イベント・事業PR補助金比較一覧
室谷さん、うちの会社でちょっとしたイベントをやろうとしてるんですが、補助金って使えるんですか?
使えますよ!しかも福島県の場合、「全国対象の制度」と「福島市独自の制度」と「復興特例の制度」の3つの軸があって、かなり選択肢が広いんです。
そうなんです。イベント・事業PR系の補助金って大きく分けて「集客イベント支援」「販路開拓・展示会」「文化芸術・地域振興」「国際展開」の4カテゴリに分かれるんですよね。福島県だと地酒産業が盛んなので、酒造系の補助金も絡んでくる。
中小の事業者さんなら、まず持続化補助金を見てほしいですね。イベント開催費・チラシ制作費・展示会出展費が全部対象になって、補助率2/3・上限50万円。福島商工会議所が申請サポートしてくれるので、初めてでも書き方を教えてもらいながら進められます。
| カテゴリ | 代表的な補助金 | 上限額 | 補助率 |
|---|
| 集客イベント | 福島市商店街等活性化イベント支援事業補助金 | 50〜75万円 | 1/2 |
| 販路開拓・PR | 小規模事業者持続化補助金 | 50万円 | 2/3 |
| 複数事業者連携 | 共同・協業販路開拓支援補助金 | 5,000万円 | 定額 or 2/3 |
| 酒類産業 | 酒類業振興支援事業費補助金 | 1,500万円 | 1/2〜2/3 |
| 文化芸術・復興 | 地域経済政策推進事業費補助金(映像芸術文化支援事業) | 1億500万円 | 定額(10/10) |
| 脱炭素イベント | デコ活推進事業 | 要公募要領 | マッチングファンド |
「福島市商店街等活性化イベント支援事業補助金」って、普通の企業でも使えるんですか?
実は、これは商店街組合や商店街が絡む任意団体が対象なんです。ただ「4者以上で構成される任意団体」も対象に入っていて、商店街と連携した形であれば中小企業や個人事業者が実行委員会を組んで申請するケースもあります。
令和8年度から補助率・対象経費が一部改正されたんですが、「街なか賑わい創出イベント支援事業補助」と「商店街等活性化イベント支援事業補助」の2種類があって、前者は福島市の中心市街地エリアで補助率1/2・上限50万円(複数日実施なら75万円)、後者は中心市街地以外で補助率10/30・上限30万円なんですよ。飯坂・松川・飯野各商工会エリアで実施する場合は特例で1/2・上限50万円になります。
複数日実施で75万円っていうのが地味に大きいですね。
そう!1日完結より複数日にまたがるフェスとかマルシェの方が補助額が増えるので、企画設計の段階から「複数日構成にする」という視点を入れておくと有利です。申請はLogoformというオンラインシステムで受け付けていて、令和8年4月1日から受け付け開始されています。
- 街なか賑わい創出:補助率1/2、上限50万円(複数日75万円)
- 商店街等活性化:補助率10/30、上限30万円(飯坂・松川・飯野は1/2・50万円)
- 令和8年4月1日〜交付申請受付開始
- 申請:Logoformオンラインシステム
- 問い合わせ先:福島市にぎわい商業課にぎわい創出係
イベントで「これはダメ」という禁止事項はありますか?
商品券の発行や安売りが中心になる事業、スタンプラリー(商工会・商店街連合会主催は除く)、特定の個人・団体だけが参加するクローズドなもの、それから作品展示やフォトフレーム設置が中心のもの——これらは採択されないので注意が必要です。地元商店街との連携が図られているかどうかが審査の核心なんですよ。
商店街と関係ない業種の場合はどうすればいいんでしょう?製造業とか農業とか。
そういう場合は全国制度を使うのが王道ですね。小規模事業者持続化補助金は、イベント開催費・広告宣伝費・チラシ制作費・展示会出展費が対象になるので、農業者の方が産直イベントをやる費用も補助対象になります。
使えます。上限50万円、補助率2/3なので、ざっくり75万円かかる販促費に対して50万円もらえる計算です。第19回公募が令和8年4月30日まで申請受け付けていて、福島商工会議所が窓口サポートしてくれます。
複数の事業者がグループで申請するパターンもあるんでしたっけ?
そう、「共同・協業販路開拓支援補助金」は10社以上の事業者が連携して展示会・商談会を開催したり、マーケティング拠点を運営したりする場合に最大5,000万円という大型補助が出る制度です。商工会や商工会議所が主体となって申請するもので、個別事業者が直接は申請できないんですが、商店街組合や協同組合が使うと強力です。
規模感が全然違いますよね。ただ、これは第9回公募が既に終わっていて次回公募待ちなので、今すぐというわけではないですが、東北地域の被災事業者向けに「
被災地向け共同・協業販路開拓支援補助金」という特別枠もあります。こちらは東北6県が対象なので、福島の農業・食品事業者グループが使えるケースもあります。
- 被災地向け共同・協業販路開拓支援補助金は令和6年能登半島地震等の被災区域4県(石川・富山・福井・新潟)が主対象
- 東北6県向けの枠は別途確認が必要
- 商工会・商工会議所・協同組合等の地域振興機関が申請主体になれること
申請の流れフロー図
福島って会津の地酒が有名ですよね。酒蔵さんが使える補助金ってあります?
あります!国税庁所管の酒類業振興支援事業費補助金が、会津・喜多方の酒蔵さんにとって最強の制度です。「海外展開支援枠」と「新市場開拓枠」の2本立てで、試飲イベント・酒蔵ツーリズム・海外PR・輸出促進事業が対象になります。
海外展開支援枠で上限1,000万円(グループ6者以上なら最大1,500万円)、新市場開拓枠で上限500万円。補助率は基本1/2で、小規模事業者は新市場開拓枠が2/3に上がります。令和8年度第2期公募の
酒類業振興支援事業費補助金は、申請期間は令和8年4月13日までが第2期でしたが、次期公募を確認するのがおすすめです。令和7年度の
第1期の例からすると毎年度公募があります。
酒蔵ツーリズムが補助対象に入ってるのがおもしろいですね。
今、会津酒造組合が連携申請をかなり積極的にやってるので、個人の小規模蔵だと「単独申請するより組合を通じて申請する方が補助額が大きくなる」という状況があります。審査では業界全体への波及効果を具体的に示すことが採否の鍵になるので、連携申請で波及効果を説明しやすくするのがコツですね。
そうなんです。東日本大震災・原発事故からの復興という福島固有の文脈で、「地域経済政策推進事業費補助金(映像芸術文化支援事業)」という非常にユニークな制度があります。福島第一原発事故の避難指示等の対象となった福島県12市町村を中心に、アーティスト・イン・レジデンス(芸術家滞在制作)を通じて地域の魅力を創出する事業を支援するものです。
令和8年度の
地域経済政策推進事業費補助金(映像芸術文化支援事業)は
1億500万円で定額補助(補助率100%)という破格の内容です。うち7,000万円以上を間接補助事業者(実際に芸術活動をする民間事業者)への補助経費に充てる仕組みです。アーティストの滞在費・制作費・地域住民との交流活動費が対象で、双葉郡・相馬市・南相馬市等の事業者が使いやすい内容になっています。
復興事業ならではの手厚さですね。通常の補助金は1/2か2/3が多いので、100%補助というのはかなり特別です。この系統は令和5〜6年度にも実績があって、毎年度継続して公募されているので、浜通りエリアで文化・芸術・映像系の事業をやっている団体には毎年チェックしてほしい補助金です。
最近「デコ活」とかSDGsとか環境系の補助金も増えてますよね?
そうなんです。環境省の「デコ活(脱炭素につながる新しい豊かな暮らしを創る国民運動)推進事業」は、脱炭素型のイベントやキャンペーン活動、生活様式転換を促す取り組みを支援する補助金で、全国・全業種対象なので福島の事業者でも申請できます。
たとえば電気自動車の試乗体験イベントとか、再生可能エネルギーの普及啓発セミナーとか、環境に配慮した農産物のマルシェイベントとか。「デコ活ブランドと連携しながら事業展開できる」のが特徴で、
令和8年度のデコ活推進事業は令和8年2月が申請期間でしたが、年度をまたいで継続公募されています。マッチングファンド方式なので、補助金額は事業規模に応じて柔軟に設定できます。
なるほど。ただ申請期間が短いって聞いたことがあるんですが。
そこが注意点で、デコ活は公募期間が約10〜14日間と非常に短いんです(笑)。見つけた時には締切が過ぎていた、というケースが多いので、環境省のメルマガ登録や補助金ポータルのアラート設定を先にやっておく必要がありますね。
脱炭素・環境系イベントを企画する場合のチェックポイント
- デコ活推進事業:公募期間約10〜14日、事前準備必須
- 福島県の再エネ推進施策との連携を打ち出すと評価が高まる傾向
- CO2削減効果の数値目標を定量的に示すと加点あり
海外向けのイベントや商談会に使える補助金もありますよね?
ありますよ。経済産業省の「日中経済交流等事業費補助金」は、日中間のビジネスセミナー・マッチングイベント・高レベル交流事業を支援する制度で、
令和7年度版は上限2,000万円・定額補助です。中国市場への進出を検討している福島の製造業や食品事業者が対象ですね。
そうなんです。中国はビジネス環境の変化が速いので、情報収集・調査費用まで補助対象になるのがこの補助金の特徴です。ただ、申請者に「中国での活動実績と中国政府機関との協力関係を有する」という要件があるので、初めて中国進出を検討している会社よりは既に接点のある事業者向けですね。
なるほど、参入支援というより深耕支援の感じですね。
まさに。福島産食品の海外PR系なら、むしろ持続化補助金の「インターネット販売」や「海外向けPR動画制作」として申請する方がハードルが低いことが多いです。
1GビズIDを事前取得しておく(jGrants電子申請に必要。申請から取得まで2〜3週間かかるので早めに)
2商工会議所・商工会の経営指導員に相談する(無料で申請書作成サポートを受けられる)
3補助金ごとの対象経費を確認する(イベント費・広告費・チラシ代など、補助金によって認められる費用が異なる)
4採択前に経費を使わない(補助金の交付決定前に着手した経費は対象外になる)
5複数の補助金の組み合わせを検討する(持続化補助金と市の補助金は別の事業に使える場合がある)
jGrantsという国の補助金電子申請ポータルを使うために必要なIDです。法人代表者や個人事業主が取得するもので、マイナンバーカードがあればオンラインで申請できますが、郵送での確認があるので取得完了まで2〜3週間かかります。補助金を申請したいと思ってから取り始めると間に合わないので、「いつか使うかも」という段階で先に取っておくのが重要ですね。
同じ経費に二重で申請することはできませんが、別々の事業に対して複数の補助金を使い分けることは問題ないです。たとえば「市のイベント補助金で集客イベントを実施」して「持続化補助金で新商品のPR動画を制作」というように、事業の目的が異なれば両方受け取ることができます。ただ、補助事業者として採択されると書類管理が増えるので、最初から「何の事業でどの補助金を使うか」を整理してから進めるのが大事です!
- 採択前に経費を使ってしまう(交付決定前着手は原則対象外)
- 領収書・証拠書類の管理が雑になる(報告書提出時に困る)
- 補助事業の完了期限を見落とす(年度内に完了が必要な補助金が多い)
- 実績報告書の提出が遅れる(補助金の返還を求められる場合がある)
種類によって相談先が変わるんですけど、最初の一歩として一番汎用的なのは福島商工会議所か地域の商工会ですね。持続化補助金の申請サポートはここが窓口なので、まず相談してみると「どんな補助金が使えそうか」を一緒に整理してくれます。
簡単に言うと、福島市・郡山市・会津若松市などの商工会議所地区は「商工会議所」、それ以外の町村部は「商工会」が担当です。自分の事業所がある地域の商工会か商工会議所に相談してください。持続化補助金の手続きでは、事業所住所が商工会議所地区か商工会地区かで申請先が変わるので、事前確認が必須です!
浜通りで復興・実証系の補助金を検討しているなら、福島イノベーション・コースト構想推進機構(FIPO)と経済産業省東北経済産業局の公募情報も定期的に確認してください。地域復興実用化開発等促進事業費補助金(ドローン・ロボット・農林水産業・エネルギー分野の実証)や映像芸術文化支援事業などはFIPOのネットワーク経由で情報が早く入ってきます。あと福島県産業振興センターも国・県・市の補助金情報を横断的に案内している窓口なので、どこに聞けばいいかわからないときはここから始めてもいいです。
| 相談窓口 | 得意分野 | 対象地域 |
|---|
| 福島商工会議所 | 持続化補助金・国の補助金全般 | 福島市等商工会議所地区 |
| 各地域商工会 | 持続化補助金・町村部の補助金 | 町村部 |
| 福島県産業振興センター | 国・県・市補助金の横断案内、経営相談 | 福島県全域 |
| 福島イノベーション・コースト構想推進機構 | 復興・実証系補助金、浜通り産業振興 | 浜通り地域中心 |
| 経済産業省東北経済産業局 | 国の補助金全般、中小企業支援 | 東北6県 |
今日の話をまとめると、どういう順番で補助金を選べばいいですか?
まず「自分は何をしたいのか」で分岐しますね。商店街エリアでイベントを開催したいなら福島市の商店街等活性化イベント支援補助金を先に見る。販路開拓・PR目的なら持続化補助金をベースにする。複数の事業者と組んで大きいことをやりたいなら共同・協業販路開拓支援補助金。会津の酒蔵さんなら酒類業振興支援事業費補助金。浜通りで復興・文化芸術系なら映像芸術文化支援事業。この5つに当てはまるかどうかを確認するだけで、かなり絞り込めると思います。
「先にGビズIDを取っておく」のが最初のアクションですね。
それと、商工会議所に相談に行くのをためらわないこと、ですね。「補助金のことよくわからなくて」という状態でも経営指導員が無料でサポートしてくれるので、まず飛び込んで相談してみてください!福島県内だと補助金に詳しい窓口がそれなりに充実しているので、使い倒してほしいです。
室谷さん、ありがとうございました!いっぱい選択肢があるんですね。
福島は復興支援という特別な制度もあるので、他の都道府県より使える補助金の幅が広いんですよ。特に浜通りエリアの事業者さんは絶対チェックしてほしいです。