北海道の水産業を取り巻く現状

佐藤

佐藤

編集長

室谷さん、北海道の漁業では今、どんな補助金が使えるんでしょうか?特にホタテやサケ類が大きな影響を受けていると聞きます。
室谷

室谷

代表取締役

そうですね、北海道はさけ・ます、ホタテ、昆布と主要魚種が多く、特にALPS処理水の海洋放出に伴う中国などの輸入規制がホタテ類に直撃しました。それに対して国は緊急支援策を次々と打ち出しています。今回はまず、水産業に特化した補助金を中心にご紹介します。
佐藤

佐藤

編集長

具体的にはどんな制度があるんですか?
室谷

室谷

代表取締役

まず、農林水産省が実施するALPS処理水関連の一連の事業です。例えば、令和7年度「ALPS処理水関連の輸入規制を踏まえた水産物の輸出先多角化緊急支援事業」に係る補助事業者(執行団体(事務局))の公募は、ほたて・ホタテ貝、なまこ、水産加工品など輸出減が顕著な品目を対象に、新規需要開拓や輸出先転換を支援します。補助総額は約20億円で、執行団体が事務局となって間接補助を行います。締切は2026年2月5日です。
佐藤

佐藤

編集長

20億円規模ですか!他にもありますか?
室谷

室谷

代表取締役

はい。令和6年度事業として、国内加工体制の強化対策事業国内販路拡大等支援事業新規需要開拓等事業の3つが同時に公募されました。それぞれ補助上限が約14.9億円、約10.1億円、約110億円と大規模です。これらは執行団体(事務局)を公募する形式で、採択された団体が実際の事業者への支援を行います。2025年3月21日が締切でしたが、令和7年度も類似の事業が動いています。
佐藤

佐藤

編集長

執行団体向けと事業者向けでは、違いがあるんですね。
室谷

室谷

代表取締役

そうです。ただし、これらの事業は間接補助のため、実際に補助を受けたい水産加工業者などは、執行団体が公表する募集要領に従って応募することになります。直接応募できる制度もあります。例えば、令和5年度ALPS処理水関連の輸入規制強化を踏まえた水産業の特定国・地域依存を分散するための緊急支援事業(地域の加工拠点整備支援事業)補助金は、補助率1/2以内、上限約17.6億円で、加工拠点の新設・改修を支援します。こちらは民間団体等が直接申請できます。

北海道独自の資源活用ファンド

佐藤

佐藤

編集長

国以外に、北海道独自の補助金はありますか?
室谷

室谷

代表取締役

あります。2026年度の北海道中小企業新応援ファンド事業(地域資源活用型事業化実現事業)は、道内の地域資源を活用した新商品・サービス開発から販路開拓までを一気通貫で支援します。補助上限150万円、補助率1/2以内で、対象経費は原材料費からデザイン開発費、広告宣伝費、出展料まで幅広いです。農商工連携による取組も対象で、1次産業と2次・3次産業の連携を後押しします。締切は2026年5月22日です。
佐藤

佐藤

編集長

150万円は小規模ですが、使い勝手が良さそうですね。他にもありますか?
室谷

室谷

代表取締役

水産物の輸出拡大に関心があるなら、令和7年度補正 重要市場の商流維持・拡大緊急対策事業も要チェックです。補助上限1,000万円、補助率は定額または1/2以内で、日本産農林水産物・食品の輸出競争力強化を図ります。応募には直近2年以上の輸出実績と認定品目団体との連携が必要です。

物流・加工の効率化も支援

佐藤

佐藤

編集長

水産物の物流面での補助金はありますか?
室谷

室谷

代表取締役

はい。共同輸配送や帰り荷確保等のためのデータ連携促進支援事業費補助金は、複数の荷主・物流事業者が連携して物流情報のオープンプラットフォームを構築する事業を支援します。補助上限4,000万円、補助率1/2で、物流の2024年問題への対応にも有効です。水産物の共同配送などに活用できますが、締切は2025年6月16日と迫っています。
佐藤

佐藤

編集長

加工面ではどうでしょう?
室谷

室谷

代表取締役

産地連携推進緊急対策事業(第2次公募)は、食品製造事業者が産地を支援する取組や国産原材料の取扱量増加を後押しします。補助率1/2以内、上限は2億円(産地支援取組なら3億円)、下限100万円。種苗提供や収穫機械導入なども対象で、水産加工業者にも活用可能です。締切は2025年7月15日。

新しい分野への挑戦も

佐藤

佐藤

編集長

漁業関係者が新分野に挑戦する場合の補助制度はありますか?
室谷

室谷

代表取締役

例えば、洋上風力発電人材育成事業費補助金(令和8年度事務局公募)は、洋上風力発電に係る人材育成を支援します。補助上限5.69億円、定額補助で、漁業協同組合などが教育機関と連携して人材育成事業を行うことも想定されます。締切は2026年2月18日。また、フードテックビジネス実証・実装事業は、代替タンパク質やスマート養殖など先端技術の事業化を支援します。補助上限2,000万円、補助率1/2以内。
佐藤

佐藤

編集長

最後に、相談窓口を教えてください。
室谷

室谷

代表取締役

北海道の水産業に関する補助金は、北海道水産林務部や水産庁(農林水産省)、北海道漁業協同組合連合会(道漁連)が主な窓口です。それぞれ公式サイトで最新情報を確認してください。また、各自治体の水産課でも個別相談に応じています。
佐藤

佐藤

編集長

ありがとうございました。多くの制度があることがわかりました。
室谷

室谷

代表取締役

そうですね。特にALPS処理水関連の緊急支援は期限が迫っているものも多いので、早めに情報収集されることをお勧めします。