鹿児島県 中小企業 主要補助金 比較表
室谷さん、鹿児島って焼酎や黒豚、錦江湾の海産物と地場産業が多様じゃないですか。中小企業向けに使える補助金って、正直どれくらいあるんですか?
かなり充実してますよ!国の制度だけで常時30件前後あって、鹿児島県の独自制度と合わせると91件以上が当データベースに登録されています。農業・食品加工・観光・製造業と産業が多様なぶん、業種ごとに使えるものがそれぞれある。
そんなにあるんですか!どこから手をつければいいのか、ちょっと迷いそうですね(笑)。
ですよね。だからまず「国の制度」と「鹿児島県独自の制度」に分けて考えるのが最初のステップです。国の制度は全国どこでも使えて補助額が大きい分、採択競争が激しい。県の制度は補助額は小さめでも、県内企業だけが対象なぶん相対的に通りやすい傾向があります。
そうです。さらに用途を「設備投資・DX」「販路開拓・海外展開」「賃上げ・省力化・雇用」「事業承継・M&A」「知財」の5つに分けると、自社にどれが合うか一目でわかります。
| カテゴリ | 代表的な制度 | 補助上限の目安 | 難易度 |
|---|
| 設備投資・DX | ものづくり補助金、省力化投資補助金 | 最大4,000万円 | 中〜高 |
| 販路開拓・海外展開 | 持続化補助金、海外商談会出展補助金 | 最大200万円〜 | 低〜中 |
| 賃上げ・省力化 | 業務改善助成金、大規模成長投資補助金 | 最大600万円〜50億円 | 低〜高 |
| 事業再構築 | 事業再構築補助金、中小企業成長加速化補助金 | 最大1.5億円〜5億円 | 高 |
| 事業承継・M&A | 事業承継・M&A補助金 | 最大1,000万円 | 中 |
| 知財・海外出願 | INPIT外国出願補助金 | 最大300万円 | 低〜中 |
| 鹿児島県独自 | DX推進補助金、食品製造業自動化補助金 | 最大400万円〜1,000万円 | 低〜中 |
なるほど。これを見ると、鹿児島に来てる社長さんが「ものづくり補助金しか知らない」ってなるのも分かる気がします(笑)。
よくあるんですよ、それ。ものづくり補助金しか知らない社長さんに「実は事業承継のタイミングでM&A補助金が使えますよ」って話すと、目が丸くなる(笑)。
鹿児島県 中小企業 補助金申請の流れ
1. ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(ものづくり補助金)
まず一番有名なものづくり補助金から教えてください。
経済産業省が実施する中小企業・小規模事業者向けの代表格ですね。革新的な設備投資や試作品開発、生産プロセス改善が対象で、補助上限は最大4,000万円、補助率は1/2または2/3です。21次締切まで継続公募されていて、常にどこかの回が受付中という状況が続いてます。
黒豚の食肉加工ラインの自動化、醸造設備の省エネ化、農産物の選別機導入...食品・農業系の設備投資が多いですね。製造業はもちろん、サービス業でも「新しい形態のサービスを開発するための設備」があれば対象になります。採択率はざっくり40〜50%台ですが、事業計画書のクオリティで大きく変わります。詳細は
ものづくり補助金の詳細ページをご覧ください。
だから事業計画書を一人で書こうとしないことが大事です。鹿児島県内にいる認定経営革新等支援機関(認定支援機関)に相談するのが一番の近道ですよ。
2. 事業再構築補助金(第十一回〜第十三回)
事業再構築補助金も聞きますよね。最大1.5億円という大きな金額ですけど、どんな会社が使えるんですか?
新市場進出、事業・業種転換、事業再編などの「思い切った事業の立て直し」に使える制度です。第十一回〜第十三回が交付申請中で、成長分野進出枠や卒業促進枠など複数の類型があります。鹿児島で多いパターンだと、観光業が農業体験ツアーに新展開したり、製造業が飲食・小売に進出したりするケースで使われています。
ただ補助率が1/2〜2/3なので、自己負担も相応に必要です。5,000万円以上の設備投資を伴う事業転換に本気で取り組む企業向けのイメージですね。詳細は
事業再構築補助金のページで確認を。
3. 小規模事業者持続化補助金
もっと規模の小さい会社だとどれがいいですか?従業員5人以下くらいの小さな会社です。
それなら持続化補助金が一番使いやすいですよ。商工会・商工会議所のサポートを受けながら申請する制度で、販路開拓や業務効率化が対象。補助上限は通常50万円、インボイス特例などを活用すると最大200万円まで上がります。補助率2/3なので、実質的な自己負担は少ない。
鹿児島の離島や農村地域の小規模事業者さんにも使いやすい設計になってます。近くの商工会か商工会議所に相談に行くだけでサポートが受けられるので、まず窓口に行ってみることをお勧めします。
4. 中小企業省力化投資補助金
人手不足って鹿児島も深刻ですよね?省力化向けの補助金ってありますか?
経産省の省力化投資補助金がまさにそれで、人手不足解消のための設備導入を支援します。補助上限は最大1億円、補助率1/2〜2/3です。カタログに掲載された汎用製品(自動搬送ロボット、自動清掃機など)から選ぶ「カタログ型」と、個別設備を申請する「一般型」があります。
カタログから選べばいいので申請のハードルが下がるんですよ。農業・水産業が多い鹿児島だと、収穫支援ロボットや仕分け機械の導入で活用している事業者も増えています。
5. 大規模成長投資補助金(省力化等)
中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金ですね。第5次公募(令和7年度補正)は受付を終了しましたが、次回公募に向けた準備として今から計画を立てている企業が多い。補助上限は最大50億円、補助率は1/3以下と国内最大級のスケールです。工場の新設や大型設備投資を伴う省力化投資が対象で、採択されれば地元の雇用創出・賃上げとのセットで評価されます。
50億円!これはちょっと別格のレベルですね(笑)。
そうです。地域に大きなインパクトをもたらす投資ができる規模の中堅企業向けです。鹿児島の水産・食品・農業関連の中堅どころならポテンシャルはあります。
6. 中小企業成長加速化補助金
「将来100億円企業を目指す」という条件があると聞きましたが?
そうなんです(笑)。この補助金は売上高100億円を宣言した中小企業が大胆な投資をするのを支援します。第2次公募は終了しましたが、次回に備えた情報収集は今すぐ始めた方がいい。補助率1/2以内、上限5億円という破格の規模です。鹿児島の中堅企業が県外・海外に打って出る投資に使える制度ですね。
100億宣言が前提条件なのか...(笑)ちょっとハードル高そうですね。
ただこの宣言自体は書面1枚なので、宣言できる規模感の会社ならまず手を挙げてみることですよ。
7. 業務改善助成金
助成金の話もしてほしいんですけど、まずどれがおすすめですか?
業務改善助成金は鹿児島の中小企業に一番使ってほしい制度ですね。最低賃金の引き上げと設備投資をセットで支援します。引き上げた金額に応じて最大600万円まで助成され、補助率は9割まで上がる。申請のハードルが補助金より低いので、まず確実に使える助成金として抑えてほしいです。
しかも最低賃金を一定額引き上げるのが条件なので、人材確保にもつながる。鹿児島は最低賃金が全国的に見ると低い水準なので、引き上げることで地元の人材確保競争でも優位に立てます。
8. 事業承継・M&A補助金
深刻ですよ。後継者不足で廃業を考えている会社が多い。事業承継・M&A補助金はそのタイミングを支援する制度で、
事業承継促進枠なら設備投資や新たな取り組みに最大1,000万円、M&Aの専門家活用費用なら最大800万円が補助されます。承継をきっかけにリブランドや設備更新をする鹿児島の飲食・小売事業者での活用が増えています。詳細は
事業承継・M&A補助金のページを参照ください。
M&Aってハードル高そうだけど、専門家費用も補助してくれるのは助かりますね。
FAやM&A仲介会社への費用も出るのが大きいです。売り手も買い手もどちらも使えます。廃業よりもM&Aで次世代に引き継ぐという選択肢を考えている社長さんには絶対に知っておいてほしい制度です。
9. INPIT外国出願補助金
海外展開を考えている会社向けの補助金ってどんなものがありますか?
INPITの外国出願補助金は、海外で特許・商標・意匠の権利を取る費用を補助します。補助率1/2、上限300万円(第2回公募)で、鹿児島の焼酎メーカーや農産物加工業者で海外ブランド保護に活用する事例が増えています。令和8年度の第2回も公募中です。詳細は
INPIT外国出願補助金のページで確認できます。
焼酎の海外ブランド保護...確かに偽物対策にもなりますもんね(笑)。
そうなんです。海外で「KAGOSHIMA SHOCHU」として商標を取っておかないと、現地の業者に先に取られてしまうケースもあります。早めに動くことが大事です。
10. 酒類業振興支援事業費補助金
鹿児島は焼酎大国だから、酒類向けの補助金もあるんですか?
あります!国税庁が実施する酒類業振興支援事業費補助金ですね。海外展開支援枠は上限1,000万円、新市場開拓枠は上限500万円、補助率1/2です。輸出や新製品開発のための設備投資・マーケティングが対象で、鹿児島の焼酎メーカーにとってはかなり使いやすい制度です。詳細は
酒類業振興支援補助金のページをご覧ください。
そうです。海外でのプロモーション費用や輸出パッケージの開発費用も対象になりますから、輸出を考えている蔵元はぜひ検討を。
11. かごしま中小企業DX推進事業費補助金(鹿児島県独自)
まず注目してほしいのが、かごしま中小企業DX推進事業費補助金です。鹿児島県が国の物価高騰対応交付金を活用して設けた制度で、県内中小企業のデジタル技術導入を支援します。補助率3分の2、上限400万円で、1次募集は2026年6月19日(金曜日)締切です。
令和8年度の新設制度なので競合が少なく、今が狙い目です。条件はITベンダーまたは認定支援機関と共同で事業計画書を作ること。事業の用途は①デジタル技術導入による生産性向上、②新製品・技術開発や販路開拓、③多能工化に向けた人材育成の3つです。
12. 食品関連製造業 生産工程自動化・省力化等支援事業(鹿児島県独自)
はい、鹿児島県が独自に設けている制度で、食品関連製造業の生産工程自動化・省力化を支援します。補助率3分の2、上限1,000万円です。令和8年度は2026年5月29日が申請〆切でした(次回公募に注目)。省力化機械・システムの導入、品質管理の見える化、物流の効率化なども対象になります。
焼酎蔵でも黒豚のブランド加工場でも使えるわけですね。
まさに。鹿児島らしい食品産業向けに特化した制度です。専用ホームページが設けられているので、食品関連の製造業者さんは毎年公募情報をチェックしておくといいですよ。
13. 海外商談会出展支援事業(鹿児島県独自)
海外販路を開拓したい中小企業向けに、県の制度はありますか?
鹿児島県の海外商談会出展支援事業補助金があります。令和8年度も公募が開始されています。県が指定する海外商談会に出展する際の旅費・出展費用の一部を補助する制度です。鹿児島の農産物・水産物・加工食品の海外販路開拓に使われています。
鹿児島から直接世界に打って出るためのサポートですね!
そうです。県の産業政策課が情報を持っているので、海外展開を考えているなら必ず問い合わせてみてください。
14. ものづくり中核企業生産革新支援事業(鹿児島県独自)
ものづくり中核企業生産革新支援事業という制度があります。令和8年度の公募も行われています(令和8年5月29日〆切)。県内のものづくり中核企業が生産プロセスの革新に取り組む際の設備投資や技術開発を支援する制度で、地元製造業の競争力強化が狙いです。詳細は鹿児島県産業政策課に問い合わせを。
鹿児島は焼酎や農産品の加工だけじゃなく、半導体・電子部品関連の製造業も育ってきていますから、活用の幅はかなり広いと思います。
15. IT導入補助金(デジタル化AI導入補助金)
ITの話でいうと、IT導入補助金(デジタル化AI導入補助金)も鹿児島で使えますよね?
使えます。業務効率化やセキュリティ対策のためのITツール導入を支援する制度で、補助額は5万〜450万円、補助率1/2〜4/5です。鹿児島の農業・水産業・観光業でも、会計ソフトや在庫管理システムを導入する際に使っている事例が多い。比較的申請のハードルが低い制度なので、DX初めの一歩として最適です。
補助率最大4/5って、ほぼ補助金が全額持ってくれるような感覚ですね!
そうですよ。ただしIT導入補助金対応のITベンダーから購入することが条件なので、まずIT導入支援事業者のリストを確認してください。
鹿児島の中小企業が補助金を使いこなすための3つの視点
- 食品・農業・観光の複合産業特性を活かす: 焼酎・黒豚・水産物など鹿児島の一次産品は海外でのブランド価値が高い。INPIT補助金×酒類補助金×海外商談会補助金を組み合わせて海外展開をフルサポートできる
- 県独自制度はタイミングが命: DX補助金・食品製造業補助金など鹿児島独自の制度は予算上限に達すると締切が早まる。公募開始直後に動くのが鉄則
- 認定支援機関の早期確保: 事業計画書の質が採択を左右する。鹿児島商工会議所・鹿児島よろず支援拠点・金融機関の専門家に早めに相談すること
複数の補助金を組み合わせることってできるんですか?
できます。ただし同じ経費に二重で申請するのは禁止です。たとえば設備投資でものづくり補助金を使い、海外展開でINPIT補助金を使うのは全く問題ない。「事業の局面ごとに別の補助金を当てる」イメージで計画すると良いですよ。
GビズIDを事前取得する
国の補助金は電子申請が原則で、GビズIDが必須。取得まで2〜4週間かかるので今すぐ申請を
認定支援機関に早めに相談する
補助金の採択率は事業計画書の質次第。鹿児島商工会議所や鹿児島よろず支援拠点に相談を
公募スケジュールを把握する
締切を過ぎると翌回まで待つことに。補助金ポータルを定期チェック
自社の投資計画と合わせる
補助金は「後払い」が基本。先に経費を支払って後から補助金が入る。資金繰りを事前に確認
申請書類を早めに準備する
履歴事項全部証明書・納税証明書など公的書類の取得に時間がかかる
国が発行するデジタルの事業者証明書みたいなものです。ものづくり補助金も事業再構築補助金も、ほぼ全ての国の補助金申請にGビズIDが必要です。取得まで時間がかかるので、補助金を使おうと思ったら最初にやることが「GビズID取得」です。
最低4週間かかるなら、確かに早めに動かないといけませんね(笑)。
「申請直前に取得しようとしてタイミングを逃した」という方が本当に多い。今すぐ取得しておいて損はないですよ。
- 後払いが原則: 補助金は原則として経費を支払った後に申請・受給する仕組み。先に自己資金を用意しておく必要がある
- 採択後も気が抜けない: 採択されても実績報告書の提出や証憑書類の管理を怠ると補助金が取り消される
- 重複申請は禁止: 同一経費への二重申請は禁止。申請前に自社の他の補助金受給状況を確認
- 補助対象外経費に注意: 土地取得費・人件費(一部例外あり)など補助対象外になる経費がある。公募要領を必ず確認
採択されても実績報告が必要なんですね。もらって終わりじゃないか(笑)。
そうなんです。これをよく分かっていない方が多い。採択から補助金が実際に振り込まれるまで1年以上かかることも珍しくないので、補助金はあくまで「投資を後押しするもの」で、補助金目当てで事業計画を作るのは本末転倒です。
補助金のことを相談するなら、鹿児島のどこに行けばいいですか?
| 相談先 | 特徴 | 問い合わせ |
|---|
| 鹿児島よろず支援拠点(かごよろ) | 国が設置する無料経営相談所。補助金全般の相談可 | 099-219-3740 |
| 鹿児島商工会議所 | 持続化補助金の申請サポートに強い | 099-225-9511 |
| 各地域の商工会 | 地域の小規模事業者向けサポート | 最寄りの商工会へ |
| 鹿児島県産業立地・外資誘致室 | 企業立地・設備投資相談 | 099-286-2946 |
| 金融機関(鹿銀・南銀等) | 補助金申請サポート+融資との組み合わせ相談 | 各金融機関の法人窓口 |
完全無料ですよ。しかも補助金の申請サポートだけじゃなく、経営全般の相談に乗ってくれます。初めて補助金を検討する社長さんには、まずよろず支援拠点に行ってみることを強くお勧めします。予約制なので電話してから行ってください。
ありがとうございます。改めて聞いてみて、鹿児島の中小企業って補助金を活用する機会がかなりたくさんあるんだなって実感しました。
本当にそうなんです。ものづくり補助金・事業再構築・省力化投資といった国の大型制度から、鹿児島県独自のDX補助金・食品製造業補助金まで、組み合わせればかなりの事業投資を後押しできます。大事なのは「いつか使おう」ではなく、投資計画と補助金のスケジュールを合わせること。今すぐGビズIDを取って、よろず支援拠点か商工会議所に相談するところから始めてみてください。
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