鳥取県の中小企業が今すぐ使える補助金・助成金の全体像

鳥取県の中小企業が使える主要補助金 比較図
鳥取県の中小企業が使える主要補助金 比較図
佐藤

佐藤

編集長

室谷さん、鳥取県で経営してる中小企業って、補助金ってどのくらいあるんですかね?ちょっと調べてみたら思ったより多くてびっくりしました。
室谷

室谷

代表取締役

ほんとに多いですよ。国の制度だけで20件以上、鳥取県独自の制度も合わせると80件以上使えるものがあります。知らなくて損してる経営者、めちゃくちゃ多い(笑)
佐藤

佐藤

編集長

えっ、80件以上!? 鳥取って人口少ないイメージがあったので、そんなにあるとは思ってなかったです。
室谷

室谷

代表取締役

実は逆なんですよね。人口が少ないから、県が中小企業の支援に力を入れてる。鳥取県は全国最少の人口規模なんですが、だからこそ中小企業が雇用の柱という意識が強くて、県独自の支援が手厚いんです。
佐藤

佐藤

編集長

なるほど! 人口少ないことが逆にメリットになってるんですね。具体的にはどんな種類に分かれてるんですか?
室谷

室谷

代表取締役

大きく分けると「設備投資系」「人材・賃上げ系」「海外展開系」「事業再構築系」の4カテゴリです。それぞれに国の制度と県独自の制度があって、うまく組み合わせると相当な支援を受けられます。
カテゴリ代表的な制度補助上限
設備投資・省力化ものづくり補助金、省力化投資補助金4,000万円〜50億円
人材・賃上げ業務改善助成金、最低賃金引上げ対策600万円
海外展開・知財INPIT外国出願補助金、鳥取県海外ビジネス支援補助金300万円〜1,000万円
事業再構築・成長事業再構築補助金、中小企業成長加速化補助金7,000万円〜5億円
佐藤

佐藤

編集長

設備投資で50億円ってすごいですね。これ本当に鳥取の中小企業でも使えるんですか?
室谷

室谷

代表取締役

使えます! ただし、上限50億円の省力化投資補助金は「大規模成長投資」向けなので、工場新設とか大型の設備投資が前提になります。ざっくり言えば、10億円以上の投資をする会社向けですね。一般的な中小企業だと、ものづくり補助金の上限4,000万円の方が現実的だと思います。
佐藤

佐藤

編集長

ものづくり補助金、よく聞きますけど、実際のところ採択されやすいですか?
室谷

室谷

代表取締役

直近の採択率は40〜50%程度です。「採択率50%か、高いな」と思うかもしれないけど、申請する段階で事業計画書をしっかり書けている前提なので、準備不足で出すと当然落ちます。私が見てきた範囲では、補助金専門の支援機関に相談した企業の採択率は、そうでない企業の1.5倍くらい高い印象です。

鳥取県中小企業向け【設備投資・省力化】補助金の詳細

佐藤

佐藤

編集長

じゃあまず、設備投資系から詳しく教えてください! 製造業で機械を入れ替えたいっていう相談が多いんじゃないかと思って。
室谷

室谷

代表取締役

設備投資系のメイン中のメインは、ものづくり補助金です。製造業の機械設備、ITシステム、試作品開発なんでも対象で、補助上限4,000万円、補助率は1/2または2/3。中小企業なら補助率2/3が基本なので、6,000万円の設備投資なら4,000万円戻ってくる計算です。
佐藤

佐藤

編集長

それは大きいですね。今も公募してますか?
室谷

室谷

代表取締役

21次締切が進行中です。ものづくり補助金は年に数回締切があって、基本的に通年申請できると思ってもらって大丈夫です。ただGビズIDを事前に取得しておく必要があるので、申請する2〜3週間前には取っておいてください。GビズIDは無料なんですが、申請から発行まで時間がかかるので締切直前に慌てても間に合わないことがあります。
佐藤

佐藤

編集長

GビズID、よく名前は聞きます。具体的にどう使うんですか?
室谷

室谷

代表取締役

Jグランツというポータルで電子申請するときに必要なIDです。ものづくり補助金に限らず、国の補助金の多くがJグランツ経由の申請なので、1回取得すれば使い回せます。
佐藤

佐藤

編集長

なるほど、共通IDみたいなものなんですね。ものづくり補助金の他に設備投資系でおすすめは?
室谷

室谷

代表取締役

省力化投資補助金(大規模成長投資)が5次公募をやっています。これは補助上限50億円と桁違いの規模で、工場の新設や大規模な自動化設備の導入が対象。補助率は1/3以下ですが、大型投資なら絶対に検討する価値があります。
佐藤

佐藤

編集長

50億円ってもう中小企業の話じゃない気がしてきました(笑)
室谷

室谷

代表取締役

確かに50億円フルに使う企業は少ないですけど、上限が高いだけで小さい投資でも申請できますよ。2〜3億円の設備投資でも対象になりえます。ただ「賃上げ計画」を必ず盛り込む必要があって、採択後に賃上げを実現できないと補助金の返還を求められる可能性があるので、そこだけは注意です。
佐藤

佐藤

編集長

賃上げと紐付いてるのか。人手不足の解消にもなるし、理にかなってますね。
室谷

室谷

代表取締役

そう。鳥取って人手不足が深刻な地域なので、省力化投資→生産性向上→賃上げというサイクルを作れれば、県としても補助金を出す意義があるんですよね。

鳥取県が独自に持つ中小企業支援制度

佐藤

佐藤

編集長

鳥取県独自の補助金って何がありますか? 国の制度は他の都道府県でも使えるし、鳥取ならではのものを知りたいです。
室谷

室谷

代表取締役

鳥取県の独自制度でまず紹介したいのが、海外ビジネス支援補助金(上限100万円)です。県内事業者が海外展開活動(展示会出展、商談、マーケティング調査など)をする際の費用を支援します。第1期が2026年3月から受付中なので、海外に興味がある会社は要チェックです。
佐藤

佐藤

編集長

100万円か、結構使えますね。どんな費用が対象ですか?
室谷

室谷

代表取締役

旅費、通訳・翻訳費用、展示会出展費、現地コンサルタントへの委託費などが対象になります。鳥取の工芸品や食品を海外に売り込みたいっていう事業者さんには特にフィットする制度ですね。
佐藤

佐藤

編集長

鳥取ならではの産品もたくさんありますもんね。梨とかカニとか。
室谷

室谷

代表取締役

そう!(笑)。もう1つ鳥取県独自で外せないのが、中小企業等海外展開支援事業費補助金(海外出願)です。特許・商標・意匠を海外で取りたい企業向けで、上限300万円、補助率1/2以内。令和7年度分が公募中なので、海外で知財を守りたい企業には使ってほしい制度です。
佐藤

佐藤

編集長

知財の出願ってお金かかるんですよね?
室谷

室谷

代表取締役

めちゃくちゃかかります。特許1件で翻訳費と現地代理人費用を含めると、国によっては100〜200万円いくこともある。それが半額補助されるのは大きいですよ。これを使わない手はないと思う。
佐藤

佐藤

編集長

鳥取の企業って、海外展開けっこう活発なんですか?
室谷

室谷

代表取締役

大山Gビーフ、鳥取砂丘の食品ブランドとか、農業・食品分野は韓国や中国への輸出が活発です。製造業も鳥取三洋電機(AQUA)の拠点があって、部品メーカーが集積してるので意外と海外展開意識が高いんですよ。
佐藤

佐藤

編集長

そうなんですね! 知りませんでした。地方だから内向きかと思ってました。
室谷

室谷

代表取締役

まあ、それが鳥取の面白いところです(笑)。あと県の相談窓口として、公益財団法人鳥取県産業振興機構があって、補助金申請の支援からビジネスマッチングまでやってます。国の制度から県独自の制度まで横断的に相談に乗ってくれるので、まず問い合わせてみることをおすすめします。

人材・賃上げ系の補助金・助成金(鳥取県版)

佐藤

佐藤

編集長

人材育成とか賃上げ関係の助成金も気になります。最低賃金が毎年上がってるから、そこへの支援があると助かりますよね。
室谷

室谷

代表取締役

それを言うなら業務改善助成金が強力です。事業場内最低賃金を30円以上引き上げた上で、生産性向上のための設備投資をすると、最大600万円、補助率3/4〜4/5が出ます。鳥取県の最低賃金は全国でも低い水準なので、引き上げるインセンティブとして使いやすい制度です。
佐藤

佐藤

編集長

補助率4/5って、5分の4戻ってくるということですよね? それすごい高率ですね!
室谷

室谷

代表取締役

そう! 最大の4/5が適用されるのは、90円以上の賃上げで投資額が30万円以下の場合なんですが、それでも条件さえ合えばかなりおいしい。例えば30万円の機械を入れて24万円戻ってくる。実質負担6万円で設備が入る、みたいな計算になります。
佐藤

佐藤

編集長

それは申請しない理由がないですね(笑)
室谷

室谷

代表取締役

ほんとに。申請先は都道府県の労働局(鳥取なら鳥取労働局)なので、窓口も身近です。気になる人は鳥取労働局のサイトをチェックしてみてください。
佐藤

佐藤

編集長

賃上げといえば、国の人的資本投資の関連で何か新しい制度はありますか?
室谷

室谷

代表取締役

2026年度から注目なのが「中小企業新事業進出補助金(旧ものづくり補助金統合版)」です。ものづくり補助金と一部統合して、より幅広い事業を対象にしつつ、賃上げへの取り組みをより重視した制度設計になっています。詳細は経済産業省の正式公募を確認してもらう必要がありますが、ものづくり補助金を検討していた方は要チェックです。
佐藤

佐藤

編集長

制度が変わるんですね! 最新情報を追いかけるのが大変そうです。
室谷

室谷

代表取締役

そこが正直しんどいですよね(笑)。だから商工会や鳥取県産業振興機構のメルマガとかに登録しておくのがおすすめです。気づいたら公募期間が終わってた、というパターンが一番もったいない。

事業承継・再構築補助金を活用する

佐藤

佐藤

編集長

最近、経営者の高齢化で事業承継が課題って聞きますが、そこへの補助金もありますか?
室谷

室谷

代表取締役

あります! 事業承継・M&A補助金(14次公募)が使えます。M&Aや事業承継後のPMI(統合プロセス)費用を上限1,000万円、補助率2/3で支援します。承継した後の新しい取り組みに使えるので、「買った側」も「売った側」も申請対象になりえます。
佐藤

佐藤

編集長

買った側も使えるのか! M&Aの費用って高いイメージあったので、これは助かりますね。
室谷

室谷

代表取締役

PMI専門家活用枠では上限150万円で専門家コンサルを雇う費用も出るし、廃業・再チャレンジ枠では廃業する経営者が次のビジネスを始める費用も300万円まで出ます。鳥取県って後継者問題が深刻な地域なので、こういう制度をうまく使って優良な企業が消えないようにしてほしいです。
佐藤

佐藤

編集長

室谷さん、事業再構築補助金はどうなってますか? 最近あまり聞かなくなった気がするんですけど。
室谷

室谷

代表取締役

13回公募が現在交付申請のフェーズに入っています。新規の公募は当面ないかもしれませんが、GX進出類型(成長分野進出枠)の交付申請は進行中です。事業再構築で採択された方が今まさに交付申請をしているタイミングですね。今後また新規公募があるかはウォッチが必要です。
佐藤

佐藤

編集長

なるほど。じゃあ今から始めるなら、ものづくり補助金か省力化投資補助金が現実的な選択肢ということですね。
室谷

室谷

代表取締役

そうですね。まずはものづくり補助金か業務改善助成金、そして鳥取県独自の海外支援系の制度を組み合わせるのが現実的な戦略だと思います。

補助金の横断比較表

補助金名補助上限補助率主な対象
ものづくり補助金(21次)4,000万円1/2〜2/3設備投資・革新的サービス開発
省力化投資補助金(5次)50億円1/3以下大規模設備投資・工場新設
業務改善助成金600万円3/4〜4/5賃上げ×設備投資
事業承継・M&A補助金1,000万円2/3M&A・承継後のPMI
中小企業成長加速化補助金5億円1/2100億宣言企業の大型投資
外国出願補助金(INPIT)300万円1/2海外知財出願
鳥取県海外出願補助金300万円1/2以内鳥取県内企業の海外知財
共同・協業販路開拓補助金5,000万円定額/2/3商工会等経由の共同販路開拓

鳥取県中小企業が補助金を使い倒すためのポイント

  • 鳥取県産業振興機構(鳥取市富安2丁目137-4)への相談が出発点。国・県・市町村の制度を横断的に教えてくれる
  • GビズIDは今すぐ取得。申請直前だと間に合わない
  • ものづくり補助金と業務改善助成金は同じ投資に対して併用できる場合がある(要確認)
  • 海外展開系(県独自の海外ビジネス支援補助金+INPIT外国出願補助金)は組み合わせ申請可能

申請のポイントと注意事項

補助金申請フロー(鳥取県版)
補助金申請フロー(鳥取県版)
佐藤

佐藤

編集長

実際に申請するときのコツって何ですか? 事業計画書をどう書けばいいのか、いつも悩む、という話を聞きます。
室谷

室谷

代表取締役

一番よく聞くのは「採点基準を読まずに書いてしまった」という失敗です。どんな補助金も公募要領に審査項目が書いてあって、それに合わせて事業計画書を構成しないと評価されません。「うちの新しい機械はこんなにすごい」を書くんじゃなくて、「この機械を入れることで生産性がXX%向上し、地域雇用にこう貢献する」という審査官目線で書く必要があります。
佐藤

佐藤

編集長

なるほど、審査官が何を見たいかを意識するわけですね。
室谷

室谷

代表取締役

そう。あと加点項目を積み上げることも大事です。ものづくり補助金だと「賃上げ表明企業」「GX取組企業」「事業継続力強化計画認定企業」などが加点になります。鳥取県で言えば、事業継続力強化計画は県のサポートを受けながら認定取得できるので、先に取っておくのがおすすめです。
佐藤

佐藤

編集長

事業継続力強化計画って何ですか?
室谷

室谷

代表取締役

災害や感染症などの緊急事態が起きたときのBCP(事業継続計画)を中小企業庁が認定する制度です。鳥取県は中部地震の経験もあるので、BCPを整備してる会社が加点されるのは理にかなってますよね。経済産業省の窓口で申請できます。
佐藤

佐藤

編集長

BCPを作ることで補助金も有利になる、一石二鳥ですね。
1GビズIDをプライムで取得(法人なら2〜3週間かかる)
2鳥取県産業振興機構または商工会・商工会議所に相談(どの補助金が使えるか確認)
3加点要件(事業継続力強化計画など)を先に整備しておく
4公募要領の審査項目を熟読し、その観点で事業計画書を書く
5Jグランツから電子申請(締切の余裕を持って)
6採択後は速やかに交付申請・発注(着手は交付決定後が原則)

絶対に気をつけること:後払い原則

  • 補助金は「後払い」が原則。先に全額自己負担して、完了報告後に補助金が振り込まれる
  • 資金繰りを十分に確認してから申請すること
  • 交付決定前に着手した経費は原則補助対象外。採択通知を待ってから発注を
  • 補助事業期間中は帳簿・領収書を全て保管すること(監査があります)
佐藤

佐藤

編集長

後払いか。それって資金繰りが厳しい会社には大変ですよね。
室谷

室谷

代表取締役

そこは本当に重要なポイントです。例えばものづくり補助金で1,000万円の機械を買うとして、補助率2/3なら補助金は約667万円。でも最初に1,000万円を自分で払って、完了報告を出して、やっと667万円が入金される。タイミングによっては6ヶ月〜1年かかることもある。だから手元資金か、つなぎ融資の準備が必要です。
佐藤

佐藤

編集長

つなぎ融資って、銀行が貸してくれるんですか?
室谷

室谷

代表取締役

鳥取銀行や鳥取信用金庫、日本政策金融公庫が補助金のつなぎ融資に応じてくれるケースが多いです。採択通知があれば審査が通りやすいので、採択されたらすぐに相談に行くことをおすすめします。

まとめ:鳥取県の中小企業が補助金で戦略的に成長する

佐藤

佐藤

編集長

今日の話、すごくよくわかりました。鳥取ならではの制度もあるし、国の大型補助金も使えるし、選択肢が多いですね。
室谷

室谷

代表取締役

まとめると、鳥取の中小企業がまず検討すべきは①ものづくり補助金(設備投資)、②業務改善助成金(賃上げ×設備)、③鳥取県独自の海外支援補助金(海外展開)の3本柱です。規模感と投資フェーズによって省力化投資補助金や事業承継補助金を組み合わせる。
佐藤

佐藤

編集長

複数を同時申請することもできるんですか?
室谷

室谷

代表取締役

制度によりますが、基本的に「同一経費の二重取り」はできません。ただ、別々の事業・経費なら複数の補助金を同時に受けることは可能です。例えばAの設備をものづくり補助金で、Bの賃上げを業務改善助成金で、Cの海外出願を外国出願補助金で、という使い方はできます。
佐藤

佐藤

編集長

専門家に相談するのが一番ですね。
室谷

室谷

代表取締役

そう(笑)。一人で全部追うのは大変なので、鳥取県産業振興機構や商工会の経営指導員、あるいは中小企業診断士に相談するのが近道です。補助金申請の支援を専門にしている方なら、採択率も上がりますし、申請書作成の手間も減ります。
佐藤

佐藤

編集長

室谷さん、今日はありがとうございました! 鳥取の中小企業経営者のみなさん、ぜひ参考にしてみてください。
佐藤

佐藤

編集長

鳥取県全体の補助金・助成金一覧はこちら(/subsidy/tottori)からも探せます。目的別に絞り込むなら中小企業向け一覧ページ(/audience/sme/tottori)もご活用ください。