岩手県で中小企業が使える補助金・助成金の全体像
岩手県の中小企業向け補助金申請フロー図
岩手県で中小企業をやってるんですけど、補助金ってどこから手をつければいいんですかね。種類が多すぎて正直どれが自分に使えるのかよくわからなくて。
わかります(笑)。まず大きく2種類あって、国が全国一律で実施している補助金と、岩手県独自の補助金に分けて考えると整理しやすいです。岩手県内の中小企業が使える制度を数えると、国の制度だけでも常時50件以上、岩手県や市町村の独自制度を含めると相当な数になります。
はい。しかも岩手県は製造業、農業関連、観光業、水産加工業など産業が多岐にわたるので、業種別に使える補助金も豊富です。特に岩手県産業経済交流センターや岩手よろず支援拠点、岩手県商工会連合会が無料で補助金相談を受け付けているので、まずそこに相談しに行くのが一番の近道です。
無料なんですか!それはいいですね。どんな補助金が主流なんですか?
大きく5カテゴリに分けると、①設備投資・生産性向上系、②賃上げ・雇用系、③事業承継・M&A系、④海外展開・知財系、⑤脱炭素・省エネ系です。それぞれにいくつか主要な補助金があって、岩手の中小企業はこれらを組み合わせて活用しています。
原則として同じ費用に2つの補助金を重複申請はできないんですが、時期をずらしたり、設備投資には国の補助金、賃上げには助成金と目的別に使い分けることはできます。岩手の経営者で上手く活用している人は毎年2〜3本の補助金を申請していますよ。
岩手県の中小企業向け主要補助金【設備投資・生産性向上】
まず設備投資系から教えてもらえますか。岩手だと製造業が多いですよね。
そうですね。製造業の中小企業が一番使いやすいのはものづくり補助金です。正式名称は「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」で、設備投資の上限が4,000万円、補助率は1/2か2/3です。岩手の製造業だと農業機械のメーカーとか食品加工設備の導入でよく使われています。
4,000万円は大きいですね!誰でも申請できるんですか?
中小企業者・小規模事業者なら業種問わず申請できます。製造業に限らず、飲食業や小売業も使えますよ。ポイントは「革新的な取り組み」かどうかです。今までと同じ設備の更新だけではなく、生産プロセスの改善や新サービスの開発を含む必要があります。詳しくは
ものづくり補助金の詳細ページをご確認ください。
ざっくり40〜50%程度ですね。直近の公募では応募全体のだいたい半分が採択されています。審査では事業計画書の質が問われるので、認定支援機関に相談しながら書くのが必須です。
税理士、中小企業診断士、商工会議所、金融機関などが認定を受けた「事業計画の専門家」です。岩手県だと盛岡商工会議所とか、岩手銀行系の経営相談窓口が有名ですね。費用は無料か低額のことが多いです。
現在は21次締切が公募中です。補助上限は4,000万円で、小規模事業者や再生事業者の補助率は2/3です。グローバル展開や設備の高度化を伴う場合はさらに上限が上がります。岩手の中小企業はGビズIDプライムを事前に取得しておくことが必須で、取得に2〜3週間かかるので早めに動きましょう。
詳細はこちら
そうなんです!これを知らずに公募締切直前に気づく人が多くて(笑)。最優先でやっておくべき準備です。
もっと大型の補助金はないんですか?成長させたいなら思い切って大きな投資もしたいんで。
そういう企業向けには
大規模成長投資補助金が最大50億円です。正式には「中堅・中小・スタートアップの賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金」で、工場新設や大型設備導入が対象です。補助率は1/3以下ですが、50億円まで出るので規模感が全然違います。
大規模成長投資補助金の詳細
使えます。ただし、採択には相当しっかりした事業計画が必要で、「地域の雇用維持・賃上げへの貢献」が重要な審査ポイントになります。岩手みたいに人口減少が課題の地方でこそ、地域雇用への貢献を強調することで加点が期待できます。
あと「売上高100億円を目指す」補助金があると聞きましたが、それも岩手で使えますか?
はい、中小企業成長加速化補助金ですね。補助上限5億円、補助率1/2で、「100億宣言」を公表していることが条件です。岩手の有力な中小企業がこれを使って大きく飛躍する例も出てきています。
成長加速化補助金の詳細
岩手県の中小企業向け補助金【賃上げ・雇用支援】
主要補助金の補助上限額比較
賃上げに使える補助金ってどんなものがありますか?岩手は最低賃金の引き上げ圧力もありますよね。
業務改善助成金は賃上げ支援の中でもっとも手厚い制度です。事業場内最低賃金を30円以上引き上げて、設備投資等を行うと最大600万円、補助率3/4〜4/5が助成されます。岩手の最低賃金水準が低めの事業者ほど補助率が上がるのがポイントです。
業務改善助成金の詳細
2024年10月改定で952円になりました。950円未満だと助成率が9/10になるので、ここ数年で急に手厚くなった感じがあります。去年から今年にかけて岩手でも多くの中小企業が申請しています。
そうなんです。設備投資でコストを下げて、その分を賃上げに回すという良いサイクルができます。POSシステム導入、省力化機械の設置、ICT化など幅広い投資が対象です。厚生労働省の制度なので、都道府県労働局に申請します。
ありますよ!「中小企業者等賃上げ環境整備緊急支援事業費補助金(賃上げ補助金2.0)」というのが令和8年度も実施されています。通常枠、複数事業者連携枠、デジタル活用枠の3枠があって、補助率は2/3、上限200万円です。
200万円か。ものづくり補助金と比べると小さいけど、使いやすそうですね。
そうです!ものづくり補助金は審査が厳しく事業計画書の作り込みが大変ですが、こちらは比較的ハードルが低いです。商工会や商工会議所を通じて申請できるのも助かります。複数事業者連携枠は岩手県中小企業団体中央会が公募を担当していますよ。
採用が難しくて困ってる企業も多いと思うんですが、人材確保系の補助金はありますか?
「地域の人事部支援事業」という面白い仕組みがあります。複数の企業が連携して「地域の人事部」を構築し、共同で採用・育成・定着を支援する取り組みに補助金が出ます。上限1,300万円、補助率2/3です。岩手みたいに一社で人事担当者を置けない中小企業が多い地域では特に効果的な仕組みですよ。
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岩手県の中小企業向け補助金【事業承継・M&A支援】
事業承継の問題が深刻な岩手ですけど、そこでも使える補助金があるんですよね?
岩手は高齢化と後継者不足が全国的に見ても深刻ですよね。事業承継・M&A補助金は今まさに活用されている制度で、4つの枠があります。
はい。まず「事業承継促進枠」は承継後の設備投資や販路開拓に最大1,000万円、補助率2/3です。次に「専門家活用枠」はM&Aの仲介費用や顧問料に最大800万円出ます。「PMI推進枠」はM&A後の統合プロセスに最大1,000万円。そして「廃業・再チャレンジ枠」はM&Aが成約できなかった事業者の廃業→再起に最大300万円です。
一部は併用できます。岩手の中小企業で特に使われているのは専門家活用枠で、M&A専門家への報酬がけっこうかかるので助かると言う声をよく聞きます。承継する側・される側、どちらも申請できますよ。
事業承継補助金の詳細
- 認定支援機関(税理士・中小企業診断士等)の確認が必須
- 申請前にM&A着手の事実を証明できる書類を準備
- 廃業・再チャレンジ枠は2020年以降のM&A着手が条件
- PMI推進枠は事業統合完了後の設備投資も対象
岩手県の中小企業向け補助金【海外展開・知財】
岩手の企業って海外展開してるんですか?農業とか観光はわかるんですが。
増えていますよ!岩手の食品・農産品(りんご、南部鉄器、岩手牛など)は海外での評価が高くて、アジアへの輸出を考える企業が増えています。そういう企業向けにINPIT外国出願補助金があって、海外で特許・商標を取るときに費用の1/2(上限300万円)が補助されます。
南部鉄器みたいに模倣品が出てきやすい伝統工芸品を作っている企業には特に重要な制度です。台湾や韓国、中国での商標登録費用がかなり高額になるので、この補助金の活用は実質必須に近いです。
外国出願補助金の詳細
「貿易プラットフォーム活用による貿易手続デジタル化推進事業費補助金」もあって、電子的な貿易手続きシステムの導入に最大2,000万円、中小企業補助率2/3です。輸出入業務のデジタル化を進めたい岩手の中小企業に活用されています。
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岩手県の中小企業向け補助金【脱炭素・省エネ】
そうですね。「SHIFT事業」というのがあって、工場・事業場のCO2削減計画を策定するコンサルティング費用に最大200万円、補助率3/4が出ます。岩手の製造業や建設業で活用が進んでいます。
SHIFT事業の詳細
そうです。「まずはどこを削減できるか調べる」段階に補助金が出るので、ハードルが低いです。計画を作ったら、次のステップで設備導入の補助金(省エネ設備補助等)につながっていくイメージです。
岩手は再生可能エネルギーのポテンシャルが高い地域でもあるので、脱炭素系の補助金は今後も充実していくと思いますよ。
補助金の横断比較テーブル
| 補助金名 | 補助上限 | 補助率 | 主な対象 | DB詳細 |
|---|
| ものづくり補助金(21次) | 4,000万円 | 1/2〜2/3 | 設備投資・革新的サービス開発 | 詳細 |
| 業務改善助成金 | 600万円 | 3/4〜4/5 | 賃上げ+設備投資 | 詳細 |
| 大規模成長投資補助金 | 50億円 | 1/3以下 | 大型設備投資・工場新設 | 詳細 |
| 事業承継・M&A補助金(促進枠) | 1,000万円 | 2/3 | 承継後の設備・販路投資 | 詳細 |
| 事業承継・M&A補助金(専門家活用枠) | 800万円 | 2/3 | M&A仲介費用 | 詳細 |
| 事業承継・M&A補助金(PMI枠) | 1,000万円 | 2/3 | M&A後の統合投資 | 詳細 |
| 事業承継・M&A補助金(廃業・再挑戦枠) | 300万円 | 2/3 | 廃業後の再起 | 詳細 |
| 中小企業成長加速化補助金 | 5億円 | 1/2 | 100億宣言企業の大型投資 | 詳細 |
| INPIT外国出願補助金 | 300万円 | 1/2 | 海外特許・商標取得 | 詳細 |
| 地域の人事部支援事業 | 1,300万円 | 2/3 | 複数社連携の人材採用・育成 | 詳細 |
| SHIFT事業(CO2削減計画) | 200万円 | 3/4 | 脱炭素計画策定コンサル | 詳細 |
| 貿易デジタル化推進補助金 | 2,000万円 | 2/3 | 電子貿易手続き導入 | 詳細 |
| 岩手県賃上げ補助金2.0(通常枠) | 200万円 | 2/3 | 岩手県内中小企業の賃上げ | 岩手県公式 |
| 事業再構築補助金(成長分野進出枠・コロナ回復加速枠) | 7,000万円 | 公募要領参照 | 新分野進出・事業転換・業種転換 | 詳細 |
14種類!すごい数ですね。自分に合ったものを選ぶのが大変そうですが。
そのためにも岩手よろず支援拠点を使ってほしいです。無料で専門家が状況を聞いてどの補助金が適合するかを教えてくれます。電話番号は019-631-3826(平日9時〜17時)で予約できます。
申請のポイントと注意事項
- 後払いが原則: 補助金は支出後の精算。一時的な資金繰りが必要(銀行への短期融資を事前に相談)
- 採択されても不交付になるケース: 事業内容が変わった場合や経費の使い方が規程に違反した場合は交付取消
- 転用禁止: 補助金で購入した設備は5〜6年間、目的外に使えない。処分するには事前許可が必要
後払いって、お金を先に出してから補助金が入ってくるんですか?
そうです!これ、意外と知らない人が多くて。ものづくり補助金だと設備を先に買って、実績報告して、それから補助金が振り込まれます。資金繰りが一時的にキツくなるので、銀行に補助金采択通知書を見せて短期融資を引いておくのが岩手の賢い経営者の定番です。
もう一つ大事なのが加点制度。賃上げを表明している、事業継続力強化計画(BCP)を策定している、DX・グリーン推進宣言をしているなど、採択率を高める加点要素があります。これらは事前に準備できるので、申請前に全部揃えるのが岩手の補助金上手な事業者の共通点です。
まとめ
今日は本当にためになりました!岩手県の中小企業向け補助金ってこんなに種類があったんですね。
使わないともったいないです(笑)。岩手は農業・製造・観光・水産と産業が幅広いぶん、それぞれの業種に合った補助金が豊富にあります。まず岩手よろず支援拠点か商工会・商工会議所に相談して、自社の状況に合った補助金を絞り込んでみてください。
最後に、一番最初にやるべきことを教えてもらえますか?
GビズIDプライムの取得です。これがないとjGrantsから電子申請できないので、補助金申請そのものができません。
gBizID公式サイトから今すぐ申請してください。取得に2〜3週間かかるので、補助金の公募が始まってから動くと間に合わないことが多いです。
- 岩手よろず支援拠点(無料)TEL 019-631-3826 / 平日9時〜17時
- 岩手県商工会連合会(無料)TEL 019-622-4165 / 盛岡市盛岡駅西通
- 盛岡商工会議所(認定支援機関)/盛岡市内の中小企業支援
- 岩手銀行・北日本銀行(経営相談、補助金申請支援)
ありがとうございました!岩手の中小企業を応援する制度がこんなにあるとは知りませんでした。
ぜひ活用してください!岩手の中小企業が元気になることが地域全体を底上げしますから、諦めずに挑戦してほしいです。