山梨県で使えるインバウンド補助金の補助上限額比較
最近、山梨に外国人観光客が増えてますよね。富士山の近くっていうのもあって、インバウンド需要が高まっているっていう話を聞いたんですけど、実際どうなんですか?
そうですね、山梨県は富士山エリアという圧倒的なブランドがあるので、インバウンドの伸びは全国でも上位に来ます。2023年のコロナ明けから一気に戻ってきた感じがあって、宿泊施設、飲食、体験プランを提供している事業者さんから「外国人対応をどうすればいいか」という相談がすごく増えているんですよ。
国と県を合わせると17件以上。山梨県独自の制度も含めると相当な数があります。今日はその辺りを整理していきましょうか。
インバウンド関連の補助金は、大きく4つのカテゴリに分けて考えるとわかりやすいです。
| カテゴリ | 代表的な補助金 | 主な対象者 |
|---|
| 観光コンテンツ造成 | 観光庁コンテンツ化促進事業 | DMO・観光協会・民間事業者 |
| 宿泊施設対応 | 宿泊施設インバウンド対応支援(バリアフリー・ストレスフリー) | 宿泊業者 |
| 酒類・食文化輸出 | 酒類業振興支援事業費補助金 | 酒類製造・卸・小売業者 |
| 国立公園整備 | 国立公園等資源整備事業費補助金 | 地方公共団体・DMO |
そうなんです。「インバウンド」って一言で言っても、宿泊施設のバリアフリー化から、日本ワインの輸出、富士山周辺の国立公園整備まで幅広い。自分がどのカテゴリに当てはまるか、まず整理することが大事ですね。
金額が大きいのは観光庁の「観光需要分散のための地域観光資源のコンテンツ化促進事業」ですね。3つの類型があって、新創出型・分野特化型(ガストロノミー)・品質向上型に分かれています。
新創出型とガストロノミー型は400万円まで定額補助で、それを超える部分は補助率1/2、最大事業費2,100〜2,500万円まで対応しています。品質向上型はさらに手厚くて、800万円まで定額、超過分は1/2補助です。採択予定件数は新創出型が350〜400件、品質向上型が100件程度と、けっこうな規模で走ってるんですよ。
地方公共団体、DMO、観光協会、民間企業が対象です。山梨県だとやまなし観光推進機構が絡んだプロジェクトや、地域のDMOが絡んだコンテンツ造成が応募しやすいですね。詳細は
観光庁コンテンツ化促進事業のページで確認できます。
あります、環境省の「国立公園等資源整備事業費補助金」です。2つの枠があって、ひとつは多言語解説等整備事業で補助率2/3、もうひとつは利用拠点滞在環境等上質化事業で補助率1/2〜2/3です。
多言語サイン、Wi-Fi整備、トイレの洋式化、廃屋撤去、文化的まちなみ改善、無電柱化まで幅広いんですよ(笑)。国立公園満喫プロジェクトの一環で、富士山を「世界水準の観光地」にするという国の方針に沿っています。山梨の事業者にとってはかなり直接的に関係する制度で、詳細は
国立公園多言語解説整備事業のページをどうぞ。
補助上限が「10億円」って書いてあってびっくりしたんですけど(笑)
あれは上限なしに近い設計になっているので(笑)。実際には採択されるプロジェクト規模に応じて決まってきます。国立公園整備は自治体や大規模なDMOが主に使う制度ですね。
個人の宿泊施設経営者が使いやすい補助金はありますか?
宿泊施設向けは観光庁の「訪日外国人旅行者受入環境整備緊急対策事業費補助金」ですね。バリアフリー分野とストレスフリー分野の2種類があります。
バリアフリー分野は、車椅子対応客室、段差解消、手すり設置、多機能トイレなどの改修工事が対象で、補助上限500万円・補助率1/2です。ストレスフリー分野は、翻訳タブレット、多言語表示、Wi-Fi整備、キャッシュレス決済導入が対象で補助上限150万円・補助率1/3です。
そうですね。宿泊施設のオーナーさんが「外国人のお客さんに困らせてしまっている」と感じているポイントを、比較的少ない自己負担で整備できる制度です。バリアフリー分野の詳細は
こちらの制度ページで確認できますよ。
データとしては令和4年度の募集が終了していますが、毎年度同様の制度が継続される傾向があります。観光庁のサイトを定期的にチェックすることをおすすめします。それから山梨県には独自の観光コンテンツ造成補助金もあって、県のサイトで「新しい観光コンテンツ造成等支援事業費補助金」という制度を今もやってます。補助上限300万円、100万円まで定額で超過分は1/2です。
残念ながら今のDBには未登録ですね(笑)。でも山梨県の観光振興グループのページで直接確認できます。インバウンド対応のコンテンツ造成・高付加価値化・生産性向上に対応しているので、観光事業者さんにはぜひ見てもらいたい制度です。
インバウンドと酒類業振興ってどう関係するんですか?ちょっと意外でした。
山梨はワイン県として知られているじゃないですか(笑)。勝沼を中心に全国でも有数のワイン産地で、インバウンドで訪れる外国人の中にも「日本ワインを体験したい」というニーズが高いんです。
そうです!国税庁の「酒類業振興支援事業費補助金」は年に複数回公募があって、海外展開支援枠(最大1,500万円・補助率1/2)と新市場開拓枠(最大500万円・補助率1/2〜2/3)があります。酒蔵ツーリズムの推進や、インバウンド向け体験プログラムの開発も対象に含まれるんですよ。
令和7年度も8年度も同じような制度がありますね。毎年継続している感じ?
新市場開拓枠では小規模事業者は補助率2/3に引き上げられます。一般事業者の1/2より手厚くなるので、個人ワイナリーや小さな酒蔵さんにとっては特にお得です。
ブライダルとか日本文化体験向けの制度もありますよね?
ありますよ。「訪日外国人の受入に必要な基盤強化を実施するためのビジネスモデルを構築する事業」(最大500万円・1/2補助)と「海外に向けた日本文化等の魅力発信を実施するためのビジネスモデルを構築する事業」(最大300万円・1/2補助)です。ブライダル業や和食体験、伝統工芸など、日本ならではのサービスをインバウンドに提供したい事業者向けですね。
「ビジネスモデルの構築」っていうのがポイントですね。設備投資というより、仕組みを作る費用が出るわけか。
| 補助金名 | 補助上限 | 補助率 | 主な対象 | 特徴 |
|---|
| 観光コンテンツ化促進事業 | 〜2,100万円 | 定額+1/2 | DMO・観光事業者 | 需要分散・インバウンド向けコンテンツ造成 |
| 国立公園多言語解説整備 | 上限なし級 | 2/3 | 自治体・DMO | 多言語サイン・展示の整備 |
| 国立公園滞在環境上質化 | 上限なし級 | 1/2〜2/3 | 自治体・DMO | Wi-Fi・バリアフリー・景観整備 |
| 酒類業振興支援(海外展開枠) | 最大1,500万円 | 1/2 | 酒類製造・卸・小売 | 海外販路・酒蔵ツーリズム |
| 酒類業振興支援(新市場開拓枠) | 最大500万円 | 1/2(小規模2/3) | 同上 | 商品差別化・ICT活用 |
| 宿泊施設バリアフリー改修 | 最大500万円 | 1/2 | 宿泊施設 | 車椅子対応・段差解消等 |
| 宿泊施設ストレスフリー整備 | 最大150万円 | 1/3 | 宿泊施設 | 翻訳・Wi-Fi・キャッシュレス |
| 訪日客受入ビジネスモデル構築 | 最大500万円 | 1/2 | ブライダル等生活関連 | 外国人向け仕組みづくり |
| 日本文化等魅力発信BM構築 | 最大300万円 | 1/2 | 文化・体験事業者 | 海外向けサービス設計 |
| スポーツコンテンツ海外展開 | 最大3.5億円 | 定額 | スポーツリーグ等 | 海外ファン拡大・インバウンド誘客 |
| ユニバーサルツーリズム促進 | 公募依存 | 公募依存 | 観光施設・宿泊業 | 高齢者・障害者旅行環境整備 |
インバウンド補助金の申請フロー
まず一番大事なのがGビズIDの事前取得です。国の補助金はjGrantsというシステムから申請するものが多いんですけど、GビズIDがないとログインすらできません。取得に2〜3週間かかるので、補助金を使いたいと思ったら今すぐ申請しておくことをおすすめします(笑)
プライムアカウント(法人)は印鑑証明が必要で郵送で2〜3週間、エントリーアカウント(個人事業主)はスマホで即日取れます。あと忘れがちなのが補助金は後払いという点で、事業が終わってから経費を請求する形なので、立て替える資金が必要なんです。
そこは注意点で、特に宿泊施設の改修工事は先に工事費用を払ってからの請求になります。金融機関との事前相談や、つなぎ融資の検討も並行してやるといいですね。
これが一番忘れがちな点です。「申請したからもう動いていいだろう」と思って先に機材を買ってしまう方がいるんですが、採択通知が来る前の経費は対象外になります。特に複数の補助金を狙う場合は、採択のスケジュールをしっかり管理しましょう。
山梨県でインバウンド補助金を申請する際の加点ポイント
- 地域のDMO(やまなし観光推進機構)や観光協会との連携提案
- 富士山・南アルプス国立公園の資源を活用した計画
- グリーン・ゾーン認証との組み合わせ
- 複数の事業者が連携するコンソーシアム形式での申請
- 訪日外国人の消費データを活用したEBPMへの協力表明
採択審査では「地域全体への波及効果」が重視されることが多いので、単独申請よりも地域の観光団体と連携した形の方が評価されやすいです。やまなし観光推進機構は県のDMOなので、相談窓口として活用するとアドバイスももらえますよ。
さっき山梨県独自の補助金が別にあるという話が出ましたが、それも詳しく教えてもらえますか?
山梨県観光振興グループが実施している「新しい観光コンテンツ造成等支援事業費補助金」は、令和8年度版が2026年5月に新しく公募されました。補助上限300万円で、100万円まで定額、超過分は1/2補助です。
山梨県内に事業所があるDMO、観光協会、観光事業者が対象です。類型は3つあって、コンテンツ造成型(新しい観光コンテンツを一から作る)、新展開型(既存コンテンツの高付加価値化・新市場開拓)、生産性向上型(業務効率化・平準化)です。インバウンド対応の観点では、英語・多言語での体験コンテンツ開発や、外国人向けのプレミアムツアー造成が対象になります。
注意 - ユニバーサルツーリズム促進事業の申請について
「観光地・観光産業におけるユニバーサルツーリズム促進事業」は観光庁所管の制度で、高齢者・障害者が安心して旅行できる環境整備を支援します。詳細はユニバーサルツーリズム促進事業のページを確認し、次回公募情報を定期チェックしてください。
富士山というキラーコンテンツがあるので、国もかなりの予算を投じてインバウンドインフラを整備しようとしているんです。観光事業者にとっては今がチャンスで、うまく活用した事業者さんが先行者利益を取れる段階にあると思っています。
室谷さんとしては、山梨の事業者に特におすすめしたい補助金はどれですか?
宿泊施設だったら観光庁の宿泊施設インバウンド対応支援(バリアフリー・ストレスフリー)は一番直接的に使えます。ワイナリーや酒蔵さんは酒類業振興支援が毎年使えるので毎期チェックしてほしい。DMOや観光協会は観光コンテンツ化促進事業が金額も大きくておすすめです。自分のポジションに合う制度を見極めるのが大事ですね。
まとめると、「自分は何者か」を最初に整理することが大切だということですね!
そうです(笑)。インバウンドという大きなくくりの中に、宿泊・酒類・コンテンツ・バリアフリーという全く違う補助金が混在しているので、「観光業だから全部使える」と思うと迷宮に入ります。まず自社の事業内容を一言で言えるようにしてから、それに合う制度を絞る。この順番で進めるのが一番効率的です。
山梨県内の他の補助金も含めて探したい方は
山梨県の補助金・助成金一覧もあわせてご覧ください。インバウンド以外の目的別制度は
山梨県の目的別補助金なども参考になります。