主要助成金 比較インフォグラフィック
室谷さん、うちの会社も人手不足が深刻で。栃木県内で使える雇用関係の補助金って、今どんなものがあるんでしょう?
それ、いいタイミングで聞いてくれました!雇用・職場改善系の助成金って、国の制度だけで常時20〜30本は走ってるんですよ。栃木県独自の補助金まで含めると、選択肢が思った以上に多いんです。
えっ、そんなに!?どこから手をつければいいのか逆に迷いそうですね。
整理してみると、大きく「採用・雇用拡大」「正社員化・処遇改善」「職場環境・働き方改革」「人材育成・スキルアップ」「高齢者・障害者雇用」の5分野に分かれるんです。まずどれが一番ニーズに近いですか?
うちは非正規を正社員にしたいのと、職場環境も整えたいんです。
完璧な2本柱ですね。その2つは補助金がかなり手厚い分野なので、かなりの金額を回収できる可能性がありますよ(笑)
はい、これはもうキャリアアップ助成金(正社員化コース)が王道中の王道です。非正規雇用の方を正規雇用に転換すると、1人あたり最大80万円が出るんです。
令和8年度から制度が改正されていて、転換した正社員の基本給を5%以上アップさせると情報開示加算で上乗せされるコースも新設されました。厚生労働省が「非正規雇用の処遇改善」に本気な年度です(笑)
正直、書類はそれなりにあります。就業規則の整備、6か月間の雇用実績、転換日が来てから2か月以内に申請、というステップを踏む必要があって。でもハローワークに相談すれば担当者がかなり丁寧に教えてくれるので、ちゃんと準備すれば難しくはないですよ。
栃木だと栃木労働局かハローワークに問い合わせればいいですか?
そうです。宇都宮の栃木労働局 職業対策課分室(電話 028-614-2263)が窓口で、キャリアアップ系は基本そちら経由になりますね。
障害のある方を正規雇用に転換する「障害者正社員化コース」もキャリアアップ助成金の中にあって、これは1人あたり最大120万円と更に手厚い。あとは「賃金規定等改定コース」といって、非正規の基本給を3%以上引き上げた際にも1人あたり最大5万円が出ます。小さく見えるかもしれないけど、対象者が多い職場は積み重なりますよ。
職場環境系の話も聞きたいです。特に残業が多いと悩んでいて。
それなら働き方改革推進支援助成金ですね。これ、補助率が3/4なんですよ。使える補助金の中でもトップクラスの補助率です!
労務管理ソフトの導入、勤怠管理システム整備、コンサルタント費用、就業規則の変更費用などが全部対象です。令和8年度は成果目標ごとの上限が設定されていて、労働時間短縮・年休促進支援コースは最大150万円が基本で、賃上げ加算(7%以上引上げ)を組み合わせると最大510万円程度まで受給できる可能性があります。コースが複数あって、勤務間インターバル導入コース、労働時間短縮・年休促進支援コース、業種別課題対応コース(建設・運送・医療等の特定業種向け)と分かれています。
建設業や運送業は2024年から残業規制が厳しくなりましたよね。
新人育成や従業員のスキルアップに使えるものはありますか?
人材開発支援助成金がそれですね。令和8年4月に改正があって、コースが7つあるんですよ。
主要なのは「人材育成支援コース」で、職務に関連した訓練を実施した場合に訓練経費の最大75%が助成されます。さらに訓練期間中の賃金の一部も助成されるので、実質的に研修費をほぼ回収できるケースもあります。
それはありがたいですね。eラーニングでも使えますか?
使えます!令和8年4月の改正でeラーニングや通信制訓練の上限額が見直されました。ただ2026年5月から「受講料等の価格設定に関する疎明書」の提出が必要になったので、申請前に要領を確認してください。
「事業展開等リスキリング支援コース」はDXやグリーン転換など新分野への進出に際してスキルアップ訓練をする企業向けで、令和8年度から設備投資加算が新設されました。「人への投資促進コース」は高度デジタル人材の育成や海外研修もカバーしています。人材育成に積極的な栃木の企業はぜひ使ってほしい制度です。
国の制度以外で、栃木県独自の補助金もあるって聞いたんですが。
あります!とちぎ賃上げ環境整備促進補助金は栃木県の独自制度で、令和8年5月から申請受付が始まっています。
事業場内の最低賃金を50円以上引き上げた事業者が対象で、生産性向上や労働環境改善のための設備投資に最大200万円、補助率2分の1で助成されます。POSレジ導入やリフト付き車両の導入、床の防滑加工なんかも対象なんです。
令和8年12月21日まで受付中です。ただし先着順で予算がなくなったら終了なので、気になる方は早めに動いた方がいいです。問い合わせは栃木県産業労働観光部労働政策課(MAIL:
rousei@pref.tochigi.lg.jp)です。申請前にメールで事前相談するのが原則になっています。
いい質問です。業務改善助成金(厚生労働省)は「地域の最低賃金との差額が50円以内の事業所」が対象なんです。一方、とちぎ賃上げ環境整備促進補助金は「差額が51円以上、1,500円以下」の事業所が対象で、ちょうど業務改善助成金の対象外をカバーする設計になっています。どちらか一方しか使えない代わりに、両方で栃木県内の賃上げをカバーしているんです。
次は栃木県独自の人材確保支援の話もしましょう。これも面白い制度があるんですよ。
栃木県には人材確保を支援する制度もあると聞きました。
県外副業・兼業人材活用補助金がありますよ。県外のプロフェッショナル人材を副業・兼業形態で活用する際に、移動費の1/2(上限25万円)を補助してくれます。
首都圏の専門家に来てもらう時の交通費が出るんですね。
そうです。栃木県内に本社がある中小企業が対象で、プロ人材拠点(栃木県プロフェッショナル人材戦略拠点)を通じたマッチングが前提です。副業人材の活用を考えているなら、まずプロ人材拠点に相談してみるといいですね。随時募集していますが予算がなくなり次第終了なので注意が必要です。
シニアや障害のある方の採用に使える補助金はどうですか?
充実してますよ!65歳超雇用推進助成金は高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)が実施していて、65歳以上への定年延長や高齢者が働きやすい設備整備をした企業に最大240万円が出ます。
コースが3つあって、「65歳超継続雇用促進コース」「高年齢者評価制度等雇用管理改善コース」「高年齢者無期雇用転換コース」と分かれています。栃木でも製造業の現場で65歳以上のベテランを活かす企業が増えてるので、積極的に使われてますよ。
「特定求職者雇用開発助成金」という厚生労働省の制度があって、障害者・高齢者・母子家庭の母などの就職困難者を雇用した際に、支払った賃金の一部が助成されます。障害者の場合は特に「障害者初回雇用コース」(障害者を初めて雇用する中小企業向け)もあります。問い合わせはハローワークです。
事業所の所在地を管轄するハローワークに相談するのが基本ですね。栃木県内にはハローワーク宇都宮・足利・小山・佐野・栃木・鹿沼・今市(日光)・矢板・大田原・黒磯(那須塩原)があります。
補助金申請フロー図
もっと大きな設備投資で人手不足を解消するような、大型の補助金もありますか?
ありますよ!大規模成長投資補助金は、中堅・中小企業が省力化のための大規模な設備投資をする際に、最大50億円(補助率1/3以内)が出るというすごい制度です。
さすがに50億使う中小は少ないですが(笑)、栃木県の自動車部品メーカーや食品工場なんかは工場の自動化・省力化で数億円の投資をするケースがあって、その場合に使えるんです。賃上げ計画を提出することが条件で、生産性向上と賃上げをセットで実現するイメージですね。
確かに事業計画書の作成は本格的です。認定経営革新等支援機関(認定支援機関)と一緒に申請するのが現実的で、栃木県産業振興センターや商工会議所にも相談窓口があります。
大規模成長投資補助金の詳細はこちら
実は見落とされがちなのが両立支援等助成金なんです。育児休業・介護休業を取得しやすい職場環境を整えた会社に出る助成金で、育休中の代替要員確保や、育児短時間勤務の制度整備に使えます。中小企業の場合は育児休業等支援コースで従業員1人あたり最大60万円が出るんです。
育休対応って最近の採用でも大事なポイントですよね。
めちゃくちゃ大事です!求職者が職場選びで「育休取りやすいか」を重視する時代なので、両立支援等助成金を使って制度を整えると採用力も上がるんですよ。さらに「介護離職防止支援コース」もあって、介護を抱えた従業員のために職場環境を整備した企業にも助成が出ます。
産業保健活動推進助成金(産業医・産業保健スタッフの活動推進)というのもあって、産業医との連携体制を強化したい中小企業に使えます。従業員50人未満で産業医と契約を結ぶと助成対象になるコースがあるんですよ。あとは雇用調整助成金も忘れずに。景気の影響で従業員を一時的に休業させた場合の休業手当の一部が出る制度で、栃木労働局が窓口です。
国全体で外国人材活用が進んでいて、「人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)」があります。外国人が働きやすい環境整備に使えて、翻訳・通訳対応や相談窓口設置などの取り組みに助成されます。1制度の導入につき20万円、最大80万円(上限)の定額制で、外国人雇用の多い企業には活用しやすい設計になっています。
| 制度名 | 最大助成額 | 補助率 | 主な用途 | 問い合わせ先 |
|---|
| キャリアアップ助成金(正社員化) | 80万円/人 | 定額 | 非正規→正規転換 | ハローワーク |
| キャリアアップ助成金(障害者正社員化) | 120万円/人 | 定額 | 障害者の正規転換 | ハローワーク |
| 働き方改革推進支援助成金 | 150万円〜(加算で最大510万円程度) | 3/4 | 労働環境改善 | 栃木労働局 |
| 人材開発支援助成金 | - | 最大75% | 研修・人材育成 | 栃木労働局 |
| 65歳超雇用推進助成金 | 240万円 | 定額 | 高齢者雇用促進 | JEED栃木支部 |
| とちぎ賃上げ環境整備促進補助金★栃木独自 | 200万円 | 1/2 | 設備投資×賃上げ | 栃木県労働政策課 |
| 大規模成長投資補助金 | 50億円 | 1/3 | 省力化大型投資 | 認定支援機関 |
| 県外副業・兼業人材活用補助金★栃木独自 | 25万円 | 1/2 | 移動費支援 | プロ人材拠点 |
| 特定求職者雇用開発助成金 | 240万円 | 賃金の一定率 | 就職困難者採用 | ハローワーク |
| 両立支援等助成金 | 60万円/人 | 定額 | 育休・介護支援 | ハローワーク |
| 人材確保等支援助成金(外国人労働者) | 80万円(上限) | 20万円/制度(定額) | 外国人雇用環境整備 | 栃木労働局 |
| 雇用調整助成金 | - | 2/3〜4/5 | 休業手当支援 | ハローワーク |
GビズIDを事前取得する(電子申請に必須。申請〜発行まで2〜3週間かかる)
社会保険・雇用保険の加入状況を整理する(多くの助成金で加入が要件)
交付決定前に事業を始めない(特に働き方改革推進支援助成金は要注意)
複数の助成金の組み合わせ可能性を確認する(同一経費への重複支給は不可だが、異なる取り組みへの組み合わせはOK)
申請窓口に事前相談してから書類を準備する(要件の解釈は窓口担当者に確認が最確実)
- 交付決定前に取り組みを実施する(助成対象外になる)
- 申請期限を過ぎてから申請する(期限厳守)
- 就業規則の整備を怠る(多くの制度で就業規則の規定が条件)
- 複数の助成金に同一経費で申請する(不正受給になるリスク)
今日はかなり整理できました!雇用系は本当にたくさんの制度があるんですね。
そうなんです。ポイントは「目的ごとに使える制度が違う」という点で、正社員化ならキャリアアップ助成金、残業削減なら働き方改革推進支援助成金、人材育成なら人材開発支援助成金、みたいに使い分けていく感じですね。
「全部は無理だから1つから始める」というイメージですか?
理想は2〜3本の制度を組み合わせて使うことです。例えば「キャリアアップ助成金で正社員転換」+「人材開発支援助成金でスキルアップ研修」という組み合わせは定番で、コストをかなり圧縮できます。ただ同一の経費に複数の助成金は使えないので、経費の使い道をきちんと分けることが大事です。
雇用関係は基本ハローワークか栃木労働局ですね。栃木県独自の補助金なら栃木県産業振興センターか労働政策課。総合的に相談したいなら栃木県産業振興センターが多くの分野の対応してくれますよ。
ありがとうございました!早速GビズIDの取得から始めます(笑)
それが一番の正解です(笑) 助成金は申請タイミングがすごく重要なので、制度を決めたら早めに行動に移してほしいですね。栃木県の他の補助金情報は
栃木県の補助金一覧ページもご覧ください。