうときにコンサルタント招へいが刺さるわけですね。
ずばりそうです(笑)。たとえば「DX推進に向けてシステム設計を相談したい」「新素材の加工技術について道外の熟練技術者に来てもらいたい」「脱炭素対応のために省エネ診断の専門家に現場を見てもらいたい」というケースが典型的な使い方です。
申請を考えている方から多そうな質問をいくつか教えてください。
事務局によく寄せられる質問とその回答をまとめてみますね。
まず、「オンラインでのコンサルティングも対象か」という質問はどうですか?
対象です!募集要項に「オンラインによるコンサルティングも対象となります」と明記されています。対面が難しい場合でも問題なく活用できます。ただし交通費や滞在費は当然ながら発生しないので、コンサルタント料のみが対象経費になります。
同じ年度に複数のコンサルタントを招へいすることはできますか?
同じ中小企業競争力強化促進事業のメニュー間での併用はできませんが、同一メニュー内で複数のコンサルタントを招へいすること自体は禁止されていません。ただし補助限度額の100万円という上限は変わらないので、複数招へいしても合計で100万円が上限になります。
同一事業に対して国や道の補助金が交付される場合は対象外になります。市町村や公益法人の補助金は条件付きで併用可能ですが、その場合は補助金の合計が対象経費を超えないよう減額されます。補助金の二重取りはできないということです。
採択後に事業内容を変更したくなったらどうなりますか?
変更が生じた場合は事前に事務局へ連絡・確認が必要です。無断で変更すると採択が取り消しになる可能性があるので要注意です。コンサルタントが来られなくなったなどのケースでも、まず事務局に相談することが先決です。
最後に、申請を検討している方が今すぐすべきことを教えてください。
まず、事前相談の予約を入れることです。北海道中小企業総合支援センターの担当者に、自分の事業計画が対象になるかどうか確認しましょう。
締切は2026年6月19日17時ですか。もう動き始めないと間に合わないですね!
そうです(笑)!2026年5月7日から受付が始まったばかりなので、今がちょうど申請準備のゴールデンタイムです。まず事前相談で事業計画の方向性を確認して、申請書類を揃えるのが第一歩です。ぜひ北海道の中小企業の皆さんに使っていただきたい制度です。
ありがとうございました!北海道の中小企業の方は、ぜひ活用を検討してみてください。