室谷さん、青森県で中小企業をやってるんですけど、正直どこから手をつければいいのか全然わかんなくて(笑)。補助金って調べようとすると情報量が多すぎて……。
わかります! 青森は実は国の制度に加えて、県独自の支援がかなり手厚いんですよ。「国の制度」と「青森県独自の制度」の2層構造で考えると理解しやすいです。
そうです。国の制度はどこにいても使えるベース。青森県の制度はそれに上乗せできる「青森専用ボーナス」みたいなイメージです。今2026年度は86件が対象として登録されています。
86件! 全部チェックするのは無理ですよね(笑)。
全部申請する必要はないですよ。今の経営課題が「設備投資」「人材確保・賃上げ」「販路開拓」「脱炭素・省エネ」「知財・海外展開」のどれかを押さえれば、大体自分に合った制度が見えてきます。
| 経営課題 | 主な制度(国) | 青森県独自制度 |
|---|
| 設備投資・生産性向上 | ものづくり補助金、大規模成長投資補助金 | AX企業成長推進事業補助金 |
| 賃上げ・人材確保 | 業務改善助成金、産業保健助成金 | あおもり起業支援補助金 |
| 販路開拓・新事業展開 | 共同・協業販路開拓支援補助金 | 新事業展開等促進補助事業 |
| 脱炭素・省エネ | SHIFT事業、省エネ診断 | GX革新的技術等創出事業補助金 |
| 知財・海外展開 | INPIT外国出願補助金 | 青森県外国出願支援事業 |
この表を見てどれかピンとくるものはありますか? それを中心に深掘りしましょう。
青森県中小企業向け補助金・設備投資カテゴリ別金額比較
まず設備投資系から教えてください。青森の製造業の知り合いも多いので。
じゃあ、絶対知っておいてほしい制度が2つあります。まずものづくり補助金。正式名称は「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」です。補助上限が最大1,000万円で、製造業だけじゃなくサービス業でも使えます。
よく誤解されるんですけど、飲食業・小売業・IT系も全部OKです。革新的なサービス開発や生産プロセスの改善に使える設備投資が対象で、補助率は中小企業で1/2、小規模事業者で2/3ですね。
直近の締切だとざっくり40〜50%ってところですね。しっかりした事業計画書が書ければ十分狙えます。GビズIDを事前に取得しておくのが第一歩ですよ。
ものづくり補助金の詳細はこちらで確認できます。
大規模成長投資補助金です。こちらは補助上限が最大50億円という規模感の違う補助金で、補助率1/3以内。工場の新設や大規模設備更新をするような中堅・中小企業向けですね。青森だと製造業・食品加工業の方にはぜひチェックしてほしい。
ものづくり補助金と大規模成長投資補助金の2つで、かなりカバーされるんですね。
そうですね。それと事業再構築補助金も外せないです。新しい市場に進出したり業種を転換したりする費用を最大5億円まで支援する制度で、第十二回まで続いてます。
事業再構築補助金の詳細はこちら。
青森県中小企業向け補助金・申請フロー図
賃上げしなきゃいけないって経営者みんな言ってるんですけど、資金的に厳しいんですよ……。
そこで業務改善助成金ですよ! 厚生労働省の制度で、正式名称は「中小企業最低賃金引上げ支援対策費補助金(業務改善助成金)」。事業場内の最低賃金を30円以上引き上げて、生産性向上の設備投資をすれば、その費用の3/4〜9/10が助成されます。
そうなんです(笑)。最大600万円で、POSシステムや機械設備の導入が対象。青森の小規模事業者さんに特におすすめです。引き上げ額と人数によって助成額が変わります。
業務改善助成金の詳細はこちら。
はい、
団体経由産業保健活動推進助成金です。中小企業単独では産業医を確保しにくいですよね。事業主団体がまとめて産業保健サービスを提供する仕組みに対して助成率9/10、上限1,000万円で支援するものです。商工会や業界団体を通じて使える制度です。
詳細はこちら。
そうです。青森は商工会議所や青森県商工会連合会が窓口として機能することが多いので、まずそこに相談するのが早い。
業務改善助成金で設備投資費用を9/10回収しながら賃上げを実現できます。「賃上げしたいけどコストが怖い」という方は、まず設備投資計画と連動して考えるのが正解です。青森県よろず支援拠点(017-773-5066)に相談すれば、使える助成金を無料でアドバイスしてもらえます。
青森県独自の補助金って、国の制度とどう違うんですか?
国の制度は全国一律のルールで、青森の産業特性には必ずしも合ってないんです。でも青森県独自の制度は、りんご・農業・食品加工・観光といった地域産業に合わせて設計されてるものが多い。
まずAX企業成長推進事業補助金。2026年5月18日から公募開始予定で、新商品・新技術の開発、販路開拓、設備導入に対して補助してくれます。コースが3つあって「新事業開発枠」「販路開拓枠」「経営コスト削減コース」から選べます。窓口は公益財団法人21あおもり産業総合支援センター(017-777-4066)。
そうです。それと新事業展開等促進補助事業。これは今年度は公募終了してますが、毎年度実施されてて「販路開拓コース」と「新事業開発コース」があります。1社あたりの補助上限は数百万円規模で、青森県内の中小企業者が対象です。
共同・協業販路開拓支援補助金ってどんな補助金ですか?
国の制度で、商工会や協同組合が10社以上をまとめて販路開拓を支援するスキームに、最大5,000万円が出ます。補助率は定額または2/3。青森の商店街や産業団体がまとまって使う想定ですね。
詳細はこちら。
一社単独で申請するより採択率が上がりますし、商工会経由なら申請サポートも受けられるので敷居が下がりますよ。
青森県よろず支援拠点に相談(無料)→ 017-773-5066
自社の課題カテゴリを特定(設備投資・賃上げ・販路・省エネ等)
国の制度と青森県独自制度を組み合わせる戦略を立てる
GビズIDを事前に取得(認定支援機関不要の制度でも必要なことが多い)
認定支援機関(中小企業診断士・行政書士)と事業計画書を作成
最近「GX」とか「脱炭素」とかよく聞くんですが、中小企業には関係ない話ですよね(笑)?
いや、これが一番使いやすい補助金かもしれないですよ(笑)。省エネ診断って知ってます? 中小企業等エネルギー利用最適化推進事業という経済産業省の事業で、工場・店舗・オフィスに専門家が無料で来て、電気代・ガス代の削減方法を診断してくれるんです。
無料なんです。診断で「これを入れると年間○万円下がる」という提案をもらって、その後の設備投資に他の補助金を組み合わせるという流れ。青森みたいに寒い地域は暖房コストが大きいので、これが刺さりやすい。
それが環境省の
SHIFT事業です。工場・事業場のCO2削減計画を専門家が策定してくれて、その費用の3/4を補助、上限200万円。計画作って終わりじゃなくて、次のステップで設備更新補助金につながる導線が設計されてます。
SHIFT事業の詳細はこちら。
計画策定に補助が出るんですね。計画作ってから補助金で設備投資するという順番か。
そうです。「まず診断」「次に計画策定補助」「最後に設備投資補助」という3ステップで国全体の脱炭素支援が設計されてます。青森でもこのステップを踏んでいる企業が着実に増えています。
省エネ診断は先着順で枠が埋まりやすいです。年度初めに申し込まないと待ちが出ることも。東北経済産業局(022-221-4800)か、認定された省エネルギー診断機関に早めにコンタクトを。
青森の中小企業が海外に出るって、あまりイメージがないですけど(笑)。
実は青森、りんごや水産物など食品系で海外に強い企業が増えてるんですよ。そこで使えるのが
INPIT外国出願補助金。海外で特許・商標・意匠を権利化する費用の1/2、最大300万円を国が補助します。
INPIT外国出願補助金の詳細はこちら。
あります! 青森県が独自で実施している中小企業等外国出願支援事業。こちらも補助率1/2、上限300万円ですが、青森県内の企業向けに特化していて、特許は対象外(実用新案・意匠・商標のみ)という特徴があります。国のINPITとは別枠なので、うまく組み合わせることで受取額を増やせます。
制度によってルールが違うので、重複申請は要確認ですけど、知財のどの部分をどっちの制度でカバーするかを戦略的に考えることは十分できます。東北経済産業局の知財支援担当に相談するのがおすすめです。
| 補助金名 | 補助上限 | 補助率 | 窓口 |
|---|
| ものづくり補助金 | 1,000万円 | 1/2〜2/3 | 認定支援機関 |
| 大規模成長投資補助金 | 50億円 | 1/3以内 | 中小企業庁 |
| 事業再構築補助金 | 5億円 | 要公募要領確認 | 中小企業庁 |
| 業務改善助成金 | 600万円 | 3/4〜9/10 | 労働局 |
| 産業保健活動推進助成金 | 1,000万円 | 9/10 | 労働局 |
| INPIT外国出願補助金 | 300万円 | 1/2 | INPIT |
| 共同・協業販路開拓支援補助金 | 5,000万円 | 定額または2/3 | 商工会等 |
| SHIFT事業(CO2削減計画策定) | 200万円 | 3/4 | 環境省 |
| AX企業成長推進事業補助金 | 要確認 | 要確認 | 21あおもり |
| あおもり起業支援事業費補助金 | 要確認 | 要確認 | 21あおもり |
| 青森県外国出願支援事業 | 300万円 | 1/2 | 青森県 |
| GX革新的技術等創出事業補助金 | 要確認 | 要確認 | 21あおもり |
これだけ並ぶとすごい数ですね。どれから手をつければいいんですか?
経営課題の「痛み」が一番大きいところからです。人件費が上がってるなら業務改善助成金から、新設備を入れたいならものづくり補助金から。全部一気にやろうとするとパンクするので(笑)。
補助金って、採択されてから設備を買わなきゃいけないんですよね?
それが超重要ポイントです! 採択後発注の原則は絶対に守ってください。補助金の交付決定が出る前に発注・契約・支払いをしてしまうと、たとえ採択されても補助対象外になります。
急いで設備入れたくても待たなきゃいけないんですね……。
そうです。もう一つ言うと、補助金は後払いなんですよ。先にお金を払って、実績報告後に振り込まれる仕組み。だから申請前から資金繰り計画を立てておかないと、採択されても実行できないケースがあります。
青森の中小企業で多いのが「採択されたけど資金繰りが回せなかった」という事例です。銀行の短期融資や日本政策金融公庫の補助金つなぎ融資を組み合わせるのが現実的な対応です。
- 採択前の発注・購入・契約は補助対象外
- 申請書に虚偽の内容を記載 → 返還・ペナルティ
- 実績報告を期限内に提出しない → 補助金不支給
- 補助金収入の税務申告漏れ(補助金は課税対象)
はい。補助金は「雑収入」として課税対象です。設備投資の場合は圧縮記帳という節税スキームが使えることがあるので、税理士に相談してください。採択後の相談先として青森県税理士会(017-773-5155)がおすすめです。
無料で一番手厚いのが青森県よろず支援拠点(017-773-5066)です。中小企業診断士・税理士・社労士が複数常駐していて、どの補助金が自社に合うかをアドバイスしてもらえます。また21あおもり産業総合支援センター(017-777-4066)も補助金専門のスタッフがいます。
今日聞いてよかった〜。どれかひとつじゃなくて、組み合わせで使うのが正解なんですね。
そうです。賢い使い方は「よく使われる組み合わせ」を知ること。たとえばSHIFT事業で脱炭素計画を作って、その後にものづくり補助金で省エネ設備を入れる。業務改善助成金で賃上げしながら生産性を上げる。こういうストーリーで計画を立てると、採択されやすくなりますよ。
補助金審査官は「事業計画の一貫性」を見てます。課題があって、解決策があって、効果がある──この流れがきれいに書けてると採択率がグンと上がります。
青森は農業・食品・製造業・観光と多様な産業があって、補助金を活用できる場面がたくさんある地域です。使わなきゃ損。まず1本、応募してみることから始めてください!
- 青森県よろず支援拠点: 017-773-5066(無料・中小企業診断士常駐)
- 21あおもり産業総合支援センター: 017-777-4066(補助金専門スタッフ)
- 東北経済産業局: 022-221-4800(国の補助金全般)
- 青森県地域企業支援課: 017-734-9373(県独自制度)
- 青森労働局: 017-734-4211(雇用・賃上げ系助成金)
相談窓口もちゃんとあるんですね。よし、月内に一回相談に行ってみます!
ぜひ! 青森の事業者さんが補助金をうまく使って成長していけるよう応援しています。