室谷さん、今日は堺市のめっちゃ面白い補助金があるって聞いて飛んできました!
佐藤さん、ようこそ! 「余剰電力等活用型太陽光発電設備整備事業」、略すと「堺エネルギー地産地消プロジェクト推進事業補助金」です。名前が長いですけど(笑)、中身は全国でも珍しいスキームなんですよ。
長い!(笑) でも「地産地消」ってワードが入ってる。太陽光なのに売電じゃないんですか?
そこがミソ。普通は太陽光ってFIT(固定価格買取制度)で売るか、自家消費するかの二択ですよね。でもこの補助金は、自家消費した余った電力(余剰電力)を、なんと堺市に売電できる仕組みが組み込まれているんです。
えっ! 市が電気を買ってくれるの? そんな自治体主導のモデル、初めて聞きました!
そうなんです。国の「脱炭素先行地域」に堺市が選ばれたのをきっかけに始まった「堺エネルギー地産地消プロジェクト」の中核事業。市が買い取った電力を市有施設で使うことで、地域内でエネルギーを循環させる狙いがあります。
例えばあなたの工場の屋根に太陽光パネルを載せます。昼間に工場で使う電力は自家消費。でも休日とか生産が少ないときに余った電力を、堺市が指定する小売電気事業者を通じて市に売るんです。FITみたいに国が決めた固定価格じゃなくて、市と事業者の間で決める売電スキーム。
なるほど。FITだと国からお金もらうけど、この補助金は市から補助金もらって、さらに余剰分は市に売って収入になるってこと? ダブルでおいしい?
まさに! ただし、FITやFIPとは併用できません。この補助金を使うなら、余剰電力を堺市に売るスキームに参加することが条件です。補助金をもらう代わりに、売電収入も得られる、という新しいビジネスモデルですね。
すごい。じゃあ発電した電気を全部売るんじゃなくて、あくまで「自家消費がメインで、余った分だけ」っていうのがポイントなんですね。
そうです。だから余剰率(総発電量に占める余剰電力量の割合)が重要になってくるんです。
この補助金の3大特徴余剰電力を堺市に売電
自家消費後の余剰電力を堺市が買い取る独自モデル。FIT/FIPとは異なり、地産地消の仕組み。
余剰率で補助率が変動
余剰率が高いほど補助率UP。40%以上70%未満で1/2、30%以上40%未満で1/3、20%以上30%未満で1/4。
脱炭素先行地域の先導事業
国の脱炭素先行地域に選定されたプロジェクト。先進的な取り組みに参画できる。
気になるお金の話です。補助率はさっき余剰率で変わるって言ってましたけど、具体的にどのくらい?
はい、事実ベースでお伝えします。補助率は次の3段階。
- 余剰率 40%以上 70%未満 → 1/2
- 余剰率 30%以上 40%未満 → 1/3
- 余剰率 20%以上 30%未満 → 1/4
え、余剰率70%以上は対象外なんですか? 上限があるんですね。
そうです。余剰率20%未満も対象外。つまり、ある程度自家消費しつつ、余剰も出すバランスが求められます。全部売ろうとするとダメなんです。
簡単な計算式がありますよ。余剰率 = 余剰電力量 ÷ 総発電量 × 100。例えば年間総発電量が100MWhで、そのうち余剰が45MWhなら余剰率は45%。すると補助率1/2が適用されます。
じゃあ、もし1,000万円の工事費だったら、補助金は500万円? すごい!
そうです、最大で半分。ただし補助上限額は「-」、つまり公募要領で個別に決まる可能性があります。募集要項で確認してくださいね。あと、実際の補助額は設備設置後の実績報告で確定します。申請時の計画とずれることもあるので注意。
いいですね。例えばある工場で、太陽光設備の設置工事費が800万円だとします。余剰率を45%に設計できれば補助率1/2で400万円の補助。残り400万円は自己負担ですが、自家消費で電気代が減り、余剰分は堺市に売れて収入になる。
うわー、お得感すごい。しかも売電収入が毎年入るわけでしょ? 長期的に見れば投資回収も早そう。
堺市の担当部署に事前相談して、売電単価や契約条件を確認するのが鉄板です。ただし、ここで言えるのはあくまで「補助金の仕組み」まで。売電単価は公表されていないので、直接聞いてください。
対象になるのはどんな事業者ですか? うちも堺市に工場あるんですけど、個人事業主でも大丈夫?
対象業種をざっと見てみましょう。提供された事実を見ると、農業、林業、漁業、建設業、製造業、電気・ガス・熱供給・水道業、情報通信業、運輸業、郵便業、卸売業、小売業、金融業、保険業、不動産業、物品賃貸業、学術研究、専門・技術サービス業、宿泊業、飲食サービス業、生活関連サービス業、娯楽業、教育、学習支援業、医療、福祉、複合サービス事業、サービス業(他に分類されないもの)、分類不能の産業……もうほぼ全業種ですね(笑)。
えー! めっちゃ幅広い! うちは製造業だからもちろんいける。個人事業主もいけるんですか?
対象者として「事業者」というくくりなので、個人事業主もOKだと思います。ただし募集要項で細かい定義を確認してくださいね。大事なのは堺市内に建物があること。本社が堺市外でも、設置する建物が堺市内なら申請可能というのが一般的な解釈です。
残念ながら。この補助金は「堺エネルギー地産地消プロジェクト」ですから、堺市内の建物に限ります。住宅は対象外で、事業用の建物(住宅除く)が対象。
募集対象は「堺市内に所在する建物(住宅除く)」です。賃貸マンションでも事業用ならOKかもしれませんが、需要家が中小企業または中堅企業(従業員数2,000名以下の企業)である必要があります。複雑なので必ず事前協議を。
事実として「従業員数の制約なし」と明記されています。ただし、需要家(電気を使う側)は中小企業または中堅企業(従業員2,000名以下)とされているので、もしPPAやリースで需要家が別にいるなら、その需要家は中小企業でないといけない。自分で発電して自分で使うなら、従業員数は無制限です。
なるほど。大企業が自社工場に設置するのはOKってことですね。
肝心の対象経費。太陽光パネルだけじゃないですよね?
補助対象経費と対象外経費- 【太陽光発電設備費】太陽光パネル、パワーコンディショナー、接続箱・集電箱、架台
- 【電気設備費】配線工事費、分電盤改修費、売電メーター設置費
- 【工事費】パネル設置工事、屋根補強工事(必要な場合)、基礎工事
- 【付帯設備費】発電量監視システム、遠隔監視装置
- 【設計費】設備設計費、構造計算費、系統連系検討費
×デメリット
- 蓄電池の購入・設置費用(本事業では対象外)
- 土地・建物の取得費・賃借料
- 消費税及び地方消費税
- 交付決定前に発注・契約した費用
- 既存設備の撤去・処分費のみの工事
- 汎用事務機器の購入費
特に注意してほしいのは蓄電池は対象外ってこと。この補助金はあくまで「余剰電力を売る」ことが前提なので、蓄電池でため込むのは想定外。あと、交付決定前の発注・契約は絶対ダメ。これやると全額自己負担になります。
うわっ、やっちゃいそう。つい「早く工事したい!」ってなりますもんね。
そう、よくある落とし穴。必ず交付決定を待ってから契約・発注してください。また、消費税は補助対象外なので、工事費の税抜き金額で補助率を掛けます。
じゃあ、補助金が決まる前に見積もり取るのはOKですか?
見積もりはOK。でも契約・発注はNG。この「支出禁止ルール」はどの補助金でも共通ですが、特に工事系は工期が長いので要注意。交付決定から工事完了までの期間が短い場合があるので、事前協議でスケジュールを確認しておきましょう。
それ、単年度事業枠と2か年度事業枠で違うんですよね? あとでスケジュールも詳しく教えてください。
実際にどうやって申し込むんですか? jGrantsっていうサイトを使うんですよね?
今回の補助金、実はjGrantsには掲載されていますが、申請受付は「無」 となっています。え? と思いました?(笑)
堺市の公式ページを見ると、
申込書類を電子メールで提出する方式です。堺市環境局カーボンニュートラル推進部のメールアドレス(
kanene@city.sakai.lg.jp)に送る。jGrantsは情報掲載のみで、実際の申請はメールベースなんです。
必要ありません。ただし、今後の電子申請の流れで必要になる可能性もあるので、念のため取得しておいて損はないです。
ここが大事なポイント。単年度事業枠と2か年度事業枠の2種類があります。
単年度事業枠は、令和8年6月4日(木)~令和8年11月30日(月)17時までに申し込み、工事完了は令和9年1月31日まで。2か年度事業枠は、申し込みが令和8年6月4日(木)~令和9年2月26日(金)17時までで、工事完了は令和10年1月31日まで。つまり2か年度事業枠のほうが、工事期間に余裕がある。
工事完了までに余裕がある2か年度のほうが良さそうだけど、補助金の交付決定はいつになるの?
2か年度事業枠の場合、まず事業開始承認(採択)を受けて工事を始められる。そして令和9年4月以降に正式な交付申請をして、交付決定をもらう。この間、交付決定前は工事を一時中断するか、補助対象外工事として進める必要がある。ややこしいので、事前協議でしっかり確認しましょう。
補助金申請の流れ(単年度事業枠の場合)- 1
①事前協議
堺市と事業計画を協議。補助要件・余剰率の確認
- 2
②補助事業申込(交付申請)
令和8年11月30日までにメールで申込書類を提出
- 3
- 4
④補助事業実施
工事着工。ただし交付決定前の発注は禁止
- 5
⑤協定締結
堺市と地域脱炭素推進協定を締結(請求までに)
- 6
⑥事業完了
令和9年1月31日までに設備の引き渡し・検収・支払い完了
- 7
- 8
- 9
⑨請求・補助金交付
請求書提出後、補助金が振り込まれる
ステップ多くて驚いたけど、事前協議が最初にあるのがポイントですね。いきなり書類送るんじゃなくて、まず市と話せと。
そうです。事前協議で余剰率のシミュレーションや設備設計の相談ができる。ここをしっかりやらないと、後で「余剰率が足りなかった」ってことになりかねない。
採択のコツってありますか? 「うちは絶対通したい」って事業者も多いと思います。
事前協議の段階で、堺市の脱炭素先行地域プロジェクトにどう貢献できるかをアピールするのが鍵です。この補助金は単なる設備補助じゃなくて、プロジェクトの一環。2030年度までに建物で使う電力をすべて市内産再エネ100%にするっていう目標があるんです。
え、そうなんですか! 補助要件に「2030年度までに建物で使用されるすべての電力を市内産の再エネ100%電力に切り替えること」って書いてありますね。
そこはしっかり計画に盛り込まないと。具体的には、太陽光で賄えない夜間の電力をどうやって再エネ100%にするか。堺市と協定を結ぶことで、他の再エネ電源からの調達も視野に入れる必要がある。
もう一つのポイントは余剰率の最適化。補助率が一番高い1/2を狙うなら余剰率40%以上が必要。でも余剰率が高すぎると自家消費が少なくて、電気代削減効果が薄れる。バランスが大事。
つまり、発電量と消費量の見極めが重要ってことですね。季節や時間帯によって変わるから、シミュレーションが命。
そうです。電力使用パターンを詳細に分析して、平日・休日、時間帯別、季節別のデータを取得する。その精度が余剰率の正確な予測につながる。堺市の担当部署に問い合わせれば「計画発電量等計算ファイル」を提供してくれるらしいです。
それは心強い。申請前にしっかり計算しろってことですね。
最後に基本情報を表でまとめてください。ついでにFAQも!
| 項目 | 内容 |
|---|
| 制度名 | 【堺市】余剰電力等活用型太陽光発電設備整備事業(堺エネルギー地産地消プロジェクト推進事業補助金) |
| 実施機関 | 堺市環境局 カーボンニュートラル推進部 脱炭素先行地域推進室 |
| 補助率 | 余剰率40%以上70%未満:1/2 / 30%以上40%未満:1/3 / 20%以上30%未満:1/4 |
| 補助上限額 | 公募要領で要確認(事実上「-」) |
| 募集期間 | 単年度事業枠:令和8年6月4日~令和8年11月30日 / 2か年度事業枠:令和8年6月4日~令和9年2月26日 |
| 対象地域 | 大阪府(堺市内の建物) |
| 対象業種 | ほぼ全業種(農業、製造業、建設業、情報通信業、医療福祉など) |
| 従業員数制約 | なし(ただし需要家が別にいる場合は中小企業または中堅企業2,000名以下) |
| 申請方法 | メールで書類提出(事前協議必須) |
| 公式URL | https://www.jgrants-portal.go.jp/subsidy/a0WJ200000CDYCmMAP |
| 問い合わせ先 | TEL:072-340-2095 / E-mail:kanene@city.sakai.lg.jp |
お願いします。まず、余剰電力を売る仕組みって何? から。
太陽光で発電した電力をまず自家消費に使い、余った分を堺市が指定する小売電気事業者に売却します。買取主体は堺市ですが、実際のやり取りは小売事業者が仲介します。FITと違って売電単価は市との協議になります。
余剰率の計算方法はさっき聞いたけど、実績報告でずれたらどうなるの?
実績の余剰率に応じて補助率が確定します。たとえば申請時は40%超で1/2を狙ったけど、実績が35%だったら補助率は1/3に下がる。だから事前のシミュレーションが大事。逆に上がることはほぼないので、控えめな計画を立てるのが無難。
設置する建物が堺市内にあれば、本社所在地は問わないというのが一般的な解釈。ただし要綱で確認してください。堺市内に事業所や工場を持っている企業なら可能性があります。
PPA事業者やリース事業者が代表事業者となり、需要家と共同で応募します。この場合、需要家は中小企業または中堅企業(従業員2,000名以下)である必要があります。注意点として、この補助金ではバーチャルPPAは補助率の計算で別扱いになる可能性があるので、詳細は市に確認を。
できません。本事業は売電スキームが組み込まれているため、FIT/FIP制度との併用は不可。環境省の他の太陽光関連補助金(ストレージパリティ事業等)との重複も原則不可です。大阪府の再エネ補助金との併用は、大阪府の規定に従ってください。
やっぱり「余剰電力を堺市に売れる」っていう独自モデルですね。普通の自家消費補助金だと補助金だけもらって終わりだけど、これは継続的な売電収入が見込める。さらに補助率も余剰率に応じて最大1/2と手厚い。脱炭素先行地域の一員として先進的な取り組みに参画できる点も、企業のブランド価値になります。
いいこと尽くめですね! ただし事前協議とシミュレーションが命。早めに動かないと予算が上限に達するかも。
その通り。先着順ですからね。気になったらすぐ堺市に電話してみましょう。番号は072-340-2095。
室谷さん、今日はありがとうございました! これで読者のみなさんも申請のイメージがつかめたと思います。
ぜひこの補助金を活用して、堺市の脱炭素プロジェクトに参加してくださいね。質問があれば堺市の担当部署に直接どうぞ!