佐賀県の中小企業が使える補助金カテゴリ
室谷さん、佐賀県で中小企業をやってるんですが、使える補助金ってどんな種類があるんですか?
大きく分けると4つのカテゴリがありますね。設備投資系、賃上げ・人材支援系、海外展開・知財系、そして事業再構築系。佐賀県は有田焼や呼子のイカで有名ですけど、実は県独自の中小企業支援がかなり手厚いんですよ。
しかも国の補助金と県の補助金を組み合わせると、自己負担をかなり圧縮できるんです。国で1/2補助、県で上乗せっていう使い方ができる制度もありますし。
なるほど、組み合わせ前提で考えるのがポイントなんですね。
そうです。今日は事業者向けの補助金・助成金を中心にお話しますね。個人向けの給付金とは別の話になりますので。
| カテゴリ | 代表的な制度 | 補助額目安 | 対象者 |
|---|
| 設備投資・生産性向上 | ものづくり補助金、省力化投資補助金 | 最大4,000万円 | 製造業・サービス業等 |
| 賃上げ・人材支援 | 業務改善助成金、地域人事部補助金 | 最大600万円 | 全業種 |
| 事業再構築・M&A | 事業再構築補助金、事業承継補助金 | 最大1.5億円 | 事業転換する企業 |
| 海外展開・知財 | 外国出願補助金(INPIT) | 最大300万円 | 海外展開を目指す企業 |
| 佐賀県独自 | 中小企業生産性向上支援補助金 | 最大400万円 | 佐賀県内事業者 |
この表だけでも全然知らなかった制度がいくつかあります(笑)。
特に事業承継補助金とか、省力化投資補助金は知名度低いわりに使いやすい制度なんですよね。順番に解説しましょうか。
一番使われてるのが「佐賀県中小企業生産性向上支援補助金」ですね。第6弾まで続いてる補助金で、県内中小企業の生産性向上の取り組みを支援する制度です。
毎年継続して実施されてて、使いやすいのが特徴です。補助率は補助対象経費の3分の2以内。賃金を10%以上引き上げた場合は4分の3以内まで上がります。
枠によって違いますが、「賃金UP支援枠」だと小規模事業者(個人)で15万円〜200万円、法人の中小企業で50万円〜200万円が基本です。ただし、令和6年10月18日以降に10%以上の賃上げをしている事業者は上限400万円まで引き上げられます。
賃上げしてたらボーナスが出るみたいな感じですね(笑)
まさにそう。従業員のいない一人親方向けの「単身事業者支援枠」(最大120万円)と、持続可能設備の更新に使える「持続可能設備支援枠」(最大200万円)もあります。
機械装置・システム構築費、広報費、展示会出展費、開発費、委託費、外注費あたりが主なものですね。デジタル化のためのシステム導入や、新商品開発・販路開拓の費用も対象になります。
- 補助率:3分の2以内(10%以上の賃上げで4分の3以内)
- 補助上限:賃金UP支援枠で最大200万円(10%賃上げで最大400万円)
- 対象:佐賀県内に店舗・事業所を持つ中小企業者
- 申請先:佐賀県産業イノベーションセンター
- TEL:0952-37-1688(平日9時〜16時30分、12時〜13時除く)
郵便または宅配便での提出が基本です。GビズIDが不要な点は逆に間口が広くて、使いやすいんですよ。
それは助かりますね。あと、佐賀県産業イノベーションセンターってよく名前が出てくるんですが、何のところですか?
佐賀県の中小企業支援の中核機関で、補助金事務局としても機能しています。補助金の申請相談から採択後のフォローまでやってくれますよ。知的財産の海外出願補助も窓口になっています。
次に国の制度を教えてください。「ものづくり補助金」って名前はよく聞くんですが。
ものづくり補助金は中小企業・小規模事業者向けの王道の設備投資補助金です。中小企業なら最大4,000万円(補助率1/2)、小規模事業者は補助率2/3。設備投資・試作品開発・生産プロセス改善が対象です。
ただし採択されるには「革新的なサービス開発」「試作品開発」「生産プロセスの改善」のいずれかに該当することが必要で、事業計画書の質が採択を左右しますね。採択率はざっくり40〜50%くらいですよ。
だから認定支援機関(商工会や金融機関、コンサル等)に相談しながら計画書を磨くのが大事です。佐賀県内だと商工会議所や佐賀銀行なんかが対応してますね。詳細は
ものづくり補助金のページでご確認いただけます。
事業再構築補助金は新分野展開・業態転換・事業転換などを目指す企業向けの大型補助金です。最大1.5億円という規模で、売上が10%以上減少した企業や新市場に進出する企業が対象の主力枠です。
補助金としては破格の規模ですよね。ただこれは今第13回公募が進行中で、交付申請・実績報告の段階にある企業が対象になっている状況です。新規申請が再開される際には早めに情報収集しておくことをおすすめします。詳細は
事業再構築補助金のページをご覧ください。
そこが重要ポイントで、補助金は公募期間が決まっています。jGrants(補助金電子申請システム)か各補助金の公式ページで公募スケジュールを確認するクセをつけてください。
今一番注目されてるのが「省力化等の大規模成長投資補助金」ですね。最大50億円で補助率1/3以内という国内最大級の設備投資補助金です。
中堅・中小企業・スタートアップが対象です。人手不足に対応する省力化・自動化投資を支援する制度で、工場の新設や大規模設備導入に使えます。佐賀県内でも製造業の事業者が積極的に活用しています。詳細は
省力化等の大規模成長投資補助金のページで確認できます。
あと「中小企業成長加速化補助金」っていうのも気になりました。
これは将来の売上高100億円を目指す中小企業を支援する制度です。補助率1/2以内、補助上限5億円と規模の大きな投資を後押しします。地域経済のインパクト企業向けですね。
中小企業成長加速化補助金のページをご覧ください。
GXサプライチェーン構築支援事業というのがあって、水電解装置やペロブスカイト太陽電池、燃料電池などの脱炭素関連製品の製造設備に最大25億円の補助が出ます。佐賀県内で半導体や次世代素材の製造をやってる企業は検討の余地がありますよ。
佐賀県の中小企業補助金 申請の流れ
大まかに言うと、補助金は「先に使って後から返ってくる」、助成金は「条件を満たせば受け取れる」イメージですね。ただこれは厳密な定義じゃなくて、業務改善助成金みたいに設備投資後に申請するものもあります。
なるほど、じゃあ業務改善助成金を詳しく教えてください。
業務改善助成金は、事業場内の最低賃金を30円以上引き上げて、生産性向上のための設備投資をした場合に、その費用の3/4〜4/5を助成してくれる制度です。最大600万円です。
賃上げしながら設備も補助してもらえるってことですか?
まさにそう。
賃上げと設備投資をセットで行うことで、両方のメリットが得られる制度設計になっています。ポイントは賃金を「30円以上引き上げること」です。詳細は
業務改善助成金のページで確認できます。
「地域の人事部支援事業補助金」というのがあって、地域の複数の中小企業が連携して、金融機関や教育機関と一緒に人材確保・育成の仕組みを作ると最大1,300万円補助されます。個社では解決しにくい採用・人材育成問題を地域ぐるみで解決する面白い制度ですね。
商工会議所や商工会が幹事になって、複数の企業をまとめる形が多いです。佐賀県内の中小企業が集まって申請するパターンも多いですよ。
有田焼や佐賀牛みたいなブランド製品を海外に売りたい場合、補助金ってありますか?
ありますよ!「外国出願補助金(INPIT)」は、特許・実用新案・意匠・商標の外国出願費用の1/2(最大300万円)を補助する制度です。令和8年度は第1回・第2回と複数回の公募があります。
有田焼の窯元が欧米に商標を取るためにも使えるんですか?
使えます!しかも佐賀県産業イノベーションセンターが窓口になっている「中小企業等海外展開支援事業費補助金(海外出願支援事業)」という佐賀県版もあって、同じく最大300万円・補助率1/2です。県と国、両方の制度を把握しておくといいですよ。詳しくは
INPIT外国出願補助金のページをご覧ください。
九州経済産業局が実施する「中小企業知的財産支援事業費補助金」は、佐賀・福岡・長崎・熊本・大分・宮崎・鹿児島の7県が対象で、最大1,000万円の支援が受けられます。これは産業支援機関向けですが、結果的に佐賀県内の中小企業の知財支援につながります。
有田焼・伊万里焼の産地支援みたいな特別な制度ってないんですか?
国の「伝統的工芸品産業支援補助金」が使えるケースがあります。有田焼・伊万里焼は伝統的工芸品に指定されているので、産地組合や職人団体が申請する形で支援が受けられます。ただし令和8年度分は能登半島地震関連の災害復興事業も絡んでいるので、最新情報の確認が必要です。
佐賀県は高齢化で後継者不足の話もよく聞くんですが、事業承継の補助金はありますか?
あります。国の「事業承継・M&A補助金」ですね。複数の枠があって、M&Aで後継者を見つける「専門家活用枠」(最大800万円)、事業承継後の経営革新を支援する「事業承継促進枠」(最大1,000万円)などがあります。
「廃業・再チャレンジ枠」というのがあって、M&Aを試みたけど成約しなかった事業者が廃業して新事業に再挑戦する場合に最大300万円補助されます。廃業コストや新事業のスタートアップ費用に使えます。詳細は
事業承継・M&A補助金のページをご覧ください。
後継者が見つかった場合のサポートも手厚いんですね。
PMI(M&A後の経営統合プロセス)を支援する「PMI推進枠」も新設されていて、M&A後に専門家を活用して統合を進める費用を最大1,000万円補助します。承継後の「経営の安定化」まで面倒を見てくれる制度ですよ。
ここまで色々出てきたんで、一覧でまとめてもらえますか?
整理しますね。佐賀県内の中小企業が使える主要制度をまとめました。
| 制度名 | 補助額上限 | 補助率 | 対象エリア | 対象経費例 |
|---|
| 佐賀県中小企業生産性向上支援補助金 | 400万円 | 2/3〜3/4 | 佐賀県 | 設備投資・デジタル化・販路開拓 |
| ものづくり補助金 | 4,000万円 | 1/2〜2/3 | 全国 | 設備投資・試作品開発 |
| 事業再構築補助金 | 1.5億円 | 1/2〜2/3 | 全国 | 新分野展開・業態転換 |
| 業務改善助成金 | 600万円 | 3/4〜4/5 | 全国 | 設備投資+賃上げ |
| 省力化等大規模成長投資補助金 | 50億円 | 1/3 | 全国 | 大規模設備投資 |
| 中小企業成長加速化補助金 | 5億円 | 1/2 | 全国 | 大規模成長投資 |
| 事業承継・M&A補助金 | 1,000万円 | 1/2〜2/3 | 全国 | M&A専門家費用・経営統合 |
| INPIT外国出願補助金 | 300万円 | 1/2 | 全国 | 外国特許・商標出願 |
| 地域の人事部支援事業補助金 | 1,300万円 | 1/3〜2/3 | 全国 | 人材確保・育成 |
こんなに種類があるとどれから申請すればいいか迷いますね。
まず「今期やりたいこと」を決めて、それに合う補助金を選ぶのが正解です。設備投資→ものづくり補助金、賃上げ→業務改善助成金、海外展開→外国出願補助金、という感じで目的から逆引きするといいですよ。
GビズIDの事前取得(推奨2〜3週間前)。多くの補助金でGビズID(プライム)が必要。申請後の発行に時間がかかる場合があります
jGrantsで公募スケジュール確認。補助金の公募期間はjGrants(補助金電子申請システム)で随時確認してください
認定支援機関への相談。商工会・商工会議所・金融機関・コンサル等の認定支援機関に相談すると採択率が上がります
事業計画書の作成。採択の8割は計画書の質で決まります。定量的な目標設定と実現可能性の説明が重要
補助金は後払いが基本。採択後に事業を実施し、完了後に実績報告を提出してから補助金が振り込まれます
- 補助金は事業完了後に振り込まれるため、初期費用は自己資金または融資で対応が必要
- 日本政策金融公庫の「補助金つなぎ融資」を活用すると資金繰りが楽になります
- 補助対象経費は補助金交付決定後に発注・支払いした費用のみ対象。交付決定前の支出は対象外
これ知らないで計画して資金ショートする事業者が本当に多いんですよ。あと採択されても交付申請→実績報告→確定検査→振込という流れがあって、振込まで半年〜1年かかることもあります。
そんなにかかるんですね(笑)。佐賀県の相談窓口はどこがいいですか?
一番のおすすめは佐賀県産業イノベーションセンター(0952-37-1688)ですね。県の補助金事務局でもあるし、国の補助金についても相談に乗ってくれます。あと佐賀県よろず支援拠点も無料で経営相談が受けられます。商工会・商工会議所はものづくり補助金や小規模持続化補助金の支援機関として力を入れています。
もちろん。計画書の作成を支援してくれる補助金コンサルや中小企業診断士を使うと、採択率が有意に上がるというデータもあります。ただし成功報酬が高いところもあるので、費用対効果は要確認です。
佐賀県は有田焼・伊万里焼という世界ブランドと、呼子イカ・佐賀牛・有明のりという食ブランドを持つ産業が豊かな県です。だから海外展開の補助金と伝統産業向けの支援が使いやすい環境にある。
佐賀県産業イノベーションセンターが補助金の相談窓口として機能してるのも強みですよ。まず何を達成したいかを明確にして、県の窓口に電話一本入れるところから始めてみてください。「使えそうな補助金があるか聞いてみる」だけでもいいんで(笑)
気軽に相談していいんですね。今日はたくさん教えていただきありがとうございました!