神奈川県 中小企業向け補助金比較表
神奈川って横浜も川崎もあって、全国有数の工業地帯ですよね。中小企業が使える補助金って、どのくらいあるんですか?
国の制度だけで常時20〜30件は使えるものがあって、神奈川県独自の制度も数本走ってます。市町村レベルまで入れると優に100件は超えますね。
特に神奈川は製造業、IT、物流が集積していて、ものづくり補助金やIT導入補助金を活用している企業がめちゃくちゃ多いです。横浜・川崎エリアは競争が激しいぶん、補助金で投資コストを下げた企業が有利になってる実感がありますよ。
まず「事業者向けの設備投資系」と「雇用・賃上げ系」の2軸で見ていくとわかりやすいです。設備投資系はものづくり補助金・IT導入補助金・省力化補助金が三本柱。雇用系は業務改善助成金や持続化補助金が代表格ですね。
| カテゴリ | 主な制度 | 補助上限 | 補助率 |
|---|
| 設備投資(大) | ものづくり補助金 | 4,000万円 | 1/2〜2/3 |
| 設備投資(中) | 省力化補助金(一般型) | 8,000万円 | 1/2〜2/3 |
| 設備投資(小) | 小規模事業者持続化補助金 | 50万円(特例で最大100万円) | 2/3 |
| DX・IT | IT導入補助金 | 450万円 | 1/2〜4/5 |
| 賃上げ支援 | 業務改善助成金 | 600万円 | 3/4〜9/10 |
| 神奈川独自 | 生産性向上促進事業費補助金 | 500万円 | 1/2〜2/3 |
| 神奈川独自 | 小規模事業者デジタル化支援補助金 | 50万円 | 2/3 |
設備投資系と雇用系で分けて考えるのか。それ、目から鱗ですね。
両方を組み合わせている企業が一番賢いですよ。設備を入れて生産性が上がる→最低賃金を上げられる→業務改善助成金も申請できる、という二段ロケット型の使い方が神奈川の申請支援をしていてよく見るパターンです(笑)。
補助金申請の流れ(神奈川県 中小企業向け)
一つ一つ詳しく教えてもらえますか? まずは一番有名なものから。
じゃあ「ものづくり補助金」から。神奈川の中小企業でこれを知らない経営者はもういないくらい定番化してますね。
ものづくり補助金(ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金)
ものづくり補助金って名前はよく聞くんですが、実際どんな制度なんですか?
経済産業省が実施する設備投資支援の王道です。最大4,000万円、補助率は中小企業で1/2・小規模事業者で2/3。製造業だけじゃなくて、IT企業でもサービス業でも、全業種が対象なのが大きいですね。
4,000万円は大きいですね!どんな設備に使えるんですか?
機械装置の購入が一番多いですが、システム構築費・外注費・専門家経費・クラウドサービス利用費まで対象です。神奈川の事業者だと、横浜港周辺の物流会社が自動倉庫システムを導入したり、川崎の製造業がロボット溶接機を入れたりするのによく使われてます。
ざっくり40〜50%くらいですね。書類審査なのでしっかり事業計画書を書けば十分狙えます。GビズIDを先に取っておくのが鉄則で、これがないと申請できないんですよね。詳しくは
ものづくり補助金の詳細ページで補助額や要件を確認してみてください。
中小企業省力化補助金(カタログ型・一般型)
さっき「省力化補助金」って出てきましたが、ものづくり補助金と何が違うんですか?
省力化補助金は「人手不足対策」に特化した比較的新しい制度です。カタログ型は公式サイトに登録されているロボットや券売機などの製品カタログから選んで購入するだけで申請できる、っていう手軽さが特徴ですね。
カタログ型は従業員数によって違って、5名以下なら最大200万円(300万円)、6〜20名なら500万円(750万円)、21名以上なら1,000万円(1,500万円)です。括弧内はある条件を満たした場合の上乗せ額ですね。一般型はより大きくて最大8,000万円まで。補助率は中小企業1/2、小規模事業者2/3が基本です。
飲食店の券売機・自動精算機の導入とか、小売店のセルフレジ、介護施設の移乗支援ロボットとかですね。横浜市内の飲食店が人手不足で苦しんでいて、券売機を入れてバックヤードに回す人員を確保した、っていう事例をよく聞きます。
小規模事業者持続化補助金
業種によって違って、卸・小売・サービスは5名以下、製造業等は20名以下が目安です。この持続化補助金の通常枠は補助上限50万円・補助率2/3で、申請のハードルが比較的低くて、設備・広告・ウェブ・展示会と多彩な費用に使えるのが強みですね。
機械装置の購入だけじゃなくて、広告宣伝費、ウェブサイト制作、展示会への出展費用、店舗改装費も対象です。神奈川の小売店やサービス業の方は、ホームページのリニューアルと合わせてSNS広告費を申請するケースが多いですね。インボイス特例(免税事業者から適格請求書発行事業者に転換する場合)を使えばさらに50万円上乗せで最大100万円になるので、うまく組み合わせると使い勝手が増しますよ。
IT導入補助金
そうです。会計ソフト、受発注システム、ECサイト構築、在庫管理ツールなど、多彩なITツールの費用を最大450万円・補助率1/2〜4/5で補助してくれます。インボイス対応のレジやソフトも対象で、インボイス枠を使うと補助率が3/4や4/5に上がるんですよね。
そうなんです。10万円のソフトを入れたら8万円が返ってくる計算ですから。ただし、対応ITツールベンダーが登録制になってるので、「使いたいツールが対象かどうか」は先に確認が必要です。パソコンやタブレット等のハードウェアも一部対象なのがIT導入補助金の特徴ですね。
業務改善助成金
はい。厚生労働省の制度で、事業場内最低賃金を30円以上引き上げて、かつ生産性向上のための設備投資等を行った場合に、費用の3/4〜9/10を最大600万円まで助成してくれます。
そこがポイントで、「最低賃金を上げると同時に設備を入れる」という行動を取ることで国がお金を出してくれる、という仕組みです。事業場内最低賃金が950円未満の事業者だと助成率が9/10になるので、低賃金帯の企業ほど手厚いですね。神奈川は最低賃金が全国トップクラス(令和6年度は1,162円)なので、引き上げ額はそんなに大きくなくても申請資格は持ちやすいですよ。詳細は
業務改善助成金のページを確認してください。
新事業進出補助金
終了しましたね。後継として「新事業進出補助金」が始まっていて、新市場・高付加価値な事業に進出する中小企業を支援する制度です。補助上限は従業員規模によって2,500万円〜7,000万円(大幅賃上げ条件で最大9,000万円)、補助率は1/2というかなり大きな制度ですよ。
9,000万円! 事業再構築補助金の後継だから相当ビッグですね。
対象は「既存事業と異なる新市場への進出」なので、まったく新しいビジネスを始めるという明確なストーリーが必要です。神奈川の製造業が観光分野に参入するとか、飲食業がD2C通販を始めるとか、そういう大きな事業転換を考えてる企業向けですね。
大規模成長投資補助金(省力化等)
中堅・中小企業向けの大規模投資補助金もあるって聞きました。
ありますね。中堅・中小企業が大規模な設備投資(工場設備・ソフトウェア等)を行う際に最大50億円、補助率1/3で支援する制度です。金額が大きい分、対象は一定規模以上の企業が中心で、10億円以上100億円未満の売上高がある企業向けに成長加速化補助金もあります。
これは神奈川の大手製造業やグローバルに展開している中堅企業が使う領域ですね。横浜・川崎には本社や製造拠点を持つ中堅企業が多いので、意外と対象になる企業は多いんです。
事業承継・引継ぎ補助金
後継者問題に悩んでいる企業向けの補助金もありますよね。
あります。事業承継や M&A の際の専門家費用(デューデリジェンスやFA費用)から、承継後の新たな取り組みに使える設備投資費まで、最大1,000万円(事業承継促進枠)・補助率1/2〜2/3で支援してくれます。
後継者が見つかった後のコストまで出してくれるんですね。
そうなんです。廃業して再チャレンジする場合の整理費用まで対象になる「廃業・再チャレンジ枠」もあって、最大150万円ですが事業を畳む際のコストを支援してくれるのは珍しいですよ。神奈川は中小企業数が多い分、後継者不在企業も多くて、毎年この補助金の活用事例が増えてる印象です。
海外出願・知財関連支援補助金
ありますよ。中小企業等海外展開支援事業費補助金(外国出願支援)は海外での特許・商標の出願費用を最大300万円・補助率1/2で支援してくれます。グローバルに製品を展開したい神奈川の製造業やスタートアップにはかなり使い勝手がいい制度ですね。
技術力がある中小企業が海外展開する際、知財保護なしに市場参入すると模倣品被害に遭うリスクが高いので。神奈川は横浜・川崎に研究開発型の中小企業が多いので、この制度の活用ポテンシャルは高いです。詳しくは
海外出願支援補助金のページをご確認ください。
神奈川県ならではの独自の補助金ってどんなものがありますか?
神奈川県は中小企業支援がわりと手厚い自治体で、毎年安定的に独自の制度を出してくれてます。生産性向上促進事業費補助金が一番の目玉ですね。
神奈川県中小企業生産性向上促進事業費補助金
神奈川県独自の一番の目玉って、具体的にどんな制度ですか?
令和8年度も公募が始まります。神奈川県内に事業所を持つ中小企業が生産性向上のための設備を導入する際に、最大500万円(グループ化支援枠は最大4,000万円)・補助率1/2〜2/3で支援してくれる制度です。
似てますが、国の制度より採択されやすい傾向があります。令和7年度は1,579件の申請で1,054件が交付決定(採択率約67%)と、ものづくり補助金より高い採択率でした。神奈川在住・在業者限定なので競争が絞られてる分、狙い目ですよ。
そうなんです。機械装置等費だけじゃなくてITサービス導入費や施設工事費も対象なので、設備・IT・工事と複数の投資用途に使えます。グループ化支援枠は複数の中小企業がグループを組んで設備共同投資する場合の制度で、最大4,000万円です。詳細は
神奈川県中小企業生産性向上促進事業費補助金のページへ。
神奈川県小規模事業者デジタル化支援推進事業費補助金
ありますよ。神奈川県内の小規模事業者がIT導入する際に最大50万円・補助率2/3で補助してくれる制度で、令和8年度は4月から9月末まで募集しています。
国のIT導入補助金は登録されたITベンダーの製品のみ対象ですが、こちらは工程管理・会計・顧客管理・勤怠管理など5カテゴリのデジタル化が対象です。申請にあたっては商工会や商工会議所での事前相談が必要で、課題整理をしたうえで申請する仕組みになっています。
商工会を通すんですね。では商工会に相談してから動く、ということですね。
エネルギー利用最適化・省エネ診断支援
中小企業等エネルギー利用最適化推進事業費という国の制度があって、省エネ診断や脱炭素化取り組みを支援する補助金が複数走っています。エネルギー利用最適化診断(SHIFT事業)では診断費用の最大90%が補助され、その後の設備改修にも繋げやすいです。
工場や事業場の電気・ガス使用状況を専門家が診断して、どこをどう改善すれば光熱費が下がるかをレポートしてくれます。神奈川の製造業は光熱費コストが大きいので、最初に「診断だけでも無料に近い形で受ける」という使い方が費用対効果的に合理的ですよ。
横浜市・川崎市の独自補助金
あります。横浜市は中小企業の創業支援・設備投資・SDGs取り組み等で独自の補助金を出していて、川崎市も環境対策設備や生産性向上設備の補助制度が複数あります。市内企業なら神奈川県の制度に加えて市の制度も重ねて活用できる場合があるので、必ず自分の所在地の市町村窓口にも問い合わせてみてください。
制度によっては「国と県の重複申請不可」という制限もあるので確認は必要ですが、国の補助金と市の補助金の組み合わせはOKなケースが多いです。神奈川全般の補助金は
神奈川県の補助金一覧ページでまとめて確認できます。
- Step1: まず神奈川県生産性向上促進事業費補助金(採択率67%)から申請
- Step2: 同時並行でものづくり補助金かIT導入補助金を検討
- Step3: 設備導入後に業務改善助成金で賃上げと助成金申請を組み合わせる
制度がたくさんあって迷ってしまいますね。選ぶコツはありますか?
「投資額の大きさ」と「事業の目的」で絞り込むのがいちばん整理しやすいです。
| 状況 | おすすめ制度 | 補助上限 |
|---|
| 大型設備導入(1,000万円以上) | ものづくり補助金 | 4,000万円 |
| 人手不足対策の設備導入 | 省力化補助金(カタログ型) | 1,500万円 |
| ITシステム導入 | IT導入補助金 | 450万円 |
| 小規模の販促・設備(〜50万円) | 小規模事業者持続化補助金 | 50万円(特例で最大100万円) |
| 賃上げとセットの設備投資 | 業務改善助成金 | 600万円 |
| 神奈川県内の設備投資 | 生産性向上促進補助金 | 500万円(〜4,000万円) |
| 新規事業・大規模転換 | 新事業進出補助金 | 9,000万円 |
「補助率が高い方がいい」というのは直感的に正しいですが、補助率が高くても自己資金を用意できないと申請できません。補助金は後払い(後払いの資金繰りリスクに注意)が原則なので、先に自己資金で支払って、後から補助金が振り込まれる流れを忘れないでください。
後払いなんですね。それは事前に知っておかないといけない。
これ知らなくて資金ショートする中小企業がけっこうあるんですよ(笑)。ものづくり補助金で1,000万円の設備を入れる場合、先に1,000万円払って、後で500〜670万円が戻ってくる。その間の資金繰りをどう手当てするか、金融機関と相談しながら進めるのが基本です。
GビズIDを取得する(ほぼ全ての国の補助金申請に必須。取得まで1〜2週間かかるので先に動く)
公募期間を確認する(各補助金ごとに締切があり、終わると次の公募まで半年〜1年待つケースも)
事業計画書を書く(ものづくり補助金等は計画書の質が採択率に直結。採択支援の専門家活用も検討)
電子申請する(jGrants等の国のポータルで申請。神奈川独自制度は県ポータルから)
採択通知を受け取ったら事業を実施する(採択前に発注・購入すると補助対象外になる)
実績報告書を提出する(期限内に報告しないと補助金が受け取れない。これを忘れる事業者が毎年いる)
- 採択前に設備を購入・発注する → 補助対象外
- 公募要領で定められた経費以外に使う → 返還命令
- 実績報告書を期限内に出さない → 交付取消
- 同一内容で複数の補助金に重複申請する → 不正受給
特に最初の「採択前発注」は本当によくある失敗なので、しっかり頭に入れておいてください。
一番多い失敗例です。「採択されたら設備が間に合わない」と焦って早めに発注してしまう中小企業が毎年います。補助金は原則として「採択通知後に交付決定が出てから」発注・購入しないとアウトです。焦らずに手順を守ることが大事ですよ。
まずは神奈川県よろず支援拠点がおすすめです。無料で補助金申請の相談に乗ってくれます。横浜市内なら(公財)神奈川産業振興センターや横浜市中小企業支援センターも窓口として機能しています。
神奈川県の中小企業が使える補助金・助成金、改めてまとめるとどうなりますか?
国の主要制度だけで10本以上、神奈川独自を足すとさらに増えます。特に「ものづくり補助金(最大4,000万円)」「神奈川県生産性向上促進補助金(採択率67%)」「業務改善助成金(賃上げ+設備投資の二段ロケット)」の3本が神奈川の中小企業には鉄板ですね。
そうです。補助金は「知った人が得をする」制度なので、今すぐGビズIDを取得して、次の公募スケジュールを確認するところから始めてください。まず一歩踏み出すことが大事ですよ。
よし、うちの神奈川の取引先にも教えてあげます(笑)。ありがとうございました。