まずは事業の性質を整理しよう

佐藤

佐藤

編集長

室谷さん、中小企業の新規事業に使える補助金ってたくさんあると聞きましたが、どこから手を付ければいいか迷っています。代表的なものを教えてください。
室谷

室谷

代表取締役

そうですね。まず大事なのは、「既存事業の転換か、まったく新しい事業か」で使える補助金が変わることです。たとえば、新しく会社を起こすなら自治体の創業補助金、既存企業が新分野に進出するなら事業再構築補助金やものづくり補助金が向いています。今日はいくつか具体的に見ていきましょう。

自治体の創業補助金で初期費用を抑える

佐藤

佐藤

編集長

まず、創業段階で使える補助金を教えてください。
室谷

室谷

代表取締役

はい。例えば、三重県鈴鹿市の令和8年度創業促進補助金は、市内で新たに事業を始める個人向けで、経費の2分の1、上限30万円を補助します。ただし、鈴鹿市の「特定創業支援等事業」による支援証明が条件です。商工会議所などで経営や財務の研修を受けてから創業する必要があります。
佐藤

佐藤

編集長

なるほど、事前の研修が必須なんですね。ほかにもありますか?
室谷

室谷

代表取締役

奈良県橿原市の橿原市起業等スタートアップ補助金は、空き店舗を活用した新規起業を支援し、改修費の2分の1、上限50万円(空き店舗活用なしの場合は20万円)を交付します。こちらも「かしはら創業塾」などの受講が条件です。地域の創業支援策とセットになっているのが特徴です。
佐藤

佐藤

編集長

地元の支援機関と連携して申請するんですね。こうした制度は、自治体のホームページで確認できますか?
室谷

室谷

代表取締役

はい、よろず支援拠点などでも情報を得られますし、市区町村の商工担当課に直接問い合わせるのが確実です。

国・県の大型補助金で事業を加速させる

佐藤

佐藤

編集長

次に、もっと規模の大きい補助金はありますか?
室谷

室谷

代表取締役

はい。経済産業省のものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(21次締切)は、革新的なサービス開発や試作品開発に使え、上限4,000万円、補助率2/3まで出ます。全業種対象で、働き方改革やインボイス対応にも活用できます。20次締切(id:125)も上限3,500万円で同様です。
佐藤

佐藤

編集長

かなり大きな金額ですね。事業再構築を考えている場合はどうでしょう?
室谷

室谷

代表取締役

第十三回 事業再構築補助金_GX進出類型では、グリーン分野への進出で上限1億5,000万円、成長分野進出枠では上限7,000万円の補助が受けられます。コロナ回復加速枠も含まれ、廃業を伴う場合には廃業費の上乗せも可能です。ただし、補助率は公募要領の確認が必要です。
佐藤

佐藤

編集長

GX関連や新分野への大胆な転換を考えている企業向けですね。
室谷

室谷

代表取締役

そうです。また、石川県の新商品・新サービス開発支援事業助成金は、地域資源を活用した新商品開発に上限500万円、補助率2/3以内。海外販路開拓も含めた一貫支援が魅力です。
佐藤

佐藤

編集長

地域の特性を活かしたものづくりにも使えるんですね。

地域資源を活かした新商品開発補助金

佐藤

佐藤

編集長

さらに地域密着型の補助金も教えてください。
室谷

室谷

代表取締役

長野県茅野市の新商品開発事業補助金は、八ヶ岳や縄文遺跡など地域資源を活用した一般消費者向け新商品の開発経費を補助します。上限30万円、補助率2分の1。また、新技術・新製品研究開発事業補助金は製造業・情報サービス業向けで、5つの型があり、一般型は上限100万円、補助率2分の1です。
佐藤

佐藤

編集長

茅野市は補助金の種類が豊富ですね。
室谷

室谷

代表取締役

愛知県岡崎市の新製品共創事業は、他社と共同で試作品を開発する場合に原材料費を補助。上限30万円、補助率2分の1で、何度でも申請可能です。単独開発ではなく、共創が要件です。
佐藤

佐藤

編集長

他社と組むことで新しい発想が生まれそうですね。
室谷

室谷

代表取締役

さらに、岡崎市にはプラットフォーム活用事業(上限50万円)や知的財産権取得事業(上限30万円)もあります。新製品開発の周辺施策もカバーされています。
佐藤

佐藤

編集長

知的財産権まで補助してくれるのはありがたいです。
室谷

室谷

代表取締役

なお、京都市の企業立地促進制度補助金は、本社や工場を新設・増設する際の固定資産税等を補助。上限1億円、中小企業は100%補助と手厚いです。同市のグローバル・ニッチ・トップ企業育成補助金は、認定を受けた中小企業向けで、上限1億円、業種制限なし。

まとめと相談窓口

佐藤

佐藤

編集長

新規事業といっても、創業段階、事業転換、新商品開発など様々なフェーズがあるんですね。最後に、補助金を探す際のポイントを教えてください。
室谷

室谷

代表取締役

まずは自社の事業計画を明確にし、「既存事業の一部を転換するのか、全く新しい事業を始めるのか」を整理しましょう。その上で、国・都道府県・市区町村の補助金を比較します。今回紹介したもの以外にも、地域独自の制度はまだまだあります。経済産業省の「経営・創業支援」ページ(https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/)や、全国47都道府県にあるよろず支援拠点(https://yorozu.smrj.go.jp/)で無料相談ができます。
佐藤

佐藤

編集長

相談窓口を活用すれば、自分に合った補助金が見つかりやすそうですね。本日はありがとうございました。
室谷

室谷

代表取締役

ありがとうございました。ぜひ積極的に活用してください。