室谷さん、うちの会社も栃木県に工場があるんですが、補助金って結局何種類あるんですか?多すぎてどこから手をつけたらいいか(笑)。
分かります分かります(笑)。大きく分けると「国の制度」と「栃木県独自の制度」の2軸で考えると整理しやすいですよ。国の制度は全国どこでも申請できて、件数が多い。栃木県の制度は県内の中小企業に特化している分、採択されやすい傾向があります。
なるほど!それは知らなかった。両方使えるってことですか?
使えます。ただ、同一事業で二重申請できない制度が多いので、タイミングと事業内容の切り分けが大事です。「設備投資に国の補助金、人材採用に県の支援」みたいな形で使い分けるのがセオリーですね。
特に栃木県の製造業の方なら、県独自のものづくり系補助金と国のものづくり補助金を年度をずらして組み合わせるのが鉄板です。ざっくりですが、うまくいけば年間で2,000万円クラスの補助を受けられるケースもありますよ。
| 分類 | 特徴 | 主な補助額 |
|---|
| 国の補助金 | 全国対象・競争が激しい | 数十万〜5億円 |
| 栃木県独自補助金 | 県内限定・比較的申請しやすい | 数百万〜1,000万円 |
| 市区町村の補助 | 市ごとに異なる・少額が多い | 数十万円以内 |
| 助成金(雇用関係) | 要件を満たせば原則もらえる | 数万〜600万円 |
助成金と補助金ってどう違うんですか?よく混乱するんですが。
補助金は「審査に通れば受け取れる」競争型。助成金は「要件を満たせば原則受け取れる」条件達成型です。雇用関係は厚生労働省が管轄する助成金が多くて、採用したとか賃金上げたとか、やったことの証拠を出せばOKな仕組みです。
そうなんですよ。だから「まず助成金で確実に取って、次に補助金で大きな投資に臨む」って順番がおすすめです。
栃木県中小企業向け補助金・助成金の種類と補助額比較
じゃあ実際にどの補助金が栃木の中小企業に向いてるか、具体的に教えてもらえますか?
まずは国の制度で絶対押さえておくべきものを紹介しますね。
ものづくり補助金(ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金)
ものづくり補助金は補助上限が最大1,000万円で、補助率は中小企業で1/2、小規模事業者で2/3です。栃木の製造業の方が一番よく使う制度ですね。試作品開発、設備投資、生産プロセス改善が対象になります。
1,000万円は大きいですね!採択率ってどのくらいですか?
締切によって変わりますが、ざっくり40〜50%前後が多いです。事業計画の「革新性」が審査の肝で、「どう生産性を上げるか」を数字で示せるかどうかが勝負です。
賃金引上げ計画を明示したり、データ連携や炭素削減の取り組みを盛り込むと加点されやすいです。あとGビズIDは申請の必須ツールなので、申請前に必ず取得しておいてください。取得に1〜2週間かかることがあるので注意です。詳しくは
ものづくり補助金(15次締切)の詳細ページも確認してみてください。
事業再構築補助金
第12回まで続いています。補助上限が最大5億円という超大型の制度で、新市場進出・業態転換・事業再編などが対象です。コロナ以降の経営環境の変化に対応するための思い切った投資を後押しする制度ですね。
「成長分野進出枠」「コロナ回復加速化枠」など複数の枠があって、栃木の製造業だと成長分野への転換や輸出強化の文脈で申請しやすいです。重要なのは「これまでの主事業とは明確に違う新しい取り組み」であることの証明ですね。
事業再構築補助金の詳細ページも参考にしてみてください。
業務改善助成金
「確実に取りたい」なら業務改善助成金が最強です。厚生労働省の制度で、事業場内の最低賃金を30円以上引き上げて、その賃上げに向けた設備投資をすれば、費用の3/4〜4/5が助成されます。上限は最大600万円です。
え、賃上げをすれば設備投資に助成が出るということですか?
そうです。「賃上げするためにロボットやIT機器を入れる」という構図ですね。最低賃金30円アップで補助率3/4、さらに多く上げると4/5になります。賃上げを予定している会社にとっては損がない制度です。
IT導入補助金
IT系の補助金も気になるんですが、IT導入補助金はまだありますか?
あります。ERPやPOSシステム、バックオフィス系のITツールを導入する際に費用の1/2〜3/4が補助されます。特に複数社連携で導入する場合は補助額が大きくなるんですよ。
中小企業同士で連携して申請するとお得になるわけですね。
そうです。サプライチェーン内の企業がまとめて同じシステムを入れるケースなんかに活用されています。栃木の製造業って自動車部品系のサプライヤーが多いので、そういう連携がしやすい環境ですよね。
IT導入補助金2023(複数社連携類型)の詳細で最新の公募情報もチェックしてみてください。
小規模事業者持続化補助金
従業員20人以下(商業・サービス業なら5人以下)の小規模事業者には「持続化補助金」が使いやすいです。販路開拓・宣伝・WEB制作などが対象で、上限は50万円。手続きも比較的シンプルです。
商工会議所や商工会に相談しながら申請書を作れるサポート体制があるので、補助金が初めての方にも向いています。最初の練習台として持続化補助金から始める経営者の方も多いですよ。
中堅・中核企業の経営力強化支援事業
年商が一定規模の企業向けに「中小企業支援事業補助金(中堅・中核企業の経営力強化支援事業)」があります。補助上限4億円と大きな制度で、地域の中核的な企業がグループ・連携で取り組む生産性向上や事業展開を支援します。
栃木の場合、地場の大手中小企業が地域全体を巻き込む取り組みを設計すると通りやすい。審査では「地域への波及効果」がポイントになるので、単独より連携申請の方が強いです。
中堅・中核企業の経営力強化支援事業の詳細ページで要件を確認してみてください。
栃木県独自補助金のフロー図
栃木県独自の補助金って、どんな特徴があるんですか?
国の補助金と比べると競争倍率が低くて採択されやすいです。あと栃木の産業構造に合わせた制度設計になっているので「使いやすさ」が違います。2026年度(令和8年度)に公募中の主要制度を紹介しますね。
ものづくり産業生産性向上支援補助金
栃木県の製造業向けで今一番注目すべきが「ものづくり産業生産性向上支援補助金」です。補助上限1,000万円で、2026年4月15日から6月15日まで公募中です。
そうなんですよ(笑)。違いは栃木県内の製造業限定であること、そして米国関税措置や中東情勢への対応という2026年ならではの要件が加わっていること。国際情勢を踏まえた生産設備の刷新や供給網の強靱化がテーマです。
今の経済情勢にフィットした補助金ですね。申請に加点ってありますか?
パートナーシップ構築宣言をポータルサイトで公表している事業者は審査で加点されます。これはサプライチェーン全体での賃上げ・取引適正化を宣言する制度です。宣言自体は無料なのに加点になるので、やっておく価値大です。
それは知らなかった!申請前に宣言しておけばいいんですね。
問い合わせ先は栃木県 産業労働観光部 工業振興課 ものづくり企業支援室(TEL: 028-623-3249)です。締切は2026年6月15日なので急ぎましょう。
ものづくり技術強化補助金
もう一つ、「ものづくり技術強化補助金」も同じく令和8年度公募中です。フロンティア企業枠は補助上限1,000万円(補助率1/2以内)、小規模企業枠は上限300万円で、新技術・新製品の開発支援が目的です。
そうです。試作品開発や特許取得に向けた研究開発費用が対象です。製品開発初期の「アイデアを形にする」フェーズに向いています。国のものづくり補助金が「革新的な設備投資」なら、こちらは「開発・試作フェーズ」に特化している感じです。
サーキュラーエコノミー型ビジネスモデル構築支援事業補助金
2026年度から栃木で新しく出てきたのが「サーキュラーエコノミー型ビジネスモデル構築支援事業補助金」です。上限750万円で、資源の循環利用に取り組む企業グループを支援します。
要は廃棄物を出さない循環型の生産・流通・回収モデルです。環境対応が求められる中、栃木県が2026年度から力を入れ始めている分野です。製造業・流通業・資源回収業が連携して動静脈サプライチェーンを組む取り組みに補助が出ます。
LED照明等節電促進助成金(関東圏対象)
栃木県の製造業の工場にはLED照明助成金も使えますよ。東京都中小企業振興公社が実施している制度ですが、関東圏(茨城・栃木・群馬・埼玉・千葉・東京・神奈川・山梨)の製造業が対象です。助成上限1,500万円、助成率1/2以内。
東京の制度なのに栃木でも使えるんですね、知らなかった!
意外と知られていないんですよ(笑)。大規模なLED化工事を考えている工場にはかなりお得な制度です。事前に節電診断を受けることが条件なので、まず診断から始める流れになります。詳しくは
LED照明等節電促進助成金の詳細ページをどうぞ。
| 制度名 | 補助上限 | 補助率 | 対象 | 申請難易度 |
|---|
| ものづくり補助金 | 1,000万円 | 1/2〜2/3 | 全業種中小企業 | ★★★★ |
| 事業再構築補助金 | 5億円 | 1/2〜3/4 | 中小〜中堅企業 | ★★★★★ |
| 業務改善助成金 | 600万円 | 3/4〜4/5 | 全業種中小企業 | ★★ |
| 持続化補助金 | 50万円 | 2/3 | 小規模事業者 | ★ |
| IT導入補助金 | 450万円〜 | 1/2〜3/4 | 全業種中小企業 | ★★ |
| 栃木・ものづくり産業生産性向上 | 1,000万円 | — | 県内製造業 | ★★★ |
| 栃木・ものづくり技術強化 | 1,000万円 | — | 県内製造業 | ★★★ |
| LED照明等節電助成金 | 1,500万円 | 1/2以内 | 関東圏製造業 | ★★ |
| 業務改善助成金(特例コース) | 100万円 | 最大9/10 | 中小企業 | ★ |
| 中堅・中核企業支援 | 4億円 | 定額 | 中小〜中堅企業 | ★★★★★ |
この表、めちゃくちゃ分かりやすいですね!業務改善助成金が難易度低くて補助率高いのが際立ちますね。
それが助成金の強みですよ。「申請難易度低×補助率高」が助成金の基本特性なんです。補助金は審査があって落ちる可能性がありますが、助成金は要件を満たせば原則もらえます。
そうです。「まず助成金で確実に取って、補助金の申請スキルを磨きながら大きな投資に備える」という戦略が現場ではスタンダードです。
GビズIDを事前取得する - 国の補助金はGビズIDが必須。取得に最大2週間かかるため、補助金を検討したら最初に着手
商工会議所・商工会に相談 - 栃木県内各商工会議所が補助金の申請支援を行っている。無料で使えるので必ず相談を
事業計画を数字で組み立てる - 「補助前後で売上・生産性がどう変わるか」を定量的に示す。感覚的な記述は審査に弱い
後払いの資金繰りに備える - 補助金は基本的に後払い(事業完了後に申請→入金)。事業実施中は自己資金か融資で賄う必要があるため、財務状況の確認が必須
パートナーシップ構築宣言で加点 - 栃木県のものづくり補助金では加点対象。無料で行えるので実施推奨
- 補助金の採択通知前に着手した費用は対象外になるケースが多い
- 同一事業への二重申請は禁止(同じ設備にものづくり補助金と県の補助金を同時申請はNG)
- 補助金によっては「みなし大企業」(大企業の子会社・関連会社)は対象外の場合がある
- 申請書類の作成は締切の1ヶ月前には着手する。直前に気づいても書類集めが間に合わない
栃木県中小企業が特に使いやすい3つの制度(2026年版)
- 栃木県ものづくり産業生産性向上支援補助金: 2026年6月15日締切・上限1,000万円・製造業限定
- 業務改善助成金: 賃上げと連動して設備投資に最大600万円・補助率80%・審査なし
- LED照明等節電促進助成金: 関東圏製造業対象・工場のLED化に最大1,500万円・補助率50%
栃木県なら栃木県産業振興センターや各地の商工会議所が窓口です。宇都宮商工会議所は補助金申請サポートが充実しているので、まずそこに電話してみるのが早いですよ。栃木県のものづくり系補助金は工業振興課(028-623-3249)に直接問い合わせるのもOKです。
今日は具体的な補助金名と金額、申請のコツまで聞けて、かなりクリアになりました!
栃木県は製造業が強い土地柄で、国・県の補助金の両方が手厚い。使い方を知っているかどうかで資金調達の差が出る時代です。まずは使いやすい助成金から動き始めましょう。
- 栃木県内の中小企業が申請できる補助金・助成金は国・県・市区町村合わせて94件以上(2026年4月時点)
- 国の制度と県の制度を組み合わせることで、年間数千万円規模の支援を受けることも可能
- 補助金(審査あり・競争型)と助成金(要件達成型)の両方を戦略的に活用することが重要
今日は具体的な制度名と金額まで聞けて勉強になりました。もっと幅広く探したい時はどこを見ればいいですか?
栃木県内の補助金を地域別に探したいなら
栃木県の補助金・助成金一覧が一覧で見られます。市区町村レベルの情報は各市の産業振興担当や商工会議所に問い合わせるのが確実です。