鳥取県の雇用・職場改善補助金比較表
室谷さん、鳥取県で雇用を増やしたいとか、従業員の給料を上げたいとか考えている経営者さんって、今どんな補助金が使えるんですか?
大きく分けると3つのルートがあって、「国の厚生労働省系の助成金」「鳥取県独自の補助金」「雇用保険から出る各種助成金」ですね。それぞれ目的が違うので、何をやりたいかで選び方が変わります。
そうなんですよ。たとえば「最低賃金を上げながら設備投資したい」なら業務改善助成金、「パートを正社員にしたい」ならキャリアアップ助成金、「賃上げの資金が必要」なら鳥取県独自の賃上げ補助金と、それぞれ違う制度を使うのが正解です。
まず鳥取県独自でやっているのが「持続的な賃上げ・生産性向上支援補助金」です。令和8年9月30日まで受け付けていて、補助金の上限額は最大500万円です。
500万円! それはありがたいですね。条件は何かあるんですか?
メインの条件は従業員一人あたりの平均給与を3%以上引き上げることです。3%以上で補助率1/2、5%以上引き上げると補助率が2/3に上がります。小規模企業者はさらに手厚くて、3%で2/3、5%で3/4まで上がります。
しかも「大規模成長投資型」という枠もあって、こちらは最大1,500万円まで拡大されます。ただし賃上げ5%以上が条件になっています。従業員が多い会社でも、少人数の会社でも使いやすい設計になっています。
- 対象: 鳥取県内に主要事業所を持つ中小企業
- 受付期限: 令和8年9月30日まで
- 上限: 収益力強化型500万円 / 大規模成長投資型1,500万円
- 補助率: 賃上げ3%→1/2、5%→2/3(小規模は3%→2/3、5%→3/4)
- 申請先: 鳥取県商工労働部企業支援課
そうですね。全国的に見ても鳥取県は賃上げ支援に積極的です。しかもこの補助金、国の業務改善助成金と併用可能なんですよ。
補助対象経費さえ重複しなければOKです(笑)。たとえば設備投資費用を県の補助金で使って、賃上げ費用を別の制度でというように分けてうまく活用している会社も多いですよ。
次に国の制度ですね。業務改善助成金ってよく聞くんですけど、どんな制度ですか?
業務改善助成金は「事業場内の最低賃金を一定額以上引き上げながら、生産性向上のための設備投資をする」ときに使える制度です。最大600万円の助成が出ます。
600万円! 業務改善助成金の場合、賃上げ幅によって上限が変わるんですか?
そうです。令和8年度から3つのコースに整理されました。引き上げ額50円コースで最大130万円、70円コースで最大300万円、90円コースで最大600万円です。
90円も上げれば600万円もらえるんですね。かなり魅力的ですね(笑)
ただ条件があって、鳥取県の最低賃金が令和7年度で1,030円です。事業場内の最低賃金が1,050円未満だと助成率が4/5に上がるので、鳥取県内の多くの事業者はこの優遇が受けやすい状況です。
- 申請期間: 令和8年9月1日〜最低賃金発効日前日(または11月30日)
- 重要変更: 令和8年度から「賃上げ後の事後申請」が不可に
- 必ず申請→交付決定→賃上げの順序で実施すること
- 申請先: 鳥取労働局または最寄りのハローワーク
先に申請しないといけないんですね。あとからやったらもらえなくなる(笑)
それで損する事業者さんが毎年出てしまうんですよね。「先に賃上げしちゃったからもらえませんでした」というケースが。これ、本当に気を付けてほしいポイントです。
厚労省の「働き方改革推進支援助成金」も鳥取県の中小企業が使えます。コースが複数あって、たとえば労働時間短縮・年休促進支援コースなら最大730万円、業種別課題対応コース・団体推進コースは最大1,000万円です。
はい。ただこれは企業単体ではなく、業界団体や事業主団体がまとめて申請する「団体推進コース」が特に高額です。個別企業の場合でも、時間外労働の削減や年次有給休暇の取得率向上などに取り組む経費の3/4が助成されます。
そうなんです。勤務間インターバル制度(仕事終わりから次の出勤まで一定時間を空ける制度)を導入するなら「勤務間インターバル導入コース」で最大600万円も出ます。働き方改革がまだ進んでいない会社には本当に使い勝手がいい制度ですよ。
| コース | 上限額 | 助成率 | 主な対象 |
|---|
| 労働時間短縮・年休促進支援 | 730万円 | 3/4 | 時間外労働削減・年休取得 |
| 業種別課題対応 | 1,000万円 | 3/4 | 業界特有の課題解決 |
| 団体推進コース | 1,000万円 | 定額 | 業界団体・事業主団体 |
| 勤務間インターバル導入 | 600万円 | 3/4〜4/5 | インターバル制度導入 |
これはDBにもある制度ですよね? 詳細はどこで確認できますか?
鳥取県の雇用補助金 申請ステップ
パートやアルバイトを正社員にしたいとき、何か制度ありますか?
キャリアアップ助成金の正社員化コースがそのためにある制度です。有期雇用の人を正規雇用に転換すると、1人あたり57万円の助成が出ます(中小企業の場合)。
1人57万円! じゃあ5人正社員化すれば285万円ですよね?
そうです(笑)。ただ条件があって、転換前に少なくとも6か月間、雇用保険に加入した状態で雇用しておく必要があります。あと転換後も継続して雇用することが前提です。
「すぐ辞めるかもしれないから正社員にできない」という経営者さんも多いと思うんですけど、そういう人でも使えますか?
転換後も雇用を継続することが条件なので、転換後に辞めてもらうことを前提にはできないですね。ただ本人希望で辞めた場合はペナルティにならないケースもあります。詳しくは鳥取ハローワークに相談するのが一番です。
なるほどですね。キャリアアップ助成金は事前に何か手続きが必要ですか?
はい、転換の前日までに「キャリアアップ計画」を提出しておく必要があります。これを忘れると助成金が受けられません。何か月も前から準備する必要があって、「転換したあとで知った」では遅いんですよ。
キャリアアップ計画書を作成し、労働組合等の意見を聴取
キャリアアップ計画書を管轄ハローワーク(または都道府県労働局)に提出
計画に基づき、正社員への転換(転換前日までに提出が必須)
計画書の提出が先なんですね。申請から実際にもらえるまでどのくらいかかりますか?
支給申請後、審査に1〜3か月程度かかることが多いです。年度末に申請が集中するとさらに時間がかかるケースもあるので、余裕を持って動くのが大事ですね。
鳥取県はUIJターン就職を支援する移住促進の補助金もいくつかあります。県外から人材を呼び込むための移住支援とセットで使える制度があるので、人材確保に困っている鳥取の企業には相性がいいですよ。
人を県外から連れてくるコストって結構かかりますよね。
そうなんです。鳥取県では移住促進と連動した雇用支援策があるので、引越し費用の補助や、就職後の定着支援まで組み合わせて使えるケースがあります。鳥取県の移住支援制度と合わせて確認するのがおすすめです。令和6年度の働き方改革推進支援助成金の詳細は
こちらのページでも確認できます。
採用コストと定着支援を両方カバーできるのはいいですね!
採用後の教育訓練に使える制度も別途あって、人材開発支援助成金(旧・職業訓練助成金)で従業員の研修費用の一部がカバーできます。雇った人をしっかり育てるところまでセットで考えてほしいですね。
ここまで色々出てきましたけど、どれを選べばいいか迷いそうです。整理してみてもらえますか?
端的に言うと、まず「今すぐやりたいことは何か」で選んでください。賃上げをするなら鳥取県の賃上げ補助金か業務改善助成金、非正規の正規化ならキャリアアップ助成金、長時間労働を直したいなら働き方改革助成金、という感じです。
| やりたいこと | おすすめ制度 | 上限額 |
|---|
| 賃金を上げたい(県独自) | 鳥取県賃上げ補助金 | 最大500〜1500万円 |
| 最低賃金引上げ+設備投資 | 業務改善助成金 | 最大600万円 |
| 非正規を正社員化 | キャリアアップ助成金 | 1人57万円 |
| 労働時間を短縮したい | 働き方改革推進支援助成金 | 最大1000万円 |
| 従業員を研修に出したい | 人材開発支援助成金 | 実費の最大75% |
こういう表で見ると分かりやすいですね。複数を組み合わせることはできますか?
原則は「同じ経費を二重取りしない」ことさえ守れば、複数の制度を組み合わせることは可能です。鳥取県の賃上げ補助金と業務改善助成金の組み合わせは特によく使われるパターンですよ。
そうなんですよね。複数申請は書類も増えるし、タイムラインの管理も必要です。鳥取のようなエリアだと社会保険労務士さんとの付き合いが重要で、地元の事情をよく知っているプロに相談するのが近道だと思います(笑)
- 各制度の「事前申請」が必要かどうか(キャリアアップ計画書など先に出す書類あり)
- 申請期限(特に業務改善助成金は年度途中に締め切りあり)
- 補助対象経費の範囲(設備投資費用・人件費・研修費用など制度によって異なる)
「取り組みを始める前に申請」が一番のポイントですよね。
まさに! 雇用関係の助成金は「先にやってしまってから申請しても出ない」パターンが多いので、まずハローワークか鳥取労働局に相談して、計画段階から動くことが重要です。
はい。鳥取ハローワーク(ハローワーク鳥取・米子)や鳥取労働局が窓口です。県の補助金については鳥取県商工労働部企業支援課に相談するといいですよ。
今日はたくさん教えていただきありがとうございました! 最後に一言まとめてください。
鳥取県は小さな県ながら、国の制度と県独自の制度の両方が使えてとても恵まれた環境です。「賃上げしたいけどお金がない」「正規化したいけどリスクが怖い」と悩んでいる中小企業の経営者さんには、まず鳥取労働局かハローワークに足を運んでほしいですね。「先に動いた人だけが使える」制度がほとんどなので、後回しにするほどチャンスを失ってしまいます!
そうです。補助金は申請したもの勝ちの世界なので、まずは相談から始めてみてください。
- 取り組みを始める前に必ず事前申請を完了させる
- 申請書類は審査完了後も5年間保存義務あり
- 不正受給は返還だけでなく、3年間申請禁止になる