製造業でエコやSDGsに取り組むための補助金って、どんなものがありますか?
そうですね。環境対応を進める製造業向けの補助金は、大きく分けてVOC(揮発性有機化合物)排出削減、CO₂排出削減、省エネルギー設備の導入といった目的別に存在します。まずは自社がどの環境負荷を減らしたいのか、何に投資するのかを整理することが効果的な制度選びのコツですね。
なるほど。つまり、削減対象と投資内容で探すわけですね。
そのとおりです。例えば、VOCを扱う塗装や印刷の工程があるなら、東京都の「省エネ型VOC排出削減設備導入促進事業」が有力です。CO₂削減を目指すなら、埼玉県の「民間事業者CO₂排出削減設備導入補助金」のような制度があります。どちらも2027年3月末まで募集しているので、今から計画できます。
VOC排出削減の補助金について詳しく教えてください。
東京都中小企業振興公社が実施する
令和8年度省エネ型VOC排出削減設備導入促進事業 です。これは、工場内塗装(工業塗装・自動車板金塗装)、印刷、ドライクリーニングの3業種でVOCを取り扱う都内中小企業が対象です。補助率は
対象経費の2/3、上限は
2,000万円/台と非常に高く設定されています。
2,000万円も出るんですか!どういう設備が対象になるんですか?
光化学スモッグの原因物質であるVOCの排出を削減しつつ、省エネルギーも同時に達成できる設備が対象です。具体的には、VOC処理装置と排気系の最適化などが想定されます。環境規制への対応だけでなく、ランニングコスト削減にもつながる一石二鳥の投資になりますよ。
はい、東京都内に事業所がある中小企業者等が対象です。業種も限定されていますので、自社が該当するかどうかは必ず公募要領で確認してください。
VOC補助金のポイント
- 対象者:都内中小企業(塗装・印刷・ドライクリーニング)
- 補助率:2/3
- 上限:2,000万円/台
- 締切:2027年3月31日
- 目的:VOC排出削減+省エネ
補助率は1/2、上限は500万円です。対象分野は大きく3つ。空調設備やボイラー、コンプレッサー、変圧器、冷凍冷蔵庫などの高効率設備への更新、太陽光発電や蓄電池といった再エネ設備の導入、そして空調等の運転制御を行うEMS(エネルギーマネジメントシステム)の導入です。いずれも補助対象経費が60万円以上の事業が条件となっています。
幅広い設備が対象なんですね。製造業でよく使われるコンプレッサーやボイラーの更新にも使えるのは魅力的です。
そうですね。特に電気代や燃料費が高騰している今、高効率設備への更新はコスト削減とCO₂削減の両面で効果が期待できます。
過去にはどんな補助金があったんですか? 今後の参考になりそうなら教えてください。
例えば、2022年度まで実施されていた
基礎素材産業の低炭素化投資促進に向けた設計・実証事業補助金 は、鉄鋼や化学などの基礎素材産業の自家発電所の燃料転換や低炭素化改修に向けた調査を補助するものでした。補助上限は
15億円、補助率は
2/3以内と大型でした。また、大分県ではエネルギー関連の
エコエネルギーチャレンジ支援事業補助金(最大2,900万円)も実施されていました。これらの制度は終了していますが、同様の大型補助金が国や自治体から今後も出る可能性は高いので、アンテナを張っておくことが重要です。
なるほど、過去の制度を知っておくと、次に似たものが出たときに素早く動けますね。
そのとおりです。補助金はタイミングが命ですから、常に情報収集を怠らないようにしましょう。
実際に自社に合った補助金をどうやって見つければいいですか?
まず、先ほどお話ししたように「削減対象」と「投資内容」を明確にすることが第一歩です。その上で、国や都道府県、市区町村の公募情報をチェックします。特に環境省や経済産業省のウェブサイトには、脱炭素や省エネに関する支援制度がまとまっているのでおすすめです。
削減したい環境負荷を特定する(VOC、CO₂、エネルギーコスト等)
実施したい設備投資の内容を具体化する(新規導入か更新か)
自社の所在地や業種が対象となる地域・業界限定の補助金を探す
各制度の公募要領で補助率・上限額・対象経費・締切を確認する
東京都や埼玉県以外の地域では、どのようなものを探したらいいでしょうか?
多くの自治体が独自の環境関連補助金を用意している可能性が高いです。例えば、横浜市では過去に「ものづくり魅力発信助成金」がありましたが、エコ直接ではありませんが、地域産業振興の一環として様々な支援が行われています。まずはお住まいの地域の産業振興課や中小企業支援センターに問い合わせてみてください。「自社のような製造業で使える省エネ・脱炭素の補助金はありませんか?」と具体的に聞くと、情報が得られやすいですよ。
最後に、製造業のエコ補助金に関するよくある質問にお答えしてもらえますか?
もちろんです。まず、「製造業の省エネ設備への補助金はどれくらいもらえますか?」という質問をよく受けます。これは制度によってまったく異なりますが、今回紹介したVOC補助金では最大2,000万円/台、CO₂削減補助金では最大500万円といった具合です。大規模な基盤産業向けには億単位のものもあるので、まずは自社の投資規模に合ったものを探しましょう。
「VOC排出削減補助金はどんな業種が使えますか?」というのも気になります。
東京都の制度では、工業塗装、自動車板金塗装、印刷、ドライクリーニングの3業種です。他の地域でも同様のVOC規制がある場合、自治体独自の補助金が用意されていることがあるので、該当する業種の方はお住まいの自治体に問い合わせてみてください。
「省エネ補助金と脱炭素補助金は別物ですか?」という質問もありそうです。
厳密には目的が異なりますが、実際には両方の効果を狙う制度がほとんどです。省エネはエネルギー使用量の削減、脱炭素はCO₂排出量の削減を主眼としていますが、高効率設備の導入はその両方を達成します。補助金の名称にこだわらず、自社の目的に沿ったものを選ぶと良いでしょう。
はい、むしろ中小企業向けの制度が多く用意されています。今回紹介した東京都や埼玉県の補助金も中小企業が対象ですし、大企業向けの大型補助金でも中小企業がコンソーシアムの一員として参加できる場合があります。脱炭素は大企業だけの話ではありません。
どういたしまして。補助金は情報戦です。ぜひ早めの準備を始めてみてください。