室谷さん、滋賀県で個人事業主をしているのですが、使える補助金はどんなものがありますか?
はい。滋賀県は製造業の集積と琵琶湖を活かした農業・観光業が共存する産業構造で、個人事業主が活用できる補助金も多業種に広がっています。まず押さえておきたいのは、国が実施する補助金ですが、その中でも中小企業者等を対象とした制度は個人事業主も申請できます。例えば、事業承継・M&Aを機に設備投資や専門家活用をするための補助金群があります。また、環境省や経済産業省が行う脱炭素・エネルギー関連の補助金も、個人事業主が対象になるものが多いです。滋賀県内の相談窓口としては、公益財団法人滋賀県産業支援プラザや、滋賀県中小企業・個人事業主支援ポータルが頼りになります。まずは全体像を把握して、自分の事業に合った制度を探すことが大切です。
なるほど。個人事業主でも国の補助金が使えるケースが多いんですね。では、具体的にどんな補助金があるのか、詳しく教えてください。
最初にご紹介するのは、中小企業生産性革命推進事業の事業承継・M&A補助金です。これは14次公募が2026年4月3日まで受け付けています。個人事業主も中小企業基本法上の中小企業者に該当するので、申請できます。特に注目してほしいのは
事業承継促進枠です。上限1,000万円、補助率は小規模企業者が2/3以内、その他の中小企業者が1/2以内です。事業承継やM&Aを機に行う設備投資、新商品開発、販路開拓など幅広い取り組みが対象になります。
1,000万円は大きいですね!でも、M&Aって個人事業主には関係ないのでは?
いえ、個人事業主でも事業承継は重要です。例えば、後継者に事業を引き継ぐ際に、新たな設備を導入して生産性を上げたいというケースで活用できます。また、M&Aで他社の事業を買収して統合する場合も対象です。
PMI推進枠(事業統合投資類型)も上限1,000万円、補助率2/3または1/2で、統合後の設備投資やシステム統合に使えます。さらに、
PMI推進枠(PMI専門家活用類型)は上限150万円、補助率1/2で、コンサルタントなどの専門家費用を補助してくれます。統合プロセスをスムーズに進めるためのソフト面の支援も手厚いですね。
専門家を活用する枠もあるんですね。他にも種類があるんですか?
はい。
専門家活用枠(買い手支援類型/売り手支援類型)は上限800万円、補助率2/3または1/2で、M&Aの仲介業者やFAへの報酬に使えます。また、
専門家活用枠(買い手支援類型-100億企業特例)は、売上高100億円以上の企業を買収する大規模M&A向けで上限2,000万円とさらに手厚いです。そして、廃業・再チャレンジ枠(上限300万円、補助率2/3)というのもあり、M&Aを試みたが成約に至らなかった事業者が、廃業後に新たな事業を始める費用を支援します。これらはすべて14次公募で2026年4月3日締切です。個人事業主でも、事業承継やM&Aの計画があれば検討してみてください。
滋賀県といえば琵琶湖ですよね。環境関連の補助金はありますか?
実は、個人事業主でも使える環境・エネルギー系の補助金がいくつかあります。まず、PCB汚染変圧器高効率化補助金です。これは環境省所管で、変圧器にPCBが含まれているか調査する費用(補助率1/10、上限100万円)と、PCB汚染が確認された場合に高効率変圧器に交換する費用(上限100万円、補助率1/3との小さい額)を補助します。個人事業主でも申請可能で、一次公募が2025年7月31日、二次公募が2025年12月19日締切です。製造業や飲食店など、変圧器を所有する事業者は対象になる可能性があります。
変圧器の交換は結構お金がかかりますから、補助はありがたいですね。
そうですね。次に、水力発電の事業性評価に必要な調査及び設計等を行う事業です。これは経済産業省の補助金で、中小水力発電(20kW以上30,000kW未満)の新設やリプレイスを検討する事業者に対し、事業初期段階の調査・設計費用を補助します。個人事業主も民間事業者として申請でき、補助率1/2以内、上限2,000万円(基本設計含む場合)です。滋賀県は水資源が豊富なので、農業用水路や小さな河川を活用した水力発電に関心がある個人事業主には朗報です。ただし、各公募の締切は2025年5月13日、6月17日などと直近のものもありますので、早めにチェックが必要です。
水力発電は専門的ですが、個人でも事業化を考えられるんですね。脱炭素関連では他にありますか?
はい、二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(SHIFT事業)があります。その中でも、省CO2型設備更新支援C(中小企業事業)は、中小企業(個人事業主含む)向けで、上限5,000万円、補助率1/2またはCO2削減量に応じた額です。工場や事業場の設備を省CO2型に更新する際に使えます。第六次公募は2025年9月30日締切です。また、SHIFT事業にはCO2削減計画策定支援(上限200万円、補助率3/4)もあり、こちらは計画策段階のコンサル費用を補助します。ただし、現在は募集終了しているものもありますが、次年度以降の情報をチェックしておくと良いでしょう。
観光業を営んでいる個人事業主です。国立公園関連の補助金はありますか?
あります。環境省所管の「国立公園利用拠点滞在環境等上質化事業」と「国立公園等多言語解説等整備事業」です。前者は、国立公園内の利用拠点の滞在環境を上質化する計画策定や施設整備を支援します。補助上限はなんと9億9,800万円と大規模で、補助率1/2(一部2/3)。後者は多言語解説の整備で、上限1億2,900万円、補助率2/3です。どちらも個人事業主が申請可能で、例えば琵琶湖国定公園内で旅館や飲食店を営む方が、インバウンド向けの看板や案内板を多言語化したり、施設を改修したりするのに使えます。二次公募が2025年12月10日締切となっています。
金額がとても大きいですね。個人事業主でも競争力はあるんでしょうか?
確かに大規模事業向けの印象ですが、計画策定支援事業は比較的小規模から始められます。また、地域の観光協会などと連携して申請することも可能です。まずは滋賀県産業支援プラザに相談してみることをおすすめします。
個人事業主でもスタートアップのような革新的な事業を始めたい場合はどうですか?
総務省の「スタートアップ創出型萌芽的研究開発支援事業」があります。これはICT分野の研究開発を支援するもので、起業を目指す個人やグループ、設立15年以内のスタートアップが対象です。なんと補助率が10/10(全額補助)で、Support1(上限500万円)とSupport2(上限3,000万円)の二段階があります。さらに伴走支援も受けられるため、技術はあるが事業化のノウハウが不足している個人事業主にぴったりです。締切は2026年3月24日です。
全額補助は魅力的ですね!外国に特許を出したい場合の補助金もありますか?
一般社団法人発明推進協会が実施する中小企業等海外展開支援事業費補助金(出願手続)があります。これは海外で特許・実用新案・意匠・商標を出願する際の費用の1/2を補助します。中小企業(個人事業主含む)が対象で、1法人あたり上限300万円、1特許出願あたり150万円まで。ただし、直近の公募は2024年12月3日締切で終了しています。しかし、令和7年度以降も同様の制度が継続される可能性が高いので、情報を追っておきましょう。過去には日本出願を基礎としたスタートアップ設立に向けた国際的な権利化支援事業もありました。
最後に、滋賀県の個人事業主が補助金を探す際のアドバイスをいただけますか?
個人事業主でも国の補助金が使えると分かって安心しました。まずは窓口に相談してみます。ありがとうございました!
ぜひ活用してください。滋賀県の個人事業主の皆さんが、補助金を賢く使って事業を発展させることを応援しています。