大阪府で賃上げを考えている事業者が使える補助金・助成金の全体像

大阪府の賃上げ補助金 金額・補助率比較
大阪府の賃上げ補助金 金額・補助率比較
佐藤

佐藤

編集長

室谷さん、最近「賃上げしないと人が来ない」っていう話、経営者からよく聞くんですけど、大阪でも同じ状況ですか?
室谷

室谷

代表取締役

そうですね、大阪は最低賃金が全国2位水準で推移していて、毎年10月に改定のたびに引き上げが続いています。2026年度も同様の傾向が見込まれていて、飲食業・小売業・宿泊業あたりは特に人件費の圧力が強い。
佐藤

佐藤

編集長

やっぱりそうか。でも賃上げって会社にとってはコストアップじゃないですか。補助金でどうにかなる話なんですか?
室谷

室谷

代表取締役

ここがポイントで、賃上げ単体を直接補填してくれる制度はほとんどないんですね。代わりに「省力化投資をして生産性を上げ、その分を賃上げに回す」という設計の補助金がたくさんある。設備投資やシステム導入の費用を国や大阪府が半分以上持ってくれるので、実質的に賃上げのための原資を作れるんです。
佐藤

佐藤

編集長

なるほど、直接じゃなくて間接的に支援する仕組みなんですね。
室谷

室谷

代表取締役

そうです。大阪府が令和8年度に整備している「賃上げ促進支援パッケージ」には、複数の制度が組み込まれています。補助金・助成金・融資支援・相談窓口とセットで使えるように設計されていて、中小企業にとってはかなり使い勝手がよくなっています。
佐藤

佐藤

編集長

具体的にどんな制度がパッケージに入っているんですか?
室谷

室谷

代表取締役

大きく分けると4つですね。①利益率向上・賃上げ支援補助金(大阪府独自・上限500万円)、②業務改善・賃上げ促進補助金(国の業務改善助成金への上乗せ・上限200万円)、③中小企業展示商談会出展支援補助金(上限200万円)、④設備投資応援融資促進事業(信用保証料補助)。これらに国の制度を組み合わせると、かなりの支援を積み上げられます。
佐藤

佐藤

編集長

4つもあるんですね。まずはどれから見るべきですか?
室谷

室谷

代表取締役

事業内容によりますが、多くの中小企業に一番使いやすいのは国の業務改善助成金と大阪府独自の利益率向上・賃上げ支援補助金の組み合わせです。順番に解説しますね。

【最重要】業務改善助成金|大阪府内の中小企業が最初に検討すべき国の助成金

佐藤

佐藤

編集長

業務改善助成金って名前はよく聞きますが、実際どんな制度なんですか?
室谷

室谷

代表取締役

厚生労働省が実施している制度で、事業場内の最低賃金を30円以上引き上げて、生産性向上のための設備投資を行うと、設備費用の一部が助成されます。業務改善助成金の詳細はこちらで確認できます。
佐藤

佐藤

編集長

補助率はどのくらいですか?
室谷

室谷

代表取締役

助成率が最大9割で、上限は最大600万円です。これだけ高い補助率の制度って珍しくて、小規模な設備投資にも対応しているのが使いやすい理由ですね。
佐藤

佐藤

編集長

9割!それはすごいですね。
室谷

室谷

代表取締役

ただ2026年度は申請受付が9月1日からの予定なんですよ。大阪労働局に提出する形で、jGrantsによる電子申請にも対応しています。事前にGビズIDを取得しておくことが条件で、取得に2〜3週間かかるので今から準備しておく方がいい。
佐藤

佐藤

編集長

GビズIDって法人向けのマイナンバーみたいなやつですよね?
室谷

室谷

代表取締役

そうです。経済産業省が発行するビジネス用のID。補助金・助成金の電子申請の大半でこれが必要になるので、まだ持っていない方は今すぐ申請を(無料です)。申請から1〜2週間で届く。
佐藤

佐藤

編集長

業務改善助成金、さっそく抑えておきます。大阪府独自の上乗せ補助もあるって聞きましたが?
室谷

室谷

代表取締役

はい、大阪府が「業務改善・賃上げ促進補助金」として、国の業務改善助成金に上乗せで最大200万円、補助率1/4の追加支援を実施します。ただし要件が追加されていて、国の助成金の計画を上回る賃上げをすること、それと令和8年度の地域別最低賃金よりさらに2%を上回るまで事業場内最低賃金を引き上げることが条件です。
佐藤

佐藤

編集長

上乗せ分も合わせると実質の支援額がかなり大きくなりますね。
室谷

室谷

代表取締役

そうですね。国の助成金600万円+府の上乗せ200万円で、合計800万円相当の支援を受けられる可能性がある。これを使いながら設備投資して賃上げ分の原資を作るのが基本の戦略です。

【大阪府独自の目玉】利益率向上・賃上げ支援補助金|旧テイクオフ補助金の後継制度

佐藤

佐藤

編集長

大阪府の補助金でもう一つ気になるのが「利益率向上・賃上げ支援補助金」ですね。これって以前の「テイクオフ補助金」の後継なんですか?
室谷

室谷

代表取締役

そうです。正確には「テイクオフ補助金」が令和8年度から大幅リニューアルして、名前も変わりました。補助率が旧制度の1/2から2/3に大幅アップして、上限500万円。使えるお金の幅が広がりましたね!
佐藤

佐藤

編集長

具体的にどんな事業が対象になりますか?
室谷

室谷

代表取締役

業務プロセスの効率化、ロスの削減、省力化、新規事業の推進など、利益率向上につながる取り組みが対象です!機械装置・システム構築費、広告宣伝・販売促進費、開発費、専門家経費、外注費、研修費が対象経費になります。
佐藤

佐藤

編集長

広告宣伝費も使えるんですか?それはなかなか珍しいですね。
室谷

室谷

代表取締役

そうなんです。旧テイクオフ補助金からの特徴で、ホームページ制作やネット広告費用、LP制作なども対象経費になる。持続化補助金ではウェブサイト関連費に制限があるのとは違って、これが大阪府補助金の最大の利点の一つです。
佐藤

佐藤

編集長

申請の時期はいつですか?
室谷

室谷

代表取締役

令和8年5月中旬〜6月中旬の公募を予定していて、600者程度を採択予定です。賃上げの要件として「1年後に給与支給総額を2%以上引き上げることを宣言書として従業員に示す」ことが必要です。
佐藤

佐藤

編集長

宣言書は書面で従業員に配るということ?
室谷

室谷

代表取締役

はい、口頭じゃなく書面で示す必要があります。「賃上げします」と明示した文書を作って、申請時に添付する形ですね。ただ目標の表明であって、強制力は弱めです。令和9年末(2027年末)にアンケートで達成状況を確認する形になっています。
佐藤

佐藤

編集長

目標なんですね。では中小企業の方は割と申請しやすい?
室谷

室谷

代表取締役

そうですね。旧テイクオフ補助金で5回連続採択実績がある行政書士事務所の情報によると、新規事業の定義がかなり緩くて「自社にとってやっていなかったこと」なら新規とみなされるケースが多い。異業種参入でなくても、既存商品でも顧客層やアプローチを変えるだけでも対象になったそうです。
佐藤

佐藤

編集長

採択率って大体どのくらいですか?
室谷

室谷

代表取締役

旧テイクオフ補助金と対象事業者数(600者程度)の規模感から推測すると、定員超過は起きますが、しっかり事業計画書を書けば採択される可能性は十分あります。申請書類のうち事業計画書の質が採否を左右するので、理由と数字の根拠をしっかり書くことが大事です。

大阪府 利益率向上・賃上げ支援補助金 要点

  • 補助上限: 500万円
  • 補助率: 対象経費の2/3以内
  • 対象: 大阪府内の中小企業・個人事業主
  • 公募期間: 令和8年5月中旬〜6月中旬(予定)
  • 採択予定: 600者程度
  • 賃上げ要件: 1年後に給与支給総額2%以上向上を宣言
  • 問い合わせ: 大阪府商工労働部中小企業支援室経営支援課(06-6210-9494)

国の大型補助金|大規模な省力化投資を考える場合

佐藤

佐藤

編集長

500万円を超えるような大きな投資を考える場合はどうすればいいんですか?
室谷

室谷

代表取締役

そういう場合は国の「中堅・中小・スタートアップの賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金」が選択肢になります。大規模成長投資補助金の詳細はこちらで確認できます。
佐藤

佐藤

編集長

これ、名前が長いですね(笑)。どのくらいの補助になるんですか?
室谷

室谷

代表取締役

補助上限が最大50億円です(笑)!補助率は1/3以下ですが、工場新設や大規模設備投資に対応していて、中堅企業・中小企業・スタートアップが対象です。令和7年度補正予算で第5次公募が実施されていますね。
佐藤

佐藤

編集長

50億円!それは中小企業の中でも大きめの事業者向けですね。
室谷

室谷

代表取締役

そうですね。事業計画審査が厳しくて、地方への波及効果や雇用創出効果も評価されます。申請の手間も相当かかるので、10億円規模以上の投資を考えている場合に検討する補助金です。大阪では製造業・物流業・食品加工業あたりで活用事例が出ています。
佐藤

佐藤

編集長

私たちのような中小企業だと、やっぱり業務改善助成金や利益率向上補助金の方が現実的ですか?
室谷

室谷

代表取締役

大半の中小企業はそうですね。まず業務改善助成金(上限600万円)か利益率向上・賃上げ支援補助金(上限500万円)を軸にして、規模が大きくなれば大規模成長投資補助金を検討、という順番が自然です。

展示商談会で売上を伸ばしながら賃上げへ|大阪府の販路開拓支援補助金

佐藤

佐藤

編集長

さっきパッケージの中に「展示商談会」の補助金があると言ってましたが、これはどういう制度ですか?
室谷

室谷

代表取締役

大阪府の「中小企業展示商談会出展支援補助金」で、BtoB系の展示商談会への出展小間料を支援してくれます。補助下限10万円〜上限200万円で、補助率は2/3。
佐藤

佐藤

編集長

展示会の出展費用をカバーしてくれるんですね。令和8年7月〜12月の公募予定とのことで、これも賃上げ要件がある?
室谷

室谷

代表取締役

そうです、利益率向上補助金と同じ「1年後に給与支給総額を2%以上引き上げる宣言書」の提出が条件です。大阪府の賃上げ支援パッケージはこの要件で統一されていますね。売上を伸ばしながら賃上げの原資を作るという考え方がベースにあります。
佐藤

佐藤

編集長

賃上げに向けた多面的なアプローチが用意されているんですね。
室谷

室谷

代表取締役

大阪府が意図的に設計しているのは、「補助金を1つだけ使う」のではなく「複数の制度を組み合わせる」設計です。業務効率化で省力化投資→業務改善助成金・利益率補助金、売上拡大で展示会出展→展示商談会補助金、この2方向から賃上げ原資を生み出すルートが作られています。

大阪府の賃上げ補助金 比較表

制度名実施主体上限額補助率公募時期
利益率向上・賃上げ支援補助金大阪府500万円2/3令和8年5月中旬〜
業務改善・賃上げ促進補助金大阪府(国の上乗せ)200万円1/4未定(国と連動)
展示商談会出展支援補助金大阪府200万円2/3令和8年7月〜12月
業務改善助成金厚生労働省600万円3/4〜9/10令和8年9月1日〜
大規模成長投資補助金経済産業省50億円1/3以下通年(次回公募確認要)
佐藤

佐藤

編集長

こうして並べると選びやすいですね。補助率が一番高いのが業務改善助成金ですね。
室谷

室谷

代表取締役

そうですね。9割補助は珍しい。ただし補助率の高さと使いやすさは別で、業務改善助成金は最低賃金の引き上げと設備投資を必ずセットでやる必要がある。「設備投資はしたいが最低賃金を今すぐ引き上げるのは難しい」という場合は利益率向上補助金の方が要件が軽い。
佐藤

佐藤

編集長

自分の状況に合わせて選ぶということですね。
室谷

室谷

代表取締役

理想は2つ組み合わせることです。利益率向上補助金でまず投資して生産性を高め、そこで生まれた余力で賃上げを実施し、翌年以降に業務改善助成金を申請するという流れが一つの成功パターンです。

大阪府内の相談窓口|まず話を聞いてもらうところから

佐藤

佐藤

編集長

補助金って申請書類も多くて複雑じゃないですか。どこに相談したらいいんですか?
室谷

室谷

代表取締役

大阪府内で無料で相談できる窓口がいくつかあります。まず大阪府よろず支援拠点(公益財団法人大阪産業局内、TEL:06-4708-7045)は中小企業のあらゆる経営相談に対応していて、補助金申請のアドバイスもしてもらえます。
佐藤

佐藤

編集長

「よろず支援拠点」って国が各都道府県に設置しているやつですよね。
室谷

室谷

代表取締役

そうです。無料で何回でも相談できて、補助金選びから事業計画書の作り方まで伴走支援してくれる。業務改善助成金の相談は大阪労働局の助成金センターが窓口で、大阪府内の各ハローワークでも受け付けています。
佐藤

佐藤

編集長

商工会議所でも相談できますか?
室谷

室谷

代表取締役

はい。大阪商工会議所や各地域の商工会は、会員向けに補助金申請支援を無料でやっています。特にものづくり補助金や小規模事業者持続化補助金の相談では商工会議所経由の申請が多い。「取引かけこみ寺」(TEL:0120-418-618)も、取引トラブルや価格転嫁の相談窓口として2026年度から充実しています。

後払いの資金繰りリスクに注意

補助金は基本的に後払いです。先に設備投資や経費を支払ってから、実績報告→審査→入金という流れになります。大阪府の利益率向上補助金は旧テイクオフ補助金と同様、補助金の入金が早くて翌年1月〜3月の可能性があります。設備投資を先に全額自己資金で支払う必要があるので、事前の資金繰り計画が必須です。銀行からのつなぎ融資や、大阪府の「設備投資応援融資促進事業」の信用保証料補助も合わせて検討してください。

賃上げ補助金の申請フロー|GビズID取得が最初の一手

大阪府 賃上げ補助金 申請の流れ
大阪府 賃上げ補助金 申請の流れ
佐藤

佐藤

編集長

実際に申請するとき、何から始めればいいですか?
室谷

室谷

代表取締役

まずGビズIDの取得です。補助金の電子申請に必須で、法人代表者か個人事業主本人が申請する必要があります。取得に2〜3週間かかるので、補助金の公募が始まる前に準備しておく。
2補助金の公募要領を入手する。大阪府の場合は府のホームページに掲載される。要件・対象経費・スケジュールを確認
3賃上げ計画を策定する。「1年後に給与支給総額を2%以上引き上げる」等の要件を満たす計画を作る。従業員への宣言書も準備
4事業計画書を作成する。「なぜこの投資をするか」「どれだけ生産性が上がるか」「その結果どう賃上げに繋がるか」の論理を明確に
5申請書類を揃えてjGrantsから電子申請する。法人税・消費税の完納証明書、確定申告書、賃上げ宣言書などが一般的に必要
6交付決定を受けてから発注・契約・支払いを行う。交付決定前の発注は補助対象外になるので絶対に注意
7事業完了後に実績報告書を提出→審査→補助金入金
佐藤

佐藤

編集長

交付決定前に動いてはいけないというのは重要なポイントですね。
室谷

室谷

代表取締役

これで不採択になるケースが実際に出ています。「もう採択されると思って先に発注した」という話を聞くたびに心が痛いです(笑)。必ず採択通知・交付決定通知を受け取ってから動いてください。
佐藤

佐藤

編集長

ありがとうございます。今日のまとめとして、大阪の中小企業が賃上げに使える補助金を選ぶ際のポイントを教えてもらえますか?
室谷

室谷

代表取締役

3つに絞ると、①まずGビズIDを今すぐ取得する、②5月〜6月に大阪府の利益率向上補助金(上限500万円、補助率2/3)に申請する、③9月以降に業務改善助成金(上限600万円、補助率最大9/10)を組み合わせる、この順番が最も王道です!よろず支援拠点に事前相談して事業計画書の論理を固めてから申請すると採択率が上がりますよ。
佐藤

佐藤

編集長

具体的なアドバイスをありがとうございました。大阪府の賃上げ支援制度が充実しているとわかりました。
室谷

室谷

代表取締役

補助金は「申請しなければゼロ」なので、まず相談から始めてみてください!大阪府内の補助金・助成金は大阪府の補助金一覧ページでも確認できます。賃上げ関連の省力化補助金(ID:58)業務改善助成金(ID:154)の詳細ページも合わせてご覧ください。