東京都の賃上げ事情と補助金活用のポイント

佐藤
編集長
室谷さん、東京都の中小企業が賃上げを検討するとき、どのような補助金制度が活用できるんでしょうか?

室谷
代表取締役
はい、東京都は最低賃金が全国最高の1,163円で、中小企業にとって賃上げのプレッシャーは大きいですね。でも、設備投資と賃金制度の整備を組み合わせることで、補助金を活用してコスト増を乗り越えながら人材定着を図ることができます。今回は、国と東京都が実施する代表的な制度を紹介します。
国の補助金:ものづくり補助金・業務改善助成金・大規模成長投資補助金

佐藤
編集長
まず国の制度から教えてください。

室谷
代表取締役
代表的なのはものづくり補助金(19次締切)です。補助上限4,000万円、補助率1/2または2/3で、革新的な設備投資を支援します。働き方改革や賃上げ、インボイス導入に対応するための試作品開発や生産プロセス改善が対象です。21次締切(2027年3月23日まで)も同様の条件で募集中です。また、20次締切(2026年12月28日まで)は上限3,500万円と、時期によって上限が変わります。

佐藤
編集長
賃上げに直接結びつく制度はありますか?

室谷
代表取締役
業務改善助成金が最適です。事業場内最低賃金を30円以上引き上げ、生産性向上のための設備投資(機械設備、POSシステム、ソフトウェア購入、店舗改装など)を行った場合、その費用の3/4~4/5(上限600万円)が助成されます。令和7年度版は締切2026年3月31日までです。

佐藤
編集長
さらに大規模な投資向けの制度も多いですね。

室谷
代表取締役
そうですね。中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金(第4次公募)は、2025年8月8日締切で上限50億円、補助率1/3以下と破格の規模です。人手不足に対応する大規模設備投資を対象に、地方での持続的な賃上げを目指します。第5次公募(2026年3月27日締切)も行われています。また、中小企業成長加速化補助金は、売上高100億円を目指す中小企業に最大5億円(補助率1/2)を支援し、第1次公募は2025年6月9日締切、第2次公募(2026年3月26日締切)も予定されています。

佐藤
編集長
小規模事業者向けには共同事業の補助金もあるんですね。

室谷
代表取締役
はい。小規模事業者持続化補助金<共同・協業型>は、地域の小規模事業者が共同で販路開拓や商品開発を行う取組を支援し、1申請者あたり最大5,000万円(補助率定額または2/3)です。第1回公募は2025年6月16日締切、第2回公募は2026年2月27日締切です。
東京都の補助金:事業環境変化対応助成金・新製品新技術開発助成金など

佐藤
編集長
続いて東京都独自の制度を教えてください。

室谷
代表取締役
まず事業環境変化に対応した経営基盤強化事業助成金(賃上げ重点コース)は、賃上げ計画の策定を前提に、補助率が中小企業3/4、小規模企業4/5(上限800万円)と非常に手厚いです。都内の中小企業なら活用でき、締切は2026年3月13日です。

佐藤
編集長
研究開発にも使える制度があるとか。

室谷
代表取締役
新製品・新技術開発助成金は、都内中小企業の研究開発を最大2,500万円(補助率1/2)支援し、賃金引上げ計画を策定・実施すれば補助率が最大4/5まで上がります。原材料費や機械装置費、委託・外注費などが対象で、締切は2025年6月5日です。

佐藤
編集長
介護事業所向けの制度もあるそうですね。

室谷
代表取締役
はい、居宅介護支援事業所事務職員雇用支援補助金(令和7年度)は、事務職員を雇用してケアマネの業務負担を軽減し、処遇改善を図る制度です。補助率3/4、上限195万円で、締切は2026年3月20日までです。
補助金選びのポイントと併用の可能性

佐藤
編集長
これらの補助金は同時に使えるのでしょうか?

室谷
代表取締役
制度によって併用ルールが異なります。例えば、国の補助金と都の補助金は目的が異なれば併用可能なケースが多いですが、同一経費に対する重複は禁止です。必ず各制度の公募要領を確認してください。また、賃上げと設備投資を組み合わせると、補助率が上がる制度も多いので、計画段階から両方を視野に入れると良いでしょう。
申請前の相談窓口・参考リンク

佐藤
編集長
最後に、申請前に相談できる窓口を教えてください。

室谷
代表取締役
東京都の制度については、TOKYOはたらくネットの「中小企業の賃金制度整備等支援事業」が参考になります。また、東京都中小企業振興公社では事業環境変化対応助成金の相談ができます。国の業務改善助成金は東京労働局の窓口で受け付けています。まずはこれらの窓口に問い合わせて、自社に最適な制度を見つけてください。

佐藤
編集長
ありがとうございます。東京都の中小企業が賃上げを実現するためには、これらの補助金を上手に活用することが重要ですね。