補助金タイプ比較図
室谷さん、「まちづくり補助金を使いたい」って相談を受けることって多いんですか?
めちゃくちゃ多いですよ!町内会の方から商店街の人まで、本当に幅広い。ただ、みなさんが共通して悩むのが「どの補助金を使えばいいかわからない」ってことなんですよね。
そうなんです。広島県のまちづくり補助金は大きく3つに分かれます。ひとつは「市区町村独自の補助金」、もうひとつは「広島県独自の補助金」、そして「全国で使える国の制度」。この3層構造を頭に入れておくだけで、相当見通しがよくなります。
ほとんどの人が全国制度しか知らないんですよね。でも地元密着で活動している団体こそ、市区町村や県の制度のほうが使いやすかったりします。要件がシンプルで、採択率も高いんで。
それはぜんぜん知らなかったです。3層それぞれ、もう少し詳しく教えてもらえますか?
そうですね。広島市が特に手厚くて、2つの補助金が並走しています。ひとつが「区の魅力と活力向上推進事業補助金」、もうひとつが「"まるごと元気"地域コミュニティ活性化補助金」です。
ええ。「区の魅力」のほうは、各区役所がその年度のテーマを設定して、そのテーマに沿った活動を公募します。初年度の補助率は3分の2以内で上限100万円、2年目は2分の1の上限70万円、3年目は3分の1の上限35万円という逓減方式です。
継続してやる活動を支援する設計ですね。3人以上の団体なら応募できるので、任意団体でも大丈夫です。2026年度の安佐南区は、令和8年2月2日から2月20日が募集期間でした。
もう一方の「まるごと元気」はどんな制度なんですか?
こっちは町内会・自治会・子ども会・学区社会福祉協議会が対象です。活動のタイプによって金額が違って、「地域活性化プランの作成」や「空き家を活用した交流拠点づくり」なら補助率100%・上限50万円です。
ただ、令和8年度から新規事業の募集は終了していて、継続事業(令和7年度以前に採択された団体)のみが対象になっています。令和11年度まで継続して申請できるので、すでに採択されている団体は要注意ですね。
新しく始めたい場合は「区の魅力」のほうになるんですか?
そうです。新しく始めるなら区の魅力のほうを検討してください。
あります。たとえば安芸高田市の「まちづくり助成金」は、市民団体が主体的に行う活動に対して、補助率10/10・上限20万円で最大3回交付してくれます。5名以上で構成される団体なら、法人格がなくても応募できます。
20万円全額補助っていいですよね!小規模な団体でも使えそうです。
安芸高田市は人口減少が進む地域なので、地域活動をサポートする制度に力を入れています。「スタートアップ部門」と「レベルアップ部門」みたいな区分があって、やってみたいことのステージに合った支援が受けられます。
福山市は補助金ポータルで見た「地域まちづくり推進事業」ってやつがありますよね?
ありますよ。福山市の地域まちづくり推進事業は、住民主体の地域づくりをテーマに年3回公募しています。令和8年度の第3回公募が出ていて、住民が自主的・主体的に地域課題の解決や地域活性化を目指す活動を支援します。
逃しても次の公募がある、というのは精神的にもありがたいですよね。福山市さんはこの辺の運用が丁寧だなと思います。
そうです。広島県で特に注目してほしいのが「中山間地域と都市部等のつながりづくり活動実践者支援事業補助金」です。ちょっと長い名前ですけど(笑)。
「ひろしま里山・チーム500」という、広島県が独自に整備している登録者制度があって、そこに登録している人が都市部と農山村をつなぐ新しい活動を始めるときに、上限100万円・補助率2/3で支援してもらえます。
まさにです。三次市や庄原市、北広島町といった中山間地域の人たちが、広島市内の企業や団体と連携して、農産物の新しい流通づくりだったり、交流イベントだったりを実施するときに使えます。補助対象経費は旅費・委託費・借料・委託料などが対象です。ただ、
令和8年度(2025年度)の申請受付はすでに終了しています。令和9年度(2026年度)の公募情報は
広島県公式サイトでご確認ください。
ふるさとと都市のつなぎ役みたいなイメージですね。それはニーズありそうです。
ものすごくあります。Uターン起業家さんやソーシャルビジネス系のNPOさんに特に向いている制度です。
まちづくりや地域振興に関わる全国制度は、ざっくり5〜6種類あります。特に事業者・NPO・団体に向いているものを紹介しますね。
まず「地方の若手人材発掘育成支援事業費補助金(令和7年度補正)」。これは地方で突出した才能を持つ若手が起業・事業を起こすとき、自治体等を通じて最大で数億円規模の支援が受けられる制度です。広島でも活用実績がありますよ。
詳細はこちらで確認できます。
ただ、これは対象がかなり絞られます。次はもう少し一般的な制度として、「中小企業支援事業補助金(地域の人事部支援事業)」。地域の複数企業と連携して、人材確保・育成の仕組みを作る事業者が対象で、補助率は2/3〜1/3、上限1,300万円です。
詳細はこちらで確認できます。
広島は自動車・製造業が多いですが、そういう地域の製造業企業群でも使えますか?
十分使えます。むしろ製造業の集積地こそ「地域の人事部」が機能しやすいんです。1社では優秀な人材を採れないけど、5社が束になれば大卒の優秀な人でも来てくれる、みたいな発想です。
なるほど、一社単独では難しいことを横連携でカバーするわけですね。
そうなんです。次は観光・まちなみ整備系で使えるのが「国立公園等資源整備事業費補助金」。国立公園や国定公園のある地域で、多言語サイン整備・バリアフリー改修・滞在環境の上質化をするときに使えます。補助率は1/2〜2/3です。
そうです!鞆の浦周辺や宮島・西中国山地国定公園など、広島には適用エリアがたくさんあります。観光振興と地域コミュニティの活性化を同時に実現できる制度ですね。
詳細はこちらで確認できます。
「地域の中堅・中核企業支援事業(地域の人事部支援事業)」は、令和8年度の事務局公募です。上限約2.9億円で補助率10/10と全額補助が特徴。広域連携で地域人材の確保・育成・定着に取り組む大規模な仕組みを作るときに使えます。
詳細はこちらで確認できます。
ただしこれは事務局(執行団体)を公募するものなので、使えるのは地域金融機関や経済団体、大きめのNPO法人あたりが中心になります。
ここまで色々出てきましたが、一覧で比べてみたいですよね。
| 制度名 | 対象者 | 補助上限 | 補助率 | エリア |
|---|
| 区の魅力と活力向上推進事業補助金 | 3人以上の団体 | 100万円(初年度) | 2/3 | 広島市 |
| まるごと元気 地域コミュニティ活性化補助金 | 町内会・自治会等(継続採択済) | 50万円 | 10/10 | 広島市 |
| 安芸高田市まちづくり助成金 | 5人以上の団体 | 20万円 | 10/10 | 安芸高田市 |
| 福山市 地域まちづくり推進事業 | 市民グループ等 | 公募要領参照 | 公募要領参照 | 福山市 |
| 中山間地域つながりづくり(県) | 里山チーム500登録者 | 100万円 | 2/3 | 広島県全域 |
| 地方の若手人材発掘育成支援 | 地方の若手・自治体等 | 数億円規模 | 10/10 | 全国 |
| 地域の人事部支援事業 | 複数社連携の事業者 | 1,300万円 | 2/3〜1/3 | 全国 |
| 国立公園等資源整備事業費補助金 | 観光関連事業者等 | 実質上限なし | 1/2〜2/3 | 国立公園等 |
| 地域の中堅・中核企業支援(事務局) | 経済団体・金融機関等 | 約2.9億円 | 10/10 | 全国 |
一覧になると、ターゲットによって全然違うんですね。
そうです。一般の住民団体・町内会なら市区町村の補助金、NPO・事業者で広域展開したいなら県の制度か全国制度、みたいに使い分けるのが基本です。
申請フロー図
実際に申請するときに気をつけることってありますか?
まず「公募期間を逃さない」これが最重要です。特に市区町村の補助金は公募期間が2〜4週間と短いことが多くて、気づいたときには終わってた、というのがよくあるパターンです。
広島市の場合は各区役所の「まちづくり担当」に直接電話して、「今年度はいつ公募しますか?」と聞いてしまうのが一番確実です。案内メールを希望すると対応してくれる区もあります。
もうひとつ重要なのが「他の補助金との重複確認」。多くの補助金で「国・県・市から別の補助金を受けている事業は対象外」という規定があります。同じ活動で2重取りはできないので注意が必要です。
ただ、同じ団体が「事業Aで広島市の補助金」「事業Bで全国制度の補助金」という形で別々に使うのはOKなことが多いです。事業単位で管理するイメージです。
- 他の公的補助金との重複がないか確認
- 活動が補助対象期間内に完了できるか確認
- 申請団体の要件(構成人数・活動年数等)を満たしているか確認
- 事務所経費・人件費等の対象外経費を含めていないか確認
最後に、申請の準備で特に力を入れるべき部分ってどこですか?
「なぜこの活動が地域に必要か」という課題設定の部分です。補助金の審査委員が最初に見るのは「この地域にどんな問題があって、それをどう解決しようとしているか」です。そこが曖昧だとどれだけ活動内容が面白くても落ちます。
そうです。地域の課題を数字で示せると説得力が増します。たとえば「このエリアの65歳以上の人口が3年で15%増加した」「町内会の加入率が40%台まで下がった」みたいな地域独自のデータを入れると審査通過率が上がります。
- 地域の課題を数字で示す(行政の統計・自治体データを活用)
- 活動の成果指標を具体的に設定する(参加者数・交流回数等)
- 継続性を説明する(補助期間終了後も自立して続けられる計画)
- 複数の地域団体が協力する「連携型」はプラス評価されやすい
自分たちだけで申請するのが不安な場合はどうすればいいですか?
広島県の場合、まず「ひろしまNPOセンター」への相談がおすすめです。NPO・市民活動団体向けの補助金情報を集約していて、無料相談にも対応しています。
事業者よりの活動なら「広島県産業振興機構」の窓口も使えます。まちづくり×地域ビジネスの交差点にある活動は、ここに相談すると補助金選択のアドバイスをもらえます。
あとは中山間地域の方向けに特化した窓口はありますか?
広島県の「中山間地域振興課」です。三次・庄原・安芸高田などの地域にある団体が県の補助金を使いたい場合は、まずここに問い合わせるのが確実です。中山間地域特有の支援メニューを教えてもらえます。
ありがとうございます。広島には本当に色々な補助金があるんですね。
そうなんです。大事なのは、補助金は「使うもの」ではなくて「地域の活動を加速させるツール」という考え方です。使いたいから補助金を探すのではなく、やりたい活動があってそれに合う補助金を選ぶ、という順番が重要です。
そうです。地域活動の「目的」から逆算して補助金を探すのが一番の近道です。広島県の補助金制度は3層構造になっているので、まずエリアと活動内容を整理してから窓口に相談してみてください。
広島県の補助金一覧はこちらでも確認できます。