令和4年度「地域の中核大学等のインキュベーション・産学融合拠点の整備」事務局(民間企業等向け)
基本情報
この補助金のまとめ
この補助金の特徴
ディープテック・スタートアップ向け高度設備の導入支援
本事業は、バイオテクノロジー、創薬、先端材料、量子技術などのディープテック分野に特化した設備導入を支援します。ウェットラボ(化学・生物実験が可能な実験室)の整備、クリーンルームの構築、大型分析装置の導入など、スタートアップが単独では調達困難な高額設備を、インキュベーション施設を通じて共同利用可能にする仕組みです。
民間企業が運営するインキュベーション施設が対象
補助対象は民間企業等が運営するインキュベーション施設です。大学直営の施設ではなく、民間のノウハウを活かした施設運営によりスタートアップの成長を加速させることを狙いとしています。VCやアクセラレーターが運営する施設、不動産デベロッパーが手がけるサイエンスパーク等が想定されます。
補助上限5億円の大型設備投資支援
補助上限額は5億円と、設備導入に特化した補助金としては非常に大きな規模です。ウェットラボの設計・施工費や先端分析機器の購入費は数千万円から数億円に達するため、この補助金なしには民間施設での整備が困難なケースが多くあります。
地域の中核大学等との産学連携が前提
本事業は「産学融合拠点」の整備を目的としており、地域の中核大学等との連携が重要な要件です。大学の研究シーズをスタートアップが事業化するプロセスにおいて、両者の橋渡しとなるインキュベーション施設の機能強化を図ります。
ポイント
対象者・申請資格
申請者の要件
- 民間企業等がインキュベーション施設を運営していること
- ディープテック・スタートアップ向けの支援実績または計画を有すること
- 設備導入後の運営・管理体制が整備されていること
施設の要件
- スタートアップの入居・利用を目的としたインキュベーション施設であること
- 地域の中核大学等との連携体制が構築されている、または構築予定であること
- 導入設備をスタートアップ等が共同利用できる運営方針であること
対象設備の要件
- ディープテック分野の研究開発に必要な高度な設備・機器であること
- ウェットラボ設備、クリーンルーム、大型分析装置等が該当
- 汎用的なオフィス設備・IT機器は対象外
ポイント
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申請ガイド
ステップ1:設備導入計画の策定
入居スタートアップのニーズ調査に基づき、導入すべき設備・機器のリストと仕様を策定します。ウェットラボの設計、クリーンルームのクラス設定、分析装置の選定など、技術的な検討を行います。
ステップ2:大学等との連携体制の構築
地域の中核大学等との産学連携の枠組みを構築します。共同研究の受入れ、大学発シーズの事業化支援、人材交流等の具体的な連携内容を協議し、連携協定の締結や覚書の作成を進めます。
ステップ3:事業計画書の作成・提出
公募要領に基づき、事業計画書を作成します。設備導入の目的、対象設備の仕様・費用、運営計画、スタートアップ支援の実績・計画、大学等との連携内容、導入効果の見通し等を詳細に記載します。
ステップ4:審査・ヒアリング
書面審査に加えてヒアリング審査が実施される場合があります。施設の運営実績、スタートアップ支援の具体的成果、設備導入後の利用計画等について説明を求められます。
ステップ5:採択後の設備導入・運営開始
交付決定後に設備の発注・導入を行います。導入完了後は運営を開始し、スタートアップへの設備利用提供を開始します。事業完了後も継続的な成果報告が求められます。
ポイント
審査と成功のコツ
スタートアップの具体的なニーズに基づく設備計画
設備稼働率と共同利用計画の具体化
大学との連携による相乗効果の提示
地域のスタートアップ・エコシステムへの貢献
ポイント
対象経費
対象となる経費
ウェットラボ設備(3件)
- 実験台・ドラフトチャンバーの設置費
- 給排水・排気設備の整備費
- 安全設備(緊急シャワー・洗眼装置等)
クリーンルーム設備(2件)
- 空調・クリーン化設備の構築費
- パーティション・パスボックス等の設置費
分析・計測装置(3件)
- 質量分析装置の購入費
- 電子顕微鏡の購入費
- 分光分析装置の購入費
バイオ・ライフサイエンス設備(3件)
- 細胞培養装置の購入費
- 遺伝子解析装置の購入費
- 無菌操作設備の設置費
設備設計・施工費(3件)
- 設備レイアウトの設計費
- 設備の搬入・据付工事費
- 電気・ガス等のインフラ整備費
対象外の経費
対象外の経費一覧(7件)
- 建物の新築・大規模改修費
- 汎用的なオフィス家具・IT機器の購入費
- 人件費(施設スタッフの給与等)
- 土地の取得・賃借料
- 交付決定前に発注・契約した設備の費用
- 施設の運営に係る光熱水費・通信費等のランニングコスト
- 他の補助金で既に補助を受けている設備の費用
よくある質問
Q大学が直接申請できますか?
本事業は「民間企業等向け」であり、大学が直接申請する枠組みではありません。大学等が直接申請できる枠組みは別途設けられています。ただし、大学発ベンチャーキャピタルが運営する施設や、大学と民間企業が共同で運営する施設であれば、民間企業等としての申請が可能な場合があります。自社の法人格と運営形態が対象に該当するかは、公募要領を確認の上、文部科学省の担当課に事前相談してください。
Q既存のコワーキングスペースに設備を追加する場合も対象ですか?
コワーキングスペースがスタートアップのインキュベーション機能を有しており、ディープテック分野のスタートアップの入居・利用を目的とした設備導入であれば対象となる可能性があります。ただし、一般的なコワーキングスペースにオフィス機器を追加するようなケースは対象外です。ウェットラボやクリーンルーム等の高度な研究開発設備の導入であること、スタートアップの共同利用を前提とした運営計画があることが条件です。
QIT・ソフトウェア系のスタートアップ向けの設備も対象ですか?
本事業は主にディープテック分野(バイオ、先端材料、量子技術等)の「ハードウェア的な」研究開発設備を対象としています。サーバーやGPUクラスタ等のIT設備は、汎用的なIT機器として対象外となる可能性が高いです。ただし、AI創薬のための専用計算機器やバイオインフォマティクス用の解析装置など、ディープテック分野の研究に特化した設備であれば対象となりうる場合もあります。公募要領の対象設備の定義を確認してください。
Q設備の導入後、利用料を徴収してもいいですか?
はい、設備導入後にスタートアップから適正な利用料を徴収することは認められます。むしろ、利用料収入による持続可能な運営モデルの構築が期待されています。利用料金の設定は、スタートアップが利用しやすい水準(市場価格より低い設定等)と施設の運営コスト回収のバランスを考慮する必要があります。利用料金体系は事業計画書に明記し、審査の際に運営の持続可能性を示す材料としてください。
Q補助金で導入した設備を他の用途に転用できますか?
補助金で導入した設備は、原則としてスタートアップ等の共同利用という本事業の目的に沿って使用する必要があります。設備の処分(売却・廃棄・転用等)には事前に文部科学省の承認が必要であり、無断での処分は補助金の返還を求められる場合があります。設備の財産管理に関する条件(処分制限期間等)は交付要綱に定められていますので、導入前に必ず確認してください。
Q複数年度にわたる事業計画は認められますか?
原則として単年度の事業完了が求められますが、大型設備の調達にはリードタイムが長いものがあり、複数年度にわたる計画が認められる場合もあります。特にクリーンルームの設計・施工や海外製の大型分析装置の導入は、発注から納品まで半年以上かかるケースがあります。複数年度の計画を希望する場合は、公募要領の条件を確認し、文部科学省に事前に相談してください。年度ごとの予算執行計画を明確にすることが求められます。
Q他の補助金・助成金と併用できますか?
本事業は設備導入に特化した補助金であり、インキュベーション施設の運営やスタートアップ支援の他の側面については、別の支援制度との組み合わせが効果的です。経済産業省の「スタートアップ創出促進保証制度」はスタートアップの資金調達を支援し、入居企業の成長を後押しします。NEDOの「ディープテック・スタートアップ支援事業」はディープテック分野の研究開発費を補助しており、入居スタートアップが活用できます。JSTの「大学発新産業創出プログラム(START)」は大学発シーズの事業化を支援し、本事業で整備した設備を活用した研究開発に活用可能です。地方自治体のスタートアップ支援施策(創業補助金、インキュベーション施設の賃料補助等)との連携も重要です。設備導入(本補助金)×研究開発費(NEDO等)×事業化資金(VC・金融機関)の三位一体で、ディープテック・スタートアップの成長を包括的に支援するエコシステムを構築することが理想です。
詳細説明
地域の中核大学等のインキュベーション・産学融合拠点整備事業とは
本事業は、文部科学省が推進するディープテック・スタートアップの創出・育成環境整備の一環として、民間企業等が運営するインキュベーション施設への高度な研究開発設備の導入を支援する補助金です。令和4年度事業として実施され、補助上限額は5億円です。
ディープテック・スタートアップと設備の壁
ディープテック・スタートアップとは、バイオテクノロジー、先端材料、量子技術、宇宙、ロボティクスなど、科学的な研究成果に基づく技術を事業化する企業を指します。これらの分野では、事業化の過程で高額な研究開発設備が不可欠です。
- ウェットラボ:化学・生物学的な実験を行うための設備(ドラフトチャンバー、給排水、安全設備等)
- クリーンルーム:半導体や精密機器の試作に必要な防塵環境
- 大型分析装置:質量分析計、電子顕微鏡、X線回折装置等の高額計測機器
- バイオ設備:細胞培養装置、遺伝子解析装置、無菌操作環境
これらの設備は1台数千万円から数億円に達するものもあり、創業初期のスタートアップが自力で調達することは極めて困難です。
民間インキュベーション施設の役割
本事業は、民間企業等が運営するインキュベーション施設に高度設備を導入し、複数のスタートアップが共同利用できる環境を整備することを目指しています。これにより、個々のスタートアップの設備投資負担を軽減し、研究開発から事業化への移行を加速させます。施設運営者は設備の管理・メンテナンスを担うとともに、技術スタッフの配置やメンタリング等の付加価値サービスを提供することが期待されています。
産学融合拠点としての位置づけ
「産学融合拠点」の名称が示す通り、本事業は大学等の研究機関とスタートアップの橋渡しを重視しています。地域の中核大学との連携により、大学の研究シーズをインキュベーション施設に持ち込み、スタートアップによる事業化につなげるパイプラインの構築が求められます。大学の研究者とスタートアップの技術者が同じ設備を共同利用することで、知識移転と技術交流が促進されます。
補助対象と条件
補助対象は設備・機器の導入費用であり、建物の新築・改修や人件費は含まれません。補助上限額は5億円で、導入設備をスタートアップ等に共同利用させる運営計画の提示が求められます。事業期間は交付決定日から所定の期限までで、期間内に設備の導入と運営体制の整備を完了させる必要があります。
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