室谷さん、秋田県はコメやスギの産地として有名ですが、農業や林業を営む方が使える補助金にはどのようなものがありますか?
そうですね。秋田県の農林業者の皆さんが活用できる補助金は、国や県が実施する様々な制度があります。今回は特に農業・林業に関連の深いものを中心にご紹介します。まず、農業機械の電動化を後押しする補助金から見ていきましょう。
農業機械の電動化というと、トラクターや田植え機をEVに変えるイメージですか?
そうです。環境省が実施する
農業機械の電動化促進事業は、電動農業機械の販売価格と従来型機械の差額の3分の2を補助する制度で、補助上限は7,200万円と大型です。秋田県のように大規模な稲作が盛んな地域では、大型トラクターやコンバインの電動化を検討する際に有力な選択肢となります。
あくまでも補助上限額です。実際には機械の価格差に対して3分の2が補助されるため、数百万円から数千万円の補助が見込めます。対象は民間企業、農業者、農業者団体、地方公共団体など幅広く、秋田県の農業法人や農協も応募できます。なお、この制度は令和7年度分で締切が2025年12月24日と迫っていますので、興味がある方は早めに情報収集されることをおすすめします。
農業現場ではプラスチックごみの削減も課題だと聞きます。
おっしゃる通りです。農林水産省は
プラスチック代替資材実用化推進事業を実施しており、紙や生分解性プラスチックなどの代替資材の現場実証や情報発信を支援しています。この事業には2つのメニューがあり、実用化事業は上限400万円、情報発信事業は上限800万円で、いずれも定額補助です。マルチフィルムや育苗ポットを環境に優しい素材に切り替えたい秋田県の農業者や農業関連団体にとって、有力な支援策となります。
同じ農林水産省の
農業用資材の資源循環利用推進事業もあります。こちらは廃プラスチックのリサイクル促進に向けた研修・普及啓発や新たなリサイクル方法の試行を支援します。ただし応募主体は都道府県協議会や市町村協議会などの団体で、個人農業者は直接応募できません。秋田県内の農業団体が主体となって申請するケースが想定されます。
秋田県産のコメやスギを海外に売り込みたいという声も聞きます。
農業者は単独ではなく、産地全体で取り組むことも重要ですよね。
その通りです。
産地連携推進緊急対策事業は、食品製造事業者等が産地を支援する取組や、産地との連携による国産原材料の取扱量増加を支援します。補助率は2分の1以内で、上限は1件あたり2億円(産地支援取組の場合は3億円)。秋田県の加工業者と農業者が連携して、県産原料を使った新商品開発などに活用できます。
令和7年度食品ロス削減等緊急対策事業は、事業系食品ロスの削減とフードサプライチェーン全体の課題解決を支援します。補助金総額は最大2億円で、実証事業には1億7,500万円まで充てられます。秋田県の食品製造業者や農業者が連携して、未利用食品の活用やリサイクル効率化に取り組む際の資金源となります。
他にも物流効率化やデータ連携の補助金があると聞きました。
共同輸配送や帰り荷確保等のためのデータ連携促進支援事業費補助金は、複数の荷主企業や物流事業者が連携してデータ連携基盤を構築する事業を支援します。補助上限4,000万円、補助率2分の1。秋田県のような広大な農業地帯では、農産物の輸送効率化は重要な課題です。複数の農業者や協同組合が連携して申請することで、物流コスト削減が期待できます。
最後に、補助金を探す際のポイントを教えてください。
ありがとうございました。秋田県の農林業者が活用できる制度がよくわかりました。