熊本県の小規模事業者が使える補助金3大制度比較
熊本県で小さな会社を経営しているんですが、補助金ってどこから手をつければいいんですか?ちょっと多すぎて迷っています。
ですよね(笑)。全体をざっと見ると、熊本県の小規模事業者が使える補助金は大きく「国の制度」と「熊本県独自の制度」に分かれます。国の制度はどこの都道府県でも申請できるもので、代表格は持続化補助金・ものづくり補助金・業務改善助成金の3つです。
あー、その3つはなんとなく名前は聞いたことあります。
そうですね。この3つを押さえておくと、補助金活用の9割はカバーできます。それに加えて熊本県には「くまもと型小規模事業者経営発展支援事業補助金」という独自制度があって、被災事業者向けに手厚い支援をしています。
被災事業者向けってことは、熊本地震の被害を受けた事業者が対象ですか?
そうです。平成28年熊本地震または令和2年7月豪雨で被害を受けた事業者が対象で、補助上限200万円・補助率2/3(要件次第で3/4)という内容です。それ以外の事業者は国の3制度がメインになります。
なるほど。あと2024年からTSMCが菊陽町に来たじゃないですか。あれで補助金の使い方って変わりましたか?
変わりましたね!(笑)TSMC関連の受注を取りに行く製造業者はものづくり補助金が非常に使いやすい状況になっています。設備投資や生産ラインの強化に上限4,000万円まで補助が出るので、TSMC向けの部品加工やサポート業務に参入したい事業者にとっては絶好のタイミングです。
ただし、設備投資が主な使い道なので、販路開拓や広告宣伝には使えません。そこは持続化補助金と用途を分けて考えるといいですよ。
| 補助金名 | 補助上限額 | 補助率 | 主な用途 |
|---|
| 小規模事業者持続化補助金(通常枠) | 50万円 | 2/3 | 販路開拓・広告・ウェブ |
| 小規模事業者持続化補助金(賃金引上げ枠) | 250万円 | 2/3 | 同上+賃上げ要件 |
| ものづくり補助金 | 4,000万円(21次) | 1/2〜2/3 | 設備投資・IT化 |
| 業務改善助成金 | 600万円 | 3/4〜4/5 | 賃上げ+設備投資 |
| くまもと型経営発展支援補助金 | 200万円 | 2/3〜3/4 | 販路開拓・生産性向上(被災事業者) |
まず持続化補助金から教えてもらえますか?熊本の商工会でよく名前を聞くんですよね。
そうですね。持続化補助金は熊本県内の小規模事業者が一番使いやすい補助金です。通常枠で50万円、賃金引上げ枠なら250万円まで補助を受けられます。ホームページ制作・チラシ印刷・展示会出展・店舗改装など幅広い経費が対象です。
熊本県商工会連合会か、熊本商工会議所です。商工会地区と商工会議所地区で窓口が違うので要注意なんですが、どちらも申請書類の作成を無料でサポートしてくれます。これが本当にありがたくて(笑)、補助金申請書って慣れないと大変なんですよ。
無料でサポートしてもらえるなら使わないともったいないですね。
そうなんです。ただ一つポイントがあって、申請に必要な「様式4(事業支援計画書)」は締切の1週間前には商工会に依頼しておく必要があります。ギリギリだと間に合わないケースがあるので、余裕を持って動いてください。
インボイス特例っていうのも聞いたことあるんですが。
インボイス制度に対応するために登録した事業者は、補助上限額にさらに50万円が上乗せされます。つまり通常枠でも最大100万円になるんですよ。これを知らずに申請している事業者が結構いるので、インボイス登録済みなら必ず特例を適用してください。
直近の第19回では申請受付締切が2026年4月30日でした。次の回の情報は商工会・商工会議所のウェブサイトで確認してください。
- 賃金引上げ枠を使うと上限250万円まで拡大できる
- インボイス特例で50万円が追加される(登録済みなら必ず適用)
- 商工会・商工会議所の無料サポートを早めに活用する
- 様式4の発行依頼は締切1週間前には完了させる
ものづくり補助金って、製造業じゃないと使えないんですか?
名前が「ものづくり」ですけど、実はサービス業でも小売業でも申請できます。設備投資やIT化、業務システムの開発が対象なので、幅広い業種が使えるんですよ。
使えます(笑)。例えばPOSシステムの導入やオーダーエントリーシステムの構築なんかも対象経費に入ります。ただし「革新的なサービス開発や生産プロセスの改善」という要件があるので、単純な設備の買い替えは難しいです。
なるほど、ちゃんと新しいことへの挑戦が必要なんですね。
そうです。補助率は小規模事業者の場合2/3、それ以外は1/2です。21次締切(2027年3月予定)で上限4,000万円になっています。採択率はざっくり40〜50%程度なので、事業計画書の品質が勝負になります。
難しいですが、逆に言えば半分近くは採択されるということでもあります。補助金申請を支援する専門家(よろず支援拠点や民間の補助金コンサル)のアドバイスを受けながら、加点項目を積み上げるのが得策です。熊本だとTSMC関連の供給網参入という文脈で書くと、地域経済への貢献として評価されやすいですよ。
そうです、jGrantsでの電子申請にはGビズIDが必要です。発行までに2〜3週間かかるので、申請を考えているなら今すぐ取得手続きを始めてください。これを先延ばしにして間に合わなかったケースが本当に多いので(笑)。
- GビズIDの発行に2〜3週間かかる → 今すぐ申請開始を
- 補助金は後払い → 先に全額自己資金で支払い、後で精算される
- 採択後も「遂行管理」の報告義務あり → 管理負担を見込んでおく
小規模事業者持続化補助金 申請の流れ
業務改善助成金って、名前だけ聞くと研修費用の補助みたいなイメージがあるんですが…。
よく勘違いされますが(笑)、これは賃上げと設備投資をセットで支援する制度です。事業場内で最も低い賃金を30円以上引き上げて、同時に生産性向上のための設備投資をすると、設備投資費用の一部が助成されます。
つまり「賃上げするなら設備投資費用も出しますよ」という制度ですか?
そのとおりです!助成率が3/4〜4/5と非常に高くて、上限600万円まで助成されます。熊本県の最低賃金は令和8年1月から時間額1,034円になっているので、「最低賃金付近で働いている従業員がいる小規模事業者」にとって特に活用価値が高いです。
農業や飲食業で最低賃金ギリギリのパートさんがいる事業者とかですね。
まさに。熊本は農業・食品加工・観光系の小規模事業者が多いので、需要が高い制度です。令和7年度の申請受付は2025年12月31日に終了しましたが、令和8年度分については熊本労働局のウェブサイトで情報を確認してください。
一つ疑問なんですが、持続化補助金と業務改善助成金って両方同時に申請できますか?
できます!この2つは所管が違って、持続化補助金は経済産業省系、業務改善助成金は厚生労働省系なので、重複申請も基本的に問題ありません。ただし対象経費が同じにならないように気をつける必要はあります。
熊本県独自の補助金として「くまもと型」というのがありますよね。これはどんな制度ですか?
くまもと型小規模事業者経営発展支援事業補助金は、熊本地震(平成28年)または令和2年7月豪雨で被害を受けた熊本県内の小規模事業者向けの制度です。補助上限200万円・補助率2/3(要件次第で3/4)という内容で、販路開拓・生産性向上・第二創業に取り組む費用を支援します。
別物です(笑)。くまもと型応援補助金は2026年3月31日に予算50億円に到達して受付終了しています。一方、くまもと型経営発展支援補助金はまだ継続して公募が行われています。
加点項目をちゃんと積み上げることです。特に「パートナーシップ構築宣言」を行っている事業者、「事業継続力強化計画」の認定を受けている事業者、事業承継に取り組む事業者には加点が入ります。これらは手続き自体は難しくないので、申請前に済ませておくことをお勧めします。
そういう加点項目って、知っている人だけが得をする感じがしますよね。
そうなんですよ。でも商工会・商工会議所の担当者に「加点を積み上げたい」と伝えれば、必要な手続きを教えてくれます。熊本県中小企業団体中央会も相談窓口になっているので積極的に活用してほしいですね。
被災事業者の要件を確認する(熊本地震または令和2年7月豪雨の被害)
加点項目(パートナーシップ構築宣言等)の手続きを済ませる
いろんな補助金を聞いてきましたが、申請する上で注意点って何ですか?
一番重要なのは「補助金は後払い」という点です。持続化補助金もものづくり補助金も、先に自分でお金を支払って、事業完了後に申請して、審査が通って初めて補助金が振り込まれます。タイミングによっては半年〜1年後になることもあります。
辛いです(笑)。だから補助金に頼る前に、事業に必要な資金は別途確保しておく必要があります。熊本県には中小企業者向けの融資制度もあるので、補助金と融資を組み合わせて活用するのが現実的ですよ。
持続化補助金の場合、商工会・商工会議所が無料でサポートしてくれるので比較的チャレンジしやすいです。ものづくり補助金は事業計画書の質が採択に直結するので、よろず支援拠点か民間の補助金コンサルタントに相談するのをお勧めします。よろず支援拠点は中小企業庁認定の無料相談所なので、費用をかけずに専門的なアドバイスが受けられます。
あります!熊本県工業連合会内に設置されていて、補助金の選び方から事業計画書の作成まで何度でも無料で相談できます。電話やオンライン相談も対応しているので、まず気軽に相談してみてください。
- 補助金は採択されるまで1円も入ってこない → 自己資金を先に確保する
- 申請前に支払った経費は補助対象外になる場合が多い → 交付決定後に支払いを開始する
- 締切直前の申請は様式4の発行に間に合わないリスクがある → 余裕を持って動く
これを見ると、状況に応じて使い分けができそうですね。
そうです。持続化補助金とものづくり補助金を両方同時進行で活用している事業者もいますし、業務改善助成金を毎年コンスタントに活用している事業者もいます。一度申請の流れを覚えると、次から活用しやすくなりますよ。
室谷さん、今日は熊本県の補助金についてわかりやすく教えていただきありがとうございます。
こちらこそありがとうございます!補助金は知っている事業者だけが得をする側面がある制度なので、ぜひ積極的に活用してほしいですね。まず商工会か商工会議所に相談するのが、一番手っ取り早いですよ。熊本県の他の補助金・助成金情報は
熊本県の補助金一覧ページでも確認できます。目的別の情報は
小規模事業者の補助金一覧もあわせてご覧ください。